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Copyright © Masaya Ando
安藤 昌也
masaya.ando@it-chiba.ac.jp
千葉工業大学 知能メディア工学科
Chiba Institute of Technology Department ofAdvanced Media
つくり込むUX・うみ出すUX
うまれるUX
2021年9月12日
Xデザインフォーラム
Copyright © Masaya Ando
1
安 藤 昌 也
千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科 教授
早 稲 田 大 学 政 治 経 済 学 部 経 済 学 科 卒 業 。
NTTデータ通信(現、NTTデータ)、経営コンサ
ルティング会社取締役、早稲田大学、国立情報学
研究所、産業技術大学院大学など経て、2011年千
葉工業大学工学部准教授、2015年教授。2016年
より現職。博士(学術) .
専門は、人間中心デザイン。UX(ユーザ体験)
の研究者。人間工学ISOの国内対策委員等を務める。
認定人間中心設計専門家 / 認定専門社会調査士
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2
つくり込むUX
うみ出すUX
うまれるUX
道具の体験
道具による創造の体験
創造による対話の体験
役割や意味の再構築
現在のUXDの
取組み範囲
Copyright © Masaya Ando
3
デザインの研究
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4
最近3年間の学会発表等
n UXデザインの実践が多く、研究成果をまとめられていない
が、新しい方向性を見出しつつある。
‒ 2019年
• 企業へのUXデザイン導入支援に関するパターンの実践と検証
• 高齢者を対象とした見守り活動を地域住民が主体で計画を立案するツー
ルの制作
• 高齢者見守り活動をサポートする報告支援システムにおけるユーザイン
タフェースの検討
‒ 2020年
• サービス利用満足度に期待値が及ぼす影響に関する研究
• UXデザインにおけるアイデア収束に関する研究
• オンライン会議システムを用いた対話中の視線量の多少が印象形成に与
える影響
‒ 2021年
• 人工知能によるシステムがもたらす人間中心設計の概念変化
• 短時間の情報探索による商品選択がインタラクティブ製品の満足度に及
ぼす影響
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5
最近3年間の企業等の共同研究テーマ
n 多くの企業との共同研究を進行しているが、大きく2つの方
向性がある。
<UXデザイン導入支援>
‒ メーカー:UXエンジニアのコンピタンス
‒ カーパーツメーカー:UXデザインプロセスの教育
‒ 家電メーカー:UXデザインプロセスの教育
‒ メーカー:UXデザインプロセスの教育と教育体系整備
<ユーザーの分類と評価に関する研究>
‒ 化粧品メーカー:使用実感に関わるユーザー特性と評価の構造分析
‒ 印刷系メーカー:DMのユーザー分類に関する研究
‒ 総務省:プライバシーポリシーの態度特性と提示方法の評価
‒ カーメーカー:リクルーティングを含むコンセプトテスト技法の開発
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6
最近3年間の公的研究費
n この3年間では、科学研究費の挑戦的研究(開拓)の予算で
人間中心設計を問いなおすチャレンジをしている。
人間中心設計と人類学の対話によるシステム設計思想:
HCDを多元化する挑戦的試み
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7
1
人はどう体験をとらえ
どう評価していくのか
UX評価に関する研究
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UXデザインの最大の問題:UXの評価・UXの測定
n 従来のユーザビリティ評価は、ユーザー側がなるべくバラつ
かないように制御して測定しようとしているのに対し、UX
評価は何を把握したいのかすら多様なまま。
ユーザビリティ評価
UX評価
• 人工物の品質を改善したい
• 人工物の品質レベルを測定した
い
• ユーザーを含め利用状況を定義し
て、評価実験をする
• 有効さ・効率・満足度(苛立ち
のなさ)を中心に計測する
• 人工物の主観的な印象を把握し
たい?
• 人工物の利用の体験の変化を把
握したい?
• 利用のどのタイミングで把握する?
• ユーザーごとにバラバラな利用状況
で把握してもいい?
