メダルマーケット分析、メダルポテンシャルアスリート分析、ゴールデンエイジスイマーのパスウェイ分析

1. 競泳強化コーチ会議＠２０１４年１０月４日
競泳における
アスリート育成パスウェイを考える
衣笠泰介, PhD
（独）日本スポーツ振興センター（JSC）
スポーツ開発事業推進部
先任研究員

2. 今日のトピックス
メダルマーケット
メダルポテンシャルアスリート
ゴールデンエイジスイマーのパスウェイ

3. 2012年ロンドンオリンピック競技大会
メダルポテンシャルアスリート（MPA）数とメダル獲得成功率の現状
Top 8
2009年
WC成績
2010年
WC成績
2011年
WC成績
1. アメリカ196 (26%) 148 (20%) 248 (36%)
2. 中国138 (27%) 133 (23%) 195 (31%)
3. イギリス134 (18%) 118 (31%) 149 (29%)
4. ロシア188 (20%) 191 (17%) 228 (24%)
11. 日本77 (17%) 92 (33%) 122 (34%)

4. JSCアスリート育成パスウェイ概念図
トップアスリート
トップ候補アスリート
ユース
ジュニア
カデ
など
当該スポーツ実施者
ポディウム
アスリート
トップアスリート4年間
強化アスリート
育成アスリート
ナショナルタレント
地域タレント
地域の子ども層
3〜4年間
3〜4年間
3〜4年間
従来の
強化基盤
新しい
アスリート育成パスウェイ
パスウェイ
引き上げの基準
オリンピック・世界選手権1〜8位
オリンピック・世界選手権8〜16位
オリンピック・世界選手権出場
アジア大会出場
YOG・年代別世界選手権出場
NF年代別強化指定選手
広域ブロックタレント
地域TID事業タレント

5. 競泳における各レベルのタレントプール
25
20
15
10
5
0
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
タレント数
ポディウム
トップアスリート
強化アスリート
60
40
20
0
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
タレント数
高２高３
高１中３
中１中２

6. ゴールデンエイジスイマー（男子）
のパスウェイ分析
１９９４ー１９９５年生まれ（現大学2年生）
アジア大会代表１０名（男子５名、女子５名）：２６％
６０％がジュニアパンパシを経験
２０１２年（高３）の時のインターナショナルまたは高校３年
標準記録突破した男子１４名
１３歳から１９歳までのパフォーマンス軌跡
スプリント（＜１００m）
中距離（２００m）
長距離（４００−１５００m）

7. ゴールデンエイジスイマー（男子）
のパスウェイ分析
16.0
12.0
8.0
4.0
0.0
13 14 15 16 17 18 19
パフォーマンス向上率（％）
年齢（歳）
<100m
200m
400-1500m

8. ゴールデンエイジスイマー（男子）は
いつ生まれて、どこで育ったか
36%
29%
21%
１月〜３月
14%
誕生月出身地
4月〜6月
７月〜９月
１０月〜１２月

9. オリンピックスイマー
のパスウェイ分析
2008年北京、2012年ロンドンオリンピックでトップ１６（インターナショナルB）６８３名
１２歳から３０歳までのパフォーマンス軌跡をモデル化

11. スイマーのピーク年齢
トップ１６男子ピーク年齢24.2 ± 2.1
トップ１６女子ピーク年齢22.5 ± 2.4
ピーク年齢の期間2.6 ± 1.5 年
（メダリスト分析＠JSC調べ）
男子
メダリスト（スプリント） 平均年齢２４ 最高齢３２
メダリスト（中長距離） 平均年齢２３ 最高齢３２
女子
メダリスト（スプリント） 平均年齢２４ 最高齢４１
メダリスト（中長距離） 平均年齢２７ 最高齢３８

12. Allen et al, 2014

13. 競泳パフォーマンスのベンチマーク
15〜16歳： 3%／年
16〜18歳： 1〜2%／年
18〜19歳： 1〜2%／年
＞22歳： 0.5〜1%／年
ピーク年齢（200m以下の距離）
男子２２歳
女子２０歳
年ジュニア代表シニア代表
2012
14歳以上
世界ランク50位
17歳以上
世界ランク24〜20位
2013
15歳以上
世界ランク36〜30
位
18歳以上
世界ランク20〜16位
2014
16歳以上
世界ランク30〜24
位
19歳以上
世界ランク16〜12位
2015
17歳以上
世界ランク24〜20
位
20歳以上
世界ランク8〜6位
Sweetenham (2013)

14. Swimming Australiaのパスウェイ

15. パスウェイ＝タレントのサプライチェーン
Over-supply
Under-supply
Chance
環境要因個体要因
“Optimal” supply chain
（王道）
促進要因（Catalysts）
阻害要因（Distractions）
環境要因個体要因
入口戦略
出口戦略

16. 競泳における育成パスウェイの在り方
持続可能で強固なアスリート育成パスウェイの構築のため、
１．タレントのプールを拡大：できる限り多くの高品質なタレントやアスリート
の発掘
２．タレントのロスを減らす：できるだけ長く育成・強化プログラムに残れる
システムの構築
３．タレントの還流を促す：ステークホルダーと連携しながら、真のチャンピ
オンを輩出する王道となるパスウェイをエビデンスとして蓄積