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東京医科歯科大学付属病院で
減圧症と診断されたダイバーと健常ダイバーへの
アンケート結果から見えてきた減圧症の発症誘因
株式会社オルトメディコ 研究開発部 取締役部長
鈴木直子
2015.1.28 NAUIスクーバセンターミーティング
東京医科歯科大学 附属病院高気圧治療部
・減圧症
・スポーツ外傷
・ガス中毒
・重症感染症
等の治療
産学共同研究
(株) オルトメディコ
2005年から高気圧治療部との共同研究をスタート!
設立 2005年6月
資本金 3800万円
代表取締役 山本和雄
事業内容 ヒト試験の受託運営
企業理念 東京医科歯科大学の学内にラボを所有している民間の研究機関と
してヒト試験をサポートしており、製品の有効性・安全性を第三者
機関として評価いたします。
弊社では、大学との共同研究で培ったノウハウを活かし、高い技術
をもった研究員が試験計画の構築からデータの統計解析までサ
ポートいたします。
一社でも多くの企業様が製品の有効性・安全性を証明することが
できるよう、低価格で高品質なヒト試験をご提案することをお約束
いたします。
株式会社オルトメディコ
減圧症予防の啓蒙活動
実績
日本高気圧環境・潜水医学会
The Undersea and Hyperbaric Medical Society
安全潜水を考える会
月間ダイバー
etc・・・
高気圧治療部と共同研究の成果を公開することで
減圧症予防の啓蒙活動を行っています
研究背景と目的
減圧症
 潜水中に血中や組織に溶け込んだ不活性ガス(窒素)が浮上に
よる外圧の低下で気泡化することにより、強い関節痛や神経障
害を引き起こすこと 和田孝次郎 (2002)
 症状としては関節痛 (ベンズ)、筋力低下、知覚障害、皮膚の違
和感、意識消失、etc. 和田孝次郎 (2002)
 1,000~10,000ダイブにのべ1回程度の発症率 山見信夫 (2004)
 診断が難しく、対処が遅れることが多い
これまでの減圧症研究
 加齢 Biersner (1975)
 性差 Zwingelberg et al. (1987)
 肥満 Lam & Yau (1989)
 減圧症罹患歴 Lam & Yau (1989)
 過去の怪我 Stevens et al. (2004)
 卵円孔開存症 Sandra et al. (2004)
 喫煙 Buch et al. (2003)
 疲労 Aharon-Perez et al. (1993)
 生理 Lee et al. (2003)
 脱水状態 Fahlman & Dromsky (2006)
 速い浮上スピード Carturan et al. (2002)
 深度の深いダイビング Freiberger et al. (2002)
 ディープストップの有無 Marroni et al. (2004)
 安全停止中の運動の有無 Dujic et al. (2005)
 ダイビング後の寒冷暴露
Mekjavic & Kakitsuba (1989)
 ダイビング後間もない航空機搭乗
Freiberger et al. (2002)
プロフィールやコンディション ダイビング中
ダイビング後
アンケートに答えて減圧症予防?!
減圧症を発症したダイバーとそうでないダイバーは
何が違うのか??
https://www.uhms.org/
学術雑誌掲載
伊豆地域 沖縄地域
海外 その他
ダイビング地域の違い (減圧症の発症)
減圧症群 (2009.4 ~ 2011.8)
N = 231
対照群 (2009.5 ~ 2011.7)
N = 399
1本 2本 3本 4本
ダイビング地域の違い (潜水本数 / 1 日)
伊豆地域
N = 444
沖縄地域
N = 73
海外
N = 70
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3日 4日
5日以上
ダイビング地域の違い (ダイビング日数)
伊豆地域
N = 444
沖縄地域
N = 73
海外
N = 70
地域の違いが交絡因子となる可能性!
地域ごとにデータ解析
伊豆と沖縄では、減圧症発症の要因が異なる?
=×
伊豆沖縄
A CASE-CONTROL STUDY EVALUATING
RELATIVE RISK FACTORS FOR
DECOMPRESSION SICKNESS
: A RESEARCH REPORT
研究参加者
 東京医科歯科大学付属病院にて2009年4月から2011年8月の
間に受診し、減圧症と診断された者
 最後にダイビングした地域が伊豆である者
 35名
減圧症群
対照群
 減圧症と診断されていない者
 最後にダイビングした地域が伊豆である者
 最後にダイビングした日が2009.5から2011.7の間である者
 324名
質問項目
 性別
 減圧症の既往歴
 整形外科を受診する病気の既往歴
 前回のダイビングは6か月以上前か
プロフィール
質問項目
 前夜のアルコール摂取
 寝不足だったか
 ダイビング前の疲労
 体調不良や病気
 二日酔い
 下痢、嘔吐、脱水症状の有無
 潜水前 (2時間以内) の水分補給 (約400 mL以上)
 ダイブテーブルを引いたか
ダイビング前の状況
質問項目
水深30m以上の潜水
1日3本以上の潜水
スピード超過警告アラームの警鳴
ディープストップ
3分以上の安全停止
安全停止中の運動
1.5時間以上の水面休息時間
ダイブコンピュータからの減圧停止指示
ナイトロックスタンクの使用
テクニカルダイビング
ダイビング中の状況
息切れ
のどの渇き
寒け
質問項目
寒け
のどの渇き
ダイビング後の状況
最大深度
次の潜水までの間隔
潜水本数のカウント
量的データ
研究結果
どのような要因を気をつければ良い?
