2016年11月3日
ライフサポート学会研究会
西本卓也*
*NVDA日本語チーム
NVDA (NonVisual Desktop Access) はオーストラリア在住の視覚障害者たちが2006年に開発を始めたオープンソース(無料)の Windows 対応スクリーンリーダーである。
音声合成や点字ディスプレイ対応、ブラウズモードやレビューカーソル、Windows の管理者権限がなくても利用できるポータブル版、タッチ操作対応、アドオン機能などがNVDAの特長である。また多くの言語、最新の Windows および Firefox, Word, Excel, Outlook などのアプリに対応し、3ヶ月ごとにバージョンアップを行っている。開発においてはプログラミング言語Pythonが重要な役割を果たしている。
NVDA日本語化プロジェクトは2008年に始まり、2013年に日本語の音声と点字に対応した「NVDA日本語版」が実用品質になった。現在は非営利団体「NVDA日本語チーム」がNVDA日本語版の開発、NVDA本家の日本語翻訳活動、アクセシビリティ検証者に役立つ「フォーカスハイライト」アドオンの開発、講習用テキストの制作、Webアクセシビリティに関する委員会活動、交流イベントなどを行っている。日本におけるNVDAの理解と普及の促進、技術者や翻訳者の育成、国際的な交流や貢献などが課題である。