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Proposal formの作り方
2016.3.19 コクランタイトル登録セミナー
兵庫県立尼崎総合医療センター
臨床研究推進ユニット
辻本啓、片岡裕貴
この時間の目標
• Proposal formが作成できる
• 似たテーマのCochrane reviewを探せる
2
マネージングエディターから返事がきた
3
×月×日までに
フォームを埋めるこ
とを求められる
(1−2週間ほど)
PICOからレビュー出版までの道のり
4
PICO
レビューグループの評価
メール
フォーム
タイトル登録!
プロトコル出版
レビュー出版
今日やること
Proposal formとは?
・このチームでCochrane reivewを作りま
すとのreview group宛の正式な申請
→ ある程度のプロトコルの大筋を作らな
いといけない
→ 難しいので似たレビューを参考に!
5
似たレビューを探すコツ
PICOの
Pのみで検索→Pの上位概念で検索
e.g. 透析患者→慢性腎不全
Iのみで検索→Iの上位概念で検索
e.g. 減塩→食事介入
※統制語があれば、使用できればbetter
6
Cochrane Libraryを調べる
7
http://www.cochranelibrary.com
Advanced searchを気軽に使ってみる(Iだけ or Pだけ)
8
9
Cochrane reviewのところをクリック
10
Rationale=このレビューを実施する意義
パターン1.
2006年のnon-Cochraneのレビューがある
が、それ以降重要な研究がある etc.
パターン2.
数個RCTがあるが、質の高いレビューがな
く、臨床的に重要なトピックである
11
研究デザインは? 似たレビューも参考に
大雑把に
Randomised controlled trial(介入研究)
Observational study (観察研究)
該当論文がそれなりにありそうなら、
RCTのみに限定
(RCTがなければreviewしないことが一般的)
12
Randomised trialの中でも
Individual randomization
(よくあるRCT)
Cross over randomization
(途中で介入とコントロールが入れ替わる)
Cluster randomization
(施設や病棟ごとのランダム化 etc.)
※Individual randomizationが最も理想的です。
Cross over, clusterとなるに従い、理想のコント
ロールからは遠ざかります。
13
Clusterまたは cross over randomised trial
解析時に少し調整必要
14
Quasi-randomized controlled trialって?
ランダム割付が完全にランダムでない
controlled trial
例) 来院の日付、カルテ番号で割付など
15
どこまで研究を含めるかはトレードオフ
広い選択基準をもてば
high risk of biasの研究が多くなる
しかし
狭い選択基準をもてば
含まれる研究がすくなくなる
→個別相談ください
16
Observational study
Cohort studies
Case-control studies
Cross-sectional studies
上記はほぼ同じ扱いで良い
通常は、コントロールのない症例報告は入
れない
17
アウトカムはどうするの? =似たレビューを参考に!
理想(治療の推奨に影響する)のアウトカム
18
http://www.guidelinedevelopment.org/handbook/images/image16.png
アウトカムについてもこの段階である程度決める
プライマリ・アウトカム
多くても3つ
1つはharmを含むようにする(想定されれば)
セカンダリ・アウトカム
こちらはいくつでもOK
ただし、臨床的に重要なものを選びましょう
(その結果が変わったとして、自分にこの治
療を行いますか?と聞いてみる)
19
実際手元にあるRCTのアウトカム
基本的には理想のアウトカムを書く
しかし、
手元にあるRCTで測定されているアウトカム
が患者にとって重要なものであれば含める
20
アウトカムが多くなりすぎたら
臨床的に許容できれば、
似た概念をまとめて一つに
e.g. 抗がん剤の副作用を
Toxic eventsでまとめる
or 副作用による治療中断などでまとめる
Draper 2009
Second-line chemotherapy for locally advanced or
metastatic small cell lung cancer ( Protocol )
21
サブグループとしてどこまで見るか
Proposal formの段階で
どのようなsubgroupを想定するか決める
→介入の結果が変わりそうな対象があれば書く
例) 高齢者、子供、超重症
※あまりに違いすぎたらタイトルの段階で分ける
22
Review teamって?
・テーマに関連した専門家がいることが望ましい
・Cochrane reviewを書いたことがある人がい
るとaccept されやすい
・統計の専門家もいたほうがaccept されやすい
23
この講義のまとめ
• Proposal formはある程度プロトコルの大筋をつ
くる必要がある
• 困ったら辻本/片岡にメール (hira_to_ber3598
あっとyahoo.co.jpでも個別相談いただけたら、
相談に乗ります
• 個別相談ください!RejectされてもPROSPERO登
録して論文にという道もあります
24
参考資料
2015.06.18 第4回コクランレビュータイトル登録セミナー事前課題
COCHRANE PREGNANCY AND CHILDBIRTH GROUP Title
Registration Form
Cochrane Library http://www.cochranelibrary.com
PROSPERO International prospective register of systematic
reviews http://www.crd.york.ac.uk/prospero/default.asp
Chapter 5, Cochrane Handbook for Systematic Reviews of
Intervention, Higgins JP
25

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コクランタイトル登録セミナー事後課題Proposal formの作り方

Hinweis der Redaktion

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