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機械学習をScrumで組織的に学習する (RSGT2022)
- 1. © Copyright 2022, ESM, Inc.
機械学習をScrumで組織的に学習する
#RSGT2022
2022年1月5日
永和システムマネジメント 取締役CTO/Future Design Office 室長
岡島 幸男
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永和システムマネジメント
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福井本社
東京支社/神田
沖縄支社
● 1980年創業
● 社員 220名
● アジャイルでまあまあ知られている
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本日の内容
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● 部門横断での技術獲得の進め方
~ 機械学習の知識を組織に拡大するためにやっていること
○ チーム編 ~ ScrumとSECIモデル
○ 組織編 ~ ダイナミズム理解とインタラクション設計
永和システムマネジメントにおける現在進行形事例
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FDO(未来デザイン室)とは
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FDO
(Future Design Office)
事業部
メン
バー
メン
バー
最大1年
いって
きます
ただいま
メンバー(事業部)が得
られること
・技術的実践知
・ビジネスアイディア
・課題
年間を通じた部門横断プロジェクト。プロダクト開発を通じた技術獲得に専念する
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FDOのミッション
1. 新しい領域で開発する際の技術力の根拠(開発実績)
2. 技術転換を促進。明日のエースを育成
3. 認知度向上。「あー、〇〇やってる永和さんね」
9
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多様性に富むメンバー
サービス系
Ruby XP
組込み系
WF
Agileネイ
ティブ
金融からの
リスキル
業務系
Scrum
業務系
Scrum
一期生(2020/08 ~ 2021/07)
二期生(2021/10 ~ )
金融系
大ベテラン
PO
所属事業部からの推薦
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「プロダクト」オーナー?
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FDO
事業部
メン
バー
メン
バー
いって
きます
ただいま
POと名乗る理由
FDO(という部門)は、「メンバーを成長させて返す」サービスを事業部に対し
て提供していると見立てられるから。
- 14. © Copyright 2022, ESM, Inc.
手を動かすことで学ぶ
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機械学習を仕事にするために
モダン開発スキル/スタイル
GitHub Docker Python
Scrum クラウド…諸々
機械学習(AI)スキル
モダンな技術と開発スタイルで、チームでプロダクトを作りきること
- 15. © Copyright 2022, ESM, Inc.
なぜ機械学習をテーマに選んだか?
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ワークショップを繰り返し、自分たちでやりたいことを決めていった
テーマ決定ワークショップ
● オンライン+オフライン
● 合計4回実施
● POがファシリテート
● メンバー+技術アドバイザーが参加
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基本はScrum
● 常に使用したScrumの要素
○ POと開発者ロール
○ スプリント(1週間)
○ デイリースクラム
○ レトロスペクティブ
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- 19. © Copyright 2022, ESM, Inc.
一期生のプロダクトゴール
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3Q + 4Q
● 機械学習プロジェクトを頭から最後まで通せるノウハウ、実践知を得る
● それらを形式知(ソース・ドキュメント)化し、社内に共有する
2Q
● 応用的な技術に取り組み、実際に動くものを開発する
● 活動を社内にもっとアピールする
1Q
● 実際の案件で機械学習プロジェクトの仕事の進め方を掴む
● 基本的なライブラリやサービスの使い方を学ぶ
おおよそ、3か月に一度のリリースとみなし、都度ゴール設定。
- 21. © Copyright 2022, ESM, Inc.
SECIモデルでふりかえるチーム内での知識拡大
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一期生(2020年8月~2021年7月)
①実践から学
ぶ
実務することで先行者と共に
学び、暗黙知を取り込む
④発信する
ことで確認
する
これまで学んだことの定着を
確認する意味でも発信する
②学んだこと
を試す
①で体験したことも踏まえ、
コンペにチャレンジするな
ど、知識を表出する
③プロダクト
として表現す
る
ここまで学んだことを組み合
わせ、自分たちのプロダクト
で表現
- 23. © Copyright 2022, ESM, Inc.
「育てるAI検温」
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データ
予測
モデル
予測
結果
活動を社員に広く知ってもらい、社員と
一緒にデータモデルを育てたい、という
想いを込めて。
- 24. © Copyright 2022, ESM, Inc.
プロダクトのPOとしてこだわったところ
● 活動コンセプトを表現できるス
トーリーとスペック
● 社員に活動を知ってもらうため
のタスク
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バックログの一例
- 26. © Copyright 2022, ESM, Inc.
機械学習プロジェクトとScrumの相性
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スプリント単位でモデ
ルのアップデートと検
証
実際には日々見直しが行われた
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スプリントゴール重要
● POと開発者の約束事
○ このスプリントでは〇〇(例:前処理)を学ぼう(性能がでな
くても、失敗でも学びがあれば良い)
○ 活動の意義に沿ったことを優先しよう
○ 次期メンバーに残せることを優先しよう
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- 30. © Copyright 2022, ESM, Inc.