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UXデザインのプロセスと評価のタイミング
①実現する体験価値の設定
②理想のUXと利用文脈の想定
④UXを実現する製品・
サービスを提供する仕組み
の設計
③理想のUXを実現する
製品・サービスをの制作
○既存UXの把握、利用文脈の把握
○製品・市場の把握
アイデアの発想とコンセプトの作成
利用文脈とユーザー体験の把握
プロトタイプの反復による
製品・サービスの詳細化
実装レベルの制作物による
ユーザー体験の評価
実現するユーザー体験と
利用文脈の視覚化
ユーザー体験のモデル化と
体験価値の探索
体験価値の伝達と保持のための
指針の作成
Analyze
調
査
・
分
析
Design
コ
ン
セ
プ
ト
デ
ザ
イ
ン
Prototype
プ
ロ
ト
タ
イ
プ
Evaluation
評
価
Deliver
提
供
○ユーザーモデルの作成
1コンセプト
の評価
2 プロトタイプ
の評価
3 実体験の
評価
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現実解としての評価尺度法
n 心理尺度構成法を応用したUX評価尺度はある。しかし、本
当にこれは正しく測れているのか疑問。
10
(Schrepp: User Experience Questionnaire Handbook, Version 8, 2019)
魅力
(Attractiveness)
6項目
効率
(Efficiency)
4項目
感性的品質
明解さ
(Perspicuity)
4項目
刺激
(Stimulus)
4項目
信頼感
(Dependabiity)
4項目
実用的品質
目新しさ
(Novelty)
4項目
現実解の代表:UEQ=UX Questionnaire(Schrepp, 2017)
Copyright © Masaya Ando
評定法のそもそもの問題
n 平均値で傾向を見れれば良い時は良いが、そもそも評定法
は、回答者が想起する情景が異なると回答は違ってくる。
11
特に問題を感じ
ないし、まあ5点
あの時使いにく
かったし、3か4
か。5じゃないな
人は製品やサービスの評価を、どんな風に考えるのか?
製品の利用範囲以外に、人のばらつきをうむ共通の要素
はないだろうか?
最初は満足したけど、
使うと思ったのと違
うんだけど、、、
Copyright © Masaya Ando
安藤のUXを捉える基本発想
n 人がどう体験をとらえているか、そのモデルを持っていない
とUXをデザインするヒントが得られない。
12
① 人がモノとインタラクションする過程をミクロにたどると、
状況に依存する「期待」「意欲」と「評価・判断」の連鎖
② 人はそもそも歪んだ物差しを持っている。評価を知るには、
それぞれの歪み具合いを調べて、その歪んだ物差しで解釈し
ないといけない
Copyright © Masaya Ando
利
用
体
験
① 情報・状態
の知覚
② 情報の
理解と判断
③ 判断に基づく行動
③-1 製品への
働きかけ
③-2 製品以外
での行動
・手がかり情報
・コレクション情報
・(詳細)情報
・アクション
タスク
(動作や行動 )
① 製品・サービスの体験のミクロな構造
n ユーザーは製品・サービスの情報や状態を知覚し、必要な判
断をし行動する。UXは基本的にこの繰り返しである。
製品・サービスの仕様は、理想の体験となるように、
必要な情報/状態とそれに伴う行動を逆算して定義すること
Copyright © Masaya Ando
①エクスペリエンス・フィードバック評価法(安藤, 2012)
n 時間軸の経験を振り返って、ユーザーの感情の評価を基に、
分析を行う方法。
ユーザーテストの際の
操作のビデオ映像
主観的な感情を、ポジ
ティブ、ネガティブで曲
線で表現してもらう。
14
Copyright © Masaya Ando
①「心の声」を「期待」「評価」「意欲」に分類する
期待・
不安
評価
意欲
事前 使用後
使用中
15
Copyright © Masaya Ando
①ユーザーの体験とメンタルモデルの精緻化
n 人はモノを使う経験を通して、徐々に体験価値を形成する。
これはメンタルモデルの精緻化の過程とも言える。
利用
エピソード
理解
累積的UX
の形成
意欲の
調整
利用前の
エピソード
過去の体験価値に
基づく調整
意欲
期待と結果
との比較
意図 結果
利用
エピソード
意図
意欲 理解
累積的UX
の修正
結果
意欲の
調整
意図
利用開始
時間
意欲
理解に基づく
意欲の形成
累積的UX(ユーザーにとってのモノの意味)
経験的知識(ユーザーにとっての行為の意味)
体 験 価 値(ユーザーにとっての行為の価値)
(p.63)
Copyright © Masaya Ando
② ユーザー分類の意欲による分類:SEPIA分析法
n 製品を使う意欲の構造に着目し、尺度を用いてユーザー分類
を行うと、どのような評価傾向があるかわかる。
!"#$%&
'()
*+,-./
'()
高
低
高
低
自己効力感
(SE)
製品関与
(PI)
,+0
'()
12345
'()
基本はすでに使ってるものの評価を
定量的に把握する時に使うもの
Copyright © Masaya Ando