このアンケートの信頼性は?
簡単な診断方法は可能か?
研究結果
どのような要因を気をつければ良い?
このアンケートの信頼性は?
簡単な診断方法は可能か?
減圧症群と対照群のアンケート回答を集計し、
オッズ比を算出する。
オッズ比 = =
減圧症・曝露あり
減圧症・曝露なし
対照群・曝露あり
対照群・曝露なし
p1
1-p1
p2
1-p2
オッズ比 < 1
減圧症発症への影響が
小さい
オッズ比 = 1
減圧症発症への影響大オッズ比 > 1
減圧症を予防する因子
オッズ比って?
研究結果
危険因子
質問項目 オッズ比 減圧症群
(yes / no)
対照群
(yes / no)
潜水中の息切れ 12.12 9 / 26 9 / 315
脱水症状 10.63 5 / 30 5 / 319
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比較して減圧症のリスクは約12倍である。
(2009.4 ~ 2011.8)
(2009.4 ~ 2011.8)
研究結果
安全因子
質問項目 オッズ比 減圧症群
(yes / no)
対照群
(yes / no)
ダイブテーブルを引いたか 0.27 2 / 33 59 / 265
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研究結果
どのような要因を気をつければ良い?
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簡単な診断方法は可能か?
質問に対する1つ1つの回答ではなく、それぞれの
質問とのつながりを考慮する。
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回帰式って?
p = β1x1 + β2x2 + ・・・・・ + βnxn + β0
1+e
e
β1x1 + β2x2 + ・・・・・ + βnxn + β0
ロジスティック回帰分析
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⇒ 0 < p < 0.5 のとき、非減圧症
⇒ 0 < p < 1 のとき、減圧症
目的変数 ⇒ 減圧症か否か
説明変数 ⇒ 各質問項目の回答 (yes: 1 / No: 0 / 数値)
p:
x:
研究結果
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(2009.4 ~ 2011.8)
研究結果
どのような要因を気をつければ良い?
このアンケートの信頼性は?
簡単な診断方法は可能か?
アンケートの項目が多いため、少々時間がかかる
⇒少ない質問で、減圧症の診断を行いたい
まとめ
伊豆地域におけるダイビングの際に気をつけるべき要因
アンケートの信頼性は、減圧症の診断に有用であった
構築した簡略式はサンプル数を増やすことで精度を上げるこ
とが出来ると考える
「伊豆地域の研究で明らかとなった予防方法」
★ダイビング前に、400 mL以上の水分補給をしましょう。
★息切れしない程度のダイビングを心がけましょう。
★ディープストップを行いましょう。
★ダイブテーブルを引きましょう。
アンケートの精度を向上させ、減圧症を予防して
安全なダイビングを広めるために、
ダイバーの皆様の
ご協力をお願いします。
大瀬崎でのアンケート調査の様子
弊社HPにて健常ダイバー用の質問票が入力できます!
http://www.orthomedico.jp/diver/diver.html
連絡先: 株式会社オルトメディコ
TEL: 03-3818-0610
FAX: 03-3818-0617
紙での質問票のご用意もできます。研究成果は学会発表等を
通してダイバーの皆様の安全潜水に還元できればと考えています。
どうかご協力お願いいたします。
http://www.orthomedico.jp/diver/diver.html
あああああああああああああああああ
弊社HPにて健常ダイバー用の質問票が入力できます!
ダイバーへの啓蒙ポスター (伊豆・沖縄)
ご静聴ありがとうございました

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東京医科歯科大学付属病院で 減圧症と診断されたダイバーと健常ダイバーへの アンケート結果から見えてきた減圧症の発症誘因

Hinweis der Redaktion

  1. 株式会社オルトメディコの鈴木です。 本日は、 「東京医科歯科大学付属病院で減圧症と診断されたダイバーと健常ダイバーへのアンケート結果から見えてきた減圧症の発症誘因」 というタイトルで発表させていただきます。
  2. 社会貢献として減圧症予防のため啓蒙活動を続けていくのが使命。 研究成果を公開することで減圧症予防の啓蒙活動になればと願っています
  3. 研究背景と目的
  4. 減圧症の簡単な説明 ↓ 減圧症は、診断が難しい ↓ 対処が遅れてしまう ↓ ダイビング前や直後に問診するだけで 判断できたら減圧症の早期発見が可能?
