旭川のオープンデータ化と活用（FOSS4G 2016 Hokkaido）

旭川のオープンデータ化と活用
～これまでの取り組みから～
旭川工業高等専門学校
電気情報工学科
嶋田鉄兵
2016/07/09FOSS4GHokkaido2016

はじめに

私のこと
• 道外出身（福井県鯖江市）
• 旭川高専には５年ほど前から着任
• 高専時代からデータベースに関する研究を行う
• データをつくる・加工することに興味があります
福井高専旭川高専

鯖江市について
• 人口 6.8万人（福井県内で唯一，人口増加）
• 工業のまち（めがねわく（国内90%）・繊維・越前漆器）
• ICTが第４の産業となりつつある（オープンデータで注目）
• レッサーパンダ（西山動物園）
鯖江市

西山公園
レッサーパンダめがね会館
つつじバス

旭川市について
• 人口 35万人（道内２番目）、道北・上川地域の中心都市
• 観光：旭山動物園・旭川ラーメンなど
• 美瑛・富良野に近い

• ５年制の高等教育機関（大学・短大と同じくくり）
• 中学卒業後に入学（イメージとしては高校＋大学）
• 卒業後，就職や大学編入学・専攻科進学（２年間）へ
• 国立：５１高専５５キャンパス
• 道内４高専（函館・苫小牧・釧路・旭川）
• 旭川高専（４学科＋専攻科）
• 機械システム工学科
• 電気情報工学科
• システム制御情報工学科
• 物質化学工学科
• 専攻科（生産システム工学専攻・応用化学専攻）
高専（高等専門学校）について

本日の内容
• オープンデータに関わった経緯
• 旭川に関するオープンデータ・アプリの作成
• 旭川におけるオープンデータの課題とこれから

オープンデータに関わった経緯

経緯
• きっかけ：鯖江市でオープンデータ公開
（データシティ鯖江：2012年～）
• 公共情報が公開され，誰でも自由に使える
• 公共施設，コミュニティバス，統計
など
• 数々のデータやアプリが公開される
• オープンデータから
簡単なアプリを作成（趣味の一環として）
• GoogleMapsAPIなどを利用

経緯
• 鯖江の事例から…
• 旭川でも同じようなことができないか？
• 当時，旭川市ではまだオープンデータの公開なし
• 観光や産業，交通など題材となるものは多いはず！
• 北海道出身でないからこそ…
• 北海道・旭川をよく知るために
• 「まず作ってみる」を第一に

旭川に関するデータ・アプリの作成

旭川に関するデータ
• 個人で作成したもの
… Linkdata.orgで公開
（Excelでデータ作成）
• 北海道・旭川（観光・交通など）
• 福井県（交通）
• 教育（高専・大学）
• 旭川市でも市HPにてオープンデータ公開開始
• 2015年試行版
• 2016年～旭川市オープンデータライブラリ
• 人口，防災，子育て，福祉データなど

旭川に関するWebアプリ
まちデータ・ラボ http://www1.ttn.ne.jp/~shima/ict/opendata/

旭川に関するWebアプリ
• 歴史
• 市域変遷
• 旭川近郊軌道路線図（旭川電気軌道・旭川市街軌道）
• 観光
• あさひかわ観光マップ
• 交通
• 旭川市内バス停マップ（旭川電気軌道・道北バス）
• 旭川市オープンデータより（2015年～）
• あさひかわの統計
• あさひかわ防災マップ

事例：あさひかわ防災マップ
• 旭川市オープンデータ
• 「避難所一覧」（約130か所）
• 「避難場所一覧」（約90か所）
• 「臨時給水場一覧」（約100か所）
• 「AED設置事業所一覧」（約450か所）
• e-Stat 境界データ（町丁目人口，地区割）
• 国土数値情報
• 行政区域データ（市境）
• 浸水想定区域データ（H23年度データ，旭川周辺部のみ使用）
• Leafletを使用
• OpenStreetMap（通常，Transport）
• 地理院地図（空撮）