②DMのユーザー分類の例: DMをUXの概念で捉える
n DM体験 と捉え、受取り手である顧客がどんな態
度で体験しているかを把握・分析できるようにする。
通
知
情
報
の
察
知
フ
ィ
ル
タ
リ
ン
グ
情
報
取
得
判
断
行
動
の
意
図
形
成
行
動
結
果
・
認
識
評
価
感情
感情
感情
感情
A
B
・
⾃
分
に
役
⽴
つ
か
・
⼤
事
な
こ
と
か
DM
を
受
け
取
る
体
験
DM
を
受
け
取
り
行
動
す
る
体
験
A/Bを中心に
DM体験全体に
どう臨んでいるか
態度を把握
18
Copyright © Masaya Ando
②DMのユーザー分類の例:価値マップ
19
各自の構築した
コツや経験則
DMに関する行動
を左右する価値観
DM行動の直接的
な意欲
理想行動に必要な
認知的ニーズ
現時点での
潜在ニーズ
顕在化しつつあ
るニーズ
Copyright © Masaya Ando
②DMのユーザー分類の例:因子分析
n 全回答者を対象に最尤法・プロマックス回転で
因子分析。最終的な累積寄与率は56.7%だった。
20
因子1 因子2
1. DMは、自分が知らない新しい情報に出会えると感じる .76 -.04
11. 趣味に関するDMは、自分好みの情報が得られるのが嬉しい .75 .00
5. 気にかけていた内容のDMは、読んでみたくなる .73 .09
12. DMは向こうから送られてくるので、手間なく情報収集できてよい .72 -.07
15. 受け取るのが楽しみなお店やサービスのDMがある .69 -.04
4. DMは、ネットで調べる情報とは違った情報が得られると思う .68 .08
23. DMで届いた情報でも、役立つ有益な情報は保管している .68 .03
25. 自分に役立つ発信元のDMは、媒体(紙・メール・アプリなど)が違っても意
識してチェックしている
.66 .02
7. クーポンがついたDMがあると、そのお店に行ってみようという気になる .66 .03
2. 届いたDMがどんな内容かワクワクする .65 -.11
3. 行政や金融機関など生活に必要な通知物以外のDMは、ほとんどが不要なもの
だ
.03 .77
27. できるだけDMや通知物が届かないようにしたい .03 .76
24. 必要なものは後で検索すればいいので、DMはいちいちチェックしない .02 .75
6. 自分が欲しい情報はネットで調べれば良いので、DMはない方が良い -.02 .74
26. 行政や金融機関など生活に必要な通知物以外は、ほとんどチェックしていない .06 .73
22. DMの情報を役立てようという気持ちはない -.08 .69
10. 自分にとってお得な情報があるかもしれないが、DMはほとんど見ない -.02 .68
因子1 10問
新しい情報への
出会いの期待度
因子2 7問
DM情報の
必要性の認識
得点が高いほど 不要 との
認識
(安藤・倉田ら, 2021)
Copyright © Masaya Ando
②DMのユーザー分類の例:2つの因子を用いた分類
n 2つの因子を用いて、因子得点の中央値で分類し
受取り手の態度を分類した。
21
DMは届かない方が良いと考えて
おり、情報との出会いの期待度も
低い群
<285件>
新しい情報への出会いの期待度は
高いが、DMは届かない方が良いと
考える群
<215件>
因子1:新しい情報への出会いの期待度
H
H
L
L
※因子2は、尺度得点が高い方が必要性の認識が低いが、便宜上配置を入れ替えた。
DMの必要性は認識しているが
情報との出会いの期待度は低い群
<215件>
新しい情報への出会いの期待度が
高くDMの必要性を認識している群
<285件>
因
子
#
:
(
逆
転
)
DM
&
必
要
性
&
認
識
A
B
C
D
(安藤・倉田ら, 2021)
Copyright © Masaya Ando
②DMのユーザー分類の例:態度分類ごとの行動傾向
n 開封率は、新しい情報との出会いの期待度が
高いほど高い。
22
Copyright © Masaya Ando
②DMのユーザー分類の例:態度分類ごとの行動傾向
n 受け取り後の行動は、とても明確に分類できる。
23
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
120.0
140.0
160.0
180.0
A群(HH) B群(HL) C群(LH) D群(LL)
商品・サービスを購⼊・利⽤した インターネットで調べた 店舗へ⾏った
キャンペーンに応募した 資料請求をした 問合せをした
家族・友⼈・知⼈などとの話題にした SNSやネット上に書きこんだ 特に⾏動を起こしたことはない
態度分類ごとのDM受取り後の行動
(複数回答)
「特に行動したことはな
い」の回答比率
%
%
Copyright © Masaya Ando
24
これまでの安藤の考え方
n 心理的要因は行動のバラつきを産む要因を特定し、その違い
を押さえることで、評価の歪みを推定していた。
心理的要因
モチベーション
体験・
行為
評価
SE
PI
モチベーションが
違えば利用行為が違う 利用行為が違えば
評価は自ずと違う
待てよ、、、
この体験をどう受け止めてい
るかこそ、UX評価の重要点
ではないの?
