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東洋大学 産業組織論 A
独占企業の価格設定 II : (5/15)
原泰史
今日のポイント
• 独占企業の価格設定
• 独占を政策で防ぐ方法
練習問題
1. 独占企業の製品に対する需要はA市では QA=100-PAで、B市では140-
4PBである。独占企業の平均生産費用と限界生産費用は一単位あたり5
である。
問1. 独占企業がA市とB 市で同じ価格をつけなければならない
ならば、両市あわせてこの財への総需要はいくらか。独占企業
の生産量と価格を求めよ。
問2. 独占企業がそれぞれの市で別々の価格をつけてよいなら
ばこの企業は各市でどれだけ生産し、価格をいくらに設定する
か。
問3. 問2. において、均衡状態の需要の価格弾力性を求めよ。
独占企業はどちらの市場でより高い価格をつけるのか確認しなさい。
練習問題の提出方法
• 提出期間
• 2014-05-13 21:30~ 2014-05-20 19:50
• ToyoNet-ACE を通じて、解法したものをPDF または Word にしてアッ
プロードし提出すること
• もしくは講義終了時に提出すること
講義スケジュール (前期, 前半)
• 1. 4/8: オリエンテーション(産業組織論ってなんだろう?)
2. 4/15: 経済学で使う数学を振り返る & 産業組織分析の基礎 I
• (泉田・柳川 pp.22-28、長岡・平尾 pp.1-16)
• 3. 4/22: 経済学で使う数学を振り返る & 産業組織分析の基礎 II
• (泉田・柳川 pp.28-44、長岡・平尾 pp.1-16)
• 4. 4/29: 独占企業の価格設定 I
• (泉田・柳川 pp.45-54、長岡・平尾 pp.43-68)
• 5. 5/13: 独占企業の価格決定 II
• (泉田・柳川 pp.54-68、長岡・平尾 pp.43-68)
• 6. 5/20: 自然独占と規制 I
• (泉田・柳川 pp.69-76、長岡・平尾 pp.247-272)
• 7. 5/27: 自然独占と規制 II
• (泉田・柳川 pp.77-87、長岡・平尾 pp.247-272)
• 8. 6/3: 中間テスト
講義スケジュール (前期, 後半)
• 9. 6/10: 参入の経済効果 I (泉田・柳川 pp.87-96)
10. 6/17: 参入の経済効果 II (泉田・柳川 pp.96-106)
11. 6/24: 休講 (学会での研究発表のため)
12. 7/1: ゲーム理論 (泉田・柳川 pp.107-121)
13. 7/8: 技術進歩と研究開発競争 I (長岡・平尾 pp.187-198)
14. 7/15: 技術進歩と研究開発競争 II (長岡・平尾 pp.199-206)
15. 7/22: 期末試験
• 公式な試験日は7/29 ですが、国際学会@ドイツ に出席する必要があるため
講義内に期末試験を行います.
• 休講がもう一回入る場合は8/1-7 の間に補講します。
教科書
• 泉田・柳川 (2010)
『プラクティカル産業組織論』
有斐閣アルマ
• 長岡・平尾 (2013)
『産業組織の経済学 第二版』
日本評論社
今日の内容
• 前半 : 独占企業 (3)
• 泉田・柳川 pp.54-68
• 市場分割による価格差別
• 二部料金と抱き合わせ販売
• 二部料金
• バンドリング
• 後半:独占企業 (4)
• 長岡・平尾 pp.43-68
• 反独占政策
前半: 独占企業 (3)
市場分割による価格差別
市場分割
• 顧客をグループごとに分けてグループごとに
異なる価格を設定する
• 例.ディズニーリゾート
• 時間帯
• 曜日
• 年齢
• カップル
などの情報を元に全て異なる価格を設定
• 需要の価格弾力性の小さな人には高い価格
をつけて、需要の価格弾力性の大きな人には
低い値段をつける
市場分割による価格差別
• 収入 (R) の変化率 = 価格 (P) の変化率 + 生産 (Q) の変化率
• R = P*Q のとき価格が△P, 生産が △Q 変化するとR の変化率△R は、
• △R=(P+△P)(Q+△Q)-PQ = PQ-PQ+P△Q+Q△P+△P△Q
ここで △P△Q は非常に微小な変分となるため、
・△R=Q△P+P△Q となる。これをそれぞれRとPQ で右辺左辺を割ると、
• 収入の変化率 △R/R = 価格の変化率 △P/P + 生産の変化率 △Q/Q
• また、需要の価格弾力性 ε = - (△Q/Q)/(△P/P) を用いて書き直すと、
•
△𝑅
𝑅
=
△𝑃
𝑃
1 +
△
𝑄
𝑄
△
𝑃
𝑃
=
△𝑃
𝑃
(1 − 𝜀) : 価格の変化率 x (1-需要の価格弾力性)
市場分割による利潤増加
• 需要の価格弾力性が1 の場合、収
入は変化しない △R=0
• 需要の価格弾力性が 0.5 の場合、△𝑅
𝑅
= 0.5
△𝑃
𝑃
となるため価格を1%
あげても生産量は0.5しかへらず生
産量は増える
• 需要の価格弾力性が1より大きな
場合、価格を下げることにより利
潤を増加させることができる
• 需要の価格弾力性が1より小さな
場合、価格を上げることにより利
潤を増加させることができる
• 市場を価格弾力性の大きな市場と
小さな市場に分割する
• 大きな市場の弾力性 2
• 小さな市場の弾力性 0 とする
• 小さな市場の価格を1%Up
• 大きな市場の価格を1%Down
• 弾力性が0の場合, △R/R=1*(1-
0)=1 なので価格を引き上げても需
要は減らず、 収入が1% 増加する
• 弾力性が2の場合、△R/R=-1*(1-
2)=1 なので価格を引き下げると生
産量が増加するので収入が1% 増
加する
市場分割の例
• 航空市場
• 搭乗率を上げるため、様々な価格体系を用
意する
• ファースト: 需要の価格弾力性 : 低
• ビジネス: 需要の価格弾力性: 中
• エコノミー: 需要の価格弾力性: 高
• 直前に予約するビジネス客には高い運賃を、
事前に計画建てて予約する観光客には低
い運賃を設定する
• 平日はビジネス客向け、休日は観光客向け
の価格を設定する
• 日曜日発便と月曜日発便で価格設定を変える
運賃種別 座席 滞在日数 予約変更
払戻(未使
用時)
アップグ
レード
空席状況 価格
エコノミー
クラス普
通運賃
Premium
Economy
最長1年 可能です 可能です 対象です OK
