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知的障害児支援アプリの現状
2014年夏
学校にタブレットを導入する前に
知っておかなければならない三つの落とし穴
2014年7月24日
パンダパパ
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• 本資料の著作者は古林紀哉です。本資料の著作権は著作者が有して
います。
• 著作者は本資料の再配布を許諾します。本資料を再配布する場合、
媒体の形式、対価の有無、商用非商用の別への制限はありません。
• 本資料で行っている第三者の著作物の引用は、公正な慣行に従って
います。(参考:著作権法第32条および第48条)
• 本資料での著作者の見解は、著作者個人の専門性に基づいたもので
す。著作者の所属する団体の見解とは独立したものです。
• 本資料で言及のない事項に関して著作者は何の見解も表明していま
せん。本資料にリストされていないアプリに対して、著作者は「良
い」とも「悪い」とも言っていません。
• iPadおよびiPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple
Inc. の商標です。
2
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本資料の趣旨
知的障害児の教育に関わる学校の先生向けに、昨今のタブ
レットとアプリの状況を解説します。
!
活用事例は増えており、「当校でも利用したい」という期待
は大きくなるばかりですが、タブレット環境もアプリの質
も実用レベルには至っていません。
!
本資料では、アプリに求められる質を提示することによって、
先生にはアプリの選択力をつけてもらうこと、開発者には
良いアプリを提供してもらうことを狙っています。
3
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資料作成者の紹介: 古林 紀哉
知的障害児の父親
三男は重度自閉症で、神奈川県立麻生養護学校・知的障害部門に通う中学1年生。三男は発語
は無いが絵カードを用いたコミュニケーションはできる。父親として自閉症児の教育手法の書
物を読みあさっている。
アプリ開発者(個人)
学生の頃よりプログラミングの知識と経験あり。現在は、趣味で時々プログラムをする。
2011年に、自閉症児向けiPhoneアプリ「絵カード・コミュニケーション」をリリース。
教員の息子
両親は岡山県倉敷市立の小学校教諭。父は校長も務めた。
ITアナリスト
大阪大学大学院修了。博士(工学)。
IT会社の企画部門に勤務。国立大学の客員教授の経験あり。
本資料と勤務先の業務との関係はない。
4
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目次
1. 知的障害児支援アプリの普及現状
2. 今の支援アプリが普及しない理由
3. 教育現場に望まれるアプリの要件
4. 本当に使えるアプリの見分け方
5. 代表的なアプリの紹介
6. 学校の先生がこれからすべきこと
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1. 知的障害児支援アプリの普及現状
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1.知的障害児支援アプリの普及現状
2012年頃より教育現場での事例が増え始め、入手も容易になっている
知的障害児支援アプリの事例
活用事例集
魔法のプロジェクト「障がいを持つ子どものためのモバイル端末活用事例研究
http://maho-prj.org/
特別支援学級におけるタブレット端末活用事例:東京都教育委員会
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/26tokushi_tablet.html
導入ガイド(入門的)
ICT活用ハンドブック 特別支援学級編:兵庫教育大学
http://jouhouka.mext.go.jp/developmental_disorder_ict_katsuyo.html
導入ガイド(実践的)
携帯情報端末を活用した支援のヒントブック:兵庫県立福祉のまちづくり研究所
http://www.assistech.hwc.or.jp/kenkyu/pdf/publication/hint.pdf
特別支援学校へのiPad導入ガイド:愛知県立みあい特別支援学校PP団。
https://www.facebook.com/teampp.since2011
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1.知的障害児支援アプリの普及現状
!
知的障害児向けアプリの例
コミュニケーション
スケジュール
タイマー
能力開発
余暇支援
その他
8 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
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1.知的障害児支援アプリの普及現状
とても参考になる
知的障害児向けアプリ一覧
iTunesカード3,000円でそろえたいアプリ
特別支援学校へのiPad導入ガイド:愛知県立みあい特別支援学校PP団。
https://www.facebook.com/teampp.since2011
!
iPhone、iPad用・障害のある人に便利なアプリ一覧
東京都障害者IT地域支援センター
http://www.tokyo-itcenter.com/700link/sm-iphon4.html
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1.知的障害児支援アプリの普及現状
現場の先生が読んでも実際には使うことができない
活用事例集の問題点
編集の問題点
事例の寄せ集めになっていて、整理や分析がされていない。
事例報告の課題
準備作業が未記載のため、手間が不明。または再現が困難。
アプリを使えたことは報告されているが、導入効果が不明瞭。
浮かび上がる懸念
まともなアプリが無い。
年々、アプリ事例が増加するが、昨年のアプリはお払い箱なのか?
使うことが目的化している?
現状を見渡して理解している人がいない。
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1.知的障害児支援アプリの普及現状
本当に進んでいるのか? むしろ困惑感が出ている?
教育現場から聞こえてくる声
担任の先生
タブレット端末の設定は、若い先生に任せていて、私には詳しいことが分
からない。
学校ではアプリ購入の費用処理ができないので、我が校のタブレット端末
には無料アプリしか入っていない。
どのアプリを使ったら良いかを教えてほしい。
管理職
そろそろ我が校にもタブレット端末を導入したい。
教員にタブレット端末活用の研修を受講させたい。
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2. 今の支援アプリが普及しない理由
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2.今の支援アプリが普及しない理由
知的障害児向けの
教育現場に普及しない3つの理由
先生のICT知識が追いついていない。
!
学校にアプリ購入の予算措置が整っていない。
!
サクットと使える定番アプリがない。
効果の高い利用方法があったとしたら、先生は自らICTの知識をつけ、学校
も予算を確保しているはずだが!
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2.今の支援アプリが普及しない理由
タブレット端末を普及させるための
先生と学校の課題
先生のICT知識が追いついていない。
タブレット端末は、多機能の情報端末です。スイッチを入れて数回の操作で
機能するDVDプレーヤとは違って、ある程度の時間は使い続けないと活用力
はつきません。
スマホを使っていない先生には、ハードルが高いようです。
パソコンのWORDやプレゼンツールが使えるのと同程度の知識は必要です。
学校にアプリ購入の予算措置が整っていない。
「前例がない」とか「無料ソフトで駄目な理由は?」といった保守的な経理
部門の抵抗にあい、アプリが購入できない学校もあるようです。
有料アプリをタブレット端末の台数分購入することは必須です。
アプリにお金を払わないと、アプリ開発者はいなくなってしまいます。
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2.今の支援アプリが普及しない理由
一言でいうと
サクット使える定番アプリがない
教育現場で使われているアプリ
タブレットに最初から入っている、写真やブラウザー
幼児向け知育アプリ
視覚的なコミュニケーションツール
周辺支援のアプリ
!
課題を生む背景
知的障害児向けの市場は小さいので、アプリ提供者が少ない。
アプリ開発者は知的障害児の教育手法を知らない。
アプリの質の悪さを指摘する人がいない。
全体を理解して提言を行う識者がいない。
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2.今の支援アプリが普及しない理由
健常児向けアプリの常識とは180 異なる
知的障害児向けアプリの特異性
本人(知的障害児)では利用準備ができない。
アプリを使うことが、教育効果に直結しない。
アプリを導入しても先生の負担は軽減しない。
同じアプリでも学校と家庭では使い方が異なる。
16
落落とし⽳穴  
その1
落落とし⽳穴  
その2
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2.今の支援アプリが普及しない理由
知的障害児向けでは、アプリを使いながら目的を叶えていく。
アプリの目的と達成手段
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目的 知的障害児
視聴覚障害・
肢体不自由児
健常児
①不自由な機能の
代替
VOCA
視覚支援
文字読上
音声認識
②能力開発の支援
ABAフラッシュ
視覚認知
ドリル
計算、漢字
③情報端末 アクセシビリティ
ネットでの調査
図鑑、百科事典
④余暇の支援
映像系
YouTube
娯楽一般
ゲーム
アプリを使うことが、
目的に直結する。
使わせるのに一苦労。
使えるだけでは目的に叶わない。
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2.今の支援アプリが普及しない理由
