SlideShare ist ein Scribd-Unternehmen logo
1 von 57
Downloaden Sie, um offline zu lesen
「3.11と日本と世界 ~私たちから始まる未来~」


天の啓示3.11が背中を押す
 「奪い合いの地球社会から
      持続型社会への道」
                  第1回アースダイアログ東京
地震・津波             2011年6月26日(土曜日)
 ・原発・風評・人災の5重苦!   日本財団ビル2階大会議室
日本は、世界は一つの        地球サミット2012Japan
       家族となれるか!   環境パートナーシップ会議
                  日本財団CANPANプロジェクト
今、世界へ21世紀のあるべき    セブンジェネレーションズ
   文明を語りかけ、行動を!             竹林征雄
                      写真は单三陸町にて竹林
グローバル・トリレンマ
   ・エネルギー、資源、食糧、水不足            ・伝染病
   ・貧富の差の拡大                    ・環境難民
   ・人口問題  ・経済難民                ・スラム化
                               ・自然災害

 この3つのグローバルな
                      経済の発展
ジレンマをどのように解決
し、持続可能な社会・循環型
社会を構築するか
                         危機
                資源の枯渇
            (エネルギー、食料
                              地球環境
①天然資源の使用量低減    鉱物資源、           の保全
②環境への負荷低減       水資源)

③持続可能な経済成長?
                  ・温暖化 ・森林破壊 ・酸性雤
                  ・海洋汚染 ・オゾン層の破壊
                                     2
人口問題
 急速な人口増大
世界人口は、1分に137人
      1日で20万人
      1年で7千万人増加
1年に6千万人(毎秒1.8人)が死亡
 1億3千万人(毎秒4.1人)が誕生

                     2050年推定
                          91億人
                     2011.06.21現在
                          69億1470万人
                     1987年
                          50億人
                     1950年
                          25億人

                                      3
人口増加が飢餓問題へ                     WFP 国際連合世界食糧計画

*世界の飢餓人口は約10億人≒七人に一人(2010年予測)(15人/100人の村)
 飢餓傾向は毎年約1500万人増加
*3.8億人が1日2,000カロリー未満の栄養しか摂取できず
*自然災害、紛争、慢性貧困、農業基盤不整備、HIV/エイズ、乱開発による環境
 破壊、世界的経済危機拍車により食料価格高騰で2007年から貧困層が買えず
*1日1.25$以下で生活する絶対的貧困12億人(低所得、栄養不良、不健康、
 教育の欠如など人間らしい生活から程遠い状態)状況の増加が 2$以下は増大
*乳幼児が3秒に1人死亡
               飢餓の原因           栄養不足人口割合
           「食糧不足」によるもの   サハラ以单
                                        中国21%
           だけではない。       アフリカ23%
           食糧の配分の不公平
           によるところが大きい。
           食料の絶対的不足が
           原因ではなく、原因は
           人間であったり、社会
           システムであったり、
           不平等な文化にある。                   印度25%
                           その他アジア・
ナイジェリア内戦での女の子               太平洋20%              4
食糧不足   世界第1位死亡原因は飢餓
       世界中の7人に1人が飢えに苦しむ
       赤に分類された国は3人に1人以上が飢餓に苦しむ
       五大陸の中で唯一、アフリカは飢餓人口増加




             過去10年より今後10年農作物高値に、生産性も下落、
             漁獲高の拡大は1.3%程度。OECDとFAO発表20110618   5
失われる生物多様性          約7分に1種の生物種が絶滅!
 「生物多様性の損失と生態系の関係は、飛行機の羽と羽をとめるボルトの関係の
ようなものである。1~2個のボルトが抜け落ちても大したことにはならないが、他の
ボルトに対する負荷は知らず知らずのうちに確実に強まり、いずれ次々と抜け落ち
ていくことになりかねない。そうすれば、一気に羽根が崩れ落ち、機体全体が危ぶま
れる大惨事となってしまうだろう」 (スタンフォード大学ポール・アーリック博士)

  生物多様性の破壊は不可逆的!地球生命維持装置




                                     6
 国際自然保護連合2007資料
天然資源鉱物の埋蔵量と既採掘量との割合
 100%

 90%

 80%

 70%

 60%

 50%                                                        –  Ê
                                                              ––
                                                            ù Ì @Ê
                                                            ––––
 40%

 30%

 20%

 10%

  0%
        Hg Ag Sn Pb Au Zn Mn Cu W   Ni Mo Fe Co Cr Al Pt-
                                                       gr

                                                                     7
資源争奪戦
*アルセロール・ミタル:カナダ(鉄)
            :リベリア(鉄)
*グリーンランド・ミネラルズ・アンド・
 エナ―ジ(豪):デンマーク(レアアース)
*EU:グリーンランドで準備(レアアース)
*中国:レアアース輸出調整が摩擦を
*日本:モンゴル等からレアアース調達へ
*米国:レアアース安定調達政策を
*韓国:レアアースリサイクル拡大へ
*ペルー:鉱山企業への課税強化検討
*コンゴ:不正採掘鉱物が内戦資金源に
*米国:紛争鉱物(タンタル、錫、金、タン
 グステン)規制、使用開示
*OECD:サプライチェーンの中で紛争鉱
 物を把握し、リスク回避を



 20110619日経新聞朝刊

                        8
エネルギー資源確認埋蔵量                      122年 8260億t(2008年末)
                                         エネルギー・経済統計要覧
エネルギーと貧困問題                               (2010年版)

①国際エネルギー機関
              *資源量には限りが
(IEA)は電気の無い生 *埋蔵地域には偏りが
活を送るのは現在16                                 85年 458万t
億人、2030年でも14億 ピークアウト 60年 1699t
②まき、木炭、穀物くず、 42年 1708億t
動物糞などの伝統的な
バイオマス原料を使う
人口は現在24億人
③伝統的バイオマスの
使用人口は2030年に
26億人に増える




                            富士山 1/5
                            1900億m3        琵琶湖
                          D40Km×H3.8Km     6個分    9
エネルギー供給
    と消費のイメージ
・人類は、1850年から始まった産業
革命からの100年間で消費したエネ
ルギーと同量のエネルギーをこの15
年間で使ってる
・現在、世界人口の25%の先進国
                     総エネルギー消費量
がエネルギー全体量の75%を消費
                                 化石エネルギー

           人口増と同一         産      (石油換算 億 kg )
NEF HPより                  業
           グラフパターン        革
                          命




                                           10
水問題                       世界国別及び日本の地域別人口一人当たり水資源賦存量




                                                                   国際流域は約260

                                                                     (FAO Aquastat2003)




   代表的な水紛争
                                                                    世界の水利用
                                                                   農業用水に70%
                                                                   工業用水に20%
                                                                   生活用水に10%



国土交通省白書「日本の水資源」(平成16年(2004年)版)
                                                                                    11
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/index5.html
水関連データー
          地球上の水の総量13.86億km3

海水:97.47%+单極と北極の氷:2.53%=100%
                                                 約0.001億km3
       氷河など1.76% + 地下水0.76 + 河川、湖沼など0.001%
世界の水総使用量実績と将来水需要推定量
        施水使用量(億m3)
                              日本の年間総水使用量
                                                  約831億m3/年
1950年   1972    1995    2000    2025    2050    生活用水約157億m3
13600   26000   35700   39730   49130   75000   工業用水約126億m3
                                                農業用水約547億m3
水使用量(リットル/人・日)
        世界平均165



 3

                         375


                                                              12
水不足
 1.水が原因で、年間500~1,000万人が死亡   農業用水以前に
   (その内、子供が約200万人)
 2.11~12億人が安全な飲料水の確保ができない (16人/100 人)
 3.24~30億人が十分な衛生設備を利用できない
 4.2025年には48ヶ国で水が不足する見込み 2050年世界の
   40%が水不足になる(世銀)
水分配 :インダス川、ヨルダン川、ナイル川、メコン川、ガンジス川、
争奪紛争 チグリス・ユーフラテス川

水質汚濁(例ドナウ川、コロラド川、アラル海)
1.途上国における病気の80%の原因は汚水
2.水が原因とされる病気で、子供たちが8~15秒に一人死亡
3.世界人口の50%に対し、下水道施設が未整備
4.淡水魚の20%の種は、水の汚染により絶滅の危機
5.内分秘かく乱物質等の有害物質による水の汚染
                                    13
気候変動
                      アラル海
*気候変動と水問題             「死の湖」
*陸上・淡水での生態系崩壊、
  サンゴ礁への影響
*熱波による高齢者の死亡、感染
  症の拡大
*この100 年で世界は 0.6℃ 、
 東京3℃ 上昇
*この50 年でアラスカ、
  カナダ北部3.5 ℃上昇
                       单米パタゴニア・ウプサラ氷河後退
                      42万km3の氷が失われつつある




イルリサット氷河から流れ出し
た氷山群。この数年、海が凍
らなくなった。                               14
年代       CO2 濃度 平均気温.
   気温上昇の将来予測                                     19 C     280 ppm
                                                 1960     317 ppm 14.9 ℃
                                                 1970     325 ppm 15.0 ℃
          6                                      1980     339 ppm 15.2 ℃
               気温の上昇が最も高い場合                      1990     354 ppm 15.4 ℃
          5                                      2100     560 ppm ? 18.0 ℃ ?
               (2100年で6.4℃へ)
気温変化(℃)




          4

          3                                気温の上昇が最も低い場合
                                           (2100年で1.4℃)
          2                                                 海面上昇

          1                                        2025     + 20cm
                                                   2100     + 65cm / + 1m
          0
              2000   2020   2040   2060   2080   2100

    今後強力な対策が取られない場合、                               異常気象の頻度・
    2100年までに最大6.4℃上昇                               規模が激化
                                                                               15
大型台風の発生回数と被害額の推移                                                                        リオデジャネイロ
                                                                                        郊外で集中豪雤
  集中豪雤の増加、夏期の渇水の増加                                                                      の死者600人超に.
                                              (IPCC, 1995)                              2011.1.16
         60                                                   25

         50                                                   20




                                                                   Total Damage ($B)
              1990年代
         40   1199件 1712億ドル
Number




              1秒間に65万円                                        15
              1秒間の世界より(山本良一)
         30
                                                              10
         20                                                                            ハリケーン・カトリーナ
                                                                                              2005.8
         10                                                   5

         0                                                    0    1秒間に65万円
              1960s      1970s        1980s        1990s
                                                                                       1秒間の世界より(山本良一)
Major windstorms worldwide: Annual impact 1960-1992
(A major windstorm is defined as one costing more than $500M in total damage.)
                                                                                                        16
環境破壊                      環境配

 代関連マップ                    慮不足
                                             経済活
                                             動上昇
           開発                        発展
           援助          海洋汚染          途上国
                                     の公害