http://app.linkdata.org/run/app1s1170i

http://app.linkdata.org/run/app1s1170i
レイヤコントロール
（表示レイヤ選択）
拡大
縮小

＜避難所・避難場所＞
災害別の使用可能一覧を表示
（川沿いや山沿いの場合は災害の種類によって使用でき
ない場合がある）

＜臨時給水場＞
位置を表示
→ 避難所にあるとは限らない

＜ AED ＞
設置場所が公開されている
事業所の位置を表示

＜地区別人口＞
町・丁目単位の人口を表示（H22年度国勢調査より）
⇒ 避難所と地区人口の状況を知る
（ただし，避難所データに収容人数の記載なし）

＜浸水想定区域＞
0～5.0m以上までの浸水深を7段階で表示（H23年度）
⇒水害時の目安に

苦労した点
• オープンデータ（旭川市）の加工
• 当初公開された試行データはPDF形式 ⇒ CSV形式に直す
（注：現在は主にCSVデータで公開されている）
• 緯度経度情報なし⇒ あとから付加
（注：現在は緯度経度情報の入ったデータもある）

苦労した点
• 面データが重たい
• 当初はGeoJSONを使用
• 必要な情報・範囲以外を削除して使用 ⇒大きいもので20～
30MB
• TopoJSONに変換し，d3.jsにて読み込み（約1MB前後）
• mapshaper.org：Web上でshpやgeojsonを変換できる

苦労した点
• Leaflet
• GoogleMap以外での地図アプリ作成を考える中で見つける
• 当初はOpenLayerを想定していたが，チュートリアル・マ
ニュアルがまとまったこちらのほうが取り掛かりやすかった
• 地図タイルの指定やレイヤの使用方法で多少苦労するも，結
果としては比較的扱いやすかった
• 他の地図アプリ（主に統計関係）でも利用

旭川におけるオープンデータの課題と
これから

課題
• 旭川市のオープンデータへの取り組みはまだ始まった
ばかり
• データ数や種類がまだ少ない・偏りがある
• データの追加・更新頻度（ほかの自治体にも共通する問題）
• 現状，ある程度は自作してカバーする？
• 市内でのオープンデータの認知度が低い
• オープンデータの活用策
• 「実際に使われている」ことが見えてこなければ，公開する側
もモチベーションが上がらないのでは？
• 「まず作ってみる・公開する」ことが大事
• 若い人・学生の力が使えないか？（データの作成も含めて）

各自治体の声
• 地方公共団体等におけるオープンデータの具体的な取組
等に関する調査研究報告書（平成28年3月：総務省）
http://www.soumu.go.jp/main_content/000421256.pdf
• 全国のいくつかの自治体に対し，オープンデータの取り組みに関
するアンケート調査・ヒアリング調査を実施
• アンケート調査（道内）：旭川市・札幌市・函館市・森町・八雲
町・厚真町
• ヒアリング調査（道内）：札幌市・室蘭市
• 別紙2 オープンデータの取組状況に係るアンケート結果（総括編）
• 別紙3 オープンデータの取組状況に係るアンケート結果（団体個別
編）…調査自治体の個表

各自治体の声（旭川市の場合）
• 課題
• オープンデータの利活用におけるニーズや効果が不明
• 地域住民や企業がどのようなデータを必要としているか？
• オープンデータを推進する上での情報が不足している
• オープンデータの作成・公開作業が困難である
• その他：各団体ごとにデータの仕様や公開方法にばらつきがあり，
横断的なデータ活用が困難
データの作成・公開や利活用の面で課題あり
データ公開：公開できるものから公開してもらえれば有り難い
⇒ データの加工作業は後追いでも（使う側からでも）可能
使えるデータが増えれば，利活用の幅も自ずと広がるはず

オープンデータへの期待・展望
• 「まちづくりに生かしたい」
• 例えば，商店街の「にぎわい」とは？
• 商店街の来街者数，交通機関の利用状況，…
• 「地域活動を支援したい」
• 地域包括センター・住民センター・市民委員会・
町内会などの活動に使えるデータは？
• 「地域企業への学生の就職」
• 市内企業への学生の就職者数を増やすには？
• 市内産業に関するデータの公開など

旭川のオープンデータの取り組みが
まちを豊かにすることを願って…

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