知的障害児向けのアプリ導入は、先生の負担が大きい。
アプリの目的と先生の負担増減
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目的 知的障害児
視聴覚障害・
肢体不自由児
健常児
①不自由な機能の
代替
VOCA
視覚支援
文字読上
音声認識
②能力開発の支援
ABAフラッシュ
視覚認知
ドリル
計算、漢字
③情報端末 アクセシビリティ
ネットでの調査
図鑑、百科事典
④余暇の支援
映像系
YouTube
娯楽一般
ゲーム
負担増↑
負担減↓
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2.今の支援アプリが普及しない理由
特に、コミュニケーション系のアプリでは、
学校と家庭でアプリの使い方が異なる
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コニュニケーション
アプリ
学校 家庭
多い品詞
気持ち
動作
名詞
多い名詞 学校の中
食べ物
行き先
単語の共用 クラスで共用 本人専用
単語の増加
導入時は多数だが、
そんなには増えない
導入時は少数でも、
増加し続ける
使用時間帯
限られている
朝の会、特定の授業
制約無し
代替ツール 無いことが殆ど 物理的な絵カード
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3. 教育現場に望まれるアプリの要件
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
本資料の最大のポイント
知的障害児支援アプリのあるべき姿
効果が実証済みの既存の教育手法を採用している。
!
支援者の負担が軽減する、または適用場面が広がる。
その手法の適用回数が増加し、効果の向上を促す。
21
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
アプリ導入の目的は教育効果の向上
効果が実証済みの既存の教育手法の採用
教育効果が期待できることが最重要
実績のある教育手法に基づいたアプリが良い。(心理学の領域)
新規の手法は当てにならない。(現場の先生や、工学系の大学の先生の提唱する
新しい手法は要注意)
アプリの導入が目的ではない。
既存のツールと見た目が同じアプリが良い。
既存のツールは、実績のある教育手法に基づいていることが多い。
既存ツールの類似アプリは、知的障害児にも使いやすい。
ただし、アプリ自身に教育手法が組み込まれているわ
けではない。
先生の教育手法の有無で、知的障害児への教育効果が左右される。
22
落落とし⽳穴  
その3
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
知的障害児の教育手法から考察する
アプリ分類と既存の教育手法・ツール
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アプリ分類 既存の教育手法 既存ツール
コニュニケーション 絵カード、言語行動(VB)、PECS
絵カードブック
VOCA
スケジュール 視覚支援、構造化
カレンダー
予定表
手順書 視覚支援、構造化
手順カード
手順ボード
タイマー 視覚支援、契約
タイムタイマー
LEDタイマー
視覚認知 マッチング、ABA
パズル
塗り絵
見た目が同じアプリは、効果が期待できる。
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
安定した教育効果を狙うために知っておきたい
アプリの分類と利用シーン分析
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アプリ分類 いつ 誰から
1回の
使用時間
1日の
頻度
考慮事項
コニュニケーション 不定 本人 5秒 20回
本人の自発時に、先生は必
ず対応すること。
スケジュール 朝の会 先生 1分 3回
スケジュールの継続中は、
掲示が望ましい。
手順書
授業中
特定活動
中
先生 2分 2回
紙とさほど変わらない。
動画があると効果大。
タイマー
業間
授業中
先生 5分 1回
視覚認知 授業中 先生 3分 1回
既存ツールのほうが効果が
高いことが多い。
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
軽く考えてはいけない
コミュニケーション・アプリ導入の注意点
ツールが、唯一のコニュニケーション手段。
子どもが発したい時に、手元にツールがある必要がある。
特定の時間帯だけ、コミュニケーション・ツールを使うのは論外。
アプリを導入しても、従来のツールを併用すること。
子どもがコニュニケーションしてきたら、先生は必
ず対応すること!
アプリは「じゃがりこ下さい」と発声できても、じゃがりこを出せません。
先生が対応しないと、コニュニケーションを強化できません。
先生の怠慢は、子どもの口にガムテープを張るのと
同じです!
25
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
軽く考えてはいけない
スケジュール・アプリ導入の注意点
知的障害児は「見通し」を立てるのが苦手。
スケジュール表から目を離した瞬間、頭の中から「見通し」が消えます。
スケジュール実行中は、スケジュール表が掲示されている必要がある。
アプリを導入しても、従来のツールを併用すること。
!
5分以上のスケジュールにはアプリは不向き。
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
先生の自己満足に陥りやすい
視覚認知系アプリ導入の注意点
パズル、文字なぞり、塗り絵は視覚認知を育てる効
果的な手法です。
しかし「知的障害児がアプリを使った場合も、同等
の効果がある」ことを実証した事例はありません。
むしろ、効果は低いと考えられます(筆者仮説)。
知的障害児は般化力が低いため、タブレットとアプリ上では身に付いても、
実物でそれができるようになるには、再度実物で練習をやり直す必要があ
ります。例:大きな文字の書き順を覚えても、普通の字の大きさでの書き
順を覚えたことにはならない。アプリ上と実物では動かす物体の質感が違
う。
27
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
知的障害児向きでは意外と少ない
アプリ導入による支援者の負担軽減
28
アプリ分類 既存ツール 負担の大きい作業
アプリ化により
軽減される負担
コニュニケーション 絵カードブック
カード作成・
ラミネート・角取り
カード追加
スケジュール 予定表
大きなボード
の作成
手順書 手順ボード
手順の分解
イラスト入手
既成の手順
例:歯磨き
タイマー タイムタイマー
視覚認知 塗り絵 片付け
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
知的障害児向きでは意外と少ない
アプリ導入による適用場面の拡大
29
アプリ分類 既存ツール アプリ化による適用場面の拡大
コニュニケーション 絵カードブック 嵩張らないため、屋外への持ち出しが容易。
スケジュール 予定表 嵩張らないため、屋外への持ち出しが容易。
指示書 手順ボード
タイマー タイムタイマー
視覚認知 塗り絵
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3.教育現場に望まれるアプリの要件
教育に取り入れるかどうかを判断するための
タブレットアプリ導入4面チェック
30
必要な事前準備
基になっている
教育手法
軽減される負担
拡大される適用場面
既存ツールに
比べた優位性
②新規手法じゃないよね!
①私にも準備できるか?
③私の仕事は楽になるか?
④既存ツールの方が効果が高いなら、そのアプリの導入は見送り!
アプリ
&
導入事例
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4. 本当に使えるアプリの見分け方
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4.本当に使えるアプリの見分け方
一般向け
アプリの使いやすさチェッック①
自分の知っている人が口コミで勧めている。
信頼できる体験者は本音を言う。
アプリが何かに似ている。
効果が安定している。
操作を覚えるのが早い。
アプリの操作UIが、iOSの操作UIに似ている。
iOSの操作UIは行動分析学的に、使いやすく設計されている。
操作したときにアニメーションが付随する。
アニメーション無しだと操作を覚えるが遅い。
スクリーン投影デモをすると違いがハッキリする。
32
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4.本当に使えるアプリの見分け方
知的障害児向け
アプリの使いやすさチェッック②
子どもへの配慮がある。
起動してから、使うまでの手順が少ない。
支援者用メニューへの入り口が隠されている。
その他、誤操作防止の配慮がある。
支援者(先生)への配慮がある。
子どもに使うまでの、準備作業が少ない。
データを追加・更新するときの手間が少ない。
アプリのデータを他のタブレットにコピーすることが容易。
33
将来、重要性が
増してくる。
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5. 代表的なアプリの紹介
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5.代表的なアプリ紹介
今後登場してくるアプリの善し悪しを比較するために
知っておくべきアプリ
分野 アプリ1 アプリ2
入門    Pocket Pond
VOCA    トーキングエイド
コミュニケーション    絵カードコミュニケーション    DropTalk
スケジュール    たすくスケジュール
手順書    5分歯磨き    はなまる
タイマー    トーキングエイド タイマー    タイムタイマー
知覚認知    YumYumかたちパズル    モジルート
35 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
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5.代表的なアプリ紹介
2012年頃は入門的に露出が高かったものの、利用効果は殆どない。
Pocket Pond
分野 余暇
目的 iPadに慣れること
特徴
iPadの特徴を表すのに	

