ディプロマシー概要2. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
概要
●プレイヤーは1900年のヨーロッパ列強七ヶ
国(イギリス・フランス・ドイツ・オースト
リア・イタリア・ロシア・トルコ)となり外
交と軍事力でヨーロッパの覇権を争う
●長時間ゲーム
○4時間と説明書にはあるがそんな短時間では無理
○多分最後までやったら二日は覚悟…
3. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
特徴
●ゲームの要素は交渉がほぼ全て
○カードやダイスなどのランダム要素無し
○同時に行動するので交渉以外の駆け引きも無し
●軍隊は同一戦力
○行動も単純・特殊能力無し
○攻撃判定は交戦した部隊数を比較するだけ
●一国の戦力は低く独力の侵攻は無理
○よって外交が鍵を握る
4. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
地域と部隊
●地域数は75(そのうち補給地は34)
○支配した補給地が戦力(保有可能な部隊数)
●地域は3種類
1.内陸…水域に接してない陸地
2.沿岸…水域に接している陸地
3.水域…海
●部隊は2種類・全ての部隊は同戦力
1.陸軍(Army)…内陸と沿岸を移動できる
2.海軍(Fleet)…水域と沿岸を移動できる
5. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
●ターン制
○2ターン(春と秋)で1年
○ターン中に外交と軍事行動を行う
●勝利条件
○34箇所ある補給地の過半数(18箇所)を支配
○もしくは生存プレイヤーの合意で停戦(引き分け)
○ルール外だが時間で打ち切って暫定順位付け
進行
7. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
1 外交フェイズ
●他のプレイヤーと交渉をする
●内容・手段は自由
○個別交渉・グループ交渉・全体交渉
○交渉内容の秘密可・公表可・紙への記録可
○脅迫・盗聴・買収・噂の流布・虚偽など何でもあり
●約束を守る義務はない
○紙に書こうが録音しようが証人を立てようが守る義
務は一切無い
8. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
2 命令記録フェイズ
●自分の部隊の行動を決定する
○部隊の行動を紙に記入してGMに提出
○ 書式自由(他人が明確に理解できるように!)
● 行動は4種類
a.維持(Hold)
b.移動(Move)
c.支援(Support)
d.輸送(Convoy)
10. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
b. 移動 Move
●隣接した地域に移動する
○要するに攻撃
● 一つの地域に一つの部隊のみ存在可能
○二つ以上の部隊が入ろうとすると戦闘になる
11. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
c. 支援 Support
●他の部隊の行動を助ける
●なぜ支援が必要か
○攻撃するには相手より戦力が上回る必要がある
■単独部隊は絶対に他部隊への攻撃が成功しない
○支援で部隊の戦力を増強する
●部隊が移動可能な地域に支援を送る
○支援は移動(攻撃)か地域(防御)に対して行う
○支援する部隊を攻撃することで支援を妨害できる
○他国も支援できる(そのためにも外交)
12. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
d. 輸送 Convoy
●陸軍を水域を通過させる
●海軍だけが可能
○沿岸では輸送はできない
○国によってはゲーム終了まで使わないかも
●可能なら複数水域を一度に通過できる
13. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
3 命令解決フェイズ
●部隊への命令を公開して判定
○同時に処理するので順序の有利不利はない
●攻撃が発生した場合は結果を解決
○支援が多い部隊が勝つ(詳細はルールブックを参照)
○引き分け(=スタンドオフ)は誰も移動しない
●元の地域から追い出されると撃退
○撃退された部隊は撤退・解体フェイズで処理
○単なる移動の失敗は撃退ではない
14. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
4 撤退・解隊フェイズ
●命令処理で撃退された部隊の処理をする
●撃退された部隊の移動先を記入して提出
○戦闘に負けても消滅しない
● 撤退せずに解隊しても良い
○逃げる場所がないと強制的に解隊
15. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
5 部隊増減フェイズ (秋のみ)
●補給地の処理と部隊数の調整を行う
●補給地に駐留している部隊の国が支配する
○春に通過してもダメ
○一度支配した補給地は部隊が存在しなくても良い
■他国に支配されるまで支配が続く
●補給地の数に合わせて部隊を増減
○GMに紙に書いて提出
○増加は本国の空き補給地で行う
■本国が支配されると減る一方
17. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
特殊な地域
●まぎらわしいが沿岸扱い
○コンスタンチノープル・キール・デンマーク
●海岸線が分離
○ブルガリア・スペイン・サンクトペテルブルグ
○海軍は海岸線によって別位置扱い
○移動のときにどちらに移動するか事前に明記
19. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
行軍の注意
●海軍の移動の補足
○沿岸地域同士は海岸線が繋がっていること
■船は山を越えたりしない!
