SlideShare ist ein Scribd-Unternehmen logo
1 von 48
寒冷地におけるFuel Povertyの実態と
解決手法に関する研究
北海道大学大学院工学院 空間性能システム専攻
建築環境学研究室 修士2年 紺野 良文
Hokkaido University
Research on a Solution of Fuel Poverty in Cold Climate Region
Fuel Poverty(燃料貧困)
・イギリスなどの北部・中部ヨーロッパでは社会問題化
・室内を適切な温度に保つためのエネルギーコストが収入の10%を超えた世帯
原因
①世帯の所得水準の低さ
②エネルギー効率の悪い住宅
③電力・ガスなどのエネルギー
料金の上昇
研究の背景
問題点
 エネルギーコストが家計を圧迫
⇒暖房の使用を控えることによる
室温の低下
⇒不適切な暖房の使用
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
高齢者・子供は健康へ悪影響?
研究の背景
Fuel Poverty(燃料貧困)
・イギリスなどの北部・中部ヨーロッパでは社会問題化
・室内を適切な温度に保つためのエネルギーコストが収入の10%を超えた世帯
原因
①世帯の所得水準の低さ
②エネルギー効率の悪い住宅
③電力・ガスなどのエネルギー
料金の上昇
問題点
 エネルギーコストが家計を圧迫
⇒暖房の使用を控えることによる
室温の低下
⇒不適切な暖房の使用
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
高齢者・子供は健康へ悪影響?
研究の背景
Fuel Poverty(燃料貧困)
・イギリスなどの北部・中部ヨーロッパでは社会問題化
・室内を適切な温度に保つためのエネルギーコストが収入の10%を超えた世帯
原因
①世帯の所得水準の低さ
②エネルギー効率の悪い住宅
③電力・ガスなどのエネルギー
料金の上昇
問題点
 エネルギーコストが家計を圧迫
⇒暖房の使用を控えることによる
室温の低下
⇒不適切な暖房の使用
高齢者・子供は健康へ悪影響?
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
北海道の世帯の状況
他地域より高い光熱費
高齢化⇒収入状況
研究の背景
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
1ヶ月あたり光熱費内訳と収入に対する光熱費割合
総務省統計局,平成25年度家計調査,http://www.stat.go.jp/data/kakei/,2016.5参照
総務省統計局,平成27年国勢調査,http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/index.htm,2016.11参照
北海道内の各市町村の高齢化率
0.0%
1.0%
2.0%
3.0%
4.0%
5.0%
0
4,000
8,000
12,000
16,000
20,000
北海道
東北
関東
北陸
東海
近畿
中国
四国
九州
沖縄
1ヶ月あたり支出[円]
他の光熱 ガス代 電気代 割合
研究の目的
日本の寒冷地におけるFuel Povertyの実態の把握
解決手法の提案
日本においてFuel Povertyの調査・対策が不十分
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
本研究の構成
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
研究の背景・目的
Fuel Povertyに関する既往研究の調査
寒冷地におけるFuel Povertyの実態把握
アンケート調査を用いた
Fuel Poverty世帯の
特徴・住まい方
統計情報を用いた解析
による地域性・住宅種別
等との関係
解決手法
総括
Fuel Povertyに関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
対策:大きく3つに分類
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
世帯収入の低さ 低エネルギー効率の住宅 エネルギー価格の高騰
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
主な原因をそれぞれ解消
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
全体の72%
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
年間41.6億ポンドの予算
収入支援の3分の1
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
全体の72% 根本的な解決策
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
住宅性能の向上が急務
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Winter Fuel Payments Warm Front Warm Home Discount
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
政策例
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Winter Fuel Payments Warm Front Warm Home Discount
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
・・・60歳以上の世帯 ・・・低所得者 ・・・年金受給者など
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
対象者
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Winter Fuel Payments Warm Front Warm Home Discount
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
・・・60歳以上の世帯 ・・・低所得者 ・・・年金受給者など