よく引き合いに出されている
事前準備 なし
既存手法
既存ツール
鯉のいる池
負担軽減
適用拡大
ー
優位性 ー
https://itunes.apple.com/jp/app/id370256313?mt=8
36 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
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5.代表的なアプリ紹介
発声や筆談はできないが、コミュニケーション力はある人向けの定番VOCA
トーキングエイド for iPad テキスト入力版STD
https://itunes.apple.com/jp/app/id537144070?mt=8
37 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
リハビリテーションマシンとして
販売された、トーキングエイド。
販売期間は1985∼2010年。
価格は約16万円。
トーキングエイドがアプリになって、
再登場。
アプリ価格は6,900円。
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5.代表的なアプリ紹介
発声や筆談はできないが、コミュニケーション力はある人向けの定番VOCA
トーキングエイド for iPad テキスト入力版STD
分野 コミュニケーション
目的 失われた音声発声機能の代替
特徴
肢体不自由児向けの	

典型的なアプリ
事前準備 ほとんど無し。
既存手法
既存ツール
VOCA
負担軽減
適用拡大
ひらがな、カタカナ、絵文字が可能
優位性
従来VOCAよりも、	

安価で小型・軽量
https://itunes.apple.com/jp/app/id537144070?mt=8
38 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
絵カードをどこにでも配置できる、絵カードブックにそっくりのアプリ
絵カード・コミュニケーション
https://itunes.apple.com/jp/app/id439886065?mt=8
39
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
絵カードをどこにでも配置できる、絵カードブックにそっくりのアプリ
絵カード・コミュニケーション
分野 コミュニケーション
目的
コミュニケーション力の開発	

実際のコミュニケーション
特徴
音声読み上げ可能な	

絵カードブック。
事前準備
アプリ上で絵カードの準備が必要。	

画像はネットからのDLも可能。
既存手法
既存ツール
視覚支援、PECS。	

絵カードブック
負担軽減
適用拡大
絵カード作成の手間が軽減。	

小型なので外出時の携帯が容易。
優位性
絵カードブックと同程度の機能。	

代替ではなく、併用が望ましい。
https://itunes.apple.com/jp/app/id439886065?mt=8
40 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
コミュニケーションツールと言われるが、朝の会ツールとして重宝されている。
DropTalk HD
https://itunes.apple.com/jp/app/droptalk-hd/id594768980?mt=8
41
画像の出所)http://droplet.ddo.jp/blog/
「帰りの会」の司会者が使う
手順スクリプト。
(我が子の通う養護学校で使用されている実物。)
DropTalk を使った朝の会の流れ。
2014年5月のアップデートで、
手順表が作りやすくなった。
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
コミュニケーションツールと言われるが、朝の会ツールとして重宝されている。
DropTalk HD
分野
コミュニケーション	

手順書
目的 シンボル式のVOCA
特徴
700語のシンボルと音声あり。	

朝の会の司会役支援に人気。
事前準備
キャンパス上へのシンボル配置。	

(再配置に手間がかかる)
既存手法
既存ツール
VOCA	

スケジュールボード
負担軽減
適用拡大
発語のない子どもにも、	

司会役の指導ができる。
優位性
音声発声する手順書として、	

子どもの耳へ働きかける。
https://itunes.apple.com/jp/app/droptalk-hd/id594768980?mt=8
42 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
!
スケジュール系のアプリは未熟
43
我が家で使用中のスケジュールボード等
スケジュール全体を
一覧できて、かつ
現在の状態が分かる。
!
従来ツールと同程度に
使えるアプリは、まだ
無いようです。
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
スケジュール・アプリとしては唯一の存在。
たすくスケジュール
分野
スケジュール	

手順書
目的 スケジュールの視覚支援
特徴
現在唯一のスケジュール・アプリ。	

音声再生機能付き。
事前準備
スケジュール作成	

(最初の手間は大きい)
既存手法
既存ツール
スケジュールボード	

スケジュール帳
負担軽減
適用拡大
小型なので外出時の携帯が容易。
優位性
画面制約で全体を見渡せない。	

従来ツールの方が使い勝手は良い。
https://itunes.apple.com/jp/app/id429593198?mt=8
44 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
生活習慣を身につける上での、大ヒットアプリ
5分歯みがき
https://itunes.apple.com/jp/app/id347879237?mt=8
45
絵と音楽、そして時間がうまく調和された、
歯磨き支援アプリ。
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
生活習慣を身につける上での、大ヒットアプリ
5分歯みがき
分野 手順書
目的 一人でしっかり歯磨きを行う
特徴
一般向けの歯みがき促進アプリ。	

磨く位置が図示される。
事前準備 なし
既存手法
既存ツール
図示による歯磨きボード
負担軽減
適用拡大
洗面所にもAV機能を持ち込める。
優位性
他のいかなる従来方法よりも、	