■不可な例: 海軍がMarからBreに移動
●よくある支援の誤記
○ 移動の支援は移動元と移動先が何か明確にすること
20. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
撤退・解体の注意
●撤退で移動できない場所
○攻撃してきた部隊の元の場所
○スタンドオフで空白になった場所
○他の部隊がいる場所
●解隊は勝手にできない
○撤退解隊フェイズか部隊増減フェイズのみ
22. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
命令解決の22のルール(1)
●基本原則
○同一戦力(1)
○一地域一部隊(2)
●攻撃の解決とスタンドオフ
○スタンドオフの発生(移動:3, 維持:5)
○発生地の部隊に影響の無いことの確認(4)
● 部隊の交換はできない(6)
○3部隊以上なら順番に交換できる(7)
○輸送を使えば交換できる(19)
23. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
命令解決の22のルール(2)
●支援方法: 維持(8) 移動(9)
●支援のカット(妨害)
○攻撃をすると支援をカットできる
○撃退の支援元への攻撃でのカットは無効(13)
○撃退できたら支援カット(14)
●撃退された部隊
○ スタンドオフができる(10)
○カットもできる(15,但し13に注意)
○ただし撃退元の地域への影響はない(11)
24. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
命令解決の22のルール(3)
●輸送の失敗
○輸送先でスタンドオフ(18)
○輸送する海軍が撃退(17)
○複数ルートあるなら一つ成功ルートあれば良い(20)
●自国部隊の撃退とカットの無効(12,16)
●輸送絡みの特殊な状況の解決
○13の例外(21)
○21の例外(22)
25. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
略記による命令(1)
命令書の提出は他人が理解できれば書式自由ではあるが簡
潔かつ明快であり人の命令書を確認することを考えると読
めるようにはした方が良い(曖昧な記述は混乱の元)
●基本書式: [A or F] [所在地] [動作]
●Hold
○F Lon Holds
●Move
○A Par−Bur
26. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
略記による命令(2)
●Support
○A Mar−Bur; A Gas S A Mar−Bur
○A Mar Holds; A Gas S A Mar Holds
●Convoy
○A Lon−Nwy; F Nth C A Lon−Nwy
28. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
●戦術ゲームではない
○軍隊を押したり引いたり工夫しても勝てない
●多勢に無勢
○一国では複数には勝てない
○自力で解決できないピンチこそ外交で解決
○戦術面の不利も外交で解決
●しかし同盟を守るだけでは勝てない
○同盟相手もいつかは倒す敵
同盟は必要
29. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
裏切りも必要
●八方美人は無策と同じ
●安易な裏切りは滅亡を招く
○裏切ったあとの展開を考えたか
○最初の失敗でも立ち直りの機会はあるとは限らない
●バランスが大事
○約束を守ることは必要・約束を守らないことも必要
○信じることは必要・信じないことも必要
○裏切らないと勝てない・裏切られても泣かない
30. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
外交交渉の例
●同盟とか不可侵とか相互防衛条約とか
●中立地の設定
●領地の割譲
●生産する部隊の種類の指定
●共同で侵攻あるいは宣戦布告とか…
●停戦協定
●二枚舌上等
31. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
条約の公開と書面の作成
●公開
○他国へのプレッシャー
○条約違反のアピール
○公開部分と非公開部分を作成するのもあり
●書面作成
○言った言わないってよくあるでしょ?
○他国にも見せるとか
33. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
イギリス
●制海権確保が重要
○でものんびりしすぐると大陸の展開に出遅れる
●独仏連合を許したくない
○英仏連合は楽だけど気がつくとフランスの好き勝手
の恐れあり
●トルコは比較的気楽に話ができる
34. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
フランス
●イベリア半島を確保できるか
○当然他国も妨害したい
●英独のどちらと組むか
●オランダ・ベルギーの分割
●海軍国で行くのか陸軍国で行くのか
35. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
ドイツ
●同盟相手をどこにするか
○英仏のどちらかと組みたい
○オーストリア・ロシアとどうするか
○歴史的には独・墺・伊
●オランダ・ベルギーなどの割譲方針
36. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
イタリア
●陸軍の攻撃に耐えやすい地形
○地中海の制海権は絶対確保
○ティレニア海(Tyn)を取られると相当まずい
●初期はチュニス(Tun)を取ったらやることが
ない
○下手したら3年以上放置かも
●柔軟な外交手腕が必要
○やることがないからと寝ていないで将来の布石
37. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
オーストリア
●初期の外交の失敗は即死を招く
●トルコがロシアと戦争しなかったら必ず攻
めてくるのでそのための対処
●ドイツとロシアとの関係をどうするか
○歴史的には独・墺・伊
○でもイタリアは役に立たないかも…
●厳しい外交が続くが山を越えれば…
38. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
ロシア
●国土が広いから分散させると身動き取れな
い
●スカンジナビア半島とイギリスの関係
●トルコとの関係・黒海をどうするか
●ドイツとオーストリアへの対処
39. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
トルコ
●ロシアとの関係と黒海
●背後から攻められる心配がないのは安心
●オーストリアに進軍できれば成功
●警戒されやすいので封じられこともある
●イタリアにやる気を出されると面倒
40. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
重要地域
●自国の補給地の隣接地域などが重要
●具体的な例
○Nth(北海) イギリス
○Bal(バルト海) ドイツ
○Gal(ガリシア) オーストリア
○Aeg(エーゲ海) トルコ
○Mid(中大西洋) フランス
○Tyn(ティレニア海) イタリア
○Bla(黒海) ロシア・トルコ
41. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
まとめ
●地政学的なことに起因する戦略はある
○戦術・行軍テクニックも有効なこともある
●とは言え外交に失敗した結果の敵方の数の
暴力には勝てないのでまずは外交を一番大
切にしましょう
42. たに@名古屋フンタ会 [CC BY-SA 4.0]
この資料について
●作成
○たに@名古屋フンタ会 (takaki@asis.media-as.org)
●協力
○名古屋フンタ会の参加者の皆様
●ライセンス
○Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0
International License