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デジタル信号処理を用いた、
DSP入札ロジックの提案
1
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-アジェンダ-
2
今回紹介する数学系ライブラリ
数学の内容おさらい
デジタル信号処理について
DSPの入札に活かすには
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-今回紹介する数学系ライブラリ-
3
使用言語はPythonを利用
•スプライン補間
•高速フーリエ変換
スプライン補間
あるx軸とy軸の関係で、yの値がx軸に対し離散的に決まる時、その間隔
をΔxとする。その時、とある点x_n + Δx/kの時のyはx_n とx_(n+1)
のyの値によって決定することができる。(n, kは整数)
そのように、離散的なデータの間を補間することを補間といい、その一
つの方法にスプライン補間がある。スプライン補間により出来た曲線を
スプライン曲線という。
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-今回紹介する数学系ライブラリ-
4
使用言語はPythonを利用
•スプライン補間
•高速フーリエ変換
高速フーリエ変換
通常の離散フーリエ変換を高速に行うためのアルゴリズム。
別名バタフライアルゴリズムとも呼ばれ、加算をメインに行い、乗算の
回数を減らすことにより、高速化が可能となる。
(基本的にコンピューターは乗算よりも加算が高速)
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-数学の内容おさらい-
5
フーリエ変換について
例えば下記のような正弦波を考える。
定義
周波数 : 20[Hz]
振幅 : 1
位相 : 0
の正弦波をx軸を時間
とし、0 1秒表したも
の
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-数学の内容おさらい-
6
先ほどの正弦波をフーリエ変換すると、このようなグラフができる。
何を表しているかというと、特定の周波数のみが成分としてある状態
を表している。
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-数学の内容おさらい-
7
フーリエ変換について
同じく、下記のような正弦波を考える。
定義
周波数 : 100[Hz]
振幅 : 1
位相 : 0
の正弦波をx軸を時間
とし、0 1秒表したも
の
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-数学の内容おさらい-
8
同じくフーリエ変換すると、このようなグラフができる。
つまり、正弦波の周波数と一致していることがわかる。
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-数学の内容おさらい-
9
フーリエ変換について
では、下記のような波を考える。
定義
これは周波数が異なる
2つの正弦波を足し合
わせたものである。
Hitokuse Inc.©
-数学の内容おさらい-
10
同じくフーリエ変換すると、このようなグラフができる。
足し合わせた2つの周波数で値がある。
つまり、フーリエ変換をすることで、波はどの周波数の足しあわせで
できているかがわかる。
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-デジタル信号処理について-
11
デジタルとアナログ
デジタル : 離散的なデータ
アナログ : 連続的なデータ
デジタルのイメージ
1 2 3 4 5 1 2 3 4 5
アナログのイメージ
D/A変換
A/D変換
デジタルをアナログに変換することをD/A変換
アナログをデジタルに変換することをA/D変換という
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-デジタル信号処理について-
12
身近なデジタル-アナログ変換の例
CD
アナログ(音声)の信号をデジタル(0と1の状態)に記録する => A/D変換
A/D変換の手順 (音声の場合)
サンプリング
マイク等
で入力
量子化
符号化デジタルデータ
ある周期に従って
f(t)の値を取る
取得したf(t)の値を丸める
量子化した値を2進数に変換
f(t)という
アナログデータを入力
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-デジタル信号処理について-
13
D/A変換
A/D変換の逆
サンプリングの次に、先述した補間を行う。
サンプリング周波数
A/D変換のサンプリングを行う周波数。元データの周波数の2倍より上
の数値を使わなければいけない。
なぜデジタルデータを用いるのか
デジタル(0,1)はスイッチのon/offで表すことができるから。
また、ノイズにも強い => 次ページ
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-デジタル信号処理について-
14
デジタル信号処理とフーリエ変換について
ノイズキャンセラー
アナログデータに含まれるノイズをなくす機能
1 2 3 4 5
ノイズが入った
アナログデータのイメージ
基本的にはノイズは高周波成分なので、
このデータをフーリエ変換すると、
次のようなスペクトルが見られる。
周波数[Hz]
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-デジタル信号処理について-
15
ローパスフィルタ
高周波成分をカットするフィルタのこと
周波数[Hz] 周波数[Hz]
ローパスフィルタ
を通過後
これをさらに逆フーリエ変換するとノイズがなくなったデータとなる。
アナログのローパスフィルタはコイルとコンデンサにより作られる。
(ローパスフィルタに限らず、ハイパスフィルタも同様)
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-DSPの入札に活かすには-
16
時間別CVRの変化例
デジタルデータ
1時間毎の生データ
(縦軸はCVR)
デジタルデータを補間
したもの
D/A変換
デジタルデータを元にアナログデータに変換
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-DSPの入札に活かすには-
17
時間別CVRのアナログデータにおけるノイズ
⃝で囲ったところをノイズ(高周波成分)と定義し、ローパスフィルタに
通す。するとこのグラフは f(t) = Asin(2*pi*f*t) + Bsin(2*pi*f*t) + …
となる。(piはπ、fは周波数、tは時間、ノイズをカットするので有限)
=> CVRはf(t)という関数で表すことができる。
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-DSPの入札に活かすには-
18
入札の基本戦略
CVRが高くなる傾向の時には入札金額を高く、
CVRが低くなる傾向の時には入札金額を低く設定する。
=> 先ほどのf(t)を用いて入札金額 Bid を定義すると
Bid = α f(t)
となる。(αは定数 or 関数)
f(t)が有効な理由
CVRは様々な影響を受け、変化していく。
しかし、全く同じ設定をした場合、時間別で変化するということは不変
であるという理由から。
f(t)の更新
もちろん、時間が立つに連れてf(t)自体が変化するので、機械学習によ
り、f(t)を最適化する必要がある。その上で、sinの関数にするというこ
とは計算効率も改善される。(対ビッグデータ処理比較)
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-まとめ-
19
ビッグデータの取扱い
ビッグデータをそのまま扱うよりも、ある関数として定義した方が処理
しやすい。
=> デジタル信号処理の技術が有効な理由1
ノイズデータ
様々な理由により現れるノイズを処理する必要がある。
=> デジタル信号処理の技術が有効な理由2
結論
上記理由より、DSPの入札ロジックにデジタル信号処理の技術を用いる
ことは有効である。
余談
デジタル信号処理は英語でDigital Signal Processing、
つまりDSPと略される。

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