                                           過放牧
                                           過耕作
                     NOx
                           酸性雤
                     SOx             砂漠              発展
先進国   高度        化石                           人口
                                     化              途上国
      成長        燃料                           急増
                     CO2     地球
                            温暖化
                                     熱帯
            化学                             焼畑移動
                                     雤林     耕作
            物質                       減尐            貧困、
                     フロン   オゾン層                   対外債務
                            破壊
                国際
                取引                    有害廃棄
                              野生生物     物越境
                              種減尐
                                                         17
まとめ:人口増加とクライシス因果関係
                                                     2050年推定
2050年推定                                                 7500km3
    91億人                                             2011年推定
2011.06.21    世界の                       水の
                                                        4500km3
現在69.1470    人口急増        増加            需要急増          1995年
1987                                                    3570km3
    50                 地球温暖                          1950年
1950                   化の加速                             1360km3
    25           2050年には     減 炭酸ガス濃度                 推定:ユネスコ
                 1990年比2億t   少 2050年450 560 900 ?
         穀物                  へ 1990年354ppm
    2050年 30億t                                          エネルギー
    2030  27
                       食糧の
                                                    2030年想定
    2010  23          需要急増                              168億万t
    2000  19        減尐へ                             2015年想定
                     エネルギー                              135
                     高騰・不足                          2007年 120
                     エタノール/BDF化                     1990年 87
                                                          石油換算
  物質から見た関係、人間が係る(経済問題、政治問題)とさらに複雑に
 「現状のままでは今後20年以内で、世界の水需要が供給を40パーセント上回る見通し」
                      20110321カナダ・ウォーター・ネットワーク 18
滅亡へ向う人類
経済成長は人類が幸せになるため、繁栄するために努力している
        しかし、現在の動向は滅亡に向けて突進しているようなもの
       水+食糧+資源≒生活と生産≒経済活動
条件:現在の人口比率 先進国10億人+途上国60億人
              ⇒ 2083年には 10億人+90億人(国連推定)
 先進国の現在の生活水準を10と仮定:途上国生活水準を1と仮定
 2083年の先進国生活水準は変わらない:途上国は現在の生活水準の5倍に
                                      日経新聞20110601 松本京大総長
消費の総量
 2011年(10×10)+(60×1)=160 ⇒ 2083年(10×10)+(90×5)=550

           72年後:550÷160=3.4個の地球が必要
持続可能な社会形成
  指数的人口増加速度に技術進歩は追いつかない               技術依存でいいのか
  自然生態系と環境を守れるのか
生活様式の転換
  多く求めない・もったいない・速度を求めない・拡大巨大化を考えない
                                                            19
限界に直面した人類
地球環境の限界
 1.金属,化石燃料等の地下資源は枯渇性且つ有限
 2.木材、魚、地下水などの再生可能資源も再生速度を
   越えて採取すると枯渇
 3.生態系のCO2,SO2・・・などを拡散,分解,吸収する
   速度には限界
 4.生態系で分解しない人工化学物質や金属は地球表面
   に蓄積
 5.植物等による太陽光の光合成量には限界
社会的限界
 1.投入できる資本には限界
 2.貧富の格差など社会的不平等がある限界を越えると,
   暴動,革命,戦争が起こる可能性
 3.人間は基本的に物質的反映を追求する生物
                                 20
成長から持続へのパラダイムの転換を
 20世紀は化石燃料を大量に使い、製品の大量生産、大量
 消費、大量廃棄による物とお金による成長と炭酸ガスの時代、
 21世紀は持続可能性を考えた適量生産・自然資本(バイオ
 マス材料と再生可能エネルギー)による安定と心の時代へ
持続可能な社会の原則例               原生林の75%が
                          伐採されてしまった
「ハーマン・デイリーの3原則」
  1.再生可能な資源は、その再生ペースを上回って消費しない
  2.再生不可能な資源は、それに変わる再生可能な資源の開発ペース
  を上回って消費してはならない
  3.環境負荷の排出量は、環境の吸収能力を上回ってはならない
「ナチュラルステップの4原則」
  1.地殻から掘り出す物質の量を、いたずらに増やさない
  2.自然循環のなかで分解しにくい化学物質を増やさない
  3.乱獲や他の自然破壊行為によって生態系を損なわない
  4.資源は、地球規模で公平かつ効率的に活用する
                                      21
バイオマス量
                                   記;1EJ=1×1018 joule
 地表に届く太陽エネルギー             2,600,000 EJ/年(100%)
 地球表面の運動エネルギー(風波)           11,000 EJ/年(0.4%)
 バイオマスの潜在エネルギー               2,600 EJ/年(0.1%)
 人類が消費するエネルギー                  410 EJ/年(0.016%)
   米国DOE戦略             2010年;バイオマスと都市ごみのガス化で
                              0.2EJ/年の水素導入
                       2025年;同10EJ/年の水素導入
                    出展;バイオエネルギー,山地憲治(2000)/地球生態学,竹内均(1984)

 人類が消費するエネルギー(熱放出)が、地球表面の運動エネルギー(風波)
に近づくほど異常気象をもたらす(竹内均)。現状でも約4%/年に達しており、
蓄熱を含めると かなり危険領域に入っているかもしれない。
   地球環境問題は、卖に炭酸ガスによる温室効果だけではなく、
   人類が消費するエネルギー量(熱量)が問題になってくる。
究極的には、再生可能エネルギー、自然エネルギーに頼らざるを得なくなる
可能性がある

バイオマスの潜在エネルギーは人類が消費するエネルギーの約7倍
                                                             22
石油基盤の物質提供からバイオマス基盤
             の機能提供への転換
石油を基盤とする物質フロー 石油
                      石油精製 (0il Refinery)
      大気汚染
                燃料                  石油化学物質 難自然分解
 SOx ,NOx                 ダイオキシン           人工物質
                                    石油化学製品
                                           廃棄物問題
                CO2排出
                                      廃棄物     蓄積
                              焼却
            転換(Replace)
バイオマスを基盤とする物質フロー                               難自然分解
                           バイオマス               人工物質の軽減

                     (Biomass Refinery)
               バイオマス精製

              燃料 機能性バイオマス育成 生物化学物質
                                   機能代替
                            生物化学製品
              排出CO2抑制       廃棄物
                                                         23
  出典 : バイオマスを物質資源ともする自律持続社会をめざして   迫田章義   東京大学生産技術研究所
バイオマスで何がやれるか                                                                   ブランド農産物
             生ごみ                 電気
                                                                               (米・麦・豆・野菜等)
                                           燃料電池
                                 熱エネルギー                           電気
                      廃棄物産業分野
                                                                   熱エネルギー
           可燃ごみ                                 マイクロガスタービン
都市部                    市民生活からの
                       廃棄物

         都市系ごみ                   バイオガス
                 都市・産業からの                  水素
 工業産廃            廃棄物                        分散型エネルギー供給         バイオマス発電                         堆肥利用
                                            コンプレックス                                             減農薬栽培
      燃料
      (メタノール・エタノール)                                                                                     CO2固定
                                                             電気                                         森林保全
                                 資源ガス化                                  堆肥化施設
                                 新システム                       熱エネルギー
        生分解性プラス    マテリアル
        チック        リサイクル   バイオマスリファイナリー                                               再資源炭化施設
                           産業コンプレックス
  再生可能ボード
  (木工品 等)                                       メタン発酵施設

                                                                       農林・畜産廃棄物中の
                                                                               農業廃棄物
                                     アルコール発酵                           バイオマス資源
                      ポリ乳酸製造システム
鉱物資源代替工業分野                                                         廃棄物産業分野
食品添加物、                                                                      家畜ふん尿木質系廃棄物
食用油脂                         ウッドプラスチック
                      ファインケミカル        リグニン抽出 糖化 山林や農地で生産され
          農薬、医薬品                                る
                      生産
                                                バイオマス資源
                                                                樹木・草本・農作物
                                    精製・加工   資源用バイオマス
                                            育成分野                                                     地方農村地域
                    化粧品、洗剤                                             Proprietary Information of EBARA Corporation


地域の創意工夫を活かし雇用と新産業を創出                                                                                                  24
持続可能社会形成への視点
 ガイア理論の「人間も生物も無機物も、すべてを含めた地球全体が大きな有機体
として機能している」という考えに立つならば、人間圏のみ突出した活動はもはや出
来ない。自然と人間のすべての振る舞いとの共存が可能な経済・社会システムや
ライフスタイルや技術などを変えざるを得ない。そのような文明はどう作るのか?
 過密化した地球で人          人類は基盤として
 類共通の運命を分か         場        労働           出発点
 ち合わねばならない      森・里山・川海 食の原点「稲作漁撈」       森の文明
 現実を見つめる        自然と共生してきた。その知恵に学ぶ

       再生可能な共生循環を意識(バイオマス+自然力)
る安     アショーカ王の「5本の木の林」にある
事心     食糧(果実)、エネルギー(薪)、化学
                            自然の力(太陽・風・
がし     合成材(薬)、生活財(建築材、花)
                            水などのエネルギー)
出て
来暮
るら    ・グローバリゼーションの基盤にある「無理な統一」と「生活の分断・断片化、
社し    知識の断片化」を避け、様々な文理分野の専門的知識を「持続可能性」の
会続    一点に求心・編み直し、世界で、地域で、再生循環を図る。
 け    ・同じ場所で安心して暮らし続ける事ができ、自然と人間の共存が可能な
      尐欲知足、中道的な「ライフスタイル」の構築、そして教育のあり方の検討。
      ・経済、教育を始め、制度、仕組み変え、物から機能への転換と併せて 25
                                       25
                                       25
      都市・地域の管理と森林・河川流域管理が重要。
21世紀の持続型社会のため

「次世代のニーズ
を損なわずに                                  低炭素社会
次世代のニーズを
追求する持続可能                        循環型社会          自然共生社会
な世界」
1987年プルントラント報告
                                        統合ネットワーク
                                        化された知の活用

                                 貧困の撲滅     ビ 人間の安全保障
                                           ジ
                                           ョ
                                           ン

(http://www.nih.gov/news/NIH-
Record/10_20_98/story06.htm)     グローバルサステイナビリティ 26
                                                        26
持続可能な社会創造と生産性 +法・税制度と社会システム再構築を
1.3Rイニシアチブ               社会              トリプル・ボトムラインを考慮

               ツール           Reuse(中古品、中古部品)
               LCA,LCC、ファクターX、MIPS、EMS
                                                        物
               マテリアルフロー会計
                            場                 生産物
(人・物・金)                         プロダクト系        (ポンプ 、パソコン、
                 機械、家電、IT、
                                              自動車、家電、
                建設、農業、水産、        機能提供
                                              OA機器、建物 等)
水     投入の極小化 製紙、輸送機器、
資 源             サービス産業など
                  地域・生活
                                4.多く物を作らない                      埋
エネルギー Reduction
                商店街、工業団地                            Reduction   立
                                                                物
                企業工場内・地域                                        極
                                 メタポリズム系
 3.バイオマス代替      内環境
                                 排出物の極小化
                                                                小
                                                                化
 自然資本の活用        ユーティリティー循         Reduction
                環 プロセスの転換
 ゼロエミッション                                  副産物
 エコデザイン(Edf)                               排水・排ガス
                     Recycle(原材料・素材化)
                     Regeneration(再生エネルギー) 廃棄物・廃熱
      グリーン購入
                2.循環管理システム(物、エネルギー)
生産性 :{時間効率+経済性} 加えて{環境効率+資源循環効率の向上と技術開発}                        27
経済と社会の検討、見直し
制御不能な金融システムの改編 ⇒ 銀行以外の機関への規制強化・資本注入・
経済のグローバル化は        部分的国有化・新分野ビジネス投資(部分
工業のグローバル拡散・グローバルに 計画経済?)
資源消費拡大・グローバルに環境悪 地球の有限性を経済システムへ導入検討
化・グローバルに生態枯渇を招く