834850
規則/購入期限
一部機材
を除く
ビジネス
クラス普
通運賃(タ
イプB)
ビジネス 最長1年 可能です 可能です 対象です OK
1149850
規則/購入期限
エコ割7
(タイプC) エコノミー
3日~2ヶ
月
できませ
ん
条件あり
対象外で
す
OK
278350
規則/購入期限
エコ割7
(タイプA) エコノミー
3日~2ヶ
月
条件あり 条件あり 対象です OK
328350
規則/購入期限
エコ割ス
タンダード
ライト
エコノミー
2日~3ヶ
月
条件あり 条件あり 対象です OK
429850
規則/購入期限
エコ割ス
タンダード エコノミー最長3ヶ月 条件あり 条件あり 対象です OK
479850
規則/購入期限
エコ割プ
レミアム
Premium
Economy
最長6ヶ月 条件あり 可能です 対象です OK
519850
規則/購入期限
一部機材
を除く
ビジ割
ビジネス 最長6ヶ月 条件あり 条件あり 対象です OK
874850
規則/購入期限
https://www.ana.co.jp/asw/index.jsp?type=i
市場分割と効率性
• 市場分割によって、企業は生産
者余剰を増加できる
• 消費者は、
• 値上げされるグループ
• 値下げされるグループ
に分割される
• 値下げされるグループは購入量
が多くなり、消費者余剰が増加す
る。値上げされるグループは購入
量が減り、消費者余剰が小さくな
る
• 経済厚生
• 総生産量が減る場合
• 総生産量が増えても弾力性の低
いグループの消費者余剰の低下
が大きく、弾力性の高いグループ
の消費者余剰と生産者余剰の増
加の合計を上回る場合
⇒ 総余剰は低下する
• 弾力性の小さな市場で価格を引
き下げる場合、生産量は増加す
るため、総余剰の増加に繋がるこ
とが多い
二部料金と完全価格差別
• 消費者の需要曲線 DD
• 限界費用 C
• 企業は二部料金を用いる
• 固定料金 T
• 従量料金 PQ
• 収入は R = T+PQ
• 従量料金 = 限界費用とすると、
消費者は Q* 購入し、消費者余
剰は S となる
P
Q
D
D
c MC
Q*
S
二部料金と完全価格差別
• 固定料金として S を設定した場
合
• 消費者余剰は0
• 生産者余剰は最大
• 死荷重は発生しない
• 経済効率性は達成している
P
Q
D
D
c MC
Q*
S
二部料金による利潤増加
• 需要の大きなグループ : DD
• 需要の小さなグループ : dd
• 限界費用 c
• それぞれのグループにひとりずつ
• 複数の価格プランを提示することで、
利潤を高めることを考える
P
Q
D
D
c MC
Q2
d
d
1
2 3
4
5 6
Q1 Q3 Q4
二部料金による利潤増加
• 従量料金 c の場合、
• 需要の大きな消費者 : Q4
• 消費者余剰 [1]+[2]+[3]+[4]+[5]+[6]
• 需要の小さな消費者: Q2
• 消費者余剰: [1]+[2]+[3]
• A. 固定料金=消費者余剰とすると、
• 生産者余剰は 2*([1]+[2]+[3])となる
• B. 従量料金 c, 固定料金
[1]+[2]+[3]+[4]+[5]+[6] の場合、
• 需要の小さな消費者は購入しない
• 生産者余剰 [1]+[2]+[3]+[4]+[5]+[6]
P
Q
D
D
c MC
Q2
d
d
1
2 3
4
5 6
Q1 Q3 Q4
c+e
二部料金による利潤増加
• 従量料金 c+e の場合、
• 需要の小さな消費者 Q1
• 需要の大きな消費者 Q3 購入
• C. 固定料金を[1] とした場合
• 生産者余剰は 2[2]+[3]+[5] (従量料金) + 2[1] (固
定料金) なので、2([1]+[2])+[3]+[5]
• D. 固定料金を[1]+[4] とした場合、
• 需要の小さな消費者は購入しない
• 生産者余剰: [2]+[3]+[5] (変動料金) + [1]+[4] (固
定料金) = [1]+[2]+[3]+[4]+[5]
• D は B より生産者余剰が小さくなるため採用
されない
• AとC を比較した場合、[5]>[3] となるとき、C の
ほうが生産者余剰が大きくなる
• 価格の増加分 e が小さい場合、 [3] は小さくなる
ので [5] > [3] となる (従量料金を限界費用より引
き上げることで、利潤を高めることができる)
P
Q
D
D
c MC
Q2
d
d
1
2 3
4
5 6
Q1 Q3 Q4
c+e
二部料金による利潤増加
P
Q
D
D
c MC
Q2
d
d
[1]
[2] [3]
[4]
[5] [6]
Q1 Q3 Q4
パター
ン
従量
料金
固定料金 生産者余剰
(従量料金+固定料金
からのからの利潤)
A P=c [1]+[2]+[3] 0+2([1]+[2]+[3])
B P=c [1]+[2]+[3]+[4]+[5]
+[6]
0+([1]+[2]+[3]+[4]+[5]
+[6])
C P=c+e [1] (2[2]+[3]+[5])+2[1]
=2([1]+[2])+[3]+[5]
D P=c+e [1]+[4] ([2]+[3]+[5])+([1]+[4])
=[1]+[2]+[3]+[4]+[5]
「限界費用より高い従量料金と相対的に低い固定料
金」、「限界費用に等しい低い従量料金と相対的に高
い固定料金」という複数の価格プランを提示することで、
需要の小さなグループは前者を選び、需要の大きなグ
ループは後者を選ぶ
二部料金と効率性
• PM : 需要の小さな消費者に対する独占価格
• 企業
• 従量料金 PM
• 生産者余剰□ PM MDC
• 固定料金 △ AM PM
• 従量価格を PM からB に e だけ引き下げる
• 従量料金 B
• 生産者余剰 □ BNCE
• 固定料金 △ ANB
• 利潤は増加する
• 二部料金によって、従量価格と限界費用
の差は小さくなり、企業の利潤が増加す
るだけではなく、いずれの消費者に対す
る販売から得られる総余剰も増加する
(効率性の改善)
P
Q
d
d
c MC
QM
MR
B
Q*
PM
M
Ne
D E
A
バンドル
• 抱き合わせのうち、主たる商品と従
たる商品の比率が一定のもの
• 例. ケーブルテレビとネットと電話の
セット販売
• インターネット
• 固定電話
• 携帯電話
• ケーブルテレビ
の契約をひとまとめにして提供する
