本発表は Forkwellさん企画の Infra Career Lounge #2「ネットワークエンジニアのキャリア」にて登壇させていただいた内容です。 https://forkwell.connpass.com/event/248722/ YouTubeでも同様のお話をしています。 https://www.youtube.com/watch?v=M1c265IIEWM

1. 未経験者から
世界と渡り合う
ネットワークエンジニア
になるためのキャリア設計術

2. 自己紹介
● 土屋 太二 (つちや たいじ) 35歳。
● ネットワークエンジニアになって、はや11年。
○ BIGLOBE (7年) → CTC America (1.5年) → Fastly (3.5年〜)
○ 京都 → 東京/川崎 → サンノゼ US → 東京/広島
● Side Projects
○ show int YouTubeチャンネル 登録者3000名
○ O’Reillyネットワーク自動化とプログラマビリティ 監訳
○ JANOG プログラム委員、ハッカソン運営など

3. 新人時代の土屋の技術レベル
● 学生時代
○ 大学生の授業で初めてパソコンを触った。なんもわからん。
○ Javaは授業でやったけど自分で作れるレベルにならず。
○ 英語なんて喋ったこともない。家族と海外旅行したぐらい。
● 新入社員時代
○ IPアドレスも何もよく知らないまま、
ISPのネットワークチームにたまたまアサインされる。
○ 上司や先輩に言われるがまま、教えられるがままに
ただひたすらにネットワーク機器を見様見真似で触る日々。

4. 10年後の土屋の技術レベル
● グローバル企業のシニアネットワークエンジニア
○ 世界中のネットワークを毎日がしがし触る。
○ チームに日本人ひとり。何から何まですべて英語。
○ ネットワーク自動化のツールを自分で作ったり、
プロジェクトをリードすることも。
大したトラブルも無く、楽しくエンジニア人生を満喫中。

5. 未経験者 から グローバルネットワークエンジニア
になるまでにやってきたこと
● 1年目(24歳) : 自分の技術レベルの低さの絶望。入る業界間違えた。。。
● 3年目(26歳) : 自分でできることが増えてきた。新しいこと学ぶの楽しい。
● 5年目(28歳)：海外のレベルの高さを知る。絶望。追いつける気がしない。
「5〜10年後なりたい自分になる」ためのキャリア設計を始める。
● 7年目(30歳) : 渡米。目標だったシリコンバレーの土地で仕事をゲット。
● 9年目(32歳) : 目標だったグローバル企業のNWエンジニアの仕事をゲット。帰国。
● 11年目(35歳):子供も生まれて仕事も家庭も順調。広島に移住しフルリモート。

6. ● 人生のゴールを決める
○ 最終的にどういう人物になっていたい？人生で何を達成したい？
○ どういう状態だと幸せだと感じる？最終的な収入はどれぐらいほしい？
○ 難しい場合は「5年後の理想像」「10年後の理想像」から考えはじめる。
● 2年ごとの中期ゴールを決める
○ 「人生のゴール」から逆算して、直近で獲得したい能力や目標を設定。
● 半年ごとの短期ゴールを決める
○ 「中期ゴール」から逆算して、直近で取り組むべき目標を設定。
○ 「達成」「未達成」が判断できる具体的なアクションとして記述。
● 日々の進捗日記をつける
○ 毎日30分以上短期ゴールのための活動ができたかどうかを
○☓で書く。
○ うまくいかなかった原因やそのときに生じた感情なども書き込む。
○ 自分のライフスタイルに合うように、目標・やり方を少しずつ修正。
キャリア設計でやったこと