対象者のうちFP世帯は19%
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
補助が行き渡っていない
Louise Sunderland & Darryl Croft, Energy poverty – risks, conflicts and opportunities in the development of energy poverty alleviation policy under the umbrella
of energy efficiency and climate change, eceee 2011 Summer Study Proceedings Thomas, 2011
イギリスにおける対策
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Winter Fuel Payments Warm Front Warm Home Discount
収入の支援
住宅のエネルギー
効率の改善
エネルギー料金割引
・・・60歳以上の世帯 ・・・低所得者 ・・・年金受給者など
対象者のうちFP世帯は19%
対象者とFuel Poverty世帯に差が生じている
Fuel Poverty世帯を明確にしたうえで対策を行う必要
アンケート調査を用いたFuel Poverty状況の把握
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート概要
高齢者がいる世帯
美瑛アンケート
砂川アンケート
⇒アンケート結果から高齢者がいる世帯を抽出
子供がいる世帯
K学校学生アンケート
上記それぞれに対しFuel Poverty世帯を推定し実態把握
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート概要
名称 美瑛アンケート 砂川アンケート K学校学生アンケート
調査対象美瑛町内の戸建・集合住宅の居住者 砂川市内の戸建の居住者 K高等専門学校の学生とその家族
配布時期 2015年8月上旬 2016年10月下旬 2016年7月
配布数 2100件 1500件 800件
回答数 398件 266件 591件
回収率 19.0% 17.7% 73.9%
調査項目
回答者の属性、暖房器具、窓性能
エネルギーコスト、世帯年収 等
回答者の属性、暖房器具、窓性能
エネルギーコスト、世帯年収 等
回答者の属性、世帯主の業種・年齢
暖房器具、エネルギーコスト 等
Fuel Poverty世帯の推定
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
年間のエネルギーコストの推定
外気温により暖房費が変動するものと仮定
𝐸𝐹𝑒𝑏 − 𝐵𝐴𝑢𝑔 = 𝐾 ∙ ∆𝜃 𝐹𝑒𝑏
EFeb
BAug:照明・給湯など
内外温度差∆Өに比例し
て暖房費が変動
A) 8月・2月の電気・ガス・灯油代
B) 暖房使用期間
・・・①
1. ①式のKの値をアンケートから算出
暖房使用期間 暖房使用期間
円
Fuel Poverty世帯の推定
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
年間のエネルギーコストの推定
2. Kの値から各暖房使用月のエネルギーコストを求める
3. 年間のエネルギーコストを求める
𝐸𝑖 = 𝐾 ∙ ∆𝜃𝑖 + 𝐵𝐴𝑢𝑔
𝐸𝑎𝑙𝑙 = 𝐸𝑖 + 𝐵𝐴𝑢𝑔
暖房使用月のエネルギーコスト 暖房使用月以外
各月の内外温度差
アンケート結果まとめ
高齢者がいる世帯
・世帯主が女性
・世帯人員数の少ない世帯
・性能が悪い住宅に住んでいる
・個別暖房を使用する傾向
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
子供がいる世帯
・世帯主が若いor高齢の世帯
・世帯人員数が多い世帯
統計情報を用いたFuel Poverty状況の解析
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
推定方法
公開されている統計情報を用い北海道でのFuel Poverty実態を把握
平成25年住宅土地統計、気象データ
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
1961~1970 6.2
1971~1980 4.2
1981~1990 2.5
1991~1995 1.7
1996~2000 1.7
2001~2005 1.6
2006~2010 1.3
2011~Sep.2013 1.3
北方建築総合研究所,北海道の住宅事情と「北方型建築」,pp.8~9,2013
総務省統計局,平成25年住宅・土地統計調査,http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/, 2016.5参照
住宅建設年・所有の関係ごとの年間エネルギーコスト[円]
暖房の燃料:灯油(36.7[MJ/ℓ]、70[円/ℓ]) 年間ベース費:160,000[円]
建設年別Q値[W/m2
K] 住宅種別ごとの床面積[m2
]
暖房度日数HDD20-15[℃day]
札幌市 持ち家
公営の
借家
UR
民間借家
(木造)
民間借家
(非木造)
面積 113.75 57.73 52.99 45.45 45.45
札幌 江別 千歳 函館 小樽
3590.9 4202.9 4177.8 3491.9 3739.5
人体:60[W/人]
世帯人員数[人]
在宅率[-]
機器:350[W]
-
暖房使用量[MJ]
推定方法
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
総務省統計局,平成25年住宅・土地統計調査,http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/, 2016.5参照
札幌市 持ち家 公営の借家 UR 民間借家
100万円未満 12,560 3,470 950 28,270
100~200 42,490 9,630 2,790 77,150
200~300 80,280 6,590 2,610 76,820
300~400 70,620 2,820 2,110 55,570
400~500 53,210 1,370 600 32,840
500~700 71,850 730 440 30,720
700~1000 52,240 140 140 11,810