http://www.himawari.co.jp/plan_fee/plan/
バンドル
ケーブルテレビ インターネット
消費者A 2000円 3000円
消費者B 3000円 1000円
• バンドルの例
• バンドルによる余剰変化
• バラ売り
• 消費者A : 0円
• 消費者B : 1000円
• 生産者: 7000円
• セット売り
• 消費者A : 1000円
• 消費者 B: 0円
• 生産者: 8000円
• 総余剰 9000円
• バンドルで利潤が増えるのは、消費者の支払い
許容額をより多く獲得でき、費用を上回る支払い
許容額を持つ消費者が、バンドルされることで購
入するようになるため
• 消費者Aと消費者B の支払い許容
額が右図のように与えられる
• 「バラ売り」の場合
• ケーブルテレビ 2000円
• インターネット 3000円
とすると消費者 A は両方を契約し、
消費者B はケーブルテレビのみ契約
する
• 利潤は 7000円
• 「セット売り」の場合
• あわせて4000円で販売
• 消費者がふたりとも契約
• 利潤は8000円
Intermission
• 中間試験
• 練習問題をきちんと解いておくこと
• 期末試験
• 定期試験時にヨーロッパ出張がはいりそうなので、やはり15回目で実施しようとおも
います。
• 講義資料のアップロード先
• Facebook Page
• https://www.facebook.com/toyo.io.2014
• SlideShare
• http://www.slideshare.net/yasushihara/presentations
• Toyonet-Ace
• 講義人数が固まりつつあるので、利用を開始します
後半:独占企業 (4)
ゼロックス社のケース
• 1950年代: コピー機の独占企業
• コピー機は販売するのではなく貸与
• コピー用紙はゼロックス社に限定
• 顧客のコピー機使用頻度を把握して、
使用頻度の高い顧客にはコピー用
紙を多量に売る価格差別を実施
• IBM
• コンピュータを販売するのではなく貸
与
• パンチカードは自社製を推奨
• 1970年代: アメリカ政府に反トラ
スト法で訴えられる
• 1975年: 同意判決
• コピー機の基本特許の実施権を
ライセンス契約で他社に与える
• ライセンス提供時に他社に提供
する
• コピー機の販売を解禁する
• コピー機市場は競争市場へ
http://edition.cnn.com/2010/TECH/03/30/xerox.copier.turns.50/
ゼロックス社のケース
• 2013年シェア
• 1. ヒューレッドパッカード
• 2. キヤノン
• 3. エプソン
• 4. ブラザー
• 5. サムソン
Source: IDC Worldwide Quarterly Hardcopy Peripherals Tracker, February 2014
デビアス社のケース
• 19世紀末南アフリカで設立
• 1900年ごろまでは世界のダイヤ
モンド生産の99% を支配
• 今日も世界生産を15%, ダイヤ
販売の80% を保持
• CSO (Central Selling
Organization)
• 自社製品のみならず、世界中の
主要産出国のダイヤを売買して
いる
http://markethack.net/archives/51781614.html
デビアス社のケース
• ダイヤ価格維持政策
• 1. CSO によるダイアモンド販売のカルテル化
• CSOの外側で販売しようとする生産者が出た場合、素早く同品種のダイヤを大量に市
場に供給して違反者をこらしめ、ダイヤの値崩れを防ぐ
• 2. 価格維持のためのバッファー機能
• ダイヤ需要が落ち込んだ場合、ダイヤを大量に買い支えて値崩れを防ぐ
• 旧ソ連崩壊後、ダイヤが大量に市場に放出された場合も、1990年から5年間にわたりロ
シア産のタイヤ原石の95% を独占的に買い付ける対価として、毎月10億ドル支払う五
カ年契約をロシアと締結
• 3. 広告での積極的な戦略
• 「ダイヤモンドは永遠に」
ダイヤモンドは永遠に
• “1947年、デビアスの仕事をしていたフランセ
ス・ゲレティ(Frances Gerety)という若いコピー
ライターは、一括りの資料を受け取ります。そ
れは、ダイヤモンドの特性や伝説のすべてを
表現しつくす1行の広告コピーを考案するた
めのものでした。夜遅くまで資料に向かって、
一向に進展しない仕事に音をあげそうになっ
ていたそのとき、フランセスは突如、ひと綴り
の文を走り書きます。その一行こそ、後に20
世紀の最も象徴的な広告スローガンと言わ
れることになる「A Diamond is Forever」でした。
当時の書籍や映画に「・・・is forever」というタ
イトルが流行ったり、このキャッチコピーを主
題にした歌が、人気のアーティストたちによっ
て世界中で繰り返しレコード化されました。”
• “このとき以来、ダイヤモンドは、今日的な愛
のセレモニーや誓いになくてはならぬ、永遠
のきずなをたたえるものとなりました。デビア
スによって、ダイヤモンドは、愛、希少性、希
望のメッセージを運ぶ世界共通の言語となっ
たのです。”
http://www.debeers.co.jp/culture/current-news-and-
events/9108230c-8a7f-4c43-bad6-b7699374c534/a-diamond-
is-forever
反独占政策 (1)
• 独占による経済厚生の非効率
性を抑止する方法
• 事前の政策 : 市場の独占化を予
防する政策
• 事後の政策 : 独占状態にある市
場の弊害を小さくするための政策
• 事前の政策
• 合併・買収規制 : 市場で有力な企
業同士が合併して、強力な独占
状態を形成する
• 20世紀初頭のアメリカ:
• スタンダード・オイル
• USスチール
• アメリカンタバコ
• 独占禁止法
• 市場を独占するような合併・買収を
禁止する
• 私的独占、不当な取引制限、競争
を実質的に制限する合併や企業結
合、不公正な取引方法を規制する
反独占政策 (2)
• 事後の政策
• 独占的な企業の企業分割
• スタンダード・オイル
• AT &T
• マイクロソフト (分割されず)
• 1998年反トラスト法で提訴され、OS
部門とそれ以外の部門で分割され
ることになったが2001年マイクロソ