7. 28歳のときに実際に作った
キャリア設計シートの例。

8. ● 昨日の達成度:
○ ネットワークの勉強 (毎日30分) : ☓ (未達成)
■ 課題: 昨日は夜寝てしまい、勉強時間が確保できなかった。
そもそも夜は疲れていてモチベーションが維持できないことが多い。
■ 改善案: 勉強時間は夜よりも朝のほうが時間が取りやすい。
業務前でエネルギーがあるので学習効率が良いのかもしれない。
明日から朝の通勤を 1時間早めてカフェで勉強時間を取るようにしてみよう
⇒ 新たな短期目標「早朝に勉強する習慣を身につける (毎日30分) 」を設定。
日々の進捗日記 の例
● うまくいかなかったことを言語化することによって
（感情抜きに）事実関係を整理し、現実的に継続しやすい形に昇華。
● 達成度を計測することで「理想の自分」に近づいている実感が湧く。

9. 「理想的な未来の自分」と「いまの自分」とのギャップを 埋め
るために、日々できるアクションにまで落とし込む。
● 人生のゴールを決める。
● 2年ごとの中期ゴールを決める。
● 半年ごとの短期ゴールを決める。
● 日々の進捗日記をつける。
未経験者から世界と渡り合うエンジニアになるには
「10年後どんな自分になっていたら最高？」を軸に
理想的な自分になるための人生計画を立ててみる。

10. Appendix
決断の裏で考えていたこと

11. ● 30歳を目前にして漠然とした不安に駆られるように
○ ネットワーク基礎が一通り身につき、次に学ぶべき選択肢が一気に増える
○ 業界における立ち位置が見えてきた。まだ何者にもなれていない焦燥感
○ 今の延長線で10年後の自分ができること・できないことが想像できる
○ 尊敬する業界のトップエンジニアや海外のエンジニアに追いつくには
「なにか大きなステップアップ」が必要だと感じるように
28歳のときにキャリア設計をはじめたきっかけ

12. ● 1年目(24歳) : 自分の技術レベルの低さの絶望。入る業界間違えた。。。
● 3年目(26歳) : 自分でできることが増えてきた。新しいこと学ぶの楽しい。
● 5年目(28歳)：海外のエンジニアのレベルの高さを知る。絶望。どないしよ。
海外エンジニアとの差に愕然。
やっぱり同じ土俵に立たないと、レベル感が学べなさそう。
世界規模のネットワーク運用ができる仕事を探すことに決めた。
渡米できるのは、子供がいなくて身軽な今しかない。
30歳までに、アメリカで仕事を見つけて渡米すると決める。
決断の裏で考えていたこと

13. ● 7年目(30歳) : 渡米。憧れのシリコンバレーの土地で仕事をゲット。
2〜3年ほど海外就職のための転職活動を頑張ったが、
残念ながらグローバル企業のネットワーク運用の仕事はゲットできなかった。
ただ、100%理想的な仕事 (=グローバルネットワーク運用) では無いものの
幸いにもシリコンバレーで働けるチャンスを掴むことができた。
家族の渡米の同意が得られるのは今しか無い。
とりあえず アメリカに行ったら、向こうでなんとかなるでしょ。
決断の裏で考えていたこと

14. ● 9年目(32歳) : 憧れのグローバル企業のエンジニアの仕事をゲット。帰国。
アメリカに残ることも含めて、かなり悩んだが、
「理想的な仕事をすること >>> 給料 > 住む場所 」と考え
帰国することを決断。
家族には何度も迷惑かけてしまい、反省。でもしょうがないやん。
ようやく世界規模のネットワーク運用の仕事が見つかったできたが、
日本で働くことが条件だった。(APAC timezone要員)
いやそれ、2年前(渡米前)に言ってよ。。。
決断の裏で考えていたこと

15. ● 11年目(35歳):子供も生まれて仕事も家庭も順調。
広島に移住しリモートワーカーに。
上司や同僚に恵まれ、想像以上に、快適に働けている。
社内の蹴落とし合いもなく、みんな協力的で、へたくそ英語にも寛容。
ノルマも無く、業績評価なども超絶ゆるい。最高。
東京で希望の保育園に落ちてしまったこともあり、
上司に「東京以外の選択肢も考えてるんだけど」とカジュアルに相談したらあっさりOK
でた。最高。
決断の裏で考えていたこと