1000~1500 17,950 0 10 3,960
1500万円以上 6,820 0 0 720
札幌市 持ち家 公営の借家 UR
民間借家
(木造)
民間借家
(非木造)
1961~1970 12,850 590 1,430 4,650 1,870
1971~1980 72,470 10,570 4,940 13,360 12,710
1981~1990 102,310 7,880 1,620 23,460 53,290
1991~1995 62,140 2,720 950 8,920 32,050
1996~2000 53,330 1,870 0 8,620 20,670
2001~2005 42,950 2,270 1,340 10,620 32,920
2006~2010 40,040 940 0 10,600 38,970
2011~Sep.2013 14,760 0 0 3,200 10,560
住宅建設年・所有の関係ごとの年間エネルギーコスト[円]
住宅の所有の関係
ごとの世帯収入分布
収入の10%以上の
住宅割合
住宅の建設年・
所有の関係別
Fuel Poverty世帯数
住宅の建設年・
所有の関係分布
推定結果
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
赤が濃いほどFuel Poverty世帯が多く占めている
白の地域は統計情報がなく推定不可
市町村別Fuel Poverty世帯割合
推定結果
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
空知地方南東部の旧産炭地: 高
札幌市近郊:低
市町村別Fuel Poverty世帯割合
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
夕張市
赤平市
芦別市
三笠市
余市町
森町
歌志内市
遠軽町
白老町
美唄市
美幌町
士別市
深川市
八雲町
留萌市
名寄市
紋別市
新ひだか町
滝川市
小樽市
根室市
富良野市
網走市
砂川市
稚内市
室蘭市
北見市
釧路市
倶知安町
岩見沢市
登別市
旭川市
函館市
当別町
七飯町
別海町
釧路町
幕別町
伊達市
音更町
江別市
帯広市
中標津町
北斗市
石狩市
苫小牧市
恵庭市
北広島市
芽室町
千歳市
札幌市
民間借家 UR 公営の借家 持ち家
Fuel Poverty世帯の内訳
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
住宅の所有の関係別Fuel Poverty世帯
持ち家が多いのが特徴
市町村別Fuel Poverty世帯の住宅種別の内訳
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
夕張市
赤平市
芦別市
三笠市
余市町
森町
歌志内市
遠軽町
白老町
美唄市
美幌町
士別市
深川市
八雲町
留萌市
名寄市
紋別市
新ひだか町
滝川市
小樽市
根室市
富良野市
網走市
砂川市
稚内市
室蘭市
北見市
釧路市
倶知安町
岩見沢市
登別市
旭川市
函館市
当別町
七飯町
別海町
釧路町
幕別町
伊達市
音更町
江別市
帯広市
中標津町
北斗市
石狩市
苫小牧市
恵庭市
北広島市
芽室町
千歳市
札幌市
民間借家 UR 公営の借家 持ち家
Fuel Poverty世帯の内訳
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
住宅の所有の関係別Fuel Poverty世帯
持ち家が多いのが特徴
市町村別Fuel Poverty世帯の住宅種別の内訳
Fuel Poverty世帯の内訳
住宅の所有の関係別Fuel Poverty世帯
持ち家が多いのが特徴
旧産炭地は公営の借家の割合が他の自治体よりも高い
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
夕張市
赤平市
芦別市
三笠市
余市町
森町
歌志内市
遠軽町
白老町
美唄市
美幌町
士別市
深川市
八雲町
留萌市
名寄市
紋別市
新ひだか町
滝川市
小樽市
根室市
富良野市
網走市
砂川市
稚内市
室蘭市
北見市
釧路市
倶知安町
岩見沢市
登別市
旭川市
函館市
当別町
七飯町
別海町
釧路町
幕別町
伊達市
音更町
江別市
帯広市
中標津町
北斗市
石狩市
苫小牧市
恵庭市
北広島市
芽室町
千歳市
札幌市
民間借家 UR 公営の借家 持ち家
市町村別Fuel Poverty世帯の住宅種別の内訳
y = 0.9873x - 0.103
R² = 0.7366
y = 0.8327x + 0.155
R² = 0.7038
y = 324.18x + 2936.1
R² = 0.0137
0
1,000
2,000
3,000
4,000
0%
25%
50%
75%
100%
20% 40% 60% 80% 100%
暖房度日数[℃day]
世帯割合
FP世帯割合
昭和55年以前
300万円未満
暖房度日数
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・暖房度日数
・収入の低い世帯
・築年数の古い世帯
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Fuel Poverty推定要素との比較
y = 0.9873x - 0.103
R² = 0.7366
y = 0.8327x + 0.155
R² = 0.7038
y = 324.18x + 2936.1
R² = 0.0137
0
1,000
2,000
3,000
4,000
0%
25%
50%
75%
100%
20% 40% 60% 80% 100%
暖房度日数[℃day]
世帯割合
FP世帯割合
昭和55年以前
300万円未満
暖房度日数
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・暖房度日数・・・強い相関は見られない
・収入の低い世帯
・築年数の古い世帯
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Fuel Poverty推定要素との比較
y = 0.9873x - 0.103
R² = 0.7366
y = 0.8327x + 0.155
R² = 0.7038
y = 324.18x + 2936.1
R² = 0.0137
