パーキンソン病における眠気へのアプローチ

1. パーキンソン病における
日中の眠気
岐阜大学 神経内科・老年学分野
下畑 享良

2. A. 睡眠障害
入眠障害
レストレス・レッグス症候群（RLS）
中途覚醒
運動症状➔寝返り困難
夜間頻尿
睡眠関連呼吸障害（SRBD）
REM睡眠行動異常症（RBD）
B. 覚醒障害
日中の過眠
突発睡眠
原因を特定し，原因ごとの治療を行う！

3. A. 睡眠障害
入眠障害
中途覚醒
睡眠呼吸
障害
頻度が高い
【抗パ薬不足】
振戦，寝返り困難
【抗パ薬過剰】
ジスキネジア，幻覚
【非運動症状】
夜間頻尿，うつ
日中の過眠を
呈するPD患者
の20%

4. B. 覚醒障害
日中の
過眠
突発
睡眠
PDの約15-50%に合併
増悪因子
1. 加齢
2. 睡眠障害
3. 薬剤（ドパミンアゴニスト）
予兆なく寝入る突然の
睡眠発作
頭部ががくんと倒れ，
たまに打撲する
１-5分で目覚める

5. 無動（寝返り困難）
振戦
→ 睡眠障害
この場合，ロチゴチン貼付等
で夜間の治療を強化する
夜間の運動症状は睡眠障害を招く

6. 幻覚・妄想
認知症
うつ
便秘症
排尿障害
立ちくらみ 痛み
睡眠障害
非運動症状も睡眠障害を招く

7. 逆に良い睡眠は運動症状を改善する
Sleep benefit
逆に睡眠障害は，翌日の運動症状を悪化する
良い睡眠
睡眠中の
ドパミン
合成↑
運動
症状改善

8. まとめ
1.まず睡眠障害か，覚醒障害かを鑑別する．
2.そのためには睡眠の状態（睡眠時間，入眠・覚醒障害
の有無，運動・非運動症状の有無）を確認する
3.原因にあった治療を行う．