政 策 (変化は チャンスである)        市 民
①環境投資と革新的技術を              壊してはならないものは、守
  エネルギー(地球温暖化の緩和と適応策)     らなければいけないものは?
        (低炭素社会化)
  土地・資源の利用法を考えつつ、自然生態系    出来るところ、足元から
  を守り、バイオマス利用の技術革新        ソーシャルビジネス
②2050年までに人口を80億人以下に       コミュニティビジネス
③2025年までに極度の貧困解消
④国家間の協力、非政府組織の活力と   地球は一つ、が世界は一つではない。
  知恵でグローバル課題解決を     グローバル化への対応は5大陸(地域)
⑤市場重視の考えを捨てる        で風土、文化、制度、国情などが異な
 医療福祉への投資           る。各地域でのガバナンス、制度、政策
 農業・人材育成への投資(職業訓練)
                    も、戦略も異なることを考え検討、見直
 確かな年金制度(不安のない老後)
                                      28
持続可能なタウンづくり
              トランジッション・タウン:
               すべてのピーク(エネルギー消費量、資
              源の使用量、環境破壊や汚染など)を越
              えた世界の危機を乗り越えるための、草
              の根運動の一つ。
               市民の創意と工夫、地域に根ざしたコ
              ミュニティの力を活用し、本当の暮らしや
              すい、持続可能な社会へ移行してゆくこと。

              トランジッション・タウンが描く未来:
               現状を素直に受け入れ、暮らしを緩や
              かにスローダウンさせることで、自発的に
              持続可能な未来を創ってゆく。

              ロブ・ホプキンス:
               「私たちが、自らの創造力を駆使して、創像
              的考えるなら、石油の無い未来は現在よりも、
              むしろ良い社会になるかもしれない」

               No93~97NPOトランジッション・タウン・ジャパン
               リーフレットより                      29
持続性と宗教と覚悟(物の限界と精神性)
持続性は 仏教、神道など東洋的哲学思想と相通ずるというより、基本の土台がそこから来ている。物質
文明や技術だけでは解がとけない。理念や哲学が重要。
 特質は 人間と対峙する自然や宇宙ではなく、草木などの自然生命体ばかりか、山や川、そして石や鉱
物などにも命を見、これらとともに渾然一体となり、互いに活かされ生きている関係性を本能的に知る民
族だからだ。他者や自然を傷つけず、自然を怖れ(畏れ)、敬う心根がある。
 内省的日本人は「人間は優れた特別に選ばれし者」ではないと言う謙虚さ、優しさを風土の中で育んで
きた。 現代社会で 「心の在り方」、「生きるよすが」になる人間の知恵が仏教にあるからではないか。
仏教は思想である。
地球の限界を深く認識した人類は技術革新とともに「覚悟」をまず持つ必要がある。個人的、国家的な欲
世界での我執、水、食糧、地下資源を巡る紛争、経済競争、格差社会、民族間対立などなど、は当分は
無くならないと覚悟する。 「地獄の門が今開く」と五木寛之は言う。
「覚悟」とは「明らかに究める」ことであり、希望でも絶望でもなく、真実を真正面から受け止めること。
その上で、個人のバランス(欲の遺伝子と制御)や世界が共存してゆく道を今こそ真剣に探る。
これが模索する文明ではないか? その時、自然に学び、命の継続性を認識する東洋哲学、仏教が大
いなる力を発揮する。
 持続可能な世界を望む際、技術革新や制度・新しい仕組みでは越えられぬ
 壁もあるのでは。 我執を持ちながら、如何にして世界を持続させてゆくのか。              30
ブータンのGNHの役割                       GDPからの脱出
              持続的な社会形成
              「物質的欲求をある程度満          本と 信等優
れな富経                                的言仰・ し
など・ 済         たすと同時に、情緒や感情               友
   便                                なっ ・ 好さ
                                       伝
い 物利面         など精神的充足感も得る」          価た統的・
人欲 で      物                   精     値人・ 人い
                                           思
間か さの     質                   神     観間文間や
  ら・ 安
   国      的                   的      が化
  離土心                                持・ 関り
  れ開感
          充                   充      つ 家係・ 平
  ら発・     足                   足      基庭・


                                  環境保全・分配・コミュ
矛盾・対立の場       架け橋となるGNHが政策目       ニティの視点が必要
合の対策や定期       標となっている             しかし幸福は唯一絶対
的国民対話と定       幸福の条件は2面あり          の価値か?心の問題は
点観測も必要                            一義的ではなく、曖昧。

         人と人のつながりを重視している
       幸福への障害を除去するのが政治の役割
     GNHは卖に、幸福度を高めるのが目的ではない                    31
形あるものは壊れる!
  良寛は、越後国上山中、五合庵の草庵は三間四方の屋、屋内は机上
  に一硯筆、「荘子」とわずかな紙があるのみ。 炉中土鍋一つ、壁上皆詩。
  卖純な極小点で、三衣一鉢の外、ほとんど物を所有しない、病んでも
  心細く寝ているだけであった。名利、家郷、恩愛、田園、親族すべてを
  捨てに捨て、欲望に拘束さえることなく卖にして純化された生活、どこへ
  帰属することもなく、吹き晒しの生、自在で優游としていた生。
   人が獲得と所有を望むとき、良寛は捨てる事を考え、富裕の拘束
   よりは貧の無拘束による自由を選び、良寛は自身のことをまさに
   大愚、愚直、風顛、襤褸と言い、我執を一切取り払った。
過密化した地球で、单北問題、経済問題、温暖化問題等について、人類共通の運
命を分かち合わねばならない現実を見つめつつ、さらに東北の大災害が日本へ追
い討ちをかけた中で、今回の過酷な現実、足元を見据え、これから世界モデルとな
るような「まちづくり」を。
これまでは「形・もの文明」に甘やかされた生であり、「現代文明」によって生きざ
まが脆弱になった。今「心・生命文明」精神の文明へ。
近代科学・合理主義に限界⇒文明の形そのものの見直しと社会の枠組みを変える
  農耕漁撈社会は共同作業社会
   …そこに利他的精神、共生が芽生え、欲望の制御が出来てくる    32
今、問われる心
恕の精神:ゆるす、自分がしてほしくないことを人にはしない
忘己利他:自分を忘れて他人のためにつくす、最澄は「己を忘れて他を利するは、
     慈悲の究極なり」と
     すべての世界宗教において、この精神を否定するものはない、人間同士
     がうまくやるための秘訣は相手を尊敬し、相手を第一に考える
先人後己:大きな災難が起きた時、他人のことを優先して考え自分の事を忘れる
     【礼記・坊記】の「子雲:君子貴人而賤己、先入而後己」から由来
     陳寿の「三国志蜀記」に、「毎有患急、先人後己」の言葉あり
イエスの:キリストの山上の垂訓中に示したとされるキリスト教の根本的倫理「なに
黄金律   事においても人々からして欲しいと思ったことは、すべてそのとおり、
     人々にもしてあげなさい」という教え

希 望 :日々の生活の中で、自分がやるべき「何か」を具体的に決め、それを「実
     現」すべく、淡々かつ飄々と「行動」 そして、その繰り返す先に、いつか
     落ち着いた生活が取り戻せる
     いつまでも今の状況が続くわけではないという「気持ち」を忘れない

 「希望」とは圧倒的なものを前にしても決して屈しない
 力であり、 「希望は人から人へと伝播する」
                        と東大教授玄田有史は言う      33
以下補足ランダム資料




             34
経済の本質と資本主義の変質
   グローバル型             日本型
   ☆行過ぎた株主主権論         ☆より多様な経営のあり方の
                      軽視へ
   ☆ストックオプション目当て
   の短期的株価上昇のみを目       ☆大切な経営資源、組織文
   指す                 化の崩壊へ
   ☆長期的視点無視の徹底的       自律性重視 精神性
   リストラ

   株主重視 お金重視
                        企業の最適解はない。
                        経営者の存在が重要

        いずれも企業内の枠組み中での特殊解で、普
        遍でもあり、特殊でもある。このバランスの問題。
                                     35
岩井克人:東大経済学部教授
マーシャルの経済学
                 アルフレッド・マーシャル英国(1842~1924)

経済学は日常の実業生活を営んでいる人間に関する研究

経済成長は                富の蓄積は
強力な個性・個人主義・自由        「物質的な豊かさ…狭義の富
企業こそが                (貨幣)を追求」
 官僚的・集権的組織の排除を       「生活の質・能力開発こそが富」


  市場には心が無い

                    「個人的、社会的側面、道徳的、
冷静な頭脳 → 人間生活の改良手段
                    宗教的側面、肉体的、知性的、感
温かい心情 → 貨幣経済学の適用に   情的、及び芸術的側面など、す
は限界があり、倫理的本能と常識を    べての側面での人間生活全体の
                    質を向上」させる事が経済学
                    日経経済教室070815   一橋大西沢教授   36
21世紀持続型社会=3つの社会像統合
                地球システム       日本とともに学び、交流
                気候           した人々が地球村の安
                資源・エネルギー     寧に貢献できるように
 低炭素社会          生態系
                                自然共生社会
 再生可能エネルギー
             水質汚濁     貧困 貧富格差   自然の恵み継承
 GHG大幅削減
             地球温暖化    感染症拡大     生物多様性維持
             広域大気汚染   自然災害多発
                      人口増大
                               暮らしを見直し、助け
世界一の省エネ・環        持続型社会         合う節度を持った国
境産業により、半世       持続的に発展する
                               の文明による持続性
紀で半減実施を。技       豊かで健康的な地
                球共同体?          を。自然と共生する共
術革新による持続性
                               同体を
を              大量生産        高齢化社会
               大量消費
 社会システム                        人間システム
               大量廃棄
 政治                            安全安心
 経済                            ライフスタイル・健康
 産業・技術           循環型社会
                               価値規範
                 エコタウン進化
排除することなく、認め合     3R推進       大量生産、大量消費、大量
い、会話し、仲間を作る                 廃棄から脱却し、物より心 37
経済社会では生活の質向上導入が富となる
                     アルフレッド・マーシャル1842~1924
真の経済学は分析概念と物質的な豊かさだけでなく、生活全体の質の向上を図る
官僚的・集権的な組織や官僚的支配は実業的才能の敵であり、強力な個性・個人主義と
自由企業こそが経済進歩の中核
「冷静な頭脳と温かい心情」(ケンブリッジ大学教授就任講演(1885年)の有名な言葉
人間の「良き生」の手段として、「富の増大よりも生活の質の改善」に着目
狭義の富の追求、功利主義は経済学の一部にすぎない→ 経済社会学を構想
人間行動の中で、経済的な動機を間接的だが貨幣という数量的に測定できることで経済
が成立(貨幣的尺度こそが経済学を科学することを可能ならしめた)
経済学の真の目的は
「個人的、社会的側面、道徳的、宗教的側面、肉体的、知性的、感情的、及び
芸術的側面、すべての側面での人間生活の向上」
生活なくして何のための「富か」
        物的な富の増大にとどまらず、精神的・道徳的能力の発達
進歩とは
        経済的な尺度では容易に測れない新鮮な空気や緑地などの環境
進化的経済学、有機的成長論は国民所得の量的増加だけではない。
                             日経070815 一橋大教授 西沢保   38
「七宝」…しちほう…七珍とも          大谷大学 沙加戸 弘教授