Copyright © Masaya Ando
もう一度戻って、、、
n もしかすると、そもそもユーザーが行動をどう捉え・理解し
てるかに傾向を見出せたら、ちゃんとUXが測れるかも。
25
特に問題を感じ
ないし、まあ5点
あの時使いにく
かったし、3か4
か。5じゃないな
最初は満足したけど、
使うと思ったのと違
うんだけど、、、
具体的な体験のケース
を思い出しそれを基準
にしようとする人
多様な評価の側面を考
え、総合的に考えよう
とする人
ざっくりと印象で考え
ようとする人
行為をどう認識しているかに関する理論
『行為同定理論』が使えるかもしれない
Copyright © Masaya Ando
BIF尺度 (Vallacher & Wegner, 1989)
n BIFは、心理学理論として
は確定的でない。だが、
実験してみると製品評価
や情報探索に対して確か
に差は出る。
‒ 文化や年齢により差がある
こともわかっている。
・高:概念化(高次元)傾向
‒ 抽象的・目的的・脱文脈的傾向
・低:具体化(低次元)傾向
‒ 具体的・手段的・文脈的傾向
Copyright © Masaya Ando
BIF尺度は何を測っているか?
n 行為を想起するときに、どの程度文脈に依存する傾向がある
かを測っているのではないか。
27
Aは私にとって
(ネガティブ)なものだ
製品・サービスA
の利用体験
○○しても◇◇のような
結果・効果・感情が得られない
体験を通して
◇◇が得られる価値
特
定
の
手
段
を
含
む
特
定
の
手
段
を
含
ま
な
い
ユーザー体験の意味の構造
今は実現できないが
希望として
経験的知識
累積的UX
利用体験
ユーザーにとっての
モノの意味
ユーザーにとっての
行為の意味
体験価値
ユーザーにとっての
行為の価値
=うれしさの源
概
念
化
具体化傾向のある人が
体験を考える時の傾向
概念化傾向のある人が
体験を考える時の傾向
BIF尺度に頼らない新しい尺度も開発に着手
Copyright © Masaya Ando
これがわかると何ができるか
n 人がどのように体験を想起するかが分かれば、より正確に
UXを把握・測定できるようになり、デザインの判断根拠が
明確になる。
<現在取組んでいる関連研究>
‒ UXデザインにおけるコンセプトテスト法の確立
‒ 提供後に体験の質を把握し、そのレベルを測定できるUX評価手法の
開発
‒ 体験の質を把握することのできるインタビュー技法の開発
28
Copyright © Masaya Ando
29
人工知能時代に
人間中心 とは何を指すのか
2 Re-HCDに関する研究
Copyright © Masaya Ando
改めて 人間中心 が問われる時代に
30
n この3年間で、デザイン論は大きく転換しつつある。
人間中心 という言葉をめぐり
議論が展開される部分がある
Copyright © Masaya Ando
再発明されつづける人間
n 政府は「人間中心のAI社会原則」を発表。果たして人間中心
の人工知能とはなんなのか? 新たな人間の再定義と言える。
31
デザインの中心に人間を据えた理論
は、人間が常にその中心にいるかの
ような振りをしてるが、実際には人
間を再発明している
社会原則
AIの適切で積極的な社会実装の推進のために、
各ステークホルダーが留意すべき基本原則
(1)人間中心の原則
(2)教育・リテラシーの原則
(3)プライバシー確保の原則
(4)セキュリティ確保の原則
(5)公正競争確保の原則
(6)公平性、説明責任および透明
性の原則
(7)イノベーションの原則
•AI は、労働の一部の代替だけでな
く、高度な道具として人間を補助
し人間の能力や創造性を拡大する
•AI の利用の結果について、問題の
特性に応じて、AIの開発・提供・
利用のステークホルダーが分担して
責任を負う
•各ステークホルダーは「情報弱者」
や「技術弱者」を出さないよう使
いやすいシステムの実現に配慮する
Copyright © Masaya Ando
多次元的な視点でのデザイン
n ユーザー自身が 思い込みの罠 から脱する手助けを含んだデ
ザインが、よりユーザー中心と言えるのではないだろうか。
喪失していた
本来的な意図
人工知能が果たす機能
t(0) t(x)
人工知能を活用した
システムの導入
実現・機能
(低次意図)
役割・意義
(高次意図)
ユーザー自身がシステムの想定する
より関係性を受け入れ認識を
変遷していく過程 本来ユーザーが
果たすべき役割
このこと自体をデザインする
ことが多元的なHCD
意図があることを
暗黙の前提に
UXDをしている
ユ
ー
ザ
ー
自
身
が
気
づ
い
て
い
く
過
程
Copyright © Masaya Ando
役割 と 機能
n ユーザーから見た製品やサービスには、 役割(role) と
機能(function) の2つの側面がある。
機
能
役
割
技術発展の歴史は常に役割と機能のバランスの再調整
リピート