効果が見込める。
https://itunes.apple.com/jp/app/id347879237?mt=8
46 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
待つ時間と待つ目標の両方を視覚支援する
トーキングエイド タイマー
分野 タイマー
目的 時間と契約の視覚支援
特徴 タイマーに目標物を表示
事前準備 目標物の画像
既存手法
既存ツール
契約、視覚支援	

タイムタイマー、LEDタイマー	

負担軽減
適用拡大
優位性
時間と目標物の同時表示により、	

待つ行為を受け入れやすくなる。
https://itunes.apple.com/jp/app/id528452537?mt=8
47 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
療育手法の知識がある開発者が作ったアプリは、とても自然で使いやすい。
YumYum かたちパズル
https://itunes.apple.com/jp/app/id541556830?mt=8
48
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved.
5.代表的なアプリ紹介
療育手法の知識がある開発者が作ったアプリは、とても自然で使いやすい。
YumYum かたちパズル
分野 視覚認知
目的 視覚認知力の開発
特徴 強化機能(ABA)を備えたパズル
事前準備 なし
既存手法
既存ツール
マッチング	

パズル
負担軽減
適用拡大
片付け不要
優位性
正解時に支援者が褒めなくても、	

代わりにアプリが褒めてくれる。
https://itunes.apple.com/jp/app/id541556830?mt=8
49 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
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5.代表的なアプリ紹介
教育現場にとって、一連の環境を体験できる無難なアプリ。
モジルート
分野 視覚認知
目的 文字の書き順の習得
特徴 典型的な知育ドリル
事前準備 なし
既存手法
既存ツール
文字のなぞり書き	

紙と鉛筆
負担軽減
適用拡大
台紙の準備が必要なくなる
優位性
知的障害児に対しても、書き順の習
得に効果があるかどうかは未実証。
https://itunes.apple.com/jp/app/mojiruto/id390159257?mt=8
50 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
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5.代表的なアプリ紹介
教育現場を変える潜在力があるアプリ/ただしアプリの改善が必要
こども脳機能バランサー
https://itunes.apple.com/jp/app/id560053652?mt=8
51
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5.代表的なアプリ紹介
教育現場を変える潜在力があるアプリ/ただしアプリの改善が必要
こども脳機能バランサー
分野 視覚認知
目的 複数軸の能力開発
特徴
ABA手法と、アセスメント記録を	

内在したドリル	

記録機能がありアセスメントに使え
事前準備 なし
既存手法
既存ツール
マッチング、ABAフラッシュ	

パズル、ABAカード
負担軽減
適用拡大
専門知識不要	

自動的な記録
優位性
タブレット機能を活かしきれて	

おらず出来が悪い。今後に期待大。
https://itunes.apple.com/jp/app/id560053652?mt=8
52 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
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6. 学校の先生がこれからすべきこと
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6.学校の先生がこれからすべきこと
タブレット活用の波がそこまで来ている時
学校の先生の心構え
つまらない見栄や期待を捨てる
ICTを使うことを目的にしない。
「ICTを使って授業を楽にしたい。」という甘い期待は捨てる。
今、ICTが使えなくても恥ずかしいことはない。
!
一歩下がって、準備を始める
自分の日常に、スマホやタブレットを取り入れる
最近の教育手法を勉強する
保護者の意向に耳を傾ける
54
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6.学校の先生がこれからすべきこと
先生自身の役に立たない物は、子どもにも役に立たない。
日常にスマホやタブレットを取り入れる
自分のケータイは、iPhoneに機種変更しましょう。
まず、先生自身が学校で使えることが重要です。
児童・生徒に対して使う必要はありません。
どんな環境が学校に必要かが実感できます。
インターネットの環境
アプリ購入時の費用処理方法
不具合の対処が身に付きます。
タブレットが充電切れ
タブレットを落として、画面にひびが入った
タブレットが盗難にあった
55
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6.学校の先生がこれからすべきこと
ICTの知識より先に必要なこと
最近の教育手法を勉強する
先生は最近、教育手法に関する書籍を読みましたか?
大学で学んだ知識は、もう役に立ちません。
保護者の中には、先生より知識がある人が増えています。
知的障害児の教育手法は急速に発展しています。
2000年頃から、米国の大学を中心に療育技術が急速に発展しています。すなわち、
それ以前の考え方はもう役に立ちません。
2010年頃から、日本語の一般書籍として効果的な療育技術を知ることができるよう
になりました。
教育手法の一例
TEACCH系:コミュニケーション指導法、構造化、視覚支援、不適応行動への対処。
ABA系:強化原理、般化、PECS、チェイニング、好ましくない行動への対処。
56
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6.学校の先生がこれからすべきこと
遅かれ早かれ「学校で我が子にタブレットを持たせたい」という要望はでる。
保護者の意向に耳を傾ける
保護者から、「学校で我が子にタブレット端末を持
たせたい」という要望がでたらどうしますか?
先生より保護者の方がICTの知識があります。
先生より保護者の方が療育技術の知識があります。
この種の要望はコミュニケーションツールであるこ
とが殆どです。
家庭であろうが学校であろうが、コニュニケーションツールには効果があ
ります。逆にそのツールが無いと、子どもは荒れます。
断るのではなく、持ち込みルールを作る。
57
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6.学校の先生がこれからすべきこと
遅かれ早かれ「学校で我が子にタブレットを持たせたい」という要望はでる。
学校へのタブレット持込ルールの骨子
利用促進
学校は保護者が、児童・生徒にタブレット端末を持たせることを拒まない。
自前主義
タブレット端末とアプリは保護者が購入した物を使う。
説明責任
タブレット端末とアプリの使い方は、保護者が担任に説明する。
自己責任
タブレット端末の紛失や破損があっても、保護者は他人の責任を問わない。
無理しない
電池切れやクラッシュが起きたら、その日は使わない。
58
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おわりに
今は、デジカメとして使っていれば十分!
タブレット端末で見る写真や動画には、児童・生徒を引きつける強力な力
があります。
それだけで、教室が荒れないで、授業はやりやすくなります。
効果的な利用には、先生に教育手法の知識が必要!
アプリが「おかわり下さい」と喋ることができても、子どもにおかわりを
与えるのは先生、あなたです。子どものコニュニケーション力を発達させ
るのは、アプリではありません。おかわりを与える先生、あなたです。
良いアプリが登場するまで、待っていましょう。
無理をして、効果の疑わしいアプリを使う必要はありません。
59
Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 60
資料作成: 古林紀哉 (通称:パンダパパこばやし)
E-mail: panda4pp@gmail.com
FaceBook : nokobayashi
Twitter: @panda_pp
資料掲載: http://pandanote.jp/
講演依頼: メールで連絡して下さい。

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知的障害児支援アプリの現状 2014年夏 / 学校導入前に知るべき3つの落とし穴