フトと米司法省が和解
http://blog.nus.edu.sg/bpduyet/2012/04/04/microsoft-antitrust-case-the-monopoly/
マイクロソフトと独占• - Invest heavily on developing and popularizing IE. In fact,
IE was distributed freely, but in order to protect
proprietary Windows.
• - Require OEMs to compulsorily bundle IE with the
preinstalled Windows (IE 4.0, Windows 95) and not other
browsers. This meant that PC users might reluctantly
install other browser, because IE was in an advantage
position.
• - Continue to request OEMS to preinstall IE on later
Windows version.
• (For this, Microsoft viewed its IE as a separate product
from Windows)
• - Require OEMs to adopt the same bootscreen and
desktop. For example, IE icons always appeared on
desktop at the first time after you bought a Win95/98 PC.
This made IE prominent.
• - Agreement with Online Service Provider (CompuServe,
AT&T, AOL): Windows would be bundled with a list of
those channels (you may see a channel folder on Win 9x),
and force OSP to promote IE but not other browsers.
• - Force channel websites to be designed in compliance
with Windows and IE, and those sites might not be
viewed best in other browsers.
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
Mosaic Netscape Classic
Trident (Internet Explorer for Windows) Gecko (Mozilla, Firefox, Netscape 6+, etc)
WebKit (Safari) Presto (Opera 7+)
Others
http://en.wikipedia.org/wiki/Browser_wars
マイクロソフトへの規制
• 米国、日本、欧州の競争政策当局
• OSと他のパソコン利用ソフト (ブラウザー、オフィ
ス、メディアプレイヤー)を抱き合わせて販売す
ることを禁止
• “Microsoft、WMP非搭載の「Windows XP N」
を欧州市場向けに出荷開始”
• “Microsoftは8日(現地時間)、欧州委員会が要
求していた、Windows Media Playerを搭載しな
いOS「Windows XP Professional N」および
「Windows XP Home Edition N」を6月15日より、
PCメーカー向けに出荷を開始すると発表した。
6月15日より出荷が開始されるのは、英語/フラ
ンス語/ドイツ語/イタリア語/スペイン語の5つの
バージョン。そのほか、チェコ語/デンマーク語/
オランダ語/フィンランド語/ギリシア語/ハンガ
リー語/ノルウェー語/ポーランド語/ポルトガル
語/スウェーデン語の11バージョンは7月1日より
出荷が開始されるとした。
• Microsoftは、従来よりWindows Media Playerを
OSと抱き合わせ販売することで公正な競争を侵
害し、他社の参入を妨げているなどの指摘を欧
州委員会からうけており、是正措置として、
WMPを分離したバージョンのWindows XPを要
求されていた。Windows XP Nの名称は、
Microsoftが当初提示していた9つの名称候補に
不服とした欧州委員会が命名したもの。”
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0609/ms.htm
反独占政策 (3)
• 事後の政策
• 独占企業が有している特許やノウ
ハウのライセンシング
• ゼロックス社
• 政府による新規参入への直接的
支援
• 価格の上限設定
• 単純に独占が「悪」ではなく、独
占によって経済的な不公正が生
まれた場合と区別する必要
• 行動規制
• 独占的な企業は、業界カルテル
の結成を計ったり、新規参入を阻
害するような行為を行う可能性が
ある
• 集中度の高い市場で競争が減少
すると、社会的な不利益が起きる
可能性がある
• マイクロソフトの場合
• OS 市場での独占的な立場を利用し
て補完的なソフトも独占できる
• それによって、OS の独占を強化する
危険性もある
今日のまとめ
• 独占企業の経済学的な特徴
• 二部料金
• バンドル
• 反独占政策
連絡方法
• 東洋大には 9:00-10:30 と, 19:50-21:20 しかいません
• 非常勤のためオフィスアワーを設定できませんので、以下の手段で
ご連絡ください。
• ツイッター @harayasushi
• フェイスブック : https://www.facebook.com/toyo.io.2014
• LINE : @harayasushi (LINE は東洋大内では遮断されているようです)
次回予告
• 5/20: 自然独占と規制 I
泉田・柳川 pp.69-76
長岡・平尾 pp.247-272
• 5/27: 自然独占と規制 II
泉田・柳川 pp.77-87
長岡・平尾 pp.247-272
• 6/3 : 中間テスト
Thanks.