・中国では七宝焼 西洋ではエナメルと称する
・金こん 銀ごん 瑠璃るり(青色の玉) 玻瓈はり(水晶) 硨磲しゃ
こ(白珊瑚・貝)赤珠しゃくしゅ(赤い真珠)瑪瑙めのう(エメラルド)
・富貴の象徴である。
・しかし、七宝で造られた牢獄もある、と仏教では説く。 (仏説無量
寿経下巻)
・今我々の心を鷲掴みにしている「かね 金」は人の命にもかかわる
程の力を持って きた。これが現代の我々の姿でもある。
・現代ほど、生活の便利さ、衣装の華やかさ、住居の快適さ、食卓
に並ぶ食品の豊富な量と種類と質はない。欲望の際限のなさを示
してきた。これらは無間地獄であり、七宝の牢獄の内に居るようなも
の。
・そろそろ 七宝の牢獄だと気付くべき時ではないか!              39
技術革新と思考力
「米国民の収入の成長の85%の原動力は、技術革新に由来する」
              2004年パルミザーノ・レポート(米国ナショナル・アカデミー)提言書より

 アクションとして
      ①理系教育を初等中等教育段階から強化する
      ②基礎科学の研究をもっと強化する
      ③アメリカを、海外各国から研究開発人材が集まってくるような
        魅力的な国にする
      ④特許制度や研究開発優遇税制、ブロードバンドアクセスなど
        の整備を進め、イノベーションを起こしやすい国にするための
        インフラを整える
しかしながら、今後世界は
  ①技術革新に対して過度な期待を抱き、過度に依存することなく、生活スタイ
    ルの転換などと併せて考えててゆくことが肝要
  ②2011年東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故に見られる
    如く、自然の持つ様々な偉大なる力、社会の大きな歪みを十二分に認知
    し、その上での適応・対応した社会システムを検討

     肝心なことは技術が持つ危険性、暴走を見抜き、
      物事に対処する思考力を磨くことこそが必要                    40
里地里山を再構築する可能性
• 忍び寄る資源・エネル
  ギー・環境の危機     余剰分は外部へ販売


• 経済のグローバル化       現況の1.4倍の牛が飼養可能**
                                        家畜
                                                 植林

  に対する批判が強ま      飼料米
                                                            雑木林
                     メタン発酵
  る                 残渣
                                    畜産廃棄物
                                                      間伐材


• 地球環境の危機が       コンポスト
                                        畜産物     木材
               現況の農地をまかなえる
  農林水産業を救う
                                                 約50年サイクル
                  (窒素換算)**     バイオガス             で建替えが可能*
                         農地   副産物                           薪炭材
• 資源・エネルギーの                                 市街地・集落
                                                      薪・ペレット
  「地産地消」が推奨さ     生産調整
                                    農産物
                                                            最大でエネルギー使用量
                                                                の2割強を供給*
  れ              対象水田

                              土壌改良剤
                                                生ごみ・し尿
                                                (下水汚泥)

• エコ長寿社会に求め     ハウス栽培等
                への廃熱利用
                               河川等の
                               水質浄化                          炭

  られる里地里山
                                               *長野県北佐久地域における試算結果による。


• 新しい国際交流の場                                      **長野県佐久市における試算結果による。




  としての里地里山      2008UNU武内副学長ZEF講演資料より
                                                                   41
地域づくりのキーワード、事業主体




                   42
                   42
                   42
人類は11人の奴隷をもっている
                         ・地球上では化石燃料の燃焼により年間
                          273億トンのCO2 を排出
                         ・人間は呼吸により1日約1kgのCO2排
                          出、65億人が年間365kgを 排出する
                          ので年間約24億トン
19.3t/m
                         ・これはCO2換算で世界平均一人あたり
                          約11人の奴隷をもつことになる
                         ・日本ではひとりあたり26人、米国では
                          53人の奴隷をもっていることになる
                               株式会社システム技術研究所 槌屋所長資料



                                    人口
                          CO2排出量    1900年16億人
                          先進国:10t/人 2000年60億人
                          途上国: 1t/人 2050年90億人
出典) EDMC/エネルギー・経済統計要覧2009年版                       43
水資源




地球上の水の総量13.86億km3
                               図:富山県資料
海水:97.47%+单極と北極の氷:2.53%=100%
     氷河など1.76%+地下水0.76+河川、湖沼など0.01%
                          約0.001億km3
                                     44
一日で減ら
さあ、やってみよう !   せるCO2の量




                        45
飽和した日本   (主要耐久消費財の世帯普及率推移)
               内閣府「消費動向調査」資料   「社会実情データ図録」出所




 先進国の人間の願望はほぼ満たされている
 鉱物資源、エネルギー、食糧、電力、水の制約は大きい                 46
世界平均
の3.2倍




        47
48
エコロジカルフットプリント




                        unit(ha/year・person)
 ave                1.9
   Indian       1
Japanese                       4.2
  British                       4.6                  3
American                                  9.6        5
            0       2      4      6   8   10    12       地球が何個いるのか
                                                                49
環境の状態 1950~2050年
            1950 年   1972 年    1997 年    2050 年
1.人口          2.5      3.8       5.8      11.0
2.百万都市         2        9        25        200
3.食糧         1980     2450      2770      2200
4.漁業          19       58        91         35
5.水使用量       1300     2600      4200      7500
6.熱帯雨林        100      85        70         45
7.象           6.0      2.0       0.6       0.2
8.CO2 排出量     1.6      4.9       7.0      14.0
9.オゾン層         -       1.4       3.0       7.0


 1:10億人                   2:人口800万以上の都市
 3:1日の平均食糧生産量(カロリー/人      4:年間漁獲量(100万トン)
 5:年間水使用量(km3)            6:1950年を100としたときの森林面積
 7:100万頭                  8:年間CO2排出量(t-C)
 9: CFCsの大気中濃度(/10億)

                                             50
地球温暖化による気候や生態系への影響
   気   温        2100年までに1990年に比べ
                1.4℃から6.4℃高くなる。

   海面水位         2100年までに1990年に比べ
                9㎝から88㎝上昇する。
   異常気象     集中豪雤の増加、夏期の渇水の増加
   生態系      陸上・淡水での生態系崩壊、サンゴ礁への影響
   人間社会         熱波による高齢者の死亡、感染症の拡大
   北   極    平均気温過去100年間で世界平均上昇の2倍
            年平均海氷海水面積は10年あたり2.7%縮小

この100 年で世界は                イルリサット氷河から流れ出した氷山
0.6℃ 、東京3℃ 上昇              群。この数年、海が凍らなくなった。

                           20世紀初頭から次第に後退してき
この50 年でアラスカ、               た。近年、その加速が激しい。90年
カナダ北部3.5 ℃上昇               代後半からの10年で後退した距離
                           は、約15キロ
                                         51
2010年の世界市民1人当たり環境容量と日本の現状
      項   目   2010年の環境容量(A)   日本の現状 (B)     ( B)/(A)
 二酸化炭素         1.7t /人・年      9.5t /人・年
  放出量                                         5.6
               (2030年までの目標)
 耕作地           0.26ha /人      0.47ha /人       1.8

 草地            0.31ha /人      0.06ha /人       0.2
  肉            30g/人・日        78g/人・日         2.6
  牛乳           300ml/人・日      135ml/人・日       0.45

 飲料水           80リットル/人・日     246リットル/人・日     3.1
 材木・パルプ        0.4m3/人・年                      2.4
                              0.97m3/人・年
 枯渇性資源         95%以上リサイクル 37%(廃棄物6億トン
                          中2.2億トンをリサイクル)
 有機塩素などの
                  使用禁止
 有害物質

                                                       52
バイオマスでの地域保全
と循環例
                             丸太      建築・家具・遊具用材        オガ粉
                            空間活用(観光・
         整備管理               工房・セラピー)      自然エネルギー
                                                       敷料
                     明るい森
暗い森                       薬草木・茸栽培           森林放牧
学生・シニア                  地域資源の付加価値を付
                         けた6次産業事業へ
 都市と里山の地域連携
  温暖化対策   森林整備                                        紙
  水源涵養    水管理
  防災      産業振興
  環境教育(SS現場)
                                         チップ
  市民健康向上 景観保全    炭・木酢液
 資源・エネルギー共同管理                間伐材                     ボイラー
  カーボンオフセット検討                                        (温水・発電)
                             里山循環事業      ペレット
 農地
          堆肥使用済み敷料
                     割り箸・下地材・ボードなど              灰

                                   生ごみ              ストーブ   53
1Rから3Rへ
• Recycleだけの社会から、
   Reduce>Reuse>Recycle社会へ

廃棄物の?
• Reduce:省資源、長寿命化、リペア
• Reuse :製品リユース、部品リユース
• Recycle:マテリアルリサイクル、サーマル
          リサイクル(=高度エネルギー回収)


                             54
穀物需要などの予測




            55
エネルギー確認可採埋蔵量と可採年数と地域別割合




      EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2010年版)2008年末
                                        56
温室効果ガスの「2050年半減」シナリオ
                国際エネルギー機関(IEA)は
                総額45億ドルの削減追加投資
                が必要と発表。
                480億㌧の温室効果ガス削減
                が必要
                対策費の主なもの
                ・省エネ ・再生可能エネ
                ・CO2回収、貯留 ・燃料転換
                具体的には毎年
                ・原子量発電32基 要検討
                ・風力発電17500基
                ・PVC2億m2
                ・電気自動車や燃料電池自動車
                 10億台


                           朝日新聞 080607   57

Weitere ähnliche Inhalte

Andere mochten auch

Wwf file8 6-
Wwf file8 6-Wwf file8 6-
Wwf file8 6-
y246ra
 
知識ベース型推薦の解説
知識ベース型推薦の解説知識ベース型推薦の解説
知識ベース型推薦の解説
Takahiro Kubo
 
【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0
【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0
【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0
musako-oncology
 
抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪
musako-oncology
 

Andere mochten auch (20)

Skets 概要資料
Skets 概要資料Skets 概要資料
Skets 概要資料
 
座談会概要 20141213
座談会概要 20141213座談会概要 20141213
座談会概要 20141213
 
MySQLの系譜について少々
MySQLの系譜について少々MySQLの系譜について少々
MySQLの系譜について少々
 
Wwf file8 6-
Wwf file8 6-Wwf file8 6-
Wwf file8 6-
 
社会基盤としてのオープンデータ ~ みんなで作ろう、使おう、オープンデータ ~
社会基盤としてのオープンデータ  ~ みんなで作ろう、使おう、オープンデータ ~社会基盤としてのオープンデータ  ~ みんなで作ろう、使おう、オープンデータ ~
社会基盤としてのオープンデータ ~ みんなで作ろう、使おう、オープンデータ ~
 
2014Youthcreate
2014Youthcreate2014Youthcreate
2014Youthcreate
 
知識ベース型推薦の解説
知識ベース型推薦の解説知識ベース型推薦の解説
知識ベース型推薦の解説
 
Japan.R補完計画(Tokyo.R#46LT)
Japan.R補完計画(Tokyo.R#46LT)Japan.R補完計画(Tokyo.R#46LT)
Japan.R補完計画(Tokyo.R#46LT)
 
使う前に知っておきたいSVGのこと
使う前に知っておきたいSVGのこと使う前に知っておきたいSVGのこと
使う前に知っておきたいSVGのこと
 
Mr Koji Nakui of Tokyo University of Science: CCS legal/regulation (Japanese)
Mr Koji Nakui of Tokyo University of Science: CCS legal/regulation (Japanese)Mr Koji Nakui of Tokyo University of Science: CCS legal/regulation (Japanese)
Mr Koji Nakui of Tokyo University of Science: CCS legal/regulation (Japanese)
 
ソーシャルテレビカンファレンス2013 セッション2(深田担当)
ソーシャルテレビカンファレンス2013 セッション2(深田担当)ソーシャルテレビカンファレンス2013 セッション2(深田担当)
ソーシャルテレビカンファレンス2013 セッション2(深田担当)
 