  • 1. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 知的障害児支援アプリの現状 2014年夏 学校にタブレットを導入する前に 知っておかなければならない三つの落とし穴 2014年7月24日 パンダパパ
  • 2. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. • 本資料の著作者は古林紀哉です。本資料の著作権は著作者が有して います。 • 著作者は本資料の再配布を許諾します。本資料を再配布する場合、 媒体の形式、対価の有無、商用非商用の別への制限はありません。 • 本資料で行っている第三者の著作物の引用は、公正な慣行に従って います。(参考:著作権法第32条および第48条) • 本資料での著作者の見解は、著作者個人の専門性に基づいたもので す。著作者の所属する団体の見解とは独立したものです。 • 本資料で言及のない事項に関して著作者は何の見解も表明していま せん。本資料にリストされていないアプリに対して、著作者は「良 い」とも「悪い」とも言っていません。 • iPadおよびiPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc. の商標です。 2
  • 3. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 本資料の趣旨 知的障害児の教育に関わる学校の先生向けに、昨今のタブ レットとアプリの状況を解説します。 ! 活用事例は増えており、「当校でも利用したい」という期待 は大きくなるばかりですが、タブレット環境もアプリの質 も実用レベルには至っていません。 ! 本資料では、アプリに求められる質を提示することによって、 先生にはアプリの選択力をつけてもらうこと、開発者には 良いアプリを提供してもらうことを狙っています。 3
  • 4. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 資料作成者の紹介: 古林 紀哉 知的障害児の父親 三男は重度自閉症で、神奈川県立麻生養護学校・知的障害部門に通う中学1年生。三男は発語 は無いが絵カードを用いたコミュニケーションはできる。父親として自閉症児の教育手法の書 物を読みあさっている。 アプリ開発者(個人) 学生の頃よりプログラミングの知識と経験あり。現在は、趣味で時々プログラムをする。 2011年に、自閉症児向けiPhoneアプリ「絵カード・コミュニケーション」をリリース。 教員の息子 両親は岡山県倉敷市立の小学校教諭。父は校長も務めた。 ITアナリスト 大阪大学大学院修了。博士(工学)。 IT会社の企画部門に勤務。国立大学の客員教授の経験あり。 本資料と勤務先の業務との関係はない。 4
  • 5. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 目次 1. 知的障害児支援アプリの普及現状 2. 今の支援アプリが普及しない理由 3. 教育現場に望まれるアプリの要件 4. 本当に使えるアプリの見分け方 5. 代表的なアプリの紹介 6. 学校の先生がこれからすべきこと 5
  • 6. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 1. 知的障害児支援アプリの普及現状
  • 7. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 1.知的障害児支援アプリの普及現状 2012年頃より教育現場での事例が増え始め、入手も容易になっている 知的障害児支援アプリの事例 活用事例集 魔法のプロジェクト「障がいを持つ子どものためのモバイル端末活用事例研究 http://maho-prj.org/ 特別支援学級におけるタブレット端末活用事例:東京都教育委員会 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/26tokushi_tablet.html 導入ガイド(入門的) ICT活用ハンドブック 特別支援学級編:兵庫教育大学 http://jouhouka.mext.go.jp/developmental_disorder_ict_katsuyo.html 導入ガイド(実践的) 携帯情報端末を活用した支援のヒントブック:兵庫県立福祉のまちづくり研究所 http://www.assistech.hwc.or.jp/kenkyu/pdf/publication/hint.pdf 特別支援学校へのiPad導入ガイド:愛知県立みあい特別支援学校PP団。 https://www.facebook.com/teampp.since2011 7
  • 8. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 1.知的障害児支援アプリの普及現状 ! 知的障害児向けアプリの例 コミュニケーション スケジュール タイマー 能力開発 余暇支援 その他 8 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 9. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 1.知的障害児支援アプリの普及現状 とても参考になる 知的障害児向けアプリ一覧 iTunesカード3,000円でそろえたいアプリ 特別支援学校へのiPad導入ガイド:愛知県立みあい特別支援学校PP団。 https://www.facebook.com/teampp.since2011 ! iPhone、iPad用・障害のある人に便利なアプリ一覧 東京都障害者IT地域支援センター http://www.tokyo-itcenter.com/700link/sm-iphon4.html 9
  • 10. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 1.知的障害児支援アプリの普及現状 現場の先生が読んでも実際には使うことができない 活用事例集の問題点 編集の問題点 事例の寄せ集めになっていて、整理や分析がされていない。 事例報告の課題 準備作業が未記載のため、手間が不明。または再現が困難。 アプリを使えたことは報告されているが、導入効果が不明瞭。 浮かび上がる懸念 まともなアプリが無い。 年々、アプリ事例が増加するが、昨年のアプリはお払い箱なのか? 使うことが目的化している? 現状を見渡して理解している人がいない。 10
  • 11. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 1.知的障害児支援アプリの普及現状 本当に進んでいるのか? むしろ困惑感が出ている? 教育現場から聞こえてくる声 担任の先生 タブレット端末の設定は、若い先生に任せていて、私には詳しいことが分 からない。 学校ではアプリ購入の費用処理ができないので、我が校のタブレット端末 には無料アプリしか入っていない。 どのアプリを使ったら良いかを教えてほしい。 管理職 そろそろ我が校にもタブレット端末を導入したい。 教員にタブレット端末活用の研修を受講させたい。 11
  • 12. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2. 今の支援アプリが普及しない理由
  • 13. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2.今の支援アプリが普及しない理由 知的障害児向けの 教育現場に普及しない3つの理由 先生のICT知識が追いついていない。 ! 学校にアプリ購入の予算措置が整っていない。 ! サクットと使える定番アプリがない。 効果の高い利用方法があったとしたら、先生は自らICTの知識をつけ、学校 も予算を確保しているはずだが! 13
  • 14. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2.今の支援アプリが普及しない理由 タブレット端末を普及させるための 先生と学校の課題 先生のICT知識が追いついていない。 タブレット端末は、多機能の情報端末です。スイッチを入れて数回の操作で 機能するDVDプレーヤとは違って、ある程度の時間は使い続けないと活用力 はつきません。 スマホを使っていない先生には、ハードルが高いようです。 パソコンのWORDやプレゼンツールが使えるのと同程度の知識は必要です。 学校にアプリ購入の予算措置が整っていない。 「前例がない」とか「無料ソフトで駄目な理由は?」といった保守的な経理 部門の抵抗にあい、アプリが購入できない学校もあるようです。 有料アプリをタブレット端末の台数分購入することは必須です。 アプリにお金を払わないと、アプリ開発者はいなくなってしまいます。 14
  • 15. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2.今の支援アプリが普及しない理由 一言でいうと サクット使える定番アプリがない 教育現場で使われているアプリ タブレットに最初から入っている、写真やブラウザー 幼児向け知育アプリ 視覚的なコミュニケーションツール 周辺支援のアプリ ! 課題を生む背景 知的障害児向けの市場は小さいので、アプリ提供者が少ない。 アプリ開発者は知的障害児の教育手法を知らない。 アプリの質の悪さを指摘する人がいない。 全体を理解して提言を行う識者がいない。 15