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  • 3. 練習問題 1. 独占企業の製品に対する需要はA市では QA=100-PAで、B市では140- 4PBである。独占企業の平均生産費用と限界生産費用は一単位あたり5 である。 問1. 独占企業がA市とB 市で同じ価格をつけなければならない ならば、両市あわせてこの財への総需要はいくらか。独占企業 の生産量と価格を求めよ。 問2. 独占企業がそれぞれの市で別々の価格をつけてよいなら ばこの企業は各市でどれだけ生産し、価格をいくらに設定する か。 問3. 問2. において、均衡状態の需要の価格弾力性を求めよ。 独占企業はどちらの市場でより高い価格をつけるのか確認しなさい。
  • 4. 練習問題の提出方法 • 提出期間 • 2014-05-13 21:30~ 2014-05-20 19:50 • ToyoNet-ACE を通じて、解法したものをPDF または Word にしてアッ プロードし提出すること • もしくは講義終了時に提出すること
  • 5. 講義スケジュール (前期, 前半) • 1. 4/8: オリエンテーション(産業組織論ってなんだろう?) 2. 4/15: 経済学で使う数学を振り返る & 産業組織分析の基礎 I • (泉田・柳川 pp.22-28、長岡・平尾 pp.1-16) • 3. 4/22: 経済学で使う数学を振り返る & 産業組織分析の基礎 II • (泉田・柳川 pp.28-44、長岡・平尾 pp.1-16) • 4. 4/29: 独占企業の価格設定 I • (泉田・柳川 pp.45-54、長岡・平尾 pp.43-68) • 5. 5/13: 独占企業の価格決定 II • (泉田・柳川 pp.54-68、長岡・平尾 pp.43-68) • 6. 5/20: 自然独占と規制 I • (泉田・柳川 pp.69-76、長岡・平尾 pp.247-272) • 7. 5/27: 自然独占と規制 II • (泉田・柳川 pp.77-87、長岡・平尾 pp.247-272) • 8. 6/3: 中間テスト
  • 6. 講義スケジュール (前期, 後半) • 9. 6/10: 参入の経済効果 I (泉田・柳川 pp.87-96) 10. 6/17: 参入の経済効果 II (泉田・柳川 pp.96-106) 11. 6/24: 休講 (学会での研究発表のため) 12. 7/1: ゲーム理論 (泉田・柳川 pp.107-121) 13. 7/8: 技術進歩と研究開発競争 I (長岡・平尾 pp.187-198) 14. 7/15: 技術進歩と研究開発競争 II (長岡・平尾 pp.199-206) 15. 7/22: 期末試験 • 公式な試験日は7/29 ですが、国際学会@ドイツ に出席する必要があるため 講義内に期末試験を行います. • 休講がもう一回入る場合は8/1-7 の間に補講します。
  • 7. 教科書 • 泉田・柳川 (2010) 『プラクティカル産業組織論』 有斐閣アルマ • 長岡・平尾 (2013) 『産業組織の経済学 第二版』 日本評論社
  • 8. 今日の内容 • 前半 : 独占企業 (3) • 泉田・柳川 pp.54-68 • 市場分割による価格差別 • 二部料金と抱き合わせ販売 • 二部料金 • バンドリング • 後半:独占企業 (4) • 長岡・平尾 pp.43-68 • 反独占政策
  • 10. 市場分割による価格差別 市場分割 • 顧客をグループごとに分けてグループごとに 異なる価格を設定する • 例.ディズニーリゾート • 時間帯 • 曜日 • 年齢 • カップル などの情報を元に全て異なる価格を設定 • 需要の価格弾力性の小さな人には高い価格 をつけて、需要の価格弾力性の大きな人には 低い値段をつける
  • 11. 市場分割による価格差別 • 収入 (R) の変化率 = 価格 (P) の変化率 + 生産 (Q) の変化率 • R = P*Q のとき価格が△P, 生産が △Q 変化するとR の変化率△R は、 • △R=(P+△P)(Q+△Q)-PQ = PQ-PQ+P△Q+Q△P+△P△Q ここで △P△Q は非常に微小な変分となるため、 ・△R=Q△P+P△Q となる。これをそれぞれRとPQ で右辺左辺を割ると、 • 収入の変化率 △R/R = 価格の変化率 △P/P + 生産の変化率 △Q/Q • また、需要の価格弾力性 ε = - (△Q/Q)/(△P/P) を用いて書き直すと、 • △𝑅 𝑅 = △𝑃 𝑃 1 + △ 𝑄 𝑄 △ 𝑃 𝑃 = △𝑃 𝑃 (1 − 𝜀) : 価格の変化率 x (1-需要の価格弾力性)
  • 12. 市場分割による利潤増加 • 需要の価格弾力性が1 の場合、収 入は変化しない △R=0 • 需要の価格弾力性が 0.5 の場合、△𝑅 𝑅 = 0.5 △𝑃 𝑃 となるため価格を1% あげても生産量は0.5しかへらず生 産量は増える • 需要の価格弾力性が1より大きな 場合、価格を下げることにより利 潤を増加させることができる • 需要の価格弾力性が1より小さな 場合、価格を上げることにより利 潤を増加させることができる • 市場を価格弾力性の大きな市場と 小さな市場に分割する • 大きな市場の弾力性 2 • 小さな市場の弾力性 0 とする • 小さな市場の価格を1%Up • 大きな市場の価格を1%Down • 弾力性が0の場合, △R/R=1*(1- 0)=1 なので価格を引き上げても需 要は減らず、 収入が1% 増加する • 弾力性が2の場合、△R/R=-1*(1- 2)=1 なので価格を引き下げると生 産量が増加するので収入が1% 増 加する