All city-2017 catalog
All city-2017 catalogAll city-2017 catalog
All city-2017 catalog
 
Hope 100
Hope 100Hope 100
Hope 100
 
【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0
【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0
【患者さん向け】知ってほしいがんの正しい知識2.0
 
ndsと要求開発
ndsと要求開発ndsと要求開発
ndsと要求開発
 
第3回多摩には和室でjellyー非営利な起業を考える
第3回多摩には和室でjellyー非営利な起業を考える第3回多摩には和室でjellyー非営利な起業を考える
第3回多摩には和室でjellyー非営利な起業を考える
 
抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪抗がん剤は効かないの罪
抗がん剤は効かないの罪
 
Jepa講演資料電子図書館(dnp)2015.11.16
Jepa講演資料電子図書館(dnp)2015.11.16Jepa講演資料電子図書館(dnp)2015.11.16
Jepa講演資料電子図書館(dnp)2015.11.16
 
Jepa講演資料新しい取り組み(dnp) 2015.11.16
Jepa講演資料新しい取り組み(dnp) 2015.11.16Jepa講演資料新しい取り組み(dnp) 2015.11.16
Jepa講演資料新しい取り組み(dnp) 2015.11.16
 
FASHION CHARITY PROJECT(FCP)
FASHION CHARITY PROJECT(FCP)FASHION CHARITY PROJECT(FCP)
FASHION CHARITY PROJECT(FCP)
 

Ähnlich wie 20110626 edt takebayashi

インゼミ最終発表 23期 2班
インゼミ最終発表 23期 2班インゼミ最終発表 23期 2班
インゼミ最終発表 23期 2班
hosoda_semiar
 
食と農の再生シンポ0925糸長pp
食と農の再生シンポ0925糸長pp食と農の再生シンポ0925糸長pp
食と農の再生シンポ0925糸長pp
y246ra
 
20100913早坂房次
20100913早坂房次20100913早坂房次
20100913早坂房次
Fusaji Hayasaka
 

Ähnlich wie 20110626 edt takebayashi (13)

s08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pdf
s08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pdfs08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pdf
s08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pdf
 
s08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pptx.pdf
s08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pptx.pdfs08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pptx.pdf
s08_2022sli_【北大水】アクポ二部.pptx.pdf
 
開発途上国におけるトイレ・し尿問題
開発途上国におけるトイレ・し尿問題開発途上国におけるトイレ・し尿問題
開発途上国におけるトイレ・し尿問題
 
インゼミ最終発表 23期 2班
インゼミ最終発表 23期 2班インゼミ最終発表 23期 2班
インゼミ最終発表 23期 2班
 
090804はちよん(改訂)高知の森から見える日本の課題
090804はちよん(改訂)高知の森から見える日本の課題090804はちよん(改訂)高知の森から見える日本の課題
090804はちよん(改訂)高知の森から見える日本の課題
 
Thinking in water supply, Yamanashi vs Tokyo
Thinking in water supply, Yamanashi vs TokyoThinking in water supply, Yamanashi vs Tokyo
Thinking in water supply, Yamanashi vs Tokyo
 
セマンティックWeb技術を用いた農業分野の標準語彙の構築
セマンティックWeb技術を用いた農業分野の標準語彙の構築セマンティックWeb技術を用いた農業分野の標準語彙の構築
セマンティックWeb技術を用いた農業分野の標準語彙の構築
 
ブラジルの環境問題 Rio92から20年、何が変わった?
ブラジルの環境問題 Rio92から20年、何が変わった?ブラジルの環境問題 Rio92から20年、何が変わった?
ブラジルの環境問題 Rio92から20年、何が変わった?
 
20120809WBN横浜
20120809WBN横浜20120809WBN横浜
20120809WBN横浜
 
20130226講演用
20130226講演用20130226講演用
20130226講演用
 
食と農の再生シンポ0925糸長pp
食と農の再生シンポ0925糸長pp食と農の再生シンポ0925糸長pp
食と農の再生シンポ0925糸長pp
 
日本の水産業に関する一考察(2017年)
日本の水産業に関する一考察(2017年)日本の水産業に関する一考察(2017年)
日本の水産業に関する一考察(2017年)
 
20100913早坂房次
20100913早坂房次20100913早坂房次
20100913早坂房次
 

Mehr von y246ra

Mehr von y246ra (13)

160903nishimura
160903nishimura160903nishimura
160903nishimura
 
151020相原農場プレゼン資料
151020相原農場プレゼン資料151020相原農場プレゼン資料
151020相原農場プレゼン資料
 
111230green economy1
111230green economy1111230green economy1
111230green economy1
 
111230green economy1
111230green economy1111230green economy1
111230green economy1
 
110901 presentation
110901 presentation110901 presentation
110901 presentation
 
110814edc edtt
110814edc edtt110814edc edtt
110814edc edtt
 
110806kojima ppt0000025
110806kojima ppt0000025110806kojima ppt0000025
110806kojima ppt0000025
 
Peak oil earth summit dialogue
Peak oil    earth summit dialoguePeak oil    earth summit dialogue
Peak oil earth summit dialogue
 
110806 edt2 actions
110806 edt2 actions110806 edt2 actions
110806 edt2 actions
 
110806 energyshift
110806 energyshift110806 energyshift
110806 energyshift
 
110806 edt2 technoba
110806 edt2 technoba110806 edt2 technoba
110806 edt2 technoba
 
21220626 edt furusawa
21220626 edt furusawa21220626 edt furusawa
21220626 edt furusawa
 
100928hayasaka presen
100928hayasaka presen100928hayasaka presen
100928hayasaka presen
 