Copyright © Masaya Ando
つくり込むUX
うみ出すUX
うまれるUX
道具の体験
道具による創造の体験
創造による対話の体験
役割や意味の再構築
現在のUXDの
取組み範囲
Copyright © Masaya Ando
35
Copyright © Masaya Ando
36
もっと うれしい 体験
を。

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つくり込むUX・うみ出すUX・うまれるUX

  • 1. Copyright © Masaya Ando 安藤 昌也 masaya.ando@it-chiba.ac.jp 千葉工業大学 知能メディア工学科 Chiba Institute of Technology Department ofAdvanced Media つくり込むUX・うみ出すUX うまれるUX 2021年9月12日 Xデザインフォーラム
  • 2. Copyright © Masaya Ando 1 安 藤 昌 也 千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科 教授 早 稲 田 大 学 政 治 経 済 学 部 経 済 学 科 卒 業 。 NTTデータ通信(現、NTTデータ)、経営コンサ ルティング会社取締役、早稲田大学、国立情報学 研究所、産業技術大学院大学など経て、2011年千 葉工業大学工学部准教授、2015年教授。2016年 より現職。博士(学術) . 専門は、人間中心デザイン。UX(ユーザ体験) の研究者。人間工学ISOの国内対策委員等を務める。 認定人間中心設計専門家 / 認定専門社会調査士
  • 3. Copyright © Masaya Ando 2 つくり込むUX うみ出すUX うまれるUX 道具の体験 道具による創造の体験 創造による対話の体験 役割や意味の再構築 現在のUXDの 取組み範囲
  • 4. Copyright © Masaya Ando 3 デザインの研究
  • 5. Copyright © Masaya Ando 4 最近3年間の学会発表等 n UXデザインの実践が多く、研究成果をまとめられていない が、新しい方向性を見出しつつある。 ‒ 2019年 • 企業へのUXデザイン導入支援に関するパターンの実践と検証 • 高齢者を対象とした見守り活動を地域住民が主体で計画を立案するツー ルの制作 • 高齢者見守り活動をサポートする報告支援システムにおけるユーザイン タフェースの検討 ‒ 2020年 • サービス利用満足度に期待値が及ぼす影響に関する研究 • UXデザインにおけるアイデア収束に関する研究 • オンライン会議システムを用いた対話中の視線量の多少が印象形成に与 える影響 ‒ 2021年 • 人工知能によるシステムがもたらす人間中心設計の概念変化 • 短時間の情報探索による商品選択がインタラクティブ製品の満足度に及 ぼす影響
  • 6. Copyright © Masaya Ando 5 最近3年間の企業等の共同研究テーマ n 多くの企業との共同研究を進行しているが、大きく2つの方 向性がある。 <UXデザイン導入支援> ‒ メーカー:UXエンジニアのコンピタンス ‒ カーパーツメーカー:UXデザインプロセスの教育 ‒ 家電メーカー:UXデザインプロセスの教育 ‒ メーカー:UXデザインプロセスの教育と教育体系整備 <ユーザーの分類と評価に関する研究> ‒ 化粧品メーカー:使用実感に関わるユーザー特性と評価の構造分析 ‒ 印刷系メーカー:DMのユーザー分類に関する研究 ‒ 総務省:プライバシーポリシーの態度特性と提示方法の評価 ‒ カーメーカー:リクルーティングを含むコンセプトテスト技法の開発
  • 7. Copyright © Masaya Ando 6 最近3年間の公的研究費 n この3年間では、科学研究費の挑戦的研究(開拓)の予算で 人間中心設計を問いなおすチャレンジをしている。 人間中心設計と人類学の対話によるシステム設計思想: HCDを多元化する挑戦的試み
  • 8. Copyright © Masaya Ando 7 1 人はどう体験をとらえ どう評価していくのか UX評価に関する研究
  • 9. Copyright © Masaya Ando UXデザインの最大の問題:UXの評価・UXの測定 n 従来のユーザビリティ評価は、ユーザー側がなるべくバラつ かないように制御して測定しようとしているのに対し、UX 評価は何を把握したいのかすら多様なまま。 ユーザビリティ評価 UX評価 • 人工物の品質を改善したい • 人工物の品質レベルを測定した い • ユーザーを含め利用状況を定義し て、評価実験をする • 有効さ・効率・満足度(苛立ち のなさ)を中心に計測する • 人工物の主観的な印象を把握し たい? • 人工物の利用の体験の変化を把 握したい? • 利用のどのタイミングで把握する? • ユーザーごとにバラバラな利用状況 で把握してもいい?
