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2011-12-10-第4回知識共有コミュニティワークショップ
- 1. 2011年12月10日
第4回知識共有コミュニティワークショップ
非常時と知識共有を考える
‐‐saveMLAKの活動を通して‐‐
国立教育政策研究所
教育研究情報センター
主任研究官
江草由佳
- 2. 自己紹介
江草由佳(えぐさゆか)
• 研究所の附属図書館(教育図書館)担当の研究員
– 教育図書館が作成・提供しているDBのブラッシュアップや
プロトタイプシステムの構築
– 図書館システムの仕様策定委員
– もちろん研究もやってます
• 最近はWeb利用者の情報探索行動
• saveMLAK システムチームリーダー(Tシャツ着てます)
• Code4Lib JAPAN Coreメンバー
• Next‐L プロジェクト
– オープンソース図書館システムプロジェクト
• 鶴見大学で非常勤講師(情報検索演習など)
- 5. 目次
• saveMLAKとは
• saveMLAKサイトの紹介
• 私の考えるsaveMLAKのモチベーション
• 情報がまとめられるとなにがうれしい?
• saveMLAK的平時の備えとは
• 共同入力・編集コミュニティの形成・維持
• 入力が進まない3つの恐怖症
• 3つの恐怖症克服と更新促進に対して具体的に行っ
た対策
• 「決定」を進めるしくみ saveMLAKのチーム制
• 現在の課題
• まとめ
- 6. 目次
• saveMLAKとは
• saveMLAKサイトの紹介
• 私の考えるsaveMLAKのモチベーション
• 情報がまとめられるとなにがうれしい?
• saveMLAK的平時の備えとは
• 共同入力・編集コミュニティの形成・維持
• 入力が進まない3つの恐怖症
• 3つの恐怖症克服と更新促進に対して具体的に行っ
た対策
• 「決定」を進めるしくみ saveMLAKのチーム制
• 現在の課題
• まとめ
- 8. saveMLAKの目指すこと※
‐‐忘れない・忘れさせない‐‐
• 支援を必要としている文化・教育施設を
• 災害の被害を
• 将来の有事に向けた備えを
忘れない・忘れさせない
そのための情報整備
間接支援活動が主
※あくまでも私が考えているsaveMLAKとはです。
- 9. saveMLAK誕生の経緯
• 元々は東日本大震災被害・救援情報まとめサイトとし
て、 M・L・A・K それぞれの別個にサイト開設
サイト名 開設日
savelibrary 2011年3月12日
savemuseum 2011年3月12日
savearchives 2011年3月13日
sevakominkan 2011年3月16日
• 2011年4月にはこの4つのサイトを統合
• saveMLAKとして http://savemlak.jp/ を開設
• saveMLAK プロジェクト
– 有志の集まり、緩やかなネットワーク
- 10. saveMLAKとは:人
• どんな人がやっている?
– MLAKの関係者、支援者の有志
• 何人くらい?
– MLの参加者は282人(2011/12/10時点)
– 打ち合わせ(Meet up)に参加する人は20~30人
(異なり)
– ウィキ(Webサイト)の更新者は273人(2011/12/10
時点)
(一度でも更新したことがあるID)
- 11. saveMLAKとは:やってきたこと
‐‐情報の収集・発信‐‐
• 東日本大震災をはじめとした災害において支
援が必要となったのMLAK施設の被害・救援・
運営情報、関連情報の収集・発信
• ウィキシステムを使って多人数で共同編集
– セマンティックメディアウィキというウィキペディア
とほぼ同じシステム
他にも、被災地へのヒアリングや、ボランティア派遣仲
介、など直接支援に近いことや、被災したMLAK施設
や関係者の支援、全国のMLAKが今回の震災に対し
て行なっている活動の推進、将来の震災に備えるた
めにMLAKができる活動の推進なども行っている
- 12. 目次
• saveMLAKとは
• saveMLAKサイトの紹介
• 私の考えるsaveMLAKのモチベーション
• 情報がまとめられるとなにがうれしい?