20110626 edt takebayashi

  • 1. 「3.11と日本と世界 ~私たちから始まる未来~」 天の啓示3.11が背中を押す 「奪い合いの地球社会から 持続型社会への道」 第1回アースダイアログ東京 地震・津波 2011年6月26日(土曜日) ・原発・風評・人災の5重苦! 日本財団ビル2階大会議室 日本は、世界は一つの 地球サミット2012Japan 家族となれるか! 環境パートナーシップ会議 日本財団CANPANプロジェクト 今、世界へ21世紀のあるべき セブンジェネレーションズ 文明を語りかけ、行動を! 竹林征雄 写真は单三陸町にて竹林
  • 2. グローバル・トリレンマ ・エネルギー、資源、食糧、水不足 ・伝染病 ・貧富の差の拡大 ・環境難民 ・人口問題 ・経済難民 ・スラム化 ・自然災害 この3つのグローバルな 経済の発展 ジレンマをどのように解決 し、持続可能な社会・循環型 社会を構築するか 危機 資源の枯渇 (エネルギー、食料 地球環境 ①天然資源の使用量低減 鉱物資源、 の保全 ②環境への負荷低減 水資源) ③持続可能な経済成長? ・温暖化 ・森林破壊 ・酸性雤 ・海洋汚染 ・オゾン層の破壊 2
  • 3. 人口問題 急速な人口増大 世界人口は、1分に137人 1日で20万人 1年で7千万人増加 1年に6千万人(毎秒1.8人)が死亡 1億3千万人(毎秒4.1人)が誕生 2050年推定 91億人 2011.06.21現在 69億1470万人 1987年 50億人 1950年 25億人 3
  • 4. 人口増加が飢餓問題へ WFP 国際連合世界食糧計画 *世界の飢餓人口は約10億人≒七人に一人(2010年予測)(15人/100人の村) 飢餓傾向は毎年約1500万人増加 *3.8億人が1日2,000カロリー未満の栄養しか摂取できず *自然災害、紛争、慢性貧困、農業基盤不整備、HIV/エイズ、乱開発による環境 破壊、世界的経済危機拍車により食料価格高騰で2007年から貧困層が買えず *1日1.25$以下で生活する絶対的貧困12億人(低所得、栄養不良、不健康、 教育の欠如など人間らしい生活から程遠い状態)状況の増加が 2$以下は増大 *乳幼児が3秒に1人死亡 飢餓の原因 栄養不足人口割合 「食糧不足」によるもの サハラ以单 中国21% だけではない。 アフリカ23% 食糧の配分の不公平 によるところが大きい。 食料の絶対的不足が 原因ではなく、原因は 人間であったり、社会 システムであったり、 不平等な文化にある。 印度25% その他アジア・ ナイジェリア内戦での女の子 太平洋20% 4
  • 5. 食糧不足 世界第1位死亡原因は飢餓 世界中の7人に1人が飢えに苦しむ 赤に分類された国は3人に1人以上が飢餓に苦しむ 五大陸の中で唯一、アフリカは飢餓人口増加 過去10年より今後10年農作物高値に、生産性も下落、 漁獲高の拡大は1.3%程度。OECDとFAO発表20110618 5
  • 6. 失われる生物多様性 約7分に1種の生物種が絶滅! 「生物多様性の損失と生態系の関係は、飛行機の羽と羽をとめるボルトの関係の ようなものである。1~2個のボルトが抜け落ちても大したことにはならないが、他の ボルトに対する負荷は知らず知らずのうちに確実に強まり、いずれ次々と抜け落ち ていくことになりかねない。そうすれば、一気に羽根が崩れ落ち、機体全体が危ぶま れる大惨事となってしまうだろう」 (スタンフォード大学ポール・アーリック博士) 生物多様性の破壊は不可逆的!地球生命維持装置 6 国際自然保護連合2007資料
  • 7. 天然資源鉱物の埋蔵量と既採掘量との割合 100% 90% 80% 70% 60% 50% –  Ê –– ù Ì @Ê –––– 40% 30% 20% 10% 0% Hg Ag Sn Pb Au Zn Mn Cu W Ni Mo Fe Co Cr Al Pt- gr 7
  • 8. 資源争奪戦 *アルセロール・ミタル:カナダ(鉄) :リベリア(鉄) *グリーンランド・ミネラルズ・アンド・ エナ―ジ(豪):デンマーク(レアアース) *EU:グリーンランドで準備(レアアース) *中国:レアアース輸出調整が摩擦を *日本:モンゴル等からレアアース調達へ *米国:レアアース安定調達政策を *韓国:レアアースリサイクル拡大へ *ペルー:鉱山企業への課税強化検討 *コンゴ:不正採掘鉱物が内戦資金源に *米国:紛争鉱物(タンタル、錫、金、タン グステン)規制、使用開示 *OECD:サプライチェーンの中で紛争鉱 物を把握し、リスク回避を 20110619日経新聞朝刊 8
  • 9. エネルギー資源確認埋蔵量 122年 8260億t(2008年末) エネルギー・経済統計要覧 エネルギーと貧困問題 (2010年版) ①国際エネルギー機関 *資源量には限りが (IEA)は電気の無い生 *埋蔵地域には偏りが 活を送るのは現在16 85年 458万t 億人、2030年でも14億 ピークアウト 60年 1699t ②まき、木炭、穀物くず、 42年 1708億t 動物糞などの伝統的な バイオマス原料を使う 人口は現在24億人 ③伝統的バイオマスの 使用人口は2030年に 26億人に増える 富士山 1/5 1900億m3 琵琶湖 D40Km×H3.8Km 6個分 9
  • 10. エネルギー供給 と消費のイメージ ・人類は、1850年から始まった産業 革命からの100年間で消費したエネ ルギーと同量のエネルギーをこの15 年間で使ってる ・現在、世界人口の25%の先進国 総エネルギー消費量 がエネルギー全体量の75%を消費 化石エネルギー 人口増と同一 産 (石油換算 億 kg ) NEF HPより 業 グラフパターン 革 命 10
  • 11. 水問題 世界国別及び日本の地域別人口一人当たり水資源賦存量 国際流域は約260 (FAO Aquastat2003) 代表的な水紛争 世界の水利用 農業用水に70% 工業用水に20% 生活用水に10% 国土交通省白書「日本の水資源」(平成16年(2004年)版) 11 http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/index5.html
  • 12. 水関連データー 地球上の水の総量13.86億km3 海水:97.47%+单極と北極の氷:2.53%=100% 約0.001億km3 氷河など1.76% + 地下水0.76 + 河川、湖沼など0.001% 世界の水総使用量実績と将来水需要推定量 施水使用量(億m3) 日本の年間総水使用量 約831億m3/年 1950年 1972 1995 2000 2025 2050 生活用水約157億m3 13600 26000 35700 39730 49130 75000 工業用水約126億m3 農業用水約547億m3 水使用量(リットル/人・日) 世界平均165 3 375 12
  • 13. 水不足 1.水が原因で、年間500~1,000万人が死亡 農業用水以前に (その内、子供が約200万人) 2.11~12億人が安全な飲料水の確保ができない (16人/100 人) 3.24~30億人が十分な衛生設備を利用できない 4.2025年には48ヶ国で水が不足する見込み 2050年世界の 40%が水不足になる(世銀) 水分配 :インダス川、ヨルダン川、ナイル川、メコン川、ガンジス川、 争奪紛争 チグリス・ユーフラテス川 水質汚濁(例ドナウ川、コロラド川、アラル海) 1.途上国における病気の80%の原因は汚水 2.水が原因とされる病気で、子供たちが8~15秒に一人死亡 3.世界人口の50%に対し、下水道施設が未整備 4.淡水魚の20%の種は、水の汚染により絶滅の危機 5.内分秘かく乱物質等の有害物質による水の汚染 13
  • 14. 気候変動 アラル海 *気候変動と水問題 「死の湖」 *陸上・淡水での生態系崩壊、 サンゴ礁への影響 *熱波による高齢者の死亡、感染 症の拡大 *この100 年で世界は 0.6℃ 、 東京3℃ 上昇 *この50 年でアラスカ、 カナダ北部3.5 ℃上昇 单米パタゴニア・ウプサラ氷河後退 42万km3の氷が失われつつある イルリサット氷河から流れ出し た氷山群。この数年、海が凍 らなくなった。 14
  • 15. 年代 CO2 濃度 平均気温. 気温上昇の将来予測 19 C 280 ppm 1960 317 ppm 14.9 ℃ 1970 325 ppm 15.0 ℃ 6 1980 339 ppm 15.2 ℃ 気温の上昇が最も高い場合 1990 354 ppm 15.4 ℃ 5 2100 560 ppm ? 18.0 ℃ ? (2100年で6.4℃へ) 気温変化(℃) 4 3 気温の上昇が最も低い場合 (2100年で1.4℃) 2 海面上昇 1 2025 + 20cm 2100 + 65cm / + 1m 0 2000 2020 2040 2060 2080 2100 今後強力な対策が取られない場合、 異常気象の頻度・ 2100年までに最大6.4℃上昇 規模が激化 15
  • 16. 大型台風の発生回数と被害額の推移 リオデジャネイロ 郊外で集中豪雤 集中豪雤の増加、夏期の渇水の増加 の死者600人超に. (IPCC, 1995) 2011.1.16 60 25 50 20 Total Damage ($B) 1990年代 40 1199件 1712億ドル Number 1秒間に65万円 15 1秒間の世界より(山本良一) 30 10 20 ハリケーン・カトリーナ 2005.8 10 5 0 0 1秒間に65万円 1960s 1970s 1980s 1990s 1秒間の世界より(山本良一) Major windstorms worldwide: Annual impact 1960-1992 (A major windstorm is defined as one costing more than $500M in total damage.) 16
  • 17. 環境破壊 環境配 代関連マップ 慮不足 経済活 動上昇 開発 発展 援助 海洋汚染 途上国 の公害 過放牧 過耕作 NOx 酸性雤 SOx 砂漠 発展 先進国 高度 化石 人口 化 途上国 成長 燃料 急増 CO2 地球 温暖化 熱帯 化学 焼畑移動 雤林 耕作 物質 減尐 貧困、 フロン オゾン層 対外債務 破壊 国際 取引 有害廃棄 野生生物 物越境 種減尐 17
  • 18. まとめ:人口増加とクライシス因果関係 2050年推定 2050年推定 7500km3 91億人 2011年推定 2011.06.21 世界の 水の 4500km3 現在69.1470 人口急増 増加 需要急増 1995年 1987 3570km3 50 地球温暖 1950年 1950 化の加速 1360km3 25 2050年には 減 炭酸ガス濃度 推定:ユネスコ 1990年比2億t 少 2050年450 560 900 ? 穀物 へ 1990年354ppm 2050年 30億t エネルギー 2030 27 食糧の 2030年想定 2010 23 需要急増 168億万t 2000 19 減尐へ 2015年想定 エネルギー 135 高騰・不足 2007年 120 エタノール/BDF化 1990年 87 石油換算 物質から見た関係、人間が係る(経済問題、政治問題)とさらに複雑に 「現状のままでは今後20年以内で、世界の水需要が供給を40パーセント上回る見通し」 20110321カナダ・ウォーター・ネットワーク 18
  • 19. 滅亡へ向う人類 経済成長は人類が幸せになるため、繁栄するために努力している しかし、現在の動向は滅亡に向けて突進しているようなもの 水+食糧+資源≒生活と生産≒経済活動 条件:現在の人口比率 先進国10億人+途上国60億人 ⇒ 2083年には 10億人+90億人(国連推定) 先進国の現在の生活水準を10と仮定:途上国生活水準を1と仮定 2083年の先進国生活水準は変わらない:途上国は現在の生活水準の5倍に 日経新聞20110601 松本京大総長 消費の総量 2011年(10×10)+(60×1)=160 ⇒ 2083年(10×10)+(90×5)=550 72年後:550÷160=3.4個の地球が必要 持続可能な社会形成 指数的人口増加速度に技術進歩は追いつかない 技術依存でいいのか 自然生態系と環境を守れるのか 生活様式の転換 多く求めない・もったいない・速度を求めない・拡大巨大化を考えない 19
  • 20. 限界に直面した人類 地球環境の限界 1.金属,化石燃料等の地下資源は枯渇性且つ有限 2.木材、魚、地下水などの再生可能資源も再生速度を 越えて採取すると枯渇 3.生態系のCO2,SO2・・・などを拡散,分解,吸収する 速度には限界 4.生態系で分解しない人工化学物質や金属は地球表面 に蓄積 5.植物等による太陽光の光合成量には限界 社会的限界 1.投入できる資本には限界 2.貧富の格差など社会的不平等がある限界を越えると, 暴動,革命,戦争が起こる可能性 3.人間は基本的に物質的反映を追求する生物 20