  • 16. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2.今の支援アプリが普及しない理由 健常児向けアプリの常識とは180 異なる 知的障害児向けアプリの特異性 本人(知的障害児)では利用準備ができない。 アプリを使うことが、教育効果に直結しない。 アプリを導入しても先生の負担は軽減しない。 同じアプリでも学校と家庭では使い方が異なる。 16 落落とし⽳穴   その1 落落とし⽳穴   その2
  • 17. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2.今の支援アプリが普及しない理由 知的障害児向けでは、アプリを使いながら目的を叶えていく。 アプリの目的と達成手段 17 目的 知的障害児 視聴覚障害・ 肢体不自由児 健常児 ①不自由な機能の 代替 VOCA 視覚支援 文字読上 音声認識 ②能力開発の支援 ABAフラッシュ 視覚認知 ドリル 計算、漢字 ③情報端末 アクセシビリティ ネットでの調査 図鑑、百科事典 ④余暇の支援 映像系 YouTube 娯楽一般 ゲーム アプリを使うことが、 目的に直結する。 使わせるのに一苦労。 使えるだけでは目的に叶わない。
  • 18. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2.今の支援アプリが普及しない理由 知的障害児向けのアプリ導入は、先生の負担が大きい。 アプリの目的と先生の負担増減 18 目的 知的障害児 視聴覚障害・ 肢体不自由児 健常児 ①不自由な機能の 代替 VOCA 視覚支援 文字読上 音声認識 ②能力開発の支援 ABAフラッシュ 視覚認知 ドリル 計算、漢字 ③情報端末 アクセシビリティ ネットでの調査 図鑑、百科事典 ④余暇の支援 映像系 YouTube 娯楽一般 ゲーム 負担増↑ 負担減↓
  • 19. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 2.今の支援アプリが普及しない理由 特に、コミュニケーション系のアプリでは、 学校と家庭でアプリの使い方が異なる 19 コニュニケーション アプリ 学校 家庭 多い品詞 気持ち 動作 名詞 多い名詞 学校の中 食べ物 行き先 単語の共用 クラスで共用 本人専用 単語の増加 導入時は多数だが、 そんなには増えない 導入時は少数でも、 増加し続ける 使用時間帯 限られている 朝の会、特定の授業 制約無し 代替ツール 無いことが殆ど 物理的な絵カード
  • 20. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3. 教育現場に望まれるアプリの要件
  • 21. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 本資料の最大のポイント 知的障害児支援アプリのあるべき姿 効果が実証済みの既存の教育手法を採用している。 ! 支援者の負担が軽減する、または適用場面が広がる。 その手法の適用回数が増加し、効果の向上を促す。 21
  • 22. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 アプリ導入の目的は教育効果の向上 効果が実証済みの既存の教育手法の採用 教育効果が期待できることが最重要 実績のある教育手法に基づいたアプリが良い。(心理学の領域) 新規の手法は当てにならない。(現場の先生や、工学系の大学の先生の提唱する 新しい手法は要注意) アプリの導入が目的ではない。 既存のツールと見た目が同じアプリが良い。 既存のツールは、実績のある教育手法に基づいていることが多い。 既存ツールの類似アプリは、知的障害児にも使いやすい。 ただし、アプリ自身に教育手法が組み込まれているわ けではない。 先生の教育手法の有無で、知的障害児への教育効果が左右される。 22 落落とし⽳穴   その3
  • 23. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 知的障害児の教育手法から考察する アプリ分類と既存の教育手法・ツール 23 アプリ分類 既存の教育手法 既存ツール コニュニケーション 絵カード、言語行動(VB)、PECS 絵カードブック VOCA スケジュール 視覚支援、構造化 カレンダー 予定表 手順書 視覚支援、構造化 手順カード 手順ボード タイマー 視覚支援、契約 タイムタイマー LEDタイマー 視覚認知 マッチング、ABA パズル 塗り絵 見た目が同じアプリは、効果が期待できる。
  • 24. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 安定した教育効果を狙うために知っておきたい アプリの分類と利用シーン分析 24 アプリ分類 いつ 誰から 1回の 使用時間 1日の 頻度 考慮事項 コニュニケーション 不定 本人 5秒 20回 本人の自発時に、先生は必 ず対応すること。 スケジュール 朝の会 先生 1分 3回 スケジュールの継続中は、 掲示が望ましい。 手順書 授業中 特定活動 中 先生 2分 2回 紙とさほど変わらない。 動画があると効果大。 タイマー 業間 授業中 先生 5分 1回 視覚認知 授業中 先生 3分 1回 既存ツールのほうが効果が 高いことが多い。
  • 25. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 軽く考えてはいけない コミュニケーション・アプリ導入の注意点 ツールが、唯一のコニュニケーション手段。 子どもが発したい時に、手元にツールがある必要がある。 特定の時間帯だけ、コミュニケーション・ツールを使うのは論外。 アプリを導入しても、従来のツールを併用すること。 子どもがコニュニケーションしてきたら、先生は必 ず対応すること! アプリは「じゃがりこ下さい」と発声できても、じゃがりこを出せません。 先生が対応しないと、コニュニケーションを強化できません。 先生の怠慢は、子どもの口にガムテープを張るのと 同じです! 25
  • 26. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 軽く考えてはいけない スケジュール・アプリ導入の注意点 知的障害児は「見通し」を立てるのが苦手。 スケジュール表から目を離した瞬間、頭の中から「見通し」が消えます。 スケジュール実行中は、スケジュール表が掲示されている必要がある。 アプリを導入しても、従来のツールを併用すること。 ! 5分以上のスケジュールにはアプリは不向き。 26
  • 27. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 先生の自己満足に陥りやすい 視覚認知系アプリ導入の注意点 パズル、文字なぞり、塗り絵は視覚認知を育てる効 果的な手法です。 しかし「知的障害児がアプリを使った場合も、同等 の効果がある」ことを実証した事例はありません。 むしろ、効果は低いと考えられます(筆者仮説)。 知的障害児は般化力が低いため、タブレットとアプリ上では身に付いても、 実物でそれができるようになるには、再度実物で練習をやり直す必要があ ります。例:大きな文字の書き順を覚えても、普通の字の大きさでの書き 順を覚えたことにはならない。アプリ上と実物では動かす物体の質感が違 う。 27
  • 28. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 知的障害児向きでは意外と少ない アプリ導入による支援者の負担軽減 28 アプリ分類 既存ツール 負担の大きい作業 アプリ化により 軽減される負担 コニュニケーション 絵カードブック カード作成・ ラミネート・角取り カード追加 スケジュール 予定表 大きなボード の作成 手順書 手順ボード 手順の分解 イラスト入手 既成の手順 例:歯磨き タイマー タイムタイマー 視覚認知 塗り絵 片付け
  • 29. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 知的障害児向きでは意外と少ない アプリ導入による適用場面の拡大 29 アプリ分類 既存ツール アプリ化による適用場面の拡大 コニュニケーション 絵カードブック 嵩張らないため、屋外への持ち出しが容易。 スケジュール 予定表 嵩張らないため、屋外への持ち出しが容易。 指示書 手順ボード タイマー タイムタイマー 視覚認知 塗り絵
  • 30. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 3.教育現場に望まれるアプリの要件 教育に取り入れるかどうかを判断するための タブレットアプリ導入4面チェック 30 必要な事前準備 基になっている 教育手法 軽減される負担 拡大される適用場面 既存ツールに 比べた優位性 ②新規手法じゃないよね! ①私にも準備できるか? ③私の仕事は楽になるか? ④既存ツールの方が効果が高いなら、そのアプリの導入は見送り! アプリ & 導入事例
  • 31. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 4. 本当に使えるアプリの見分け方