• saveMLAK的平時の備えとは
• 共同入力・編集コミュニティの形成・維持
• 入力が進まない3つの恐怖症
• 3つの恐怖症克服と更新促進に対して具体的に行っ
た対策
• 「決定」を進めるしくみ saveMLAKのチーム制
• 現在の課題
• まとめ
- 15. 施設の基本情報
施設ページ 名称
所在地
電話番号 など
近隣施設の地図
• 施設に
近隣施設の一覧
ついての
情報 被害状況
運営情報
救援状況
情報源
記入者
元情報
カテゴリ
http://savemlak.jp/東松島市図書館 RDF 15
- 21. 目次
• saveMLAKとは
• saveMLAKサイトの紹介
• 私の考えるsaveMLAKのモチベーション
• 情報がまとめられるとなにがうれしい?
• saveMLAK的平時の備えとは
• 共同入力・編集コミュニティの形成・維持
• 入力が進まない3つの恐怖症
• 3つの恐怖症克服と更新促進に対して具体的に行っ
た対策
• 「決定」を進めるしくみ saveMLAKのチーム制
• 現在の課題
• まとめ
- 22. 私の考えるsaveMLAKのモチベーション
• 困っている仲間(友達・知人・・・)に何かしたい
直接面識がなくても、同じコミュニティの
– 仲間の安否を知りたい 人は仲間という意識がある。
– 被災したことによって困っている仲間を助けたい
• 被災した、被害のあった施設の把握が必要
– 被災状況・運営(再開など)状況を施設ごとに共同
で収集し・共有しよう! そもそも被災地域に
– 困った: どれくらい施設がある
かわからない
• 施設の網羅的なリストがない
• 共同入力する・できる人が少ない
- 24. 目次
• saveMLAKとは
• saveMLAKサイトの紹介
• 私の考えるsaveMLAKのモチベーション
• 情報がまとめられるとなにがうれしい?
• saveMLAK的平時の備えとは
• 共同入力・編集コミュニティの形成・維持
• 入力が進まない3つの恐怖症
• 3つの恐怖症克服と更新促進に対して具体的に行っ
た対策
• 「決定」を進めるしくみ saveMLAKのチーム制
• 現在の課題
• まとめ
- 25. saveMLAK的平時の備えとは(1)
• 現実は:
– 共同入力プラットフォームはなかった
– 網羅的なリスト(入力用基本データ)が整備されて
いなかった
– 共同入力者(編集者)コミュニティが形成されていな
かった(コミュニティ中に共同入力できる人は少数)
災害発生
時
間
• 被災地域をゼロから調べて入力しつつ
• 網羅的なリストの作成しつつ
• 共同入力者の育成
- 26. saveMLAK的平時の備えとは(2)
• 理想的には
– 共同入力プラットフォームがある
– 網羅的なリストが整備されている
– 共同入力者(編集者)コミュニティが形成されてい
る
• 網羅的なリストがある
• 地域を超えた共同入力者が各地にたくさんいる
時
間
災害発生
• 網羅的なリストの被災地域の中から
• 入力できる人がどんどん入力!
- 27. saveMLAK的平時の備えとは(3)
• 知識共有プラットフォームを用意しておく
– 共同入力用システムの設置・・・ウィキに
– 入力規則・方針の作成・・・後で人が読んでわかればよい
• 入力用基本データを整備しておく
– 網羅的リストの入手・・・各種団体と交渉
– 入力用基本データの入力・更新・・・みんなでやる
• 共同入力・編集コミュニティを作っておく・維持する
– 共同入力者を増やす
– 共同入力方法の教育 とくに詳しく
– 共同入力・編集コミュニティの維持
– (運営の仕組みの工夫:チーム制)
- 28. 共同入力・編集コミュニティの
形成・維持
• saveMLAK ウィキに多くの人に入力してほしい
– ウィキに入力してくれる人が少ない・増えない・減っていく
– 1人に100編集ではなく、100人で1編集を目指す
• 2つのキーポイント(原因と対策)
– 入力・更新が進まない3つの恐怖症
• ウィキシステム恐怖症
• (記述)ルール恐怖症
• 共同編集恐怖症
→ TwitterやMLでサポート、ウィキ祭の開催、編集候補
の提示
– 正解がない・わからない、やってみないとわからないこと
だらけ
→ チーム制の導入
- 30. 1. ウィキシステム恐怖症
• ウィキシステムの使い方がわからない
– どうやって入力したらよいかわからない
– 新しいページの作成方法がわからない
– ページ名の変え方がわからない
• 対処法:
– わからなかったらすぐに人に聞くように(twitterやML)
• ヘルプをみろ/検索しろなんてことは絶対に言わない
• わかる人ができる範囲で答える
– 以前にだれかが質問したことでもいいから聞くように
– 難しいことはできる人にしてもらえばいい
– 中身を入力できるのはあなたしかできないとエンカレッジ
- 31. 2. (記述)ルール恐怖症
• 記述ルールを知らないと書けない
– 施設の名前の付け方がわからない
– 住所は郵便番号からつけるべき?
