ヒューマンエラー対策 (Human Error Prevention)
- 3. ヒューマンエラーを防ぐ3つの力
力 意味 効果 重要度
間違い
検知力
間違いが潜在
していることを
発見する力。
事故件数を減
らす。
最重要
間違い源逆
探知力
間違いが、いつ、
どこから始まっ
たか判定できる
力。
事故復旧コス
トを抑える。
2番目
作業成功力
個人が間違い
をしない度合い。
「腕の良さ」
ランニングコ
ストを抑える。
3番目
3
- 5. 5S、4M、3H、 3れ2び
4Mに3Hが付いていないか観察する
4M:Man, Machine, Material, Management
作業者、道具、仕事の題材、上司・連絡・マニュアル
3H:初めて、久しぶり、変更した
「初めての作業者」「マニュアルが変わった」などが、ミス多発
明け透けに分かるもの
5S: 整理、整頓、清潔、清掃、しつけ(ルール順守)
3れ2び:もれ、たれ、よごれ、さび、かび
「ミスが起きてから、しかる」よりも
「5Sができてなければ、その場で注意」
「3れ2びをすぐ直す」、が明るい
5
- 10. 手順1
仕事
発生
手順2 手順3 終了
手順1
仕事
発生
手順2 終了
時間
手順1
仕事
発生
終了仕事1
仕事2
仕事3
検
査
検
査
節目(コントロールポイント)を置け
ここぞというタイミングで、一斉検査
例:遠足の前日寝る前に見るチェックリスト
全体静止で集合写真を撮る:「バッチ決め」、茶道のお作法
Control Point : 胴切りに検査をかける時点
「目的地に現地集合」は落伍者が出る。途中の関所でこまめに点呼
10
- 22. どっちが楽?
島根 420
千葉 300
福井 690
千葉 300
奈良 170
山梨 290
奈良 170
山梨 290
千葉 300
千葉 300
島根 420
福井 690
並べ替えをかけると、間違いデータが変な場所に出現するので、チェックが楽。
ダブったデータも見分けやすい 22
- 25. マニュアルの書き方のツボ
分かりにくい文例 改善例
否定 Aではない場合は・・・ BかCかDの場合は・・・
二重否定
Aではない場合を除
き・・・
Aならば・・・
分散した記述 A(注1)ならば・・・ ○○のAならば・・・
手順の非明示 課長は○○できる。 あーしてこーする。
重要度不明の
記述
Aに注意せよ。
Aの○○を調べ、△△に入力
せよ。
なお○○も参照のこ
と。
あーしてこーする。(参照が
必要なら、ここに書き写す。
不要ならば削除。)
複雑な判定
Aは○で、Bが△以上、
ならば可。
□Aが×なら即不可。
□Bが△未満なら即不可。
(一発退場方式に改造す
る)25
- 28. 簡単報告表
いつ どこの 何が どうなっ
ていた
どうした 誰がし
た
担当者コメ
ント
9/2(月) 9:00 フライ
スA
ドリ
ル
欠損 交換 田中 了解(佐
藤)
9/3(火) 13:21 加熱器 内壁 ゴミ付着 清掃 鈴木 調査します
(佐藤)
9/9(月) 11:12 加熱器 チャ
ック
ネジ緩み 締め直し 田中 了解(佐
藤)
9/11水) 16:55 加熱器 電源 電圧やや
不安定
観察 山岡 了解(佐
藤)
•部屋の壁、機械に貼っておく
•書いた人も、その後の状況を見届けられる
•エクセルに入れて、各項目並べ替え
•どこが悪い
•いつが危ない
•事象ごとのつながりがあるか28
- 30. エッフェル塔建設 死者ゼロ
強い組織をどう作る?
リジリエンス(Resilience) :頑強さ
エッフェルのマネジメント
高所作業は少数精鋭
地上でプレハブを徹底
落下防止設備を設置
危険な現場は自分が入る
合理的・基本的なことの積み重ね
30
着工1887年
完成1889年
- 32. ヒヤリ・ハットを疑似体験させる訓練
こんちには みさなん おんげき です
か? にんんげ は じばんゅん が めく
ちちゃゃ でも ちんゃと よめる。
「人間は、自分で間違えないと、分
かったつもりのまま」(ソクラテス)
「四角形の寸法を2倍にしたら、面積は何倍に
なるかね?」
「2倍でしょう」
「じゃ、図を書いてみたまえ」
32
- 36. コイル巻作業の速度比較実験
暗い照明(選抜チーム) vs. 通常の明るさ(大部屋)
暗いけど、注目されて頑張った
「評価懸念」がいい方向に働いた
通常の生産ライン
(100人以上で働く)
暗い部屋
(被験者チーム)
実験日 照明強さ 生産速度 照明強さ 生産速度
9月13日 100 107 100 112
10月25日 100 108 75 113
12月6日 100 111 60 115
12月27日 100 111 50 116
1月17日 100 112 40 117
2月28日 100 109 25 114
3月1日 100 114 100 11636
- 37. Safety by walking around
航空業界の標語
「歩き回って安全をつくる」という意味
他部署を通りかかり、「どないや?」
その場の人々に、優しく、聞き出す
巡視で本音を聞き出すには
3択で聞け
1. 「このままでよい」
2. 「対策すべし」「規則違反である」
3. グレーな回答
「今日は無事故だと思うが、仮に起こ
るとしたらどこ?」
37
仕事を優しく見られると
手を抜かない
通行人
顧客
他部署の人
自分の家族
- 40. Event Tree Analysis (ETA)
きっかけ演繹法, (KY 危険予知)
ワンミスがどこまで広がるか?
どの矢印を切るか?
どこで復帰対策を打つか?
重要ファイル
が迷子に
マウス操作
が不正確
機密文書が
第三者へ
電子メールの
アドレスを
取り違える
その他
文書紛失
文書漏洩
その他
40
<書き始め>
気になること
今日の変化点
- 41. Fault Tree Analysis (FTA)
結果帰納法, (なぜなぜ分析)
災害発生の必要条件は何か?
箱はいくつあるか?
条件までさかのぼれるか?
どの箱(現象)を消す対策をするか?
浮力喪失
沈没・大惨事定員超過 救命ボート
不足
救助なし
座礁
防水失敗
保守不良
遠洋航海
カーフェリーの
ハッチ閉め忘れ
繁忙期
41
<書き始め>
あってはならぬ事故
再発防止事項