  • 32. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 4.本当に使えるアプリの見分け方 一般向け アプリの使いやすさチェッック① 自分の知っている人が口コミで勧めている。 信頼できる体験者は本音を言う。 アプリが何かに似ている。 効果が安定している。 操作を覚えるのが早い。 アプリの操作UIが、iOSの操作UIに似ている。 iOSの操作UIは行動分析学的に、使いやすく設計されている。 操作したときにアニメーションが付随する。 アニメーション無しだと操作を覚えるが遅い。 スクリーン投影デモをすると違いがハッキリする。 32
  • 33. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 4.本当に使えるアプリの見分け方 知的障害児向け アプリの使いやすさチェッック② 子どもへの配慮がある。 起動してから、使うまでの手順が少ない。 支援者用メニューへの入り口が隠されている。 その他、誤操作防止の配慮がある。 支援者(先生)への配慮がある。 子どもに使うまでの、準備作業が少ない。 データを追加・更新するときの手間が少ない。 アプリのデータを他のタブレットにコピーすることが容易。 33 将来、重要性が 増してくる。
  • 34. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5. 代表的なアプリの紹介
  • 35. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 今後登場してくるアプリの善し悪しを比較するために 知っておくべきアプリ 分野 アプリ1 アプリ2 入門    Pocket Pond VOCA    トーキングエイド コミュニケーション    絵カードコミュニケーション    DropTalk スケジュール    たすくスケジュール 手順書    5分歯磨き    はなまる タイマー    トーキングエイド タイマー    タイムタイマー 知覚認知    YumYumかたちパズル    モジルート 35 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 36. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 2012年頃は入門的に露出が高かったものの、利用効果は殆どない。 Pocket Pond 分野 余暇 目的 iPadに慣れること 特徴 iPadの特徴を表すのに よく引き合いに出されている 事前準備 なし 既存手法 既存ツール 鯉のいる池 負担軽減 適用拡大 ー 優位性 ー https://itunes.apple.com/jp/app/id370256313?mt=8 36 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 37. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 発声や筆談はできないが、コミュニケーション力はある人向けの定番VOCA トーキングエイド for iPad テキスト入力版STD https://itunes.apple.com/jp/app/id537144070?mt=8 37 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/ リハビリテーションマシンとして 販売された、トーキングエイド。 販売期間は1985∼2010年。 価格は約16万円。 トーキングエイドがアプリになって、 再登場。 アプリ価格は6,900円。
  • 38. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 発声や筆談はできないが、コミュニケーション力はある人向けの定番VOCA トーキングエイド for iPad テキスト入力版STD 分野 コミュニケーション 目的 失われた音声発声機能の代替 特徴 肢体不自由児向けの 典型的なアプリ 事前準備 ほとんど無し。 既存手法 既存ツール VOCA 負担軽減 適用拡大 ひらがな、カタカナ、絵文字が可能 優位性 従来VOCAよりも、 安価で小型・軽量 https://itunes.apple.com/jp/app/id537144070?mt=8 38 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 39. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 絵カードをどこにでも配置できる、絵カードブックにそっくりのアプリ 絵カード・コミュニケーション https://itunes.apple.com/jp/app/id439886065?mt=8 39
  • 40. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 絵カードをどこにでも配置できる、絵カードブックにそっくりのアプリ 絵カード・コミュニケーション 分野 コミュニケーション 目的 コミュニケーション力の開発 実際のコミュニケーション 特徴 音声読み上げ可能な 絵カードブック。 事前準備 アプリ上で絵カードの準備が必要。 画像はネットからのDLも可能。 既存手法 既存ツール 視覚支援、PECS。 絵カードブック 負担軽減 適用拡大 絵カード作成の手間が軽減。 小型なので外出時の携帯が容易。 優位性 絵カードブックと同程度の機能。 代替ではなく、併用が望ましい。 https://itunes.apple.com/jp/app/id439886065?mt=8 40 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 41. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 コミュニケーションツールと言われるが、朝の会ツールとして重宝されている。 DropTalk HD https://itunes.apple.com/jp/app/droptalk-hd/id594768980?mt=8 41 画像の出所)http://droplet.ddo.jp/blog/ 「帰りの会」の司会者が使う 手順スクリプト。 (我が子の通う養護学校で使用されている実物。) DropTalk を使った朝の会の流れ。 2014年5月のアップデートで、 手順表が作りやすくなった。
  • 42. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 コミュニケーションツールと言われるが、朝の会ツールとして重宝されている。 DropTalk HD 分野 コミュニケーション 手順書 目的 シンボル式のVOCA 特徴 700語のシンボルと音声あり。 朝の会の司会役支援に人気。 事前準備 キャンパス上へのシンボル配置。 (再配置に手間がかかる) 既存手法 既存ツール VOCA スケジュールボード 負担軽減 適用拡大 発語のない子どもにも、 司会役の指導ができる。 優位性 音声発声する手順書として、 子どもの耳へ働きかける。 https://itunes.apple.com/jp/app/droptalk-hd/id594768980?mt=8 42 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 43. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 ! スケジュール系のアプリは未熟 43 我が家で使用中のスケジュールボード等 スケジュール全体を 一覧できて、かつ 現在の状態が分かる。 ! 従来ツールと同程度に 使えるアプリは、まだ 無いようです。
  • 44. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 スケジュール・アプリとしては唯一の存在。 たすくスケジュール 分野 スケジュール 手順書 目的 スケジュールの視覚支援 特徴 現在唯一のスケジュール・アプリ。 音声再生機能付き。 事前準備 スケジュール作成 (最初の手間は大きい) 既存手法 既存ツール スケジュールボード スケジュール帳 負担軽減 適用拡大 小型なので外出時の携帯が容易。 優位性 画面制約で全体を見渡せない。 従来ツールの方が使い勝手は良い。 https://itunes.apple.com/jp/app/id429593198?mt=8 44 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 45. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 生活習慣を身につける上での、大ヒットアプリ 5分歯みがき https://itunes.apple.com/jp/app/id347879237?mt=8 45 絵と音楽、そして時間がうまく調和された、 歯磨き支援アプリ。