– 新しいものは上にかく?下にかく?
– ちょっと離れている間に新ルールができたかも?
• 対処法:
– ゆるいルールしかつくらない
• 基本ルールは1つ:「あとから人が見てわかるように書く」
– ルール破りの記述を批判しない
• 他の人が直せるので気にせず書くように伝える
– 追加する方向の記述は積極的に応援する
- 32. 3. 共同編集恐怖症
• 勝手に書き換えて変えたらだれかに怒られるか
も
• 勝手に情報追加したらだれかに怒られるかも
• 対処法:
– だれも怒りませんと伝える
– クリック2回で簡単に元に戻せるので安心して編集し
ろと伝える
– 追加する方向の編集はじゃんじゃんやるように伝え
る
• 「書式をなおすのはほかの人でもできるけど、情報を追加
するのはあなたしかできません」
- 33. 3つの恐怖症克服と更新促進に対して
具体的に行った対策
• TwitterやMLを使ったサポート・よびかけ
• 初心者用編集候補の作成
– Twitter, ML, うきうきウィキ祭でよびかけ
– 要更新が減っていく、更新済みが増えていく楽しさ
• うきうきウィキ祭の開催
– リアルのサポート
– リアルに会うことの重要性(懇親会も開催)
• チュートリアルの開催
• 編集者用FAQページの作成
- 34. Twitter
情報追加の
エンカレッジ
あやまることなんて
ない
残り件数の通知
サポート
http://twilog.org/yegusa/date‐110502
- 35. Twitter ケースバイケースで
よろしく(人が読んで
わかるならOK)
感謝の気持ちを言
葉で伝える
無理しないように
間違えていいんだよ
ケースバイケースで
よろしく(人が読んで
わかるならOK)
http://twilog.org/yegusa/date‐110502
- 36. Twitter
残り件数の通知
感謝の気持ちを言
葉で伝える
サポート
http://twilog.org/yegusa/date‐110502
- 37. メールの例
• カテゴリ:博物館になんで「ペンション」が入ってるの?
– https://groups.google.com/group/saveMLAK/msg/1cc893ec035fd9
29?hl=ja
– → カテゴリの説明を追加するとよい
• 位置情報をいれるためのgecodingを別ウインドウで開くように
してほしい
– https://groups.google.com/group/saveMLAK/msg/ebb58d94b1882
3e6?hl=ja
– →ブラウザの機能をつかってやってみてください
• 被災した施設へのリンクを自動でつけたい
– https://groups.google.com/group/saveMLAK/msg/ebb58d94b1882
3e6?hl=ja
– →各施設ページに[[Category:被害あり]]を入力しておけば、自動
的に、被害のあった施設へのリンクがつくれます。
注:URLはグループのページへのリンクなのでグループ内の人しかアクセスできません。
- 38. 初心者用編集候補の作成
• やりたいけど。。。という人を取り込む作戦
– そもそもどこから編集すればわからない
– 難しいものはいきなり編集できない
簡単なもの、やりやすいウィキページ編集候補リスト、
書き方のドキュメントを作成した
• 初心者用編集候補の作成
– Twitter, ML, うきうきウィキ祭でよびかけ
– 要更新が減っていく、更新済みが増えていく楽し
さ
- 42. うきうきウィキ祭の開催
• うきうきウィキ祭の開催
– リアルのサポート
– リアルに会うことの重要性(懇親会も開催)
• 参加方法
– 基本的な参加方法は、この日程中のどこかで、
saveMLAKのどこかのページを作ったり、修正するな
ど、なんらかの更新作業を行う。ただこれだけです。
– これだけだとつまらないので、twitter の#saveMLAKを
使って、今なにをやっているかつぶやいたり、 疑問点
をつぶやいたり、#saveMLAKをウオッチしたりしましょ
う。また、Ustreamで更新の様子を配信している会場
もあります。それをながめながら更新するのもよいで
しょう。
- 45. チュートリアル(60分)の開催
• スライド
http://www.slideshare.net/yegusa/20110613‐savemlak
• 映像 http://www.ustream.tv/recorded/15476104
• 内容:
– saveMLAKとは
– savemlak.jpにどんなページが?