  • 13. 市場分割の例 • 航空市場 • 搭乗率を上げるため、様々な価格体系を用 意する • ファースト: 需要の価格弾力性 : 低 • ビジネス: 需要の価格弾力性: 中 • エコノミー: 需要の価格弾力性: 高 • 直前に予約するビジネス客には高い運賃を、 事前に計画建てて予約する観光客には低 い運賃を設定する • 平日はビジネス客向け、休日は観光客向け の価格を設定する • 日曜日発便と月曜日発便で価格設定を変える 運賃種別 座席 滞在日数 予約変更 払戻(未使 用時) アップグ レード 空席状況 価格 エコノミー クラス普 通運賃 Premium Economy 最長1年 可能です 可能です 対象です OK 834850 規則/購入期限 一部機材 を除く ビジネス クラス普 通運賃(タ イプB) ビジネス 最長1年 可能です 可能です 対象です OK 1149850 規則/購入期限 エコ割7 (タイプC) エコノミー 3日~2ヶ 月 できませ ん 条件あり 対象外で す OK 278350 規則/購入期限 エコ割7 (タイプA) エコノミー 3日~2ヶ 月 条件あり 条件あり 対象です OK 328350 規則/購入期限 エコ割ス タンダード ライト エコノミー 2日~3ヶ 月 条件あり 条件あり 対象です OK 429850 規則/購入期限 エコ割ス タンダード エコノミー最長3ヶ月 条件あり 条件あり 対象です OK 479850 規則/購入期限 エコ割プ レミアム Premium Economy 最長6ヶ月 条件あり 可能です 対象です OK 519850 規則/購入期限 一部機材 を除く ビジ割 ビジネス 最長6ヶ月 条件あり 条件あり 対象です OK 874850 規則/購入期限 https://www.ana.co.jp/asw/index.jsp?type=i
  • 14. 市場分割と効率性 • 市場分割によって、企業は生産 者余剰を増加できる • 消費者は、 • 値上げされるグループ • 値下げされるグループ に分割される • 値下げされるグループは購入量 が多くなり、消費者余剰が増加す る。値上げされるグループは購入 量が減り、消費者余剰が小さくな る • 経済厚生 • 総生産量が減る場合 • 総生産量が増えても弾力性の低 いグループの消費者余剰の低下 が大きく、弾力性の高いグループ の消費者余剰と生産者余剰の増 加の合計を上回る場合 ⇒ 総余剰は低下する • 弾力性の小さな市場で価格を引 き下げる場合、生産量は増加す るため、総余剰の増加に繋がるこ とが多い
  • 15. 二部料金と完全価格差別 • 消費者の需要曲線 DD • 限界費用 C • 企業は二部料金を用いる • 固定料金 T • 従量料金 PQ • 収入は R = T+PQ • 従量料金 = 限界費用とすると、 消費者は Q* 購入し、消費者余 剰は S となる P Q D D c MC Q* S
  • 16. 二部料金と完全価格差別 • 固定料金として S を設定した場 合 • 消費者余剰は0 • 生産者余剰は最大 • 死荷重は発生しない • 経済効率性は達成している P Q D D c MC Q* S
  • 17. 二部料金による利潤増加 • 需要の大きなグループ : DD • 需要の小さなグループ : dd • 限界費用 c • それぞれのグループにひとりずつ • 複数の価格プランを提示することで、 利潤を高めることを考える P Q D D c MC Q2 d d 1 2 3 4 5 6 Q1 Q3 Q4
  • 18. 二部料金による利潤増加 • 従量料金 c の場合、 • 需要の大きな消費者 : Q4 • 消費者余剰 [1]+[2]+[3]+[4]+[5]+[6] • 需要の小さな消費者: Q2 • 消費者余剰: [1]+[2]+[3] • A. 固定料金=消費者余剰とすると、 • 生産者余剰は 2*([1]+[2]+[3])となる • B. 従量料金 c, 固定料金 [1]+[2]+[3]+[4]+[5]+[6] の場合、 • 需要の小さな消費者は購入しない • 生産者余剰 [1]+[2]+[3]+[4]+[5]+[6] P Q D D c MC Q2 d d 1 2 3 4 5 6 Q1 Q3 Q4 c+e
  • 19. 二部料金による利潤増加 • 従量料金 c+e の場合、 • 需要の小さな消費者 Q1 • 需要の大きな消費者 Q3 購入 • C. 固定料金を[1] とした場合 • 生産者余剰は 2[2]+[3]+[5] (従量料金) + 2[1] (固 定料金) なので、2([1]+[2])+[3]+[5] • D. 固定料金を[1]+[4] とした場合、 • 需要の小さな消費者は購入しない • 生産者余剰: [2]+[3]+[5] (変動料金) + [1]+[4] (固 定料金) = [1]+[2]+[3]+[4]+[5] • D は B より生産者余剰が小さくなるため採用 されない • AとC を比較した場合、[5]>[3] となるとき、C の ほうが生産者余剰が大きくなる • 価格の増加分 e が小さい場合、 [3] は小さくなる ので [5] > [3] となる (従量料金を限界費用より引 き上げることで、利潤を高めることができる) P Q D D c MC Q2 d d 1 2 3 4 5 6 Q1 Q3 Q4 c+e
  • 20. 二部料金による利潤増加 P Q D D c MC Q2 d d [1] [2] [3] [4] [5] [6] Q1 Q3 Q4 パター ン 従量 料金 固定料金 生産者余剰 (従量料金+固定料金 からのからの利潤) A P=c [1]+[2]+[3] 0+2([1]+[2]+[3]) B P=c [1]+[2]+[3]+[4]+[5] +[6] 0+([1]+[2]+[3]+[4]+[5] +[6]) C P=c+e [1] (2[2]+[3]+[5])+2[1] =2([1]+[2])+[3]+[5] D P=c+e [1]+[4] ([2]+[3]+[5])+([1]+[4]) =[1]+[2]+[3]+[4]+[5] 「限界費用より高い従量料金と相対的に低い固定料 金」、「限界費用に等しい低い従量料金と相対的に高 い固定料金」という複数の価格プランを提示することで、 需要の小さなグループは前者を選び、需要の大きなグ ループは後者を選ぶ
  • 21. 二部料金と効率性 • PM : 需要の小さな消費者に対する独占価格 • 企業 • 従量料金 PM • 生産者余剰□ PM MDC • 固定料金 △ AM PM • 従量価格を PM からB に e だけ引き下げる • 従量料金 B • 生産者余剰 □ BNCE • 固定料金 △ ANB • 利潤は増加する • 二部料金によって、従量価格と限界費用 の差は小さくなり、企業の利潤が増加す るだけではなく、いずれの消費者に対す る販売から得られる総余剰も増加する (効率性の改善) P Q d d c MC QM MR B Q* PM M Ne D E A
  • 22. バンドル • 抱き合わせのうち、主たる商品と従 たる商品の比率が一定のもの • 例. ケーブルテレビとネットと電話の セット販売 • インターネット • 固定電話 • 携帯電話 • ケーブルテレビ の契約をひとまとめにして提供する http://www.himawari.co.jp/plan_fee/plan/