0
1,000
2,000
3,000
4,000
0%
25%
50%
75%
100%
20% 40% 60% 80% 100%
暖房度日数[℃day]
世帯割合
FP世帯割合
昭和55年以前
300万円未満
暖房度日数
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・暖房度日数・・・強い相関は見られない
・収入の低い世帯・・・強い正の相関
・築年数の古い世帯
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Fuel Poverty推定要素との比較
y = 0.9873x - 0.103
R² = 0.7366
y = 0.8327x + 0.155
R² = 0.7038
y = 324.18x + 2936.1
R² = 0.0137
0
1,000
2,000
3,000
4,000
0%
25%
50%
75%
100%
20% 40% 60% 80% 100%
暖房度日数[℃day]
世帯割合
FP世帯割合
昭和55年以前
300万円未満
暖房度日数
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・暖房度日数・・・強い相関は見られない
・収入の低い世帯・・・強い正の相関
・築年数の古い世帯・・・強い正の相関
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Fuel Poverty推定要素との比較
Fuel Poverty推定要素との比較
y = 0.9873x - 0.103
R² = 0.7366
y = 0.8327x + 0.155
R² = 0.7038
y = 324.18x + 2936.1
R² = 0.0137
0
1,000
2,000
3,000
4,000
0%
25%
50%
75%
100%
20% 40% 60% 80% 100%
暖房度日数[℃day]
世帯割合
FP世帯割合
昭和55年以前
300万円未満
暖房度日数
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・暖房度日数・・・強い相関は見られない
・収入の低い世帯・・・強い正の相関
・築年数の古い世帯・・・強い正の相関
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
地域の気候条件よりも収入の低い世帯数や
住宅の築年数が大きく関係している
y = 0.6265x + 0.0373
R² = 0.711
y = -0.4518x + 0.1494
R² = 0.7532
-25%
-20%
-15%
-10%
-5%
0%
5%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
20% 40% 60% 80% 100%
人口増加率
高齢化率
FP世帯割合
高齢化率
人口増加率
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・高齢化率
・人口増加率
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Fuel Poverty世帯と高齢化率・人口増加率との比較
y = 0.6265x + 0.0373
R² = 0.711
y = -0.4518x + 0.1494
R² = 0.7532
-25%
-20%
-15%
-10%
-5%
0%
5%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
20% 40% 60% 80% 100%
人口増加率
高齢化率
FP世帯割合
高齢化率
人口増加率
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・高齢化率・・・高齢化が進む地域はFuel Poverty世帯が多い
・人口増加率
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Fuel Poverty世帯と高齢化率・人口増加率との比較
y = 0.6265x + 0.0373
R² = 0.711
y = -0.4518x + 0.1494
R² = 0.7532
-25%
-20%
-15%
-10%
-5%
0%
5%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
20% 40% 60% 80% 100%
人口増加率
高齢化率
FP世帯割合
高齢化率
人口増加率
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・高齢化率・・・高齢化が進む地域はFuel Poverty世帯が多い
・人口増加率・・・人口減少の激しい地域ではFuel Poverty世帯が多い
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
Fuel Poverty世帯と高齢化率・人口増加率との比較
Fuel Poverty世帯と高齢化率・人口増加率との比較
推定結果
各地域におけるFuel Poverty世帯割合と各要素との関係
・高齢化率・・・高齢化が進む地域はFuel Poverty世帯が多い
・人口増加率・・・人口減少の激しい地域ではFuel Poverty世帯が多い
はじめに
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
y = 0.6265x + 0.0373
R² = 0.711
y = -0.4518x + 0.1494
R² = 0.7532
-25%
-20%
-15%
-10%
-5%
0%
5%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
20% 40% 60% 80% 100%
人口増加率
高齢化率
FP世帯割合
高齢化率
人口増加率
収入の少ない高齢者が多い地域
非効率な居住の実態、良質な住宅を提供できてない
解決手法の検証
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
解決手法
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