• メイン、施設、コンテンツ、編集者用
– ウィキ(wiki)とは
– ウィキ記法
– やってみよう!
• 閲覧、(アカウント作成、)編集
– わからない・できないことがあったら?
– まずはやってみる、そして、聞く
- 47. 共同入力・編集コミュニティの
形成・維持
• saveMLAK ウィキに多くの人に入力してほしい
– ウィキに入力してくれる人が少ない・増えない・減っていく
– 1人に100編集ではなく、100人で1編集を目指す
• 2つのキーポイント(原因と対策)
– 入力・更新が進まない3つの恐怖症
• ウィキシステム恐怖症
• (記述)ルール恐怖症
• 共同編集恐怖症
→ TwitterやMLでサポート、ウィキ祭の開催、編集候補
の提示
– 正解がない・わからない、やってみないとわからないこと
だらけ
→ チーム制の導入
- 48. saveMLAKの活動において
決めなきゃならないことがたくさん
• 正解がない・わからない、やってみないとわからない
ことだらけ
• コンセンサスを得るのには時間がかかりすぎる、そもそも
全体のコンセンサスを得るのは不可能なことも
• スピード命
• 「こうやればいいと思いますがどうですか?」
• 「もう少し議論が必要ですね」
• 「検討をお願いします」ではなにも前にすすまない
• まずは「こう」やっちゃいましょうと決めて、実行して
いく必要がたくさんでてくる。
- 49. saveMLAKのチーム制
• チームメンバーはようは「決める人」
– (結果として「やる人」になることが大半だが「やる人」を割り振
るのもあり)
• チームメンバーは担当する事柄の様々なことを決める権
利がある
• 問題がもしあれば手戻りすればよいことになっている
– うまくいかなかったとしてもチーム(メンバー)を責めない
• 基本は仕事はチーム(複数人)で担当する
– 負荷分散のため
• チームリーダー
– 仕事が複数あるときに「決める人」(やる人)を割り振る人
– チーム内で意見が分かれることもあるので、チームリーダーを
そのなかのさらに上位の決める人としての役割も
– チームリーダーはそういう強い権限があるのでもちろんこの権
限を行使する配慮は必要
- 50. 目次
• saveMLAKとは
• saveMLAKサイトの紹介
• 私の考えるsaveMLAKのモチベーション
• 情報がまとめられるとなにがうれしい?
• saveMLAK的平時の備えとは
• 共同入力・編集コミュニティの形成・維持
• 入力が進まない3つの恐怖症
• 3つの恐怖症克服と更新促進に対して具体的に行っ
た対策
• 「決定」を進めるしくみ saveMLAKのチーム制
• 現在の課題
• まとめ
- 51. 現在の課題
• 消えつつある・変わりつつある外部Webページの対策
– Jdarchiveとの連携
• 更新の手がとまりつつある
– 飽きてきた?日々の暮らしに忙殺?
– どこから手をつけていいかわからない?
– 対策の案
• きっかけがあればなんとかなる?
• 一日一回の修正がモチベーションupになるような仕掛けがいるか
な
– 英語のヒアリングマラソンとかDSのドラクエのようなイメージ
• 東日本震災以外の地域・災害のための施設ページの
充実
– 先日の新潟、福島の大雨・浸水被害など
- 52. まとめ
• 「遠隔地」でできる非常時での知識共有
• 平時からしておくとよかったと思うこと3つ
– 知識共有プラットフォームを用意しておく
– 入力用基本データを整備しておく
– 共同入力・編集コミュニティを作っておく
• saveMLAKコンテンツ:メインページ、施設ページ、コンテ
ンツページ、編集者用ページ
• 入力が進まない3つの恐怖症と対策
1. ウィキシステム恐怖症・・・人に聞け、中身だけやれ
2. (記述)ルール恐怖症・・・緩いルール1つのみ
3. 共同編集恐怖症・・・だれも怒らない、いつでも直せる
• Twitter、ML、ウィキ祭り、チュートリアル
• saveMLAKのチーム制
- 53. さいごに
• saveMLAKプロジェクトでは活動を共にする同
志を常に募集しています
• saveMLAK ウィキ はだれでも編集大歓迎です
• 多くの方の参加をお待ちしております
53
MLAKくん by 渡辺ゆきの(http://kumori.info)