卒業メンバーそれぞれの場所での活躍を喜ぶ
発信を通じてわかる「内面化できた知識」
● 予測→振り返りを無限に繰り返せてしまうた
め、危険…
● 予測率OO%を達成します!は、危険…
● 機械学習は開発というより、探索型業務
● 相関関係ある!予測できた!と早とちりするの
は、危険…
● 「原因分析力」に加え正しい「統計知識」も必要
● 機械学習の奥深さを体感できた。「前処理
8割」
「Garbage In, Garbage Out」ってホントそう
● コツコツ地道に泥臭く積み重ねていく世界
- 31. © Copyright 2022, ESM, Inc.
一期生チームとの関わり方
PO
● 対象はPOもよくわからない領域なので一緒に
機械学習を(後追いで)学ぶ
● ワークショップデザイン(ファシリテーション)も
担当
● 事実上POとスクラムマスター兼任
「プロダクトのPO」とし
て、価値やスペックに
がっつり関与
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二期生の状況
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①理論から学
ぶ
②学んだこと
の発信共有
二期生(2022年1月段階)
書籍や一期生成果、小さな
開発などを通じ、チームで共
に学習
①自分たちのやったこと、学
んだことを文書化して社内に
広く共有
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学んだことの発信共有
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参考図書レビュー
https://fdp-blog.hatenablog.com/
社内向けニュース
技術ブログ
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二期生チームとの関わり方
PO
● POとして毎週のレビューに参加、スプ
リントゴールの確認
● 運営(ファシリテーション等含め)は全て
チームに任せる
● スクラムマスターもメンバーが担当
1月からプロダクト(育てるAI検温Ver2)開発
を始める。関わり方も変化していく
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なぜチームとの関わり方を期ごとに変えているのか?
1. チームメンバーの個性は全部違うから
2. 期ごとに役割・位置づけが違うから
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年次ごとに、その活動成果をSECIモデルの各象限にマッピングしている
- 37. © Copyright 2022, ESM, Inc.
組織に知識を広めていくために
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各年次の活動・成果の相互作用を暗黙知と形式知の変換に見立てることで、先の見通しを良くする
【一期生】
暗黙知を表出
【二期生】
形式知の連
結
三期生?
- 39. © Copyright 2022, ESM, Inc.
活動方針の前提目標
● 漸進的に(オーガニックな成長>急成長)
● 今いる社員で(リスキル>採用)
● 再現性高く(どの技術領域でも>機械学習特化)
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永和システムマネジメントのビジネスと社風にマッチした目標
- 40. © Copyright 2022, ESM, Inc.
失敗から学んだPOの仕事
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価値に徹底的にフォーカスできなかった
POとしての未熟さにより失敗
#RSGT2020
FDOの室長(PO)として、組織が得られる価値の最大化にフォーカスする
- 41. © Copyright 2022, ESM, Inc.
FDOのビジネス価値の前提となるシステム
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ここが一番ヤバそう。人が増えて
も儲かるとは限らないし。
よし、ここは専門チームを結成し
…。
組織図では表現できないダイナミズムを知る
- 42. © Copyright 2022, ESM, Inc.
組織全体の中での位置を見出す
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機械学習特命部隊(仮)
マーケット
収益計画
技術獲得
3年でスキルアップし
て、ビジネス化する
ぞ!
コラボレーション型
組織(チーム)間のインタラクションは設計(選択)できる
事業部
事業部
FDO
人
人+スキル
マーケット
収益計画
技術獲得
毎年人を育ててお返し
します!
新しい技術を活かして
収益向上させるプラン
立てます
X-as-a-Service型
ではなく
- 43. © Copyright 2022, ESM, Inc.
FDO室長(PO)として
● 活動成果の位置づけ
● 教育内容優先度付け
● 教材プロダクトのPO
より効果的に影響力を発揮する
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全体像を見出し理解すれば、POとしての権限と責任範囲で動くほうが全体に貢献できる
取締役CTO(リーダーシップ)として
● 経営方針
● 全社育成計画
● 全社評価基準
● 全社…
FDO室長(PO)として
● 活動成果の位置づけ
● 教育内容優先度付け
● 教材プロダクトのPO
このシステムがうまく
回るようにするために
は…。
ではなく
役員として描いた全体
像を実現するために
帽子を被り分け…
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先行者を巻き込みCoP化する
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先行者
個人的に大好き
FDO
一期生 二期生
事業部
悩み相談
情報
情
報
FDOはCoEではない。各所の実践コミュニティと非公式に連携するほうが良い
相談
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サードプレイスとしてのCoP
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● 社長主催の社内勉強会だが
FDOのPOとして企画に関わ
らせてもらっている
● 義務感を減らし、「サードプレ
イス感」を出す
● 新参のFDOメンバーは活動
でぶつかる悩みを相談できる
場
● 古参メンバーの刺激にもなっ
ている
- 46. © Copyright 2022, ESM, Inc.
まとめ#1
● あらためて実感したScrumの使いやすさ
○ マネジメントの役割をPOとSMに分離したこと
○ 開発でも学習でも使えること
○ スプリントゴールとプロダクトゴールを通じてチームで意思
疎通できること
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- 47. © Copyright 2022, ESM, Inc.
まとめ#2
● 組織やチームのロードマップとしてSECIモデルを使う
● 組織の自己強化ループと、ビジネスモデルや風土にマッチし
た組織トポロジーを見出す
● POの権限・責任範囲にこだわって動くほうがうまくいく
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