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一階述語論理のメモ
- 2. 一階述語論理 (0)
• 花が赤い
• red(flower)
• red: 述語記号で引数に1つobjectを取る
• すべての人間は死ぬ
• Xは人間である ~ people(X)
• Xは死ぬ ~ dead(X)
• 人間Xは死ぬ ~ people(X) → dead(X)
• すべての人間は死ぬ ~ ∀X. people(X) → dead(X)
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- 3. 一階述語論理 (1)
• 一階述語論理の構成要素
• 個体定数: objectを表す
• 個体変数: いずれかのobjectを表す
• 関数記号: object間の関数関係を表す
• 述語記号: objectの性質やobject間の関係を表す
• 限量子
• ∀ - 全称限量子
• ∃ - 存在限量子
• 論理記号
• 否定 ¬, 連言 ∧, 選言 ∨, 含意 →, 等価 =(≡)
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- 4. 一階述語論理 (2)
• 一階述語論理の項 (term)
• 定数 c と変数 X は項である
• n引数を取る関数fと項t1, ...,tnについて,f(t1, ..., tn)は項である
•例
• taro, X, father(taro), father(X), father(father(taro)), etc.
• 一階述語論理の原子論理式(atomic formula)
• n引数を取る述語pと項t1, ..., tnについて,p(t1, ..., tn)は原子論理式であ
る
•例
• red(flower), isParent(taro, kenta), man(father(taro))
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- 5. 一階述語論理 (3)
• 一階述語論理の論理式
• 原子論理式は論理式である
• 論理式φ, ψについて,論理記号で結合された式も論理式である
• ¬ φ, φ ∧ ψ, φ ∨ ψ, φ → ψ, φ = ψ
• 変数Xと論理式φについて,Xに限量子をつけた式も論理式である
• ∀X. φ, ∃X. φ
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- 6. 一階述語論理 (4)
• 世界の概念化
• 表現したい世界は個体の集合(対象領域)で表現可能と仮定する
• object間の関係の表現
• 関数: objectを受け取り,objectを返す
• 関係: objectを受け取り,Yes(True)/No(False)を返す
•例
• 関係: AはBより大きい ~ isLarger(A, B) : Yes / Noを返す
• 関数: 父親を返す関数 ~ father(X): Xの父親(object)を返す
• 一階述語論理で表された論理式の意味を与える
• 解釈Iと変数割り当てVを定める
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- 7. 一階述語論理 (5)
• 解釈I
• 解釈は,定数や関数,述語が現実世界の何に対応するかを返す
• 定数の解釈
• 定数aは現実世界のオブジェクトαを表現する: I(a) = α
• 関数の解釈
• 関数fは現実世界の関数Fnに対応する: I(f ) = Fn
• I(father) = “ある人の父親を表す関数”
• 述語の解釈
• 述語pは現実世界の関係Pに対応する: I(p) = P
• I(isLarger) = “あるものはあるものより大きいという関係”
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- 8. 一階述語論理 (6)
• 変数割り当て V
• 変数割り当てVは解釈Iでは現実世界のものに対応付けられない変数
を,対象領域中の何らかのobjectに対応させる
• 変数の種類
• 自由変数: ∀や∃といった限量子がついていない変数
• 束縛変数: 限量子によって束縛されている変数
• 自由変数の変数割り当て
• 自由変数Xを対象領域のobject oに対応させる
• V(X) = o
• 束縛変数の変数割り当て
• 後述
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- 9. 一階述語論理 (7)
• 解釈Iと変数割り当てVによる論理式の意味付け
• ある構成要素εの意味を[ε]IVと表す
• 定数 a: [a]IV = I(a)
• 変数 X: [X]IV = V(X)
• 項 f(t1, ..., tn): [f(t1, ..., tn)]IV = I(f )([t1]IV, ..., [tn]IV)