  5. 減圧症の発症誘因の代表的なものは、ご覧のとおりである。 しかしながら、これらの研究を見る限り、単一または少数の因子に関しての検討がほとんどであり、因子間の相対的重要度について言及したものは少ないのが現状である。 さらに、とくにダイビング中の振る舞いについての研究については、血中の気泡量についてのみ調査したものも多く、直接、減圧症の発症確率について検証することも重要と思われる。
  6. 減圧症を発症した者としていない者の回答を比較する ↓ 減圧症発症の要因が浮き彫りに? ↓ 減圧症の予防や早期発見につながる
  7. 我々の研究は、学術雑誌Undersea&Hyperbaric Medical Societyに掲載されました。 この研究は、伊豆地域にてダイビングを行った者を対象としています。 そして、伊豆地域の減圧症発症の要因と 我々が作成したアンケートの信頼性を見出すことができました。
  8. 地域が異なることで、ダイビングのあり方に大きな違いが出てくるということをお見せしたい。 まず、こちらの円グラフは、我々が集めた2種類のサンプル、減圧症群と対照群が、それぞれどの地域で潜ったのかを、伊豆、沖縄、海外、およびその他の4地域に分けて表したものである。 グラフから分かるように、減圧症群は各地域が同じくらいの割合であるのに対し、対照群は圧倒的に伊豆が多いことがわかる。
  9. こちらの円グラフは、各地域での、一日あたりの潜水本数を表している。 伊豆地域では、一日あたり2本が大部分なのに対し、 沖縄では一日3本が圧倒的に多く、 海外ではさらに一日4本潜るケースも多いことがわかる。
  10. ダイビング地域ごとによる潜水日数も大きくことなる。 伊豆地域では1日しか潜らない場合が圧倒的なのに対し、 沖縄や海外では数泊のツアーとしてダイビングをしているケースが多いと考えられる。 以上のことから、ダイビング地域を区別せずにケース・対照研究を行うと、 地域の違いが交絡因子となることで、結果をゆがめてしまう危険性が考えられる。
  11. 社会貢献として減圧症予防のため啓蒙活動を続けていく 沖縄地域での研究も進めており、今後発表する予定。 伊豆地域との違いが見つかった。 ダイビングする場所でも注意するべき点異なる可能性がある それを探っていく ↓ 様々な地域でデータを収集する必要がある アンケートの精度を高めるには、更なるデータが必要 アンケートの精度が高まることは減圧症の早期発見につながる ぜひ、皆様にも協力をお願いしたい。
  12. A case-control study evaluating relative risk factors for decompression sickness: A research report 本日は、その研究の一部を発表したいと思います。
  13. 研究に参加していただいた方をこちらに示しました。 簡単な説明 参加者全員に同じ質問を行いました。
  14. 質問項目 いずれのダイバーにこのような質問を行いました。 プロフィール
  15. ダイビング前の状況
  16. ダイビング中の状況
  17. ダイビング後の状況 質問項目としては27項目と量的データとしているのがダイビングプロフィール3項目
  18. 危険因子の説明 安全因子の説明
  19. 危険因子の説明 安全因子の説明
  20. オッズ比はこのような式で定義され、正の値をとる。 ある因子のオッズ比が1程度であれば、減圧症群と対照群の差が小さく、その因子は減圧症発症への影響が小さいと考えられるが、 オッズ比が1よりも大きいと、減圧症発症のリスクファクターであると考えられ、 逆に1よりも小さいと、その因子は減圧症を予防に効果的であると考えられる。
  21. 1つ1つの質問に対する回答からオッズ比を導き出した。 しかし、実際はその質問の行動のみを行っているのではなく 様々な行動を行っている。 よって、様々な行動の組み合わせから、判断する必要がある
  22. 我々は、アンケートの集計結果から回帰式と呼ばれる数式を構築しました。 この式は、簡単に言えば、目的変数の出現確率を説明変数を数式に代入することで求めるといったものです。 今回の場合ですと、目的変数が減圧症か否かです。 また、説明変数はアンケートの質問に対する回答になります。 この回答の「はい」を1、「いいえ」を0に数値化して、式に代入します。 また、何mなど量的なデータを入れることも可能です。 そして、得られたp (目的変数の確率)が0 < p < 0.5 のとき、非減圧症     0 < p < 1 のとき、減圧症 となります。
  23. 我々が構築したアンケートの正解率は、68.6%である。 この正解率は、全ての質問に答えた場合である。 これは、我々が構築したアンケートは、68.6%の確率で 減圧症か否かを見分けることができるという意味です。
  24. 質問数が多いので、少ない質問でも 減圧症の診断を行いたい。 そこで、ステップワイズ法と呼ばれる手法を用いて、 特に重要な項目を探索的にピックアップした。
  25. 伊豆地域におけるダイビングの際に気をつけるべき要因を見出した 我々のアンケートの信頼性は、減圧症の診断に有用であった 構築した簡略式の精度は低かった。 サンプル数を増やすことで式の精度はあがる
  26. アンケートの精度を高めるには、更なるデータが必要 アンケートの精度が高まることは減圧症の早期発見につながる ぜひ、皆様にも協力をお願いしたい。
  27. 弊社のホームページでもアンケートを募集しています。
  28. 弊社のホームページでもアンケートを募集しています。
  29. 以上です。 ご静聴ありがとうございました。