Jupyterを演習の環境として使ってみた

1. Jupyterを使って
インフラの演習をやってみた
株式会社あくしゅ
代表取締役 ⼭山崎泰宏

2. ⾃自⼰己紹介
• 株式会社あくしゅ
– トップエスイー協賛企業
– OSS製品開発 Wakame-vdc / OpenVNet
– ⾃自動化・CI/CDコンサルティング

4. 何を教えているのか
• アジリティのある開発と運⽤用プロセスを
実現するためにクラウドを使いこなそう
– クラウドの使い⽅方
– 【⼊入⾨門】システムの運⽤用の仕⽅方、⾃自動化
• オートスケール、⾃自動障害復復旧の例例を提⽰示し、
実体験していただく
– 【実践】システム開発の⾼高速化
• 特にCI/CDについて実践的な⼿手法を提⽰示し、
実体験していただく

6. 今までの講義における演習
写経

7. ドキュメント通りの
シナリオ
基盤技術は
簡単にTry&Errorさせられない
状態A
状態B
状態C 状態XX 未知との遭遇
何だこれ？？
良良くわからないから
とりあえずコピペで
コマンド実⾏行行してみるわ
うまくいったっぽいな
ちょっと⾃自分なりに
試してみるか
⼿手順1
⼿手順2
謎⼿手順

8. ドキュメント通りの
シナリオ
受講⽣生20⼈人全員この状態に陥ると
物理理的にケアしきれない
状態A
状態B
状態C 状態XX
⼿手順1
⼿手順2
⼿手順X
⼿手順Xどこー？！

9. 受講⽣生の⼼心持ち
演習をちゃんと終わらせようとしたら
もうコレやるしかないな…！
写経

10. 問題点
• 演習はTry&Errorの多さが⼤大切切なのに
基盤技術系は状態が複雑であり
Errorからのリカバリが難しい。
結果として⼀一発Tryになりがち
• やることが多いこともあって、
どうしても教材が⼿手順書⾵風になる
– ⼿手順書に頼らずに、
考えるヒントだけ与える授業でも良良いのかも
しれないが、それはそれで不不評である

12. 研究クラウド サーバ外部サービス
演習室
GitHub
Wakame-vdc
CI Server
(Jenkins等)
HipChat
サンプル
Webサイト
Internet LAN
PC
Backupサイトとして
BitBucketを想定しておく
Jupyter
IPAddress+port
Web GUI
演習の環境概要

14. 使ってみてどうなったか
• 良良かったこと
– Try&Errorできるようになった
• ⼿手順がリピータブルなので、
Run Allで実⾏行行結果が出るのを待ちさえすれば、
その時点の状態が⼿手に⼊入る
– チェックポイントを明⽰示できるようになった
• 受講⽣生が先に進むべきかここで判定できる
– 進捗チェックなど分析が機械的にできる
• 悪かったこと
– より⾼高速に写経できるようにもなった

15. ドキュメント通りの
シナリオ
⼿手順Xの存在は消え
⼿手順2の質問が増えた (良良かった)
状態A
状態B
状態C 状態XX
⼿手順1
⼿手順X
⼿手順2について教えてください
⼿手順2
困
っ
た
ら
再
実
⾏行行

16. ログを分析すると進捗確認が可能

17. 演習後のドキュメント配布は
GitHubでOK
GitHubはJupyterの
*.ipynbファイルをレンダリングできる
PDFと異異なり
1. 別途ビュアーが不不要
2. コピーでも軽量量

19. 試⾏行行錯誤
1. 実⾏行行したいセルとしたくないセルの識識別
をどのように⾏行行うか
2. 特にGUIベースでの⼿手順を
どうやってAll Run可能にするか
3. インタラクティブ性の補⾜足
– コマンド実⾏行行した後、
終了了してから結果がブラウザに反映される点
• yum等、実⾏行行時間が⻑⾧長く、
逐次ログが出⼒力力されるタイプのものをサポート

20. 1. 実⾏行行したいセル したくないセル
• bash_kernelをWrappingし、
処理理が実⾏行行される前にParseして
セルの内容を事前チェックするようにした
– コメントを識識別して決めるようにした
• 「受講⽣生の答えを書き込むセル」
• 「確認を実⾏行行するセル」
• 「模範解答のセル」
– 冒頭のセルでモードを切切り替える
• set-global-evaluation-mode "my-script"
• my-scriptモード
– 「模範解答のセル」を無視して実⾏行行する
• provided-scriptモード
– 「受講⽣生の答えを書き込むセル」を無視して実⾏行行する

21. 2. GUIの状態をどう再現するか
• 使うツールに依存する
– 今回はJenkinsだったので設定ファイル全体を
バックアップ・リストアすることで対応した
– 「確認を実⾏行行するセル」に⼯工夫をする
• my-scriptモードの場合は、
実⾏行行されると同時にバックアップを取る
• provided-scriptモードの場合は、
リストアをする

22. 3. インタラクティブ性の補⾜足
• bash_kernelに修正を施した
– bash_kernelからWeb側への
実⾏行行結果返却タイミングを
細かく分けるように実装しなおした
– https://github.com/takluyver/bash_kernel/pull/46
• 最初のコードから修正する要望に応えたのに
まだマージしてくれない…

23. 苦労
動作テスト

24. 将来期待していること
• プラットフォーム化
– 教材のための環境
– Getting Startedの実現
• ドキュメントのテスト

25. まとめ: Jupyterは演習にも良良い！
• 環境が複雑である場合は、
⼿手順の再実⾏行行が効果的
– Try&Errorに繋がる
• ⼯工夫は必要だが、パターンはありそう
• ⼤大変なのは動作テストだが
乗り越える価値はある
• 今後はJupyterのプラットフォーム化や、
ログの解析などやっていきたい