  • 46. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 生活習慣を身につける上での、大ヒットアプリ 5分歯みがき 分野 手順書 目的 一人でしっかり歯磨きを行う 特徴 一般向けの歯みがき促進アプリ。 磨く位置が図示される。 事前準備 なし 既存手法 既存ツール 図示による歯磨きボード 負担軽減 適用拡大 洗面所にもAV機能を持ち込める。 優位性 他のいかなる従来方法よりも、 効果が見込める。 https://itunes.apple.com/jp/app/id347879237?mt=8 46 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 47. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 待つ時間と待つ目標の両方を視覚支援する トーキングエイド タイマー 分野 タイマー 目的 時間と契約の視覚支援 特徴 タイマーに目標物を表示 事前準備 目標物の画像 既存手法 既存ツール 契約、視覚支援 タイムタイマー、LEDタイマー 負担軽減 適用拡大 優位性 時間と目標物の同時表示により、 待つ行為を受け入れやすくなる。 https://itunes.apple.com/jp/app/id528452537?mt=8 47 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 48. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 療育手法の知識がある開発者が作ったアプリは、とても自然で使いやすい。 YumYum かたちパズル https://itunes.apple.com/jp/app/id541556830?mt=8 48
  • 49. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 療育手法の知識がある開発者が作ったアプリは、とても自然で使いやすい。 YumYum かたちパズル 分野 視覚認知 目的 視覚認知力の開発 特徴 強化機能(ABA)を備えたパズル 事前準備 なし 既存手法 既存ツール マッチング パズル 負担軽減 適用拡大 片付け不要 優位性 正解時に支援者が褒めなくても、 代わりにアプリが褒めてくれる。 https://itunes.apple.com/jp/app/id541556830?mt=8 49 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 50. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 教育現場にとって、一連の環境を体験できる無難なアプリ。 モジルート 分野 視覚認知 目的 文字の書き順の習得 特徴 典型的な知育ドリル 事前準備 なし 既存手法 既存ツール 文字のなぞり書き 紙と鉛筆 負担軽減 適用拡大 台紙の準備が必要なくなる 優位性 知的障害児に対しても、書き順の習 得に効果があるかどうかは未実証。 https://itunes.apple.com/jp/app/mojiruto/id390159257?mt=8 50 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 51. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 教育現場を変える潜在力があるアプリ/ただしアプリの改善が必要 こども脳機能バランサー https://itunes.apple.com/jp/app/id560053652?mt=8 51
  • 52. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 5.代表的なアプリ紹介 教育現場を変える潜在力があるアプリ/ただしアプリの改善が必要 こども脳機能バランサー 分野 視覚認知 目的 複数軸の能力開発 特徴 ABA手法と、アセスメント記録を 内在したドリル 記録機能がありアセスメントに使え 事前準備 なし 既存手法 既存ツール マッチング、ABAフラッシュ パズル、ABAカード 負担軽減 適用拡大 専門知識不要 自動的な記録 優位性 タブレット機能を活かしきれて おらず出来が悪い。今後に期待大。 https://itunes.apple.com/jp/app/id560053652?mt=8 52 画像の出所)iTunes https://itunes.apple.com/jp/app/
  • 53. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 6. 学校の先生がこれからすべきこと
  • 54. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 6.学校の先生がこれからすべきこと タブレット活用の波がそこまで来ている時 学校の先生の心構え つまらない見栄や期待を捨てる ICTを使うことを目的にしない。 「ICTを使って授業を楽にしたい。」という甘い期待は捨てる。 今、ICTが使えなくても恥ずかしいことはない。 ! 一歩下がって、準備を始める 自分の日常に、スマホやタブレットを取り入れる 最近の教育手法を勉強する 保護者の意向に耳を傾ける 54
  • 55. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 6.学校の先生がこれからすべきこと 先生自身の役に立たない物は、子どもにも役に立たない。 日常にスマホやタブレットを取り入れる 自分のケータイは、iPhoneに機種変更しましょう。 まず、先生自身が学校で使えることが重要です。 児童・生徒に対して使う必要はありません。 どんな環境が学校に必要かが実感できます。 インターネットの環境 アプリ購入時の費用処理方法 不具合の対処が身に付きます。 タブレットが充電切れ タブレットを落として、画面にひびが入った タブレットが盗難にあった 55
  • 56. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 6.学校の先生がこれからすべきこと ICTの知識より先に必要なこと 最近の教育手法を勉強する 先生は最近、教育手法に関する書籍を読みましたか? 大学で学んだ知識は、もう役に立ちません。 保護者の中には、先生より知識がある人が増えています。 知的障害児の教育手法は急速に発展しています。 2000年頃から、米国の大学を中心に療育技術が急速に発展しています。すなわち、 それ以前の考え方はもう役に立ちません。 2010年頃から、日本語の一般書籍として効果的な療育技術を知ることができるよう になりました。 教育手法の一例 TEACCH系:コミュニケーション指導法、構造化、視覚支援、不適応行動への対処。 ABA系:強化原理、般化、PECS、チェイニング、好ましくない行動への対処。 56
  • 57. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 6.学校の先生がこれからすべきこと 遅かれ早かれ「学校で我が子にタブレットを持たせたい」という要望はでる。 保護者の意向に耳を傾ける 保護者から、「学校で我が子にタブレット端末を持 たせたい」という要望がでたらどうしますか? 先生より保護者の方がICTの知識があります。 先生より保護者の方が療育技術の知識があります。 この種の要望はコミュニケーションツールであるこ とが殆どです。 家庭であろうが学校であろうが、コニュニケーションツールには効果があ ります。逆にそのツールが無いと、子どもは荒れます。 断るのではなく、持ち込みルールを作る。 57
  • 58. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 6.学校の先生がこれからすべきこと 遅かれ早かれ「学校で我が子にタブレットを持たせたい」という要望はでる。 学校へのタブレット持込ルールの骨子 利用促進 学校は保護者が、児童・生徒にタブレット端末を持たせることを拒まない。 自前主義 タブレット端末とアプリは保護者が購入した物を使う。 説明責任 タブレット端末とアプリの使い方は、保護者が担任に説明する。 自己責任 タブレット端末の紛失や破損があっても、保護者は他人の責任を問わない。 無理しない 電池切れやクラッシュが起きたら、その日は使わない。 58
  • 59. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. おわりに 今は、デジカメとして使っていれば十分! タブレット端末で見る写真や動画には、児童・生徒を引きつける強力な力 があります。 それだけで、教室が荒れないで、授業はやりやすくなります。 効果的な利用には、先生に教育手法の知識が必要! アプリが「おかわり下さい」と喋ることができても、子どもにおかわりを 与えるのは先生、あなたです。子どものコニュニケーション力を発達させ るのは、アプリではありません。おかわりを与える先生、あなたです。 良いアプリが登場するまで、待っていましょう。 無理をして、効果の疑わしいアプリを使う必要はありません。 59
  • 60. Copyright (c) 2014 Noriya Kobayashi, Ph.D. All rights reserved. 60 資料作成: 古林紀哉 (通称:パンダパパこばやし) E-mail: panda4pp@gmail.com FaceBook : nokobayashi Twitter: @panda_pp 資料掲載: http://pandanote.jp/ 講演依頼: メールで連絡して下さい。