利用者が　3,400名をこえ、使用できる教科書の点数も小学校で50％,　中学校が70％で,　申請も個人情報が必要となくなり容易となっている。利用環境が整ったことを共有する。2,016年弱視斜視学会講演スライド。

1. マルチメディアＤＡＩＳY版教科書
の現状 2016年
NPO法人 NaD
www.npo-nad.org
事務局 濱田恒一

2. 利益相反開示
著者：濱田恒一
 利益相反公表基準に該当なし

3. 目的
 読みに困難のある児童及び生徒に、マルチメディア
DAISY版教科書（以下DAISY教科書）の利用が広が
ってきており、2010年度704名であった児童及び生徒
からの利用申請が2015年度には3407名となった。
 DAISY教科書が使える状況にあることを報告する。

4. DAISY
（Digital Accessible Information System）
 印刷された図書の読みに困難のある人のための、
デジタル図書の国際標準規格
 DAISYコンソーシアムが開発と普及を行っている

5. DAISY
（Digital Accessible Information System）

6. マルチメディアDAISY版教科書 とは？
 通常の教科書と同様のテキスト、画像を使用
し、テキストに音声をシンクロ（同期）させて読
むことができる。
ユーザーは音声を聞きながらハイライトされ
たテキストを読み、同じ画面上で絵をみること
もできる。

13. 読みに困難を持つ児童・生徒
 平成14年に文部科学省が実施した全国実態調査
においては、小学校及び中学校の通常の学級にお
いて、知的発達に遅れはないものの学習面で著し
い困難を示すと担任教師が回答した児童生徒の割
合は、4.5％あると報告されています。
*文部科学省のホームページより
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shot
ou/018/toushin/030301i.htm

14. 読みに困難を持つ児童・生徒
 大阪市立M小学校の、小学校4年、5年、6年
生１５０名対象のアンケート（Convergence
Insufficiency Symptom Surveyの日本語版、
大嶋有貴子の調査）
 読み困難を訴えた児童
 スコア30以上が 8％

15. 法律の整備
 2008年9月施行の「教科用特定図書普及促進法（
教科書バリアフリー法）」と「著作権法第33条の2」
の改正により、ＬＤ（学習障害）等の発達障害や弱視
等の視覚障害、その他の障害のある児童・生徒の
ための「拡大教科書」や、デジタル化された「マルチ
メディアＤＡＩＳＹ版教科書」等が、製作できるようにな
りました。

16. DAISY教科書製作の現状
 製作グループの連携
 19団体の協働製作
 製作ガイドラインの共有
 日本障害者リハビリテーション協会による
 ニーズの集約
 重複製作の回避
 インターネットを使った配信
 文部科学省
 教科書デジタルデータの提供
 PDF, Txt

17. 提供できるDAISY教科書
 小学校 253点中 135点 (53%)
 中学校 131点中 90点 (69%)

18. DAISY教科書の申請方法
 対象
 通常の教科書では読むことが困難な児童、生徒
 申請先
 (財)日本障害者リハビリテーション協会
 申請書類
 デイジー教科書 申請フォーム

19. DAISY教科書の現状
公益財団法人日本障害者リアビリテーション協会のホームページから

20. DAISY教科書の現状

21. DAISY教科書有効利用の連携
 校長
 校内コーディネーター
 担当教員
 当事者
 保護者
 校医

22. 情報の入手先
 ㈶ 日本障害者リハビリテーション協会
 http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/

23. 結論
 法律の整備に伴い、DAISY教科書製作環
境が整い、利用できる教科書も増えて、利用
者が増加している。
 読みに困難のある、児童及び生徒のため
のDAISY教科書が使える状況にあることを
報告した。