  • 23. バンドル ケーブルテレビ インターネット 消費者A 2000円 3000円 消費者B 3000円 1000円 • バンドルの例 • バンドルによる余剰変化 • バラ売り • 消費者A : 0円 • 消費者B : 1000円 • 生産者: 7000円 • セット売り • 消費者A : 1000円 • 消費者 B: 0円 • 生産者: 8000円 • 総余剰 9000円 • バンドルで利潤が増えるのは、消費者の支払い 許容額をより多く獲得でき、費用を上回る支払い 許容額を持つ消費者が、バンドルされることで購 入するようになるため • 消費者Aと消費者B の支払い許容 額が右図のように与えられる • 「バラ売り」の場合 • ケーブルテレビ 2000円 • インターネット 3000円 とすると消費者 A は両方を契約し、 消費者B はケーブルテレビのみ契約 する • 利潤は 7000円 • 「セット売り」の場合 • あわせて4000円で販売 • 消費者がふたりとも契約 • 利潤は8000円
  • 24. Intermission • 中間試験 • 練習問題をきちんと解いておくこと • 期末試験 • 定期試験時にヨーロッパ出張がはいりそうなので、やはり15回目で実施しようとおも います。 • 講義資料のアップロード先 • Facebook Page • https://www.facebook.com/toyo.io.2014 • SlideShare • http://www.slideshare.net/yasushihara/presentations • Toyonet-Ace • 講義人数が固まりつつあるので、利用を開始します
  • 26. ゼロックス社のケース • 1950年代: コピー機の独占企業 • コピー機は販売するのではなく貸与 • コピー用紙はゼロックス社に限定 • 顧客のコピー機使用頻度を把握して、 使用頻度の高い顧客にはコピー用 紙を多量に売る価格差別を実施 • IBM • コンピュータを販売するのではなく貸 与 • パンチカードは自社製を推奨 • 1970年代: アメリカ政府に反トラ スト法で訴えられる • 1975年: 同意判決 • コピー機の基本特許の実施権を ライセンス契約で他社に与える • ライセンス提供時に他社に提供 する • コピー機の販売を解禁する • コピー機市場は競争市場へ http://edition.cnn.com/2010/TECH/03/30/xerox.copier.turns.50/
  • 27. ゼロックス社のケース • 2013年シェア • 1. ヒューレッドパッカード • 2. キヤノン • 3. エプソン • 4. ブラザー • 5. サムソン Source: IDC Worldwide Quarterly Hardcopy Peripherals Tracker, February 2014
  • 28. デビアス社のケース • 19世紀末南アフリカで設立 • 1900年ごろまでは世界のダイヤ モンド生産の99% を支配 • 今日も世界生産を15%, ダイヤ 販売の80% を保持 • CSO (Central Selling Organization) • 自社製品のみならず、世界中の 主要産出国のダイヤを売買して いる http://markethack.net/archives/51781614.html
  • 29. デビアス社のケース • ダイヤ価格維持政策 • 1. CSO によるダイアモンド販売のカルテル化 • CSOの外側で販売しようとする生産者が出た場合、素早く同品種のダイヤを大量に市 場に供給して違反者をこらしめ、ダイヤの値崩れを防ぐ • 2. 価格維持のためのバッファー機能 • ダイヤ需要が落ち込んだ場合、ダイヤを大量に買い支えて値崩れを防ぐ • 旧ソ連崩壊後、ダイヤが大量に市場に放出された場合も、1990年から5年間にわたりロ シア産のタイヤ原石の95% を独占的に買い付ける対価として、毎月10億ドル支払う五 カ年契約をロシアと締結 • 3. 広告での積極的な戦略 • 「ダイヤモンドは永遠に」
  • 30. ダイヤモンドは永遠に • “1947年、デビアスの仕事をしていたフランセ ス・ゲレティ(Frances Gerety)という若いコピー ライターは、一括りの資料を受け取ります。そ れは、ダイヤモンドの特性や伝説のすべてを 表現しつくす1行の広告コピーを考案するた めのものでした。夜遅くまで資料に向かって、 一向に進展しない仕事に音をあげそうになっ ていたそのとき、フランセスは突如、ひと綴り の文を走り書きます。その一行こそ、後に20 世紀の最も象徴的な広告スローガンと言わ れることになる「A Diamond is Forever」でした。 当時の書籍や映画に「・・・is forever」というタ イトルが流行ったり、このキャッチコピーを主 題にした歌が、人気のアーティストたちによっ て世界中で繰り返しレコード化されました。” • “このとき以来、ダイヤモンドは、今日的な愛 のセレモニーや誓いになくてはならぬ、永遠 のきずなをたたえるものとなりました。デビア スによって、ダイヤモンドは、愛、希少性、希 望のメッセージを運ぶ世界共通の言語となっ たのです。” http://www.debeers.co.jp/culture/current-news-and- events/9108230c-8a7f-4c43-bad6-b7699374c534/a-diamond- is-forever
  • 31. 反独占政策 (1) • 独占による経済厚生の非効率 性を抑止する方法 • 事前の政策 : 市場の独占化を予 防する政策 • 事後の政策 : 独占状態にある市 場の弊害を小さくするための政策 • 事前の政策 • 合併・買収規制 : 市場で有力な企 業同士が合併して、強力な独占 状態を形成する • 20世紀初頭のアメリカ: • スタンダード・オイル • USスチール • アメリカンタバコ • 独占禁止法 • 市場を独占するような合併・買収を 禁止する • 私的独占、不当な取引制限、競争 を実質的に制限する合併や企業結 合、不公正な取引方法を規制する