  • 10. Copyright © Masaya Ando UXデザインのプロセスと評価のタイミング ①実現する体験価値の設定 ②理想のUXと利用文脈の想定 ④UXを実現する製品・ サービスを提供する仕組み の設計 ③理想のUXを実現する 製品・サービスをの制作 ○既存UXの把握、利用文脈の把握 ○製品・市場の把握 アイデアの発想とコンセプトの作成 利用文脈とユーザー体験の把握 プロトタイプの反復による 製品・サービスの詳細化 実装レベルの制作物による ユーザー体験の評価 実現するユーザー体験と 利用文脈の視覚化 ユーザー体験のモデル化と 体験価値の探索 体験価値の伝達と保持のための 指針の作成 Analyze 調 査 ・ 分 析 Design コ ン セ プ ト デ ザ イ ン Prototype プ ロ ト タ イ プ Evaluation 評 価 Deliver 提 供 ○ユーザーモデルの作成 1コンセプト の評価 2 プロトタイプ の評価 3 実体験の 評価
  • 11. Copyright © Masaya Ando 現実解としての評価尺度法 n 心理尺度構成法を応用したUX評価尺度はある。しかし、本 当にこれは正しく測れているのか疑問。 10 (Schrepp: User Experience Questionnaire Handbook, Version 8, 2019) 魅力 (Attractiveness) 6項目 効率 (Efficiency) 4項目 感性的品質 明解さ (Perspicuity) 4項目 刺激 (Stimulus) 4項目 信頼感 (Dependabiity) 4項目 実用的品質 目新しさ (Novelty) 4項目 現実解の代表:UEQ=UX Questionnaire(Schrepp, 2017)
  • 12. Copyright © Masaya Ando 評定法のそもそもの問題 n 平均値で傾向を見れれば良い時は良いが、そもそも評定法 は、回答者が想起する情景が異なると回答は違ってくる。 11 特に問題を感じ ないし、まあ5点 あの時使いにく かったし、3か4 か。5じゃないな 人は製品やサービスの評価を、どんな風に考えるのか? 製品の利用範囲以外に、人のばらつきをうむ共通の要素 はないだろうか? 最初は満足したけど、 使うと思ったのと違 うんだけど、、、
  • 13. Copyright © Masaya Ando 安藤のUXを捉える基本発想 n 人がどう体験をとらえているか、そのモデルを持っていない とUXをデザインするヒントが得られない。 12 ① 人がモノとインタラクションする過程をミクロにたどると、 状況に依存する「期待」「意欲」と「評価・判断」の連鎖 ② 人はそもそも歪んだ物差しを持っている。評価を知るには、 それぞれの歪み具合いを調べて、その歪んだ物差しで解釈し ないといけない
  • 14. Copyright © Masaya Ando 利 用 体 験 ① 情報・状態 の知覚 ② 情報の 理解と判断 ③ 判断に基づく行動 ③-1 製品への 働きかけ ③-2 製品以外 での行動 ・手がかり情報 ・コレクション情報 ・(詳細)情報 ・アクション タスク (動作や行動 ) ① 製品・サービスの体験のミクロな構造 n ユーザーは製品・サービスの情報や状態を知覚し、必要な判 断をし行動する。UXは基本的にこの繰り返しである。 製品・サービスの仕様は、理想の体験となるように、 必要な情報/状態とそれに伴う行動を逆算して定義すること
  • 15. Copyright © Masaya Ando ①エクスペリエンス・フィードバック評価法(安藤, 2012) n 時間軸の経験を振り返って、ユーザーの感情の評価を基に、 分析を行う方法。 ユーザーテストの際の 操作のビデオ映像 主観的な感情を、ポジ ティブ、ネガティブで曲 線で表現してもらう。 14
  • 16. Copyright © Masaya Ando ①「心の声」を「期待」「評価」「意欲」に分類する 期待・ 不安 評価 意欲 事前 使用後 使用中 15
  • 17. Copyright © Masaya Ando ①ユーザーの体験とメンタルモデルの精緻化 n 人はモノを使う経験を通して、徐々に体験価値を形成する。 これはメンタルモデルの精緻化の過程とも言える。 利用 エピソード 理解 累積的UX の形成 意欲の 調整 利用前の エピソード 過去の体験価値に 基づく調整 意欲 期待と結果 との比較 意図 結果 利用 エピソード 意図 意欲 理解 累積的UX の修正 結果 意欲の 調整 意図 利用開始 時間 意欲 理解に基づく 意欲の形成 累積的UX(ユーザーにとってのモノの意味) 経験的知識(ユーザーにとっての行為の意味) 体 験 価 値(ユーザーにとっての行為の価値) (p.63)
  • 18. Copyright © Masaya Ando ② ユーザー分類の意欲による分類:SEPIA分析法 n 製品を使う意欲の構造に着目し、尺度を用いてユーザー分類 を行うと、どのような評価傾向があるかわかる。 !"#$%& '() *+,-./ '() 高 低 高 低 自己効力感 (SE) 製品関与 (PI) ,+0 '() 12345 '() 基本はすでに使ってるものの評価を 定量的に把握する時に使うもの
