コーポレートガバナンスコードに関連した、上場会社向け社内勉強会用資料。 コーポレートガバナンスについて、機関投資家について、投資基準の概要。

1. 機関投資家座談会
2021年1月

2. 本日の内容
〇自己紹介
〇コーポレートガバナンスの基本的な考え方
〇機関投資家の素顔
〇RFIの投資プロセス
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3. コーポレートガバナンスの基本的な考え方

4. コーポレートガバナンスコードは
• 要請されているからやらないといけない?
• 面倒だけどメリットもあるからやったほうがいい?
• 自社のため、自分のために活用したいもの?
• 機関投資家もスチュワードシップコードというガバナンスコードと対になるものが適
用されている
• 他投資家と話をしている感覚としては、スチュワードシップコードを前向きにとらえ
活用している人はまだ少ない
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5. 経済における企業と機関投資家の理想的役割
• 企業:
 理念に基づき、顧客（=社会の一部）に独自の価値を提供することを企てる
 そのために必要な協力をステークホルダー（社員、株主、社会）から得る
 価値を届けた対価（金銭等）を得て、ステークホルダーに分配し、内部留保をさらなる企
てに投じる
• 機関投資家:
 大元の資金の出し手（個人）の受託者
 独自の価値提供を企てる企業を資金面で支える
 投資先企業の繁栄の果実を、資金の出し手に投資リターンとして届ける
（金銭だけでなく、より良い社会）
 自身も投資リターンの一部を得る（支えた結果が自分の利益）
• 企業（経営者、社員）と機関投資家は同じ冒険の船に乗る仲間
• 新たな企て=>協力の提供=>さらなる成功=>果実の分配・更なる企て、というリスク
テイクのサイクルが回ることで、経済全体が活性化する
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6. 理想と現実のギャップ
• 現実は理想のように美しくない面が多々ある
 未来は不確実・不条理（確実なことはない、努力が報われるわけではない）
 他者を信頼することが難しい
o 情報・リテラシーの非対称性の存在と利用（悪用）の可能性
o 他者を歪みなく理解するのは不可能（コミュニケーションの壁）
 みんな自分がかわいい（許容範囲で自己利益を優先）
 制度による歪み（やりたくてもできない、ミニマムスタンダード、ダメだったら売ればいい）
• 残念な状況: 困難な理想より自己利益を優先
 経営者は自分の任期の安泰や経営者帝国を優先
 社員は自分の保身やキャリアアップを優先
 機関投資家は、企業を金儲けの道具とみなし、個人にリスクを押し付けて、自分の利益
を優先
 個人は絶望して資金を預金に固定
 結果として企業はダイナミズムを失い環境変化に適応できず衰退。経済も停滞
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7. 理想に近づくために
• 易きに流れないための規律を前向きに活用する
 ミッション、ビジョン、ウェイによる経営
 外部視点の取り込み（社外取締役、株主との対話）
 雇用慣行の見直し（自律した個人と企業のいい意味での緊張関係）
• より多くの人に信頼される企業・個人が、思う存分活躍できる時代
 誠実さ
 オープンなコミュニケーション
 共創
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8. 上場株式機関投資家の素顔

9. 上場株式機関投資家の分類
• 目指すリターンで大別すると以下の2つに分かれる
 パッシブ投資家: 特定の指標（ 市場の平均）に追随する運用
 アクティブ投資家: 特定の指数を上回るor市況に関係なくリターンを上げること
を目指す=より個別の企業に関心がある
 規模としては、パッシブ投資が趨勢的に大きくなっている
• アクティブ投資家も多様:
 伝統的アクティブ（大型株、オールキャップ、中小型株）
 ロングショート
 アクティビスト、等
=>投資の時間軸、リターンの源泉、目標とするパフォーマンスの形、投資基
準、想いは様々
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10. 機関投資家の背負うパフォーマンス責任
• 機関投資家のインセンティブ構造には共通項。
ファンドのパフォーマンスについて、
 委託者（最終投資家）への説明=>評価（四半期）
 社内の人事評価・賞与決定（賞与は年間パフォーマンスの影響大）
=>毎年目標リターンを上回りたい（ヘッジファンドだと毎四半期）
• 伝統的なアクティブ投資家が個別の投資先に求める典型的な株価アップ
サイドは、ざっくり2-3年で30-50%程度か（年率換算14%）
 株式市場の長期期待リターンは年率6-8%程度
 毎年市場平均に勝ちたい
 複数企業に分散投資を行う=>全部の会社が1年以内に上がる必要はない
（1投資先がポートフォリオの10%を超えるケースは稀）
 投資仮説通りにいかず、マイナスに影響する企業も一定存在
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11. 株価変動要因とアクティブ投資家
• 株価上昇要因は以下の2つに分けられる（厳密には分けられないが・・）
 業績成長
 期待値（空気感）の変動
• 長期的な株価上昇は、企業の利益成長からもたらされる
=>長期投資家の関心は企業の成長であり、目線は経営者と一致しやすい
=>ただし、長期投資は短期のパフォーマンスを一定あきらめる必要
• 短期的な株価は期待値の変動で大きく変化（2xくらい）
=>短い期間でパフォーマンスを出そうとすると、空気感を追いかけたくなる
=>業績サプライズ等、経営の中核とは離れたところにフォーカスが向かう
=>同じ船に乗りにくくなる
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12. 投資家との付き合い方
• 上場企業は最終的には株主を選べない（コミュニケーション先を選別するこ
とはできるが）
• 良い時も悪い時も、短期の業績及び試行錯誤の状況について真摯な説明
をする
• 一方で、常に中長期のビジョンとその実現に向けた戦略・施策を共有し、株
主の目線を長期に合わせる努力をする
• 株主はサポーター（資金だけでなく、情報やアイデアの源泉にもなったり）
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13. RFIの投資プロセス

14. RFIの大まかな投資基準
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• 一言でいうと、「強くて良い企業」に投資をしたいと考えている
 長期で持続的成長を実現する可能性が高い（一過性の成長ではない）
 誰か・何かを犠牲にすることによる利益・成長ではない
 担当者がその企業を応援したいと感じている（企業への共感）
 RFIが算出する企業価値と、時価総額の間に大きな乖離がある
（強くて良い企業の価値が既に市場に織り込まれていたら投資は見送る）
• それが社会のため、投資先企業のため、自分たちのため
• 上記の観点から企業を理解する上で、企業分析のフレームワークを活用
し、日々知見を蓄積している

15. 企業分析のフレームワーク概要
ミッション
ビジョン
ビジネスモデル
ビジネスドメイン
（市場）
経営者
戦略 組織人材 オペレーション
現在
将来
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• 7つの要素に分解
• 時間軸を考慮

16. 具体的に何を見ているの?
• 何を、なぜ、どれほどの想いで、成したいのか（MV、経営者、組織人材）
• その成したいこと・製品・サービスは市場で求められ続けるのか（ドメイン）
• 他社が（提供するための仕組みを含め）製品・サービスを模倣・無効化する
ことは困難か（ドメイン、ビジネスモデル、人材、オペレーション）
• やれはやるほど強くなる要素はあるか（ビジネスモデル、戦略、オペレー
ション）
• 実現に向けた道筋・登り方は明確・合理的か、メリハリをつけてタイトに実
行・検証されているか（戦略、組織人材、オペレーション）
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