• 述語 p(t1, ..., tn): [p(t1, ..., tn)]IV = I(p)([t1]IV, ..., [tn]IV)
• 論理記号で結合された論理式は,構成要素φ, ψの意味を利用して命
題論理と同様に決定される
• 束縛変数について
• ∀X. φ: ドメインDのすべての要素dについて[φX/d]IVが真かどうか
• ∃X. φ: D中のある要素dについて[φX/d]IVが真かどうか
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- 10. 一階述語論理 (8)
• 充足可能性
• 論理式φと解釈I, 変数割り当てVが与えられたとき,φの真偽値が計
算可能になった
• 論理式φがあるI, Vのもとで真になるとき,
φはIとVのもとで充足されるといい,⊧IV φ と表す
• 解釈Iに依らずに真となる論理式φを恒真式とよぶ(トートロジー)
• 解釈Iに依らずに偽となる論理式φを充足不能な論理式とよぶ
• 解釈Iと変数割り当てVによってφの真偽値が変化する論理式は,充足
可能な論理式と呼ばれる
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- 11. 一階述語論理 (9)
• 論理的公理
• φ → (ψ → φ)
• (φ → (ψ → χ)) → ((φ → ψ) → (φ → χ))
• (φ → ¬ψ) → ((ψ → φ) → ¬φ))
• ∀X. φ → φX/t
• ∀X. (φ → ψ) → (∀X. φ → ∀X. ψ)
• φ → ∀X. φ (Xはφの自由変数でない)
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- 12. 一階述語論理 (10)
• 論理的帰結 (Logical consequence)
• n個の論理式φ1, ..., φnの全てを充足する,ある解釈Iと変数割り当てV
が,他の論理式ψを充足するとき,{φ1, ..., φn} ⊧IV ψと書く
• φ1, ..., φnを充足する任意のI, Vについて,ψもまた充足されるとき,
ψはφ1, ..., φnの論理的帰結と呼び {φ1, ..., φn} ⊧ ψ と書く
• φ1, ..., φnという関係や性質が成り立つどのような世界において
も,ψという関係や性質が成り立つ
• モデル (model)
• ある論理式φがある解釈Iについて,どのような変数割り当てVを行
なっても充足されるとき,解釈Iはφのモデルと呼ばれる
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- 13. 一階述語論理 (11)
• 一階述語論理における推論
• MP: Modus Ponens
• φ→ψが真であり,φが真であれば,ψも真である
• MT: Modus Tolens
• φ→ψが真であり,¬ψが真であれば,¬φも真である
• AND導入/除去
• φとψからφ∧ψを導入する,もしくはφ∧ψからφとψを導入する
• 全称例化/存在例化
• ∀X. φからある特定の項tを用いて φX/tを導入する
• ∃X. φから具体的な代入例 φ X/f(t1,...,tn)を導入する
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- 14. 一階述語論理 (12)
• 論理式の証明
• ある性質や関係φ1, ..., φnが成り立つ世界において,ある性質ψが成り
立つかどうかを調べる
• {φ1, ..., φn} ⊧ ψを調べる
• 証明とは,{φ1, ..., φn} 中の論理式や論理的公理からスタートし,述
語論理の推論を繰り返して実行して新しい論理式を作成し,最終的
にψに至る論理式の列である
• 論理式ψに対する証明が存在するとき,ψは証明可能という.
• 論理的公理から推論規則によってψが導けるなら ⊦ ψと書く
• ある仮説の論理式集合Γと論理的公理から推論規則によってψが導
けるなら Γ ⊦ ψと書く
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- 15. 一階述語論理 (13)
• 証明と論理的帰結に関する完全性と健全性
• 健全性 (soundness)
• Γ ⊦ ψならば Γ ⊧ ψである
• 間違ったことは証明しない
• 完全性 (completeness)
• Γ ⊧ ψならば Γ ⊦ ψである
• 必要なことは証明可能である
• 論理式の集合Γを仮定してある論理式ψが証明可能かどうかを調べる証
明手法の一つが融合法(resolution method)である
• Γ ∪ {¬ψ}から矛盾が発生することを導く (背理法)
• キーワード: 節形式と単一化
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