  • 19. Copyright © Masaya Ando ②DMのユーザー分類の例: DMをUXの概念で捉える n DM体験 と捉え、受取り手である顧客がどんな態 度で体験しているかを把握・分析できるようにする。 通 知 情 報 の 察 知 フ ィ ル タ リ ン グ 情 報 取 得 判 断 行 動 の 意 図 形 成 行 動 結 果 ・ 認 識 評 価 感情 感情 感情 感情 A B ・ ⾃ 分 に 役 ⽴ つ か ・ ⼤ 事 な こ と か DM を 受 け 取 る 体 験 DM を 受 け 取 り 行 動 す る 体 験 A/Bを中心に DM体験全体に どう臨んでいるか 態度を把握 18
  • 20. Copyright © Masaya Ando ②DMのユーザー分類の例:価値マップ 19 各自の構築した コツや経験則 DMに関する行動 を左右する価値観 DM行動の直接的 な意欲 理想行動に必要な 認知的ニーズ 現時点での 潜在ニーズ 顕在化しつつあ るニーズ
  • 21. Copyright © Masaya Ando ②DMのユーザー分類の例:因子分析 n 全回答者を対象に最尤法・プロマックス回転で 因子分析。最終的な累積寄与率は56.7%だった。 20 因子1 因子2 1. DMは、自分が知らない新しい情報に出会えると感じる .76 -.04 11. 趣味に関するDMは、自分好みの情報が得られるのが嬉しい .75 .00 5. 気にかけていた内容のDMは、読んでみたくなる .73 .09 12. DMは向こうから送られてくるので、手間なく情報収集できてよい .72 -.07 15. 受け取るのが楽しみなお店やサービスのDMがある .69 -.04 4. DMは、ネットで調べる情報とは違った情報が得られると思う .68 .08 23. DMで届いた情報でも、役立つ有益な情報は保管している .68 .03 25. 自分に役立つ発信元のDMは、媒体(紙・メール・アプリなど)が違っても意 識してチェックしている .66 .02 7. クーポンがついたDMがあると、そのお店に行ってみようという気になる .66 .03 2. 届いたDMがどんな内容かワクワクする .65 -.11 3. 行政や金融機関など生活に必要な通知物以外のDMは、ほとんどが不要なもの だ .03 .77 27. できるだけDMや通知物が届かないようにしたい .03 .76 24. 必要なものは後で検索すればいいので、DMはいちいちチェックしない .02 .75 6. 自分が欲しい情報はネットで調べれば良いので、DMはない方が良い -.02 .74 26. 行政や金融機関など生活に必要な通知物以外は、ほとんどチェックしていない .06 .73 22. DMの情報を役立てようという気持ちはない -.08 .69 10. 自分にとってお得な情報があるかもしれないが、DMはほとんど見ない -.02 .68 因子1 10問 新しい情報への 出会いの期待度 因子2 7問 DM情報の 必要性の認識 得点が高いほど 不要 との 認識 (安藤・倉田ら, 2021)
  • 22. Copyright © Masaya Ando ②DMのユーザー分類の例:2つの因子を用いた分類 n 2つの因子を用いて、因子得点の中央値で分類し 受取り手の態度を分類した。 21 DMは届かない方が良いと考えて おり、情報との出会いの期待度も 低い群 <285件> 新しい情報への出会いの期待度は 高いが、DMは届かない方が良いと 考える群 <215件> 因子1:新しい情報への出会いの期待度 H H L L ※因子2は、尺度得点が高い方が必要性の認識が低いが、便宜上配置を入れ替えた。 DMの必要性は認識しているが 情報との出会いの期待度は低い群 <215件> 新しい情報への出会いの期待度が 高くDMの必要性を認識している群 <285件> 因 子 # : ( 逆 転 ) DM & 必 要 性 & 認 識 A B C D (安藤・倉田ら, 2021)
  • 23. Copyright © Masaya Ando ②DMのユーザー分類の例:態度分類ごとの行動傾向 n 開封率は、新しい情報との出会いの期待度が 高いほど高い。 22
  • 24. Copyright © Masaya Ando ②DMのユーザー分類の例:態度分類ごとの行動傾向 n 受け取り後の行動は、とても明確に分類できる。 23 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 160.0 180.0 A群(HH) B群(HL) C群(LH) D群(LL) 商品・サービスを購⼊・利⽤した インターネットで調べた 店舗へ⾏った キャンペーンに応募した 資料請求をした 問合せをした 家族・友⼈・知⼈などとの話題にした SNSやネット上に書きこんだ 特に⾏動を起こしたことはない 態度分類ごとのDM受取り後の行動 (複数回答) 「特に行動したことはな い」の回答比率 % %
  • 25. Copyright © Masaya Ando 24 これまでの安藤の考え方 n 心理的要因は行動のバラつきを産む要因を特定し、その違い を押さえることで、評価の歪みを推定していた。 心理的要因 モチベーション 体験・ 行為 評価 SE PI モチベーションが 違えば利用行為が違う 利用行為が違えば 評価は自ずと違う 待てよ、、、 この体験をどう受け止めてい るかこそ、UX評価の重要点 ではないの?