  • 21. 成長から持続へのパラダイムの転換を 20世紀は化石燃料を大量に使い、製品の大量生産、大量 消費、大量廃棄による物とお金による成長と炭酸ガスの時代、 21世紀は持続可能性を考えた適量生産・自然資本(バイオ マス材料と再生可能エネルギー)による安定と心の時代へ 持続可能な社会の原則例 原生林の75%が 伐採されてしまった 「ハーマン・デイリーの3原則」 1.再生可能な資源は、その再生ペースを上回って消費しない 2.再生不可能な資源は、それに変わる再生可能な資源の開発ペース を上回って消費してはならない 3.環境負荷の排出量は、環境の吸収能力を上回ってはならない 「ナチュラルステップの4原則」 1.地殻から掘り出す物質の量を、いたずらに増やさない 2.自然循環のなかで分解しにくい化学物質を増やさない 3.乱獲や他の自然破壊行為によって生態系を損なわない 4.資源は、地球規模で公平かつ効率的に活用する 21
  • 22. バイオマス量 記;1EJ=1×1018 joule 地表に届く太陽エネルギー 2,600,000 EJ/年(100%) 地球表面の運動エネルギー(風波) 11,000 EJ/年(0.4%) バイオマスの潜在エネルギー 2,600 EJ/年(0.1%) 人類が消費するエネルギー 410 EJ/年(0.016%) 米国DOE戦略 2010年;バイオマスと都市ごみのガス化で 0.2EJ/年の水素導入 2025年;同10EJ/年の水素導入 出展;バイオエネルギー,山地憲治(2000)/地球生態学,竹内均(1984) 人類が消費するエネルギー(熱放出)が、地球表面の運動エネルギー(風波) に近づくほど異常気象をもたらす(竹内均)。現状でも約4%/年に達しており、 蓄熱を含めると かなり危険領域に入っているかもしれない。 地球環境問題は、卖に炭酸ガスによる温室効果だけではなく、 人類が消費するエネルギー量(熱量)が問題になってくる。 究極的には、再生可能エネルギー、自然エネルギーに頼らざるを得なくなる 可能性がある バイオマスの潜在エネルギーは人類が消費するエネルギーの約7倍 22
  • 23. 石油基盤の物質提供からバイオマス基盤 の機能提供への転換 石油を基盤とする物質フロー 石油 石油精製 (0il Refinery) 大気汚染 燃料 石油化学物質 難自然分解 SOx ,NOx ダイオキシン 人工物質 石油化学製品 廃棄物問題 CO2排出 廃棄物 蓄積 焼却 転換(Replace) バイオマスを基盤とする物質フロー 難自然分解 バイオマス 人工物質の軽減 (Biomass Refinery) バイオマス精製 燃料 機能性バイオマス育成 生物化学物質 機能代替 生物化学製品 排出CO2抑制 廃棄物 23 出典 : バイオマスを物質資源ともする自律持続社会をめざして 迫田章義 東京大学生産技術研究所
  • 24. バイオマスで何がやれるか ブランド農産物 生ごみ 電気 (米・麦・豆・野菜等) 燃料電池 熱エネルギー 電気 廃棄物産業分野 熱エネルギー 可燃ごみ マイクロガスタービン 都市部 市民生活からの 廃棄物 都市系ごみ バイオガス 都市・産業からの 水素 工業産廃 廃棄物 分散型エネルギー供給 バイオマス発電 堆肥利用 コンプレックス 減農薬栽培 燃料 (メタノール・エタノール) CO2固定 電気 森林保全 資源ガス化 堆肥化施設 新システム 熱エネルギー 生分解性プラス マテリアル チック リサイクル バイオマスリファイナリー 再資源炭化施設 産業コンプレックス 再生可能ボード (木工品 等) メタン発酵施設 農林・畜産廃棄物中の 農業廃棄物 アルコール発酵 バイオマス資源 ポリ乳酸製造システム 鉱物資源代替工業分野 廃棄物産業分野 食品添加物、 家畜ふん尿木質系廃棄物 食用油脂 ウッドプラスチック ファインケミカル リグニン抽出 糖化 山林や農地で生産され 農薬、医薬品 る 生産 バイオマス資源 樹木・草本・農作物 精製・加工 資源用バイオマス 育成分野 地方農村地域 化粧品、洗剤 Proprietary Information of EBARA Corporation 地域の創意工夫を活かし雇用と新産業を創出 24
  • 25. 持続可能社会形成への視点 ガイア理論の「人間も生物も無機物も、すべてを含めた地球全体が大きな有機体 として機能している」という考えに立つならば、人間圏のみ突出した活動はもはや出 来ない。自然と人間のすべての振る舞いとの共存が可能な経済・社会システムや ライフスタイルや技術などを変えざるを得ない。そのような文明はどう作るのか? 過密化した地球で人 人類は基盤として 類共通の運命を分か 場 労働 出発点 ち合わねばならない 森・里山・川海 食の原点「稲作漁撈」 森の文明 現実を見つめる 自然と共生してきた。その知恵に学ぶ 再生可能な共生循環を意識(バイオマス+自然力) る安 アショーカ王の「5本の木の林」にある 事心 食糧(果実)、エネルギー(薪)、化学 自然の力(太陽・風・ がし 合成材(薬)、生活財(建築材、花) 水などのエネルギー) 出て 来暮 るら ・グローバリゼーションの基盤にある「無理な統一」と「生活の分断・断片化、 社し 知識の断片化」を避け、様々な文理分野の専門的知識を「持続可能性」の 会続 一点に求心・編み直し、世界で、地域で、再生循環を図る。 け ・同じ場所で安心して暮らし続ける事ができ、自然と人間の共存が可能な 尐欲知足、中道的な「ライフスタイル」の構築、そして教育のあり方の検討。 ・経済、教育を始め、制度、仕組み変え、物から機能への転換と併せて 25 25 25 都市・地域の管理と森林・河川流域管理が重要。
  • 26. 21世紀の持続型社会のため 「次世代のニーズ を損なわずに 低炭素社会 次世代のニーズを 追求する持続可能 循環型社会 自然共生社会 な世界」 1987年プルントラント報告 統合ネットワーク 化された知の活用 貧困の撲滅 ビ 人間の安全保障 ジ ョ ン (http://www.nih.gov/news/NIH- Record/10_20_98/story06.htm) グローバルサステイナビリティ 26 26
  • 27. 持続可能な社会創造と生産性 +法・税制度と社会システム再構築を 1.3Rイニシアチブ 社会 トリプル・ボトムラインを考慮 ツール Reuse(中古品、中古部品) LCA,LCC、ファクターX、MIPS、EMS 物 マテリアルフロー会計 場 生産物 (人・物・金) プロダクト系 (ポンプ 、パソコン、 機械、家電、IT、 自動車、家電、 建設、農業、水産、 機能提供 OA機器、建物 等) 水 投入の極小化 製紙、輸送機器、 資 源 サービス産業など 地域・生活 4.多く物を作らない 埋 エネルギー Reduction 商店街、工業団地 Reduction 立 物 企業工場内・地域 極 メタポリズム系 3.バイオマス代替 内環境 排出物の極小化 小 化 自然資本の活用 ユーティリティー循 Reduction 環 プロセスの転換 ゼロエミッション 副産物 エコデザイン(Edf) 排水・排ガス Recycle(原材料・素材化) Regeneration(再生エネルギー) 廃棄物・廃熱 グリーン購入 2.循環管理システム(物、エネルギー) 生産性 :{時間効率+経済性} 加えて{環境効率+資源循環効率の向上と技術開発} 27
  • 28. 経済と社会の検討、見直し 制御不能な金融システムの改編 ⇒ 銀行以外の機関への規制強化・資本注入・ 経済のグローバル化は 部分的国有化・新分野ビジネス投資(部分 工業のグローバル拡散・グローバルに 計画経済?) 資源消費拡大・グローバルに環境悪 地球の有限性を経済システムへ導入検討 化・グローバルに生態枯渇を招く 政 策 (変化は チャンスである) 市 民 ①環境投資と革新的技術を 壊してはならないものは、守 エネルギー(地球温暖化の緩和と適応策) らなければいけないものは? (低炭素社会化) 土地・資源の利用法を考えつつ、自然生態系 出来るところ、足元から を守り、バイオマス利用の技術革新 ソーシャルビジネス ②2050年までに人口を80億人以下に コミュニティビジネス ③2025年までに極度の貧困解消 ④国家間の協力、非政府組織の活力と 地球は一つ、が世界は一つではない。 知恵でグローバル課題解決を グローバル化への対応は5大陸(地域) ⑤市場重視の考えを捨てる で風土、文化、制度、国情などが異な 医療福祉への投資 る。各地域でのガバナンス、制度、政策 農業・人材育成への投資(職業訓練) も、戦略も異なることを考え検討、見直 確かな年金制度(不安のない老後) 28
  • 29. 持続可能なタウンづくり トランジッション・タウン: すべてのピーク(エネルギー消費量、資 源の使用量、環境破壊や汚染など)を越 えた世界の危機を乗り越えるための、草 の根運動の一つ。 市民の創意と工夫、地域に根ざしたコ ミュニティの力を活用し、本当の暮らしや すい、持続可能な社会へ移行してゆくこと。 トランジッション・タウンが描く未来: 現状を素直に受け入れ、暮らしを緩や かにスローダウンさせることで、自発的に 持続可能な未来を創ってゆく。 ロブ・ホプキンス: 「私たちが、自らの創造力を駆使して、創像 的考えるなら、石油の無い未来は現在よりも、 むしろ良い社会になるかもしれない」 No93~97NPOトランジッション・タウン・ジャパン リーフレットより 29
  • 30. 持続性と宗教と覚悟(物の限界と精神性) 持続性は 仏教、神道など東洋的哲学思想と相通ずるというより、基本の土台がそこから来ている。物質 文明や技術だけでは解がとけない。理念や哲学が重要。 特質は 人間と対峙する自然や宇宙ではなく、草木などの自然生命体ばかりか、山や川、そして石や鉱 物などにも命を見、これらとともに渾然一体となり、互いに活かされ生きている関係性を本能的に知る民 族だからだ。他者や自然を傷つけず、自然を怖れ(畏れ)、敬う心根がある。 内省的日本人は「人間は優れた特別に選ばれし者」ではないと言う謙虚さ、優しさを風土の中で育んで きた。 現代社会で 「心の在り方」、「生きるよすが」になる人間の知恵が仏教にあるからではないか。 仏教は思想である。 地球の限界を深く認識した人類は技術革新とともに「覚悟」をまず持つ必要がある。個人的、国家的な欲 世界での我執、水、食糧、地下資源を巡る紛争、経済競争、格差社会、民族間対立などなど、は当分は 無くならないと覚悟する。 「地獄の門が今開く」と五木寛之は言う。 「覚悟」とは「明らかに究める」ことであり、希望でも絶望でもなく、真実を真正面から受け止めること。 その上で、個人のバランス(欲の遺伝子と制御)や世界が共存してゆく道を今こそ真剣に探る。 これが模索する文明ではないか? その時、自然に学び、命の継続性を認識する東洋哲学、仏教が大 いなる力を発揮する。 持続可能な世界を望む際、技術革新や制度・新しい仕組みでは越えられぬ 壁もあるのでは。 我執を持ちながら、如何にして世界を持続させてゆくのか。 30
  • 31. ブータンのGNHの役割 GDPからの脱出 持続的な社会形成 「物質的欲求をある程度満 本と 信等優 れな富経 的言仰・ し など・ 済 たすと同時に、情緒や感情 友 便 なっ ・ 好さ 伝 い 物利面 など精神的充足感も得る」 価た統的・ 人欲 で 物 精 値人・ 人い 思 間か さの 質 神 観間文間や ら・ 安 国 的 的 が化 離土心 持・ 関り れ開感 充 充 つ 家係・ 平 ら発・ 足 足 基庭・ 環境保全・分配・コミュ 矛盾・対立の場 架け橋となるGNHが政策目 ニティの視点が必要 合の対策や定期 標となっている しかし幸福は唯一絶対 的国民対話と定 幸福の条件は2面あり の価値か?心の問題は 点観測も必要 一義的ではなく、曖昧。 人と人のつながりを重視している 幸福への障害を除去するのが政治の役割 GNHは卖に、幸福度を高めるのが目的ではない 31
  • 32. 形あるものは壊れる! 良寛は、越後国上山中、五合庵の草庵は三間四方の屋、屋内は机上 に一硯筆、「荘子」とわずかな紙があるのみ。 炉中土鍋一つ、壁上皆詩。 卖純な極小点で、三衣一鉢の外、ほとんど物を所有しない、病んでも 心細く寝ているだけであった。名利、家郷、恩愛、田園、親族すべてを 捨てに捨て、欲望に拘束さえることなく卖にして純化された生活、どこへ 帰属することもなく、吹き晒しの生、自在で優游としていた生。 人が獲得と所有を望むとき、良寛は捨てる事を考え、富裕の拘束 よりは貧の無拘束による自由を選び、良寛は自身のことをまさに 大愚、愚直、風顛、襤褸と言い、我執を一切取り払った。 過密化した地球で、单北問題、経済問題、温暖化問題等について、人類共通の運 命を分かち合わねばならない現実を見つめつつ、さらに東北の大災害が日本へ追 い討ちをかけた中で、今回の過酷な現実、足元を見据え、これから世界モデルとな るような「まちづくり」を。 これまでは「形・もの文明」に甘やかされた生であり、「現代文明」によって生きざ まが脆弱になった。今「心・生命文明」精神の文明へ。 近代科学・合理主義に限界⇒文明の形そのものの見直しと社会の枠組みを変える 農耕漁撈社会は共同作業社会 …そこに利他的精神、共生が芽生え、欲望の制御が出来てくる 32
