2018年5月30日　マフィアオファー会議でのスライド

1. 第6階層の抵抗に
立ち向かう
“オファー”しない意思決定支援
プロセス
大和ハウス工業株式会社
松山竜蔵
2018.5.30 マフィアオファー会議

2. “オファー”してはいけない？
• そもそも「提案」というのはTOCらしくない
かもしれません。
• 「提案」に合意してもらうプロセスにはどこか
「説得」めいた臭いがします。
• 「提案」に同意したとしても、思うような結果
が出なければ、やはり「提案」のせいにされて
しまうでしょう。
• そもそも「提案」するからうまくいかないので
はないでしょうか？
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 12018/5/30

3. やっぱそこはソクラテスで
？
？
？ ！
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 22018/5/30

4. 自分のアイデアだから
• 結局、他人から言われたことは、どれだけ納得
していてもやっぱり「他人から言われたこと」
なんです。
• 逆に、どんなにつまらないことでも、自分が考
えたことは責任もってやろうとするし、その時
にできなくても次の方法を考えるのです。
• 「答えを言わない」ことは、「～ほうがいい」
程度のことではないのです。「言ってしまった
ことは実現しない」と考えるべきです。
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 32018/5/30

5. CALL PLAN※
• 相手に理解を示し感謝を表して話し始め（導
入）、質問を構成して問いかけて（調査）、
「膝を打つような」相手の自発的な気づき・肚
落ち（Buy-in）を導く。一旦肚落ちすれば相
手は自発的に必要な行動をとるようになり（進
展）、自動的に成果を出してくれる（目標）。
相手の心理状態
導入 調査 目標進展Buy-in
※CALL PLAN はMenno Graaf の提唱する意思決定支援プロセスです
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 42018/5/30

6. バックワードに準備する
• まず今回のコールの目的を1つだけ定める（目
標）。それから今の相手の要望・懸念を考え
（心理状態）、コールの後に相手がとるべき行
動を考える（進展）。その進展につながる相手
の肚落ち（Buy-in）を考え、そのBuy-inを引
き出す質問の構成を考え（調査）、最後に話の
切り出し方を考える（導入）。
相手の心理状態
導入 調査 目標進展Buy-in
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 52018/5/30

7. 「調査」のテンプレート
コール成功のためのチェックポイント
５．調査 ※腑落ちを引き出すために、話を展開する。因果関係
に基づき、詳細に準備すること。
●ターゲットとなる問題点を引き出すためにどんな質
問をしますか？
●解決の方向性について合意を引き出すためにどんな
質問をしますか？
●解決案により問題が解決されることを合意するため
にどんな質問をしますか？
●どんな懸念がありそうですか？そしてどう解決しま
すか？
※これにより、相手がBuy-inの内容に気が付くことで
できれば最高
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 62018/5/30

8. 合意形成の6ステップ
1. 問題について合意する
2. 解決の方向に合意する
3. 解決策が問題を解決することに合意する
4. 解決策の実行後に問題が起こらないことに合
意する
5. 解決策の実行前の障害を克服できることに合
意する
6. 解決策の実行に合意する
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 72018/5/30

9. 合意形成の6ステップ
1. 問題について合意する
2. 解決の方向に合意する
3. 解決策が問題を解決することに合意する
4. 解決策の実行後に問題が起こらないことに合
意する
5. 解決策の実行前の障害を克服できることに合
意する
6. 解決策の実行に合意する
●ターゲットとなる問題点を
引き出すためにどんな質問を
しますか？
●解決の方向性について合意
を引き出すためにどんな質問
をしますか？
●解決案により問題が解決さ
れることを合意するためにど
んな質問をしますか？
●どんな懸念がありそうです
か？そしてどう解決します
か？
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 82018/5/30

10. それでも第6の抵抗は残る
• 「抵抗の6階層」の話でいつも問題になるのは、
第6階層をいかに克服するか、ですね。
• 第5階層までは非常に論理的に構成されながら、
第6階層ではどうしたらいいかは論理的に示さ
れません。
• そもそも、やったことのないことをやる勇気と
いうようなものは論理的に構成できるのでしょ
うか？
• 最終段階にそんなに落差のあるソリューショ
ンって役に立つのでしょうか？
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 92018/5/30

11. 「何を」より「誰が」言うか
• 確かにここまで論理的に詰めてきて、まだ合意
のために「何か」言う必要があるでしょうか？
• 必要なのは「何か」ではなく、「誰が」言って
いるかということではないでしょうか？つまり、
第6階層を突破するのに必要なのは「論理」で
はなく、「信頼」ではないかということです。
• そうであればそれは、「調査」の最終段階では
なく、最初の「導入」の段階で構成され、NBr
や障害をクリアすれば、自動的に6階層目のド
アが開くようなものであるべきでしょう。
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 102018/5/30