  • 32. 反独占政策 (2) • 事後の政策 • 独占的な企業の企業分割 • スタンダード・オイル • AT &T • マイクロソフト (分割されず) • 1998年反トラスト法で提訴され、OS 部門とそれ以外の部門で分割され ることになったが2001年マイクロソ フトと米司法省が和解 http://blog.nus.edu.sg/bpduyet/2012/04/04/microsoft-antitrust-case-the-monopoly/
  • 33. マイクロソフトと独占• - Invest heavily on developing and popularizing IE. In fact, IE was distributed freely, but in order to protect proprietary Windows. • - Require OEMs to compulsorily bundle IE with the preinstalled Windows (IE 4.0, Windows 95) and not other browsers. This meant that PC users might reluctantly install other browser, because IE was in an advantage position. • - Continue to request OEMS to preinstall IE on later Windows version. • (For this, Microsoft viewed its IE as a separate product from Windows) • - Require OEMs to adopt the same bootscreen and desktop. For example, IE icons always appeared on desktop at the first time after you bought a Win95/98 PC. This made IE prominent. • - Agreement with Online Service Provider (CompuServe, AT&T, AOL): Windows would be bundled with a list of those channels (you may see a channel folder on Win 9x), and force OSP to promote IE but not other browsers. • - Force channel websites to be designed in compliance with Windows and IE, and those sites might not be viewed best in other browsers. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 Mosaic Netscape Classic Trident (Internet Explorer for Windows) Gecko (Mozilla, Firefox, Netscape 6+, etc) WebKit (Safari) Presto (Opera 7+) Others http://en.wikipedia.org/wiki/Browser_wars
  • 34. マイクロソフトへの規制 • 米国、日本、欧州の競争政策当局 • OSと他のパソコン利用ソフト (ブラウザー、オフィ ス、メディアプレイヤー)を抱き合わせて販売す ることを禁止 • “Microsoft、WMP非搭載の「Windows XP N」 を欧州市場向けに出荷開始” • “Microsoftは8日(現地時間)、欧州委員会が要 求していた、Windows Media Playerを搭載しな いOS「Windows XP Professional N」および 「Windows XP Home Edition N」を6月15日より、 PCメーカー向けに出荷を開始すると発表した。 6月15日より出荷が開始されるのは、英語/フラ ンス語/ドイツ語/イタリア語/スペイン語の5つの バージョン。そのほか、チェコ語/デンマーク語/ オランダ語/フィンランド語/ギリシア語/ハンガ リー語/ノルウェー語/ポーランド語/ポルトガル 語/スウェーデン語の11バージョンは7月1日より 出荷が開始されるとした。 • Microsoftは、従来よりWindows Media Playerを OSと抱き合わせ販売することで公正な競争を侵 害し、他社の参入を妨げているなどの指摘を欧 州委員会からうけており、是正措置として、 WMPを分離したバージョンのWindows XPを要 求されていた。Windows XP Nの名称は、 Microsoftが当初提示していた9つの名称候補に 不服とした欧州委員会が命名したもの。” http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0609/ms.htm
  • 35. 反独占政策 (3) • 事後の政策 • 独占企業が有している特許やノウ ハウのライセンシング • ゼロックス社 • 政府による新規参入への直接的 支援 • 価格の上限設定 • 単純に独占が「悪」ではなく、独 占によって経済的な不公正が生 まれた場合と区別する必要 • 行動規制 • 独占的な企業は、業界カルテル の結成を計ったり、新規参入を阻 害するような行為を行う可能性が ある • 集中度の高い市場で競争が減少 すると、社会的な不利益が起きる 可能性がある • マイクロソフトの場合 • OS 市場での独占的な立場を利用し て補完的なソフトも独占できる • それによって、OS の独占を強化する 危険性もある
  • 37. 連絡方法 • 東洋大には 9:00-10:30 と, 19:50-21:20 しかいません • 非常勤のためオフィスアワーを設定できませんので、以下の手段で ご連絡ください。 • ツイッター @harayasushi • フェイスブック : https://www.facebook.com/toyo.io.2014 • LINE : @harayasushi (LINE は東洋大内では遮断されているようです)
  • 38. 次回予告 • 5/20: 自然独占と規制 I 泉田・柳川 pp.69-76 長岡・平尾 pp.247-272 • 5/27: 自然独占と規制 II 泉田・柳川 pp.77-87 長岡・平尾 pp.247-272 • 6/3 : 中間テスト