  • 33. 今、問われる心 恕の精神:ゆるす、自分がしてほしくないことを人にはしない 忘己利他:自分を忘れて他人のためにつくす、最澄は「己を忘れて他を利するは、 慈悲の究極なり」と すべての世界宗教において、この精神を否定するものはない、人間同士 がうまくやるための秘訣は相手を尊敬し、相手を第一に考える 先人後己:大きな災難が起きた時、他人のことを優先して考え自分の事を忘れる 【礼記・坊記】の「子雲:君子貴人而賤己、先入而後己」から由来 陳寿の「三国志蜀記」に、「毎有患急、先人後己」の言葉あり イエスの:キリストの山上の垂訓中に示したとされるキリスト教の根本的倫理「なに 黄金律 事においても人々からして欲しいと思ったことは、すべてそのとおり、 人々にもしてあげなさい」という教え 希 望 :日々の生活の中で、自分がやるべき「何か」を具体的に決め、それを「実 現」すべく、淡々かつ飄々と「行動」 そして、その繰り返す先に、いつか 落ち着いた生活が取り戻せる いつまでも今の状況が続くわけではないという「気持ち」を忘れない 「希望」とは圧倒的なものを前にしても決して屈しない 力であり、 「希望は人から人へと伝播する」 と東大教授玄田有史は言う 33
  • 35. 経済の本質と資本主義の変質 グローバル型 日本型 ☆行過ぎた株主主権論 ☆より多様な経営のあり方の 軽視へ ☆ストックオプション目当て の短期的株価上昇のみを目 ☆大切な経営資源、組織文 指す 化の崩壊へ ☆長期的視点無視の徹底的 自律性重視 精神性 リストラ 株主重視 お金重視 企業の最適解はない。 経営者の存在が重要 いずれも企業内の枠組み中での特殊解で、普 遍でもあり、特殊でもある。このバランスの問題。 35 岩井克人:東大経済学部教授
  • 36. マーシャルの経済学 アルフレッド・マーシャル英国(1842~1924) 経済学は日常の実業生活を営んでいる人間に関する研究 経済成長は 富の蓄積は 強力な個性・個人主義・自由 「物質的な豊かさ…狭義の富 企業こそが (貨幣)を追求」 官僚的・集権的組織の排除を 「生活の質・能力開発こそが富」 市場には心が無い 「個人的、社会的側面、道徳的、 冷静な頭脳 → 人間生活の改良手段 宗教的側面、肉体的、知性的、感 温かい心情 → 貨幣経済学の適用に 情的、及び芸術的側面など、す は限界があり、倫理的本能と常識を べての側面での人間生活全体の 質を向上」させる事が経済学 日経経済教室070815 一橋大西沢教授 36
  • 37. 21世紀持続型社会=3つの社会像統合 地球システム 日本とともに学び、交流 気候 した人々が地球村の安 資源・エネルギー 寧に貢献できるように 低炭素社会 生態系 自然共生社会 再生可能エネルギー 水質汚濁 貧困 貧富格差 自然の恵み継承 GHG大幅削減 地球温暖化 感染症拡大 生物多様性維持 広域大気汚染 自然災害多発 人口増大 暮らしを見直し、助け 世界一の省エネ・環 持続型社会 合う節度を持った国 境産業により、半世 持続的に発展する の文明による持続性 紀で半減実施を。技 豊かで健康的な地 球共同体? を。自然と共生する共 術革新による持続性 同体を を 大量生産 高齢化社会 大量消費 社会システム 人間システム 大量廃棄 政治 安全安心 経済 ライフスタイル・健康 産業・技術 循環型社会 価値規範 エコタウン進化 排除することなく、認め合 3R推進 大量生産、大量消費、大量 い、会話し、仲間を作る 廃棄から脱却し、物より心 37
  • 38. 経済社会では生活の質向上導入が富となる アルフレッド・マーシャル1842~1924 真の経済学は分析概念と物質的な豊かさだけでなく、生活全体の質の向上を図る 官僚的・集権的な組織や官僚的支配は実業的才能の敵であり、強力な個性・個人主義と 自由企業こそが経済進歩の中核 「冷静な頭脳と温かい心情」(ケンブリッジ大学教授就任講演(1885年)の有名な言葉 人間の「良き生」の手段として、「富の増大よりも生活の質の改善」に着目 狭義の富の追求、功利主義は経済学の一部にすぎない→ 経済社会学を構想 人間行動の中で、経済的な動機を間接的だが貨幣という数量的に測定できることで経済 が成立(貨幣的尺度こそが経済学を科学することを可能ならしめた) 経済学の真の目的は 「個人的、社会的側面、道徳的、宗教的側面、肉体的、知性的、感情的、及び 芸術的側面、すべての側面での人間生活の向上」 生活なくして何のための「富か」 物的な富の増大にとどまらず、精神的・道徳的能力の発達 進歩とは 経済的な尺度では容易に測れない新鮮な空気や緑地などの環境 進化的経済学、有機的成長論は国民所得の量的増加だけではない。 日経070815 一橋大教授 西沢保 38
  • 39. 「七宝」…しちほう…七珍とも 大谷大学 沙加戸 弘教授 ・中国では七宝焼 西洋ではエナメルと称する ・金こん 銀ごん 瑠璃るり(青色の玉) 玻瓈はり(水晶) 硨磲しゃ こ(白珊瑚・貝)赤珠しゃくしゅ(赤い真珠)瑪瑙めのう(エメラルド) ・富貴の象徴である。 ・しかし、七宝で造られた牢獄もある、と仏教では説く。 (仏説無量 寿経下巻) ・今我々の心を鷲掴みにしている「かね 金」は人の命にもかかわる 程の力を持って きた。これが現代の我々の姿でもある。 ・現代ほど、生活の便利さ、衣装の華やかさ、住居の快適さ、食卓 に並ぶ食品の豊富な量と種類と質はない。欲望の際限のなさを示 してきた。これらは無間地獄であり、七宝の牢獄の内に居るようなも の。 ・そろそろ 七宝の牢獄だと気付くべき時ではないか! 39
  • 40. 技術革新と思考力 「米国民の収入の成長の85%の原動力は、技術革新に由来する」 2004年パルミザーノ・レポート(米国ナショナル・アカデミー)提言書より アクションとして ①理系教育を初等中等教育段階から強化する ②基礎科学の研究をもっと強化する ③アメリカを、海外各国から研究開発人材が集まってくるような 魅力的な国にする ④特許制度や研究開発優遇税制、ブロードバンドアクセスなど の整備を進め、イノベーションを起こしやすい国にするための インフラを整える しかしながら、今後世界は ①技術革新に対して過度な期待を抱き、過度に依存することなく、生活スタイ ルの転換などと併せて考えててゆくことが肝要 ②2011年東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故に見られる 如く、自然の持つ様々な偉大なる力、社会の大きな歪みを十二分に認知 し、その上での適応・対応した社会システムを検討 肝心なことは技術が持つ危険性、暴走を見抜き、 物事に対処する思考力を磨くことこそが必要 40
  • 41. 里地里山を再構築する可能性 • 忍び寄る資源・エネル ギー・環境の危機 余剰分は外部へ販売 • 経済のグローバル化 現況の1.4倍の牛が飼養可能** 家畜 植林 に対する批判が強ま 飼料米 雑木林 メタン発酵 る 残渣 畜産廃棄物 間伐材 • 地球環境の危機が コンポスト 畜産物 木材 現況の農地をまかなえる 農林水産業を救う 約50年サイクル (窒素換算)** バイオガス で建替えが可能* 農地 副産物 薪炭材 • 資源・エネルギーの 市街地・集落 薪・ペレット 「地産地消」が推奨さ 生産調整 農産物 最大でエネルギー使用量 の2割強を供給* れ 対象水田 土壌改良剤 生ごみ・し尿 (下水汚泥) • エコ長寿社会に求め ハウス栽培等 への廃熱利用 河川等の 水質浄化 炭 られる里地里山 *長野県北佐久地域における試算結果による。 • 新しい国際交流の場 **長野県佐久市における試算結果による。 としての里地里山 2008UNU武内副学長ZEF講演資料より 41
  • 43. 人類は11人の奴隷をもっている ・地球上では化石燃料の燃焼により年間 273億トンのCO2 を排出 ・人間は呼吸により1日約1kgのCO2排 出、65億人が年間365kgを 排出する ので年間約24億トン 19.3t/m ・これはCO2換算で世界平均一人あたり 約11人の奴隷をもつことになる ・日本ではひとりあたり26人、米国では 53人の奴隷をもっていることになる 株式会社システム技術研究所 槌屋所長資料 人口 CO2排出量 1900年16億人 先進国:10t/人 2000年60億人 途上国: 1t/人 2050年90億人 出典) EDMC/エネルギー・経済統計要覧2009年版 43
  • 44. 水資源 地球上の水の総量13.86億km3 図:富山県資料 海水:97.47%+单極と北極の氷:2.53%=100% 氷河など1.76%+地下水0.76+河川、湖沼など0.01% 約0.001億km3 44
  • 46. 飽和した日本 (主要耐久消費財の世帯普及率推移) 内閣府「消費動向調査」資料 「社会実情データ図録」出所 先進国の人間の願望はほぼ満たされている 鉱物資源、エネルギー、食糧、電力、水の制約は大きい 46
  • 48. 48
  • 49. エコロジカルフットプリント unit(ha/year・person) ave 1.9 Indian 1 Japanese 4.2 British 4.6 3 American 9.6 5 0 2 4 6 8 10 12 地球が何個いるのか 49
  • 50. 環境の状態 1950~2050年 1950 年 1972 年 1997 年 2050 年 1.人口 2.5 3.8 5.8 11.0 2.百万都市 2 9 25 200 3.食糧 1980 2450 2770 2200 4.漁業 19 58 91 35 5.水使用量 1300 2600 4200 7500 6.熱帯雨林 100 85 70 45 7.象 6.0 2.0 0.6 0.2 8.CO2 排出量 1.6 4.9 7.0 14.0 9.オゾン層 - 1.4 3.0 7.0 1:10億人 2:人口800万以上の都市 3:1日の平均食糧生産量(カロリー/人 4:年間漁獲量(100万トン) 5:年間水使用量(km3) 6:1950年を100としたときの森林面積 7:100万頭 8:年間CO2排出量(t-C) 9: CFCsの大気中濃度(/10億) 50
  • 51. 地球温暖化による気候や生態系への影響 気 温 2100年までに1990年に比べ 1.4℃から6.4℃高くなる。 海面水位 2100年までに1990年に比べ 9㎝から88㎝上昇する。 異常気象 集中豪雤の増加、夏期の渇水の増加 生態系 陸上・淡水での生態系崩壊、サンゴ礁への影響 人間社会 熱波による高齢者の死亡、感染症の拡大 北 極 平均気温過去100年間で世界平均上昇の2倍 年平均海氷海水面積は10年あたり2.7%縮小 この100 年で世界は イルリサット氷河から流れ出した氷山 0.6℃ 、東京3℃ 上昇 群。この数年、海が凍らなくなった。 20世紀初頭から次第に後退してき この50 年でアラスカ、 た。近年、その加速が激しい。90年 カナダ北部3.5 ℃上昇 代後半からの10年で後退した距離 は、約15キロ 51
  • 52. 2010年の世界市民1人当たり環境容量と日本の現状 項 目 2010年の環境容量(A) 日本の現状 (B) ( B)/(A) 二酸化炭素 1.7t /人・年 9.5t /人・年 放出量 5.6 (2030年までの目標) 耕作地 0.26ha /人 0.47ha /人 1.8 草地 0.31ha /人 0.06ha /人 0.2 肉 30g/人・日 78g/人・日 2.6 牛乳 300ml/人・日 135ml/人・日 0.45 飲料水 80リットル/人・日 246リットル/人・日 3.1 材木・パルプ 0.4m3/人・年 2.4 0.97m3/人・年 枯渇性資源 95%以上リサイクル 37%(廃棄物6億トン 中2.2億トンをリサイクル) 有機塩素などの 使用禁止 有害物質 52
  • 53. バイオマスでの地域保全 と循環例 丸太 建築・家具・遊具用材 オガ粉 空間活用(観光・ 整備管理 工房・セラピー) 自然エネルギー 敷料 明るい森 暗い森 薬草木・茸栽培 森林放牧 学生・シニア 地域資源の付加価値を付 けた6次産業事業へ 都市と里山の地域連携 温暖化対策 森林整備 紙 水源涵養 水管理 防災 産業振興 環境教育(SS現場) チップ 市民健康向上 景観保全 炭・木酢液 資源・エネルギー共同管理 間伐材 ボイラー カーボンオフセット検討 (温水・発電) 里山循環事業 ペレット 農地 堆肥使用済み敷料 割り箸・下地材・ボードなど 灰 生ごみ ストーブ 53
  • 54. 1Rから3Rへ • Recycleだけの社会から、 Reduce>Reuse>Recycle社会へ 廃棄物の? • Reduce:省資源、長寿命化、リペア • Reuse :製品リユース、部品リユース • Recycle:マテリアルリサイクル、サーマル リサイクル(=高度エネルギー回収) 54
  • 56. エネルギー確認可採埋蔵量と可採年数と地域別割合 EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2010年版)2008年末 56
  • 57. 温室効果ガスの「2050年半減」シナリオ 国際エネルギー機関(IEA)は 総額45億ドルの削減追加投資 が必要と発表。 480億㌧の温室効果ガス削減 が必要 対策費の主なもの ・省エネ ・再生可能エネ ・CO2回収、貯留 ・燃料転換 具体的には毎年 ・原子量発電32基 要検討 ・風力発電17500基 ・PVC2億m2 ・電気自動車や燃料電池自動車 10億台 朝日新聞 080607 57