住宅の性能向上支援(Warm Frontのような)
築年数の古い公営住宅の改修
解決手法
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
高齢者
以外
高齢者 高齢夫
婦以外
高齢
夫婦
単身世帯 二人暮らし世帯
150㎡以上
100 ~ 149㎡
70 ~ 99㎡
50 ~ 69㎡
30 ~ 49㎡
29㎡以下
高齢者のみの世帯は床面積の大きい住宅に居住する傾向
室内を十分に暖房するのに余分なエネルギーを必要とする
⇒改修を実施しても住宅を十分に住みこなせない世帯
⇒世帯規模に合った住宅への住み替えも有効な手段の一つ
北海道における家族形態別床面積
解決手法
住宅の性能向上(Warm Frontのような)
公営住宅の改修
広い持ち家に住んでいる世帯は住み替え
1990年以前に建設された持ち家・公営住宅に居住するFP世帯
新築の公営住宅へ住み替えた場合の地域全体での効果を検証
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
シミュレーション概要
 シミュレーションソフト:ESP-r
 モデル:一般的な公営住宅を参考
シミュレーション結果から公営住宅の年間のエネルギーコストを算出
統計情報解析の計算を用い各市町村のFuel Poverty世帯数を推定
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
モデル概要
所在 札幌
断熱仕様
外壁 GW:40[mm]
窓 単板ガラス2重サッシ
暖房設定温度
居間 21[℃]
その他 18[℃]
換気回数 0.5[回/h]
在宅時間 16[h](0~9、17~24)
8,500
10,300
モデル図面
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
夕張市
赤平市
芦別市
三笠市
余市町
森町
歌志内市
遠軽町
白老町
美唄市
美幌町
士別市
深川市
八雲町
留萌市
名寄市
紋別市
新ひだか町
滝川市
小樽市
根室市
富良野市
網走市
砂川市
稚内市
室蘭市
北見市
釧路市
倶知安町
岩見沢市
登別市
旭川市
函館市
当別町
七飯町
別海町
釧路町
幕別町
伊達市
音更町
江別市
帯広市
中標津町
北斗市
石狩市
苫小牧市
恵庭市
北広島市
芽室町
千歳市
札幌市
減少分 民間借家 UR 公営同士住み替え 公営の借家 持ち家から公営へ住み替え 持ち家 減少率
シミュレーション結果
北海道全体でのFP世帯割合の減少率は30%
収入の少ない世帯は依然としてFuel Poverty
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
住み替えを行うことによるFuel Poverty世帯への効果
シミュレーション結果
減少の多い地域と少ない地域
⇒築年数の古い持ち家が多く存在した地域で特に効果が見られた
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
持ち家
公営の借家
UR
民間借家
0
100
200
300
400
500
600
700
住み替え前のFuel Poverty世帯の内訳(別海町)
持ち家
公営の借家
UR
民間借家(木造)
民間借家(非木造)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
住み替え前のFuel Poverty世帯の内訳(札幌市)
減少大 減少小
考察
住み替えによる効果を確認
除排雪に関する問題の解消
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
151
43
53
103
12
44
31
39
25
30
115
19
33
7
24
7
13
高齢者が安心して住むことができる環境
づくり
新たに住み始めた住民が、地域に溶け
込むきっかけとなる活動・交流の充実
子育てがしやすい環境づくり
若い世代の転入の促進
住民の交流施設の充実
住民同士が助け合う活動・交流の充実
商業施設の充実
公共交通(バス)の充実
防災・災害時の体制整備
防犯や子供の日常の安全・安心の確保
除排雪の充実
美しいまちなみづくり・維持
自然環境の維持・保全
この地区の住みよさなどの積極的なPR
特にない
その他
無回答
0 20 40 60 80 100 120 140 160
105
17
20
51
8
40
24
28
16
17
143
9
11
2
3
1
10
高齢者が安心して住むことができる環境
づくり
新たに住み始めた住民が、地域に溶け
込むきっかけとなる活動・交流の充実
子育てがしやすい環境づくり
若い世代の転入の促進
住民の交流施設の充実
住民同士が助け合う活動・交流の充実
商業施設の充実
公共交通(バス)の充実
防災・災害時の体制整備
防犯や子供の日常の安全・安心の確保
除排雪の充実
美しいまちなみづくり・維持
自然環境の維持・保全
この地区の住みよさなどの積極的なPR
特にない
その他
無回答
0 20 40 60 80 100 120 140 160
現在の地区が将来も住みよい地区であるために
必要と思う取り組み(美瑛)
現在の地区が将来も住みよい地区であるために
必要と思う取り組み(砂川)
考察
住み替えによる効果を確認
除排雪に関する問題の解消
住み替え可能な公営住宅の不足
築年数の古い、かつ床面積の大きな住宅に居住する世帯や世帯の年齢
などを加味した分析
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析
総括
本研究により得られた知見を以下に示す。
1. アンケート調査から、高齢者がいる世帯と子供がいる世帯とでFuel Poverty世帯
の推定を行い、それぞれの実態を分析した。世帯の状況(年齢・人員数・住宅)や
住まい方との関係を明らかにした。
2. 統計情報を用いた分析により、Fuel Poverty世帯と地域性等との関連を調査した。
地域の気候条件よりも世帯収入と住宅の築年数に大きく影響され、地域の高齢
化や人口減少とも強い関係があることが明らかとなった。
3. シミュレーション解析により、Fuel Poverty対策の一つとして考えられる住み替え
による地域全体でのFuel Povertyの効果を確認した。
はじめに
アンケート調査を用い
たFP状況の把握
解決策の提案・検証
Fuel Povertyに
関する既往研究
統計情報を用いた
FP状況の解析