12. 「導入」のテンプレート
コール成功のためのチェックポイント
６．導入 ●どう話を切り出しますか？
※相手の心理状態をくみ上げ、感謝し、その後、本題
に切り出す。
相手の心理状態
導入 調査 目標進展Buy-in
• でもどうすれば、誰でも「導入」の段階で信頼
を得ることをパターン化できるでしょうか？
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 112018/5/30

13. Change Matrix を活用します
2018/5/30 ＠2018 RYUZO MATSUYAMA 12
YouTube：Overcoming Resistance to Change / goldratt research labsより
https://www.youtube.com/watch?v=XVYsWS7Wsnk

14. 相手の心理状態はどこに？
2018/5/30 ＠2018 RYUZO MATSUYAMA 13
• （ここからは私のオリジナルです。）

15. A：相手が「松葉づえ」
① 「松葉づえ」に理解
を示す。
② 「マーメイド」を見
つけ、同意する。
③ 「アリゲーター」を
無視できないことに
言及する。
④ 「金の壺」でも「松葉づえ・マーメイド」を
尊重して考えることを伝える。
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 142018/5/30
①
③②
④

16. B：相手が「マーメイド」
① 「マーメイド」に理
解を示す。
② 「松葉づえ」を見つ
け、同意する。
③ 「金の壺」を無視で
きないことに言及す
る。
④ 「アリゲーター」でも「マーメイド・松葉づ
え」を尊重して考えることを伝える。
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 152018/5/30
②
④①
③

17. C：相手が「アリゲーター」
① 「アリゲーター」に
理解を示す。
② 「金の壺」を見つけ、
同意する。
③ 「松葉づえ」を
無視できないことに
言及する。
④ 「マーメイド」でも「アリゲーター・金の
壺」を尊重して考えることを伝える。
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 162018/5/30
③
①④
②

18. D：相手が「金の壺」
① 「金の壺」に理解
を示す。
② 「アリゲーター」を
見つけ、同意する。
③ 「マーメイド」を無
視できないことに言
及する。
④ 「松葉づえ」でも「金の壺・アリゲーター」
を尊重して考えることを伝える。
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 172018/5/30
④
②③
①

19. 信頼を得るためのパターン
① 相手の立場を理解する
• 相手が4象限のどこに位置するかを特定する
② 相手の隠れた要望を理解する
• ナナメに（対角線上に）あるのが隠れた要望
③ 隠れた要望から相手の懸念を共有する
• 隠れた要望からヨコに動くと懸念がわかる
④ 相手の立場・要望・懸念を尊重して考えるこ
とを伝える
• 相手への深い理解を伝えることで信頼してもらうの
が目的
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 182018/5/30

20. 必ずこれで信頼されるの？
• 「導入」段階の話の順をChange Matrix を用
いてパターン化することで、誰でも一定のレベ
ルで相手を尊重した「導入」の検討ができる。
• どのように話せばより「信頼」を獲得すること
ができるかを考えながら、「導入」段階を計画
することそのものが最も重要。
• 相手の立場への共感を深めると、ソリューショ
ンが実現しにくくなると思うならば、ソリュー
ション自体を再考すべき。（相手にBuy-in さ
れないアイデアは実現されない。）
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 192018/5/30

21. ソリューションの再考には
• Alan Barnard のPro-Con Cloud を使うのが
いいかもしれません。
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 202018/5/30
https://www.youtube.com/watch?v=tV
6uSMYkuPU&t=2318s

22. ABOUT MENNO
• Owner
• Execution Excellence BV
http://www.execution.cc/index.php/en/
• The Netherlands
• experience
• Impressive trackrecord, worldwide
successes (from Brasil to Japan)
• Leadership testimonials (also see LinkedIn)
• From small (5 persons) to very large
(5000+) organizations
• Expert
• TOCICO certificated (1st in The Netherlands, by invitation)
• Active participation in developing the body of knowledge
• More than 30 years experience ‘in the field’
2018/5/30 ＠2018 RYUZO MATSUYAMA 21

23. ご清聴ありがとうござ
いました
【大阪開催】マフィアオファー会議
於：エデュケーションサロン アジト
2018-05-30（水）19:00 - 21:00
＠2018 RYUZO MATSUYAMA 222018/5/30