2018年12月8日に岡山市で行った事業創造セミナーで用いたスライドです。

1. ビジネスプラン実現のための知財
松本特許事務所
弁理士 松本 文彦
2018年12月8日＠事業創造セミナー

2. 事業の目的
•世の中に新しい価値を提供したい
•◯◯な人を幸せにしたい
•お金持ちになりたい

3. 最も避けなければいけないこと
叶わず頓挫すること

4. 頓挫する理由１
•自分がやりたい ≫ ニーズ
•実は他社が同様のサービスを
リリースしていた
市場調査が甘くて自滅

5. 市場調査を頑張って！

6. 市場調査を十分にやった結果
•ターゲットの潜在的ニーズを掴んだ
•誰もその商品・サービスを
リリースしていない
キックオフ！

7. 頓挫する理由２
他社に真似される

8. でも、”学ぶ” の語源は”真似ぶ”
真似されるのは先発の宿命

9. 後発から真似される前提で対策する
特許権・商標権

10. 特許権・商標権
特許：技術を保護 商標：ブランドを保護
これらは独占排他権

11. 独占排他権って？
権利を持っている人に
「それ、やめろ」と言われたら
やめなきゃいけない
めちゃくちゃ強力な権利

12. 特許権・商標権を持つ効果
（１）独占
事業の差別化、模倣防止
（２）連携
事業連携
（３）信用
資金調達時の評価、事業継続の安心感

13. 現実は・・・。
知財の対策は後回しになりがち
（１）創業間もないから関係ない
（２）地方の会社は関係ない
（３）知財にかけるお金が無い
そもそも対策しないといけないと
思っていない（気付いていない）

14. スタートアップと商標
■創業時 ７％
■１年後 ２０％
商標登録出願の割合
出願していないだけでなく
商標権侵害が内在しているものが１５％

15. 地方でも侵害事件は珍しくない１
例１：従業員10人弱の会社Ａ
→ 特許権侵害で4000万円の損害賠償請求

16. 地方でも侵害事件は珍しくない２
例２：会社Ｂが、提案した内容を
アライアンス企業にパクられた
→ 特許権を持っていると伝えていたのに！

17. 知財と費用対効果
知財が積極的にお金を産むことは少ない
しかし、他人の権利を侵害している場合の
リスクを考えることが重要

18. 出願すべきか否かの判断基準
他者から「やめろ」と言われて
やめられるかどうか

19. どういった場合に止めさせられるか
特許権 他社製品
侵害 非侵害
特許権 他社製品

20. 特許の書類
願書 出願人や発明者を記載
明細書 特許請求の範囲の説明
特許請求の範囲 （主張する）権利範囲
要約書 要約
図面 図面

21. 特許請求の範囲の例示１
略アミロペクチンより構成されるでん
粉と糖類と水との混合加熱により得られ
る粘弾性物にてアイスクリーム類を直接
全面被覆することを特徴とする被覆アイ
スクリーム類。

22. 特許請求の範囲の例示２
もち米：うるち米が略１００～８５：０～１５
で構成されるでん粉と糖類と水との混合加熱に
より得られる粘弾性物にて冷菓類を被覆する被
覆冷菓からなり、前記粘弾性物が、でん粉を３
～５５重量％、砂糖と麦芽糖が１：０．５～２
の比率で全糖類量の５０重量％以上を占める糖
類を２０～７０重量％、水を２５～４０重量％
含有することを特徴とする被覆冷菓。

23. 切り餅事件１
越後製菓の特許 サトウ食品の商品
「側面に切れ目が入ってるよ」

24. 切り餅事件２
特許出願 切り餅を販売
切り餅を販売
越後
サトウ
時間軸

25. いつ揉め事が起きるか？
商売が上向きのとき
鳴かず飛ばずでは相手にもされない
売
上
げ
・
知
名
度

26. 最近の傾向
SNSで拡散 ー 他人も自分も ー
（１）真似されやすい状況
（２）侵害の事実の拡散

27. 先使用権
早くから実施していた人を守るもの
丁寧正確に事前に対策をしておかないと
いざ必要となったときに先使用権の立証は困難
× 節約
◯ ノウハウ管理
原則は出願。
出願せずに守れる先使用権は例外。
先使用権の利用場面
普通は出願をするほうが楽だし間違いない

28. 権利行使は権利者しだい
権利行使をせずに競合他社と一緒に
マーケット拡大を選択することも可能
マーケットが十分に拡大した後で
その競合他社に退場してもらう
（という方法も無くはない）

29. まとめ
１．市場調査を十分に
２．出願して特許権・商標権に
守ってもらう
ビジネスプラン実現のためには

30. ご清聴ありがとうございました
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