  • 26. Copyright © Masaya Ando もう一度戻って、、、 n もしかすると、そもそもユーザーが行動をどう捉え・理解し てるかに傾向を見出せたら、ちゃんとUXが測れるかも。 25 特に問題を感じ ないし、まあ5点 あの時使いにく かったし、3か4 か。5じゃないな 最初は満足したけど、 使うと思ったのと違 うんだけど、、、 具体的な体験のケース を思い出しそれを基準 にしようとする人 多様な評価の側面を考 え、総合的に考えよう とする人 ざっくりと印象で考え ようとする人 行為をどう認識しているかに関する理論 『行為同定理論』が使えるかもしれない
  • 27. Copyright © Masaya Ando BIF尺度 (Vallacher & Wegner, 1989) n BIFは、心理学理論として は確定的でない。だが、 実験してみると製品評価 や情報探索に対して確か に差は出る。 ‒ 文化や年齢により差がある こともわかっている。 ・高:概念化(高次元)傾向 ‒ 抽象的・目的的・脱文脈的傾向 ・低:具体化(低次元)傾向 ‒ 具体的・手段的・文脈的傾向
  • 28. Copyright © Masaya Ando BIF尺度は何を測っているか? n 行為を想起するときに、どの程度文脈に依存する傾向がある かを測っているのではないか。 27 Aは私にとって (ネガティブ)なものだ 製品・サービスA の利用体験 ○○しても◇◇のような 結果・効果・感情が得られない 体験を通して ◇◇が得られる価値 特 定 の 手 段 を 含 む 特 定 の 手 段 を 含 ま な い ユーザー体験の意味の構造 今は実現できないが 希望として 経験的知識 累積的UX 利用体験 ユーザーにとっての モノの意味 ユーザーにとっての 行為の意味 体験価値 ユーザーにとっての 行為の価値 =うれしさの源 概 念 化 具体化傾向のある人が 体験を考える時の傾向 概念化傾向のある人が 体験を考える時の傾向 BIF尺度に頼らない新しい尺度も開発に着手
  • 29. Copyright © Masaya Ando これがわかると何ができるか n 人がどのように体験を想起するかが分かれば、より正確に UXを把握・測定できるようになり、デザインの判断根拠が 明確になる。 <現在取組んでいる関連研究> ‒ UXデザインにおけるコンセプトテスト法の確立 ‒ 提供後に体験の質を把握し、そのレベルを測定できるUX評価手法の 開発 ‒ 体験の質を把握することのできるインタビュー技法の開発 28
  • 30. Copyright © Masaya Ando 29 人工知能時代に 人間中心 とは何を指すのか 2 Re-HCDに関する研究
  • 31. Copyright © Masaya Ando 改めて 人間中心 が問われる時代に 30 n この3年間で、デザイン論は大きく転換しつつある。 人間中心 という言葉をめぐり 議論が展開される部分がある
  • 32. Copyright © Masaya Ando 再発明されつづける人間 n 政府は「人間中心のAI社会原則」を発表。果たして人間中心 の人工知能とはなんなのか? 新たな人間の再定義と言える。 31 デザインの中心に人間を据えた理論 は、人間が常にその中心にいるかの ような振りをしてるが、実際には人 間を再発明している 社会原則 AIの適切で積極的な社会実装の推進のために、 各ステークホルダーが留意すべき基本原則 (1)人間中心の原則 (2)教育・リテラシーの原則 (3)プライバシー確保の原則 (4)セキュリティ確保の原則 (5)公正競争確保の原則 (6)公平性、説明責任および透明 性の原則 (7)イノベーションの原則 •AI は、労働の一部の代替だけでな く、高度な道具として人間を補助 し人間の能力や創造性を拡大する •AI の利用の結果について、問題の 特性に応じて、AIの開発・提供・ 利用のステークホルダーが分担して 責任を負う •各ステークホルダーは「情報弱者」 や「技術弱者」を出さないよう使 いやすいシステムの実現に配慮する
  • 33. Copyright © Masaya Ando 多次元的な視点でのデザイン n ユーザー自身が 思い込みの罠 から脱する手助けを含んだデ ザインが、よりユーザー中心と言えるのではないだろうか。 喪失していた 本来的な意図 人工知能が果たす機能 t(0) t(x) 人工知能を活用した システムの導入 実現・機能 (低次意図) 役割・意義 (高次意図) ユーザー自身がシステムの想定する より関係性を受け入れ認識を 変遷していく過程 本来ユーザーが 果たすべき役割 このこと自体をデザインする ことが多元的なHCD 意図があることを 暗黙の前提に UXDをしている ユ ー ザ ー 自 身 が 気 づ い て い く 過 程
  • 34. Copyright © Masaya Ando 役割 と 機能 n ユーザーから見た製品やサービスには、 役割(role) と 機能(function) の2つの側面がある。 機 能 役 割 技術発展の歴史は常に役割と機能のバランスの再調整 リピート
  • 35. Copyright © Masaya Ando つくり込むUX うみ出すUX うまれるUX 道具の体験 道具による創造の体験 創造による対話の体験 役割や意味の再構築 現在のUXDの 取組み範囲
  • 37. Copyright © Masaya Ando 36 もっと うれしい 体験 を。