Weitere ähnliche Inhalte

Mehr von Taro Mori (9)

Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data Part 5 Pr...
Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data  Part 5 Pr...Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data  Part 5 Pr...
Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data Part 5 Pr...
 
Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data, Construct...
Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data, Construct...Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data, Construct...
Analysis on Solar Radiation Distribution in the city with GIS Data, Construct...
 
Analysis on Solar Radiation Distribution in a city with GIS Data , Part 7 Rep...
Analysis on Solar Radiation Distribution in a city with GIS Data, Part 7 Rep...Analysis on Solar Radiation Distribution in a city with GIS Data, Part 7 Rep...
Analysis on Solar Radiation Distribution in a city with GIS Data , Part 7 Rep...
 
真駒内教会
真駒内教会真駒内教会
真駒内教会
 
Aalto talo by Matsuo yusuke
Aalto talo by Matsuo yusukeAalto talo by Matsuo yusuke
Aalto talo by Matsuo yusuke
 
中札内のフラットハウス
中札内のフラットハウス中札内のフラットハウス
中札内のフラットハウス
 
発寒の家
発寒の家発寒の家
発寒の家
 
北区S邸
北区S邸北区S邸
北区S邸
 
宮の丘の家
宮の丘の家宮の丘の家
宮の丘の家
 

Research on a Solution of Fuel Poverty in Cold Climate Region