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UXとUXD~長期的ユーザビリティをどう作りどう測るか?

2011年9月21日 JBMIAヒューマンセンタードデザイン小委員会にて。

UXとUXD~長期的ユーザビリティをどう作りどう測るか?

  1. 1. 2011年9月21日 JBMIAヒューマンセンタードデザイン小委員会 UXとUXD ~長期的ユーザビリティをどう作りどう測るか? 千葉工業大学 デザイン科学科 Chiba Institute of Technology Department of Design 安藤 昌也 ando@sky.it-chiba.ac.jpCopyright © Masaya Ando
  2. 2. 1 UX時代の幕開けCopyright © Masaya Ando
  3. 3. 2 あれから2年・・・ 何が変わったのか? Usability UX 実利用・LTUCopyright © Masaya Ando
  4. 4. 3 前回講演のまとめ 製品の顧客満足向上の鍵となるUX評価はユーザの 利用意欲を考慮した総合的なサービス設計が大事 1. ユーザビリティ評価だけでなく実利用評価を把握し 分析することが重要。 2. 単に“使いやすさ”を実現するだけでは不十分。 ユーザの満足度の高いユーザ体験(UX)をデザイ ンすることが成功要件。 3. 満足度の高いUXをデザインするには、ユーザの “使う意欲”に着目。現状を把握し、意欲を引き出す デザインのあり方を考えることがポイント。Copyright © Masaya Ando
  5. 5. 4 インタラクティブ製品の利用意欲の2つの要因 (安藤, 2008) 製品ジャンルへの 操作することへの 興味・知識 積極性・自信 利用対象製品に対する インタラクティブ操作に対する 製品関与 自己効力感 ※自己効力感 「それぞれの課題が要求する行動の過程を、うまく 成し遂げるための能力についての個々の信念」(Bandura,1977)Copyright © Masaya Ando
  6. 6. 5 User Experience Supply Chainの構築  顧客とのコンタクトポイントで、どのように意欲を高める か。組織的にトータルにコーディネートすることが重要。 製品の購入前 使用後 広告 Web 店頭 取説 UIデザイン コンテンツ コールセンタ より関心をもって 製品関与 PI 使用前関与を高める 使い続けてもらえる サービス提供 使いやすさをよくし トラブル時も 自己効力感 自分が使えるイメージを持 SEを高める SEを下げな SE たせることが、SEをアップさ 導入時の評価を上げる い対応 せることにもつながるCopyright © Masaya Ando
  7. 7. 6 UXとUXDCopyright © Masaya Ando
  8. 8. 7 UXとユーザビリティ モノサイド ユーザサイド コンテキスト インタラクティブ 製品 相互作用 有効さ・効率 ユーザビリティ 満足度 ユーザエクスペリエンスCopyright © Masaya Ando
  9. 9. 8 様々な観点からのUX  『UX白書』によるUXを期間の観点で区切る考え方は、 様々に用いられる言葉を整理するのに役立つ。 (出所:2011年2月:User Experience White Paper,日本語訳はhcdvaluによる)Copyright © Masaya Ando
  10. 10. 9 UXからUXDへ  UXへの理解を深めるとは重要だが、その知見をUXデ ザインに応用することは十分できていない。 UX UXD ユーザが何をどう感じるか? 結果としてユーザを喜ばせるための 心理構造の解明 デザインの考え方・方法・組織論 UXDはインダストリアルデザイン 体験を量産・再生産できる仕組みをつくることが課題Copyright © Masaya Ando
  11. 11. 10 ユーザー体験のプロセスモデル (安藤, 2011) 動機・期待 行動 結果評価 経験の蓄積 利用行動の 結 ( 自 5つの態 果 己 へ 使モ 効  所有 の うノ 力利 反 智の 感用  目標 応 恵理 ・ 意 製 ・ 評 の解 品欲  探索 価 蓄・ 意 関 積味 与  観望 ・ 解 ) 釈  遭遇 プロセスより意味からのフィードバックの方が重要Copyright © Masaya Ando
  12. 12. 11 メンタルモデルの精緻化プロセスとしてのUX  UXは実利用環境にある。生活における意味の中で、理 解=メンタルモデルを精緻化するプロセスと捉えてみる。 生活における 意味 強化 調整 意欲 理解 意欲 理解 意欲 理解 意欲 時間の 流れ 利用 利用 利用 利用 エピソード エピソード エピソード エピソード このモデルで考えると目指すべきUXとは何だろう?Copyright © Masaya Ando
  13. 13. 12 UXとUXD  現在はエピソード的UXの積み上げでデザインされるが、 本来は意味的UXのレベルを含む全体を検討すべき。 長期に渡る製品との関わりに着目した • 商品としての意味 意味的(累積的)UXのデザイン • 生活におけるモノの意味・価値 一定期間の製品との関わりに着目した • 文脈における利用 エピソード的UXのデザイン • 利用のパターン、ユースケース 製品との瞬間的な関わりに着目した • 操作感・利用感・受け答え • わかりやすさ、理解しやすさ 瞬間的UXのデザイン • デザインの美しさCopyright © Masaya Ando
  14. 14. 13 事務機器とUXCopyright © Masaya Ando
  15. 15. 14 コピー機を例に  大学時代の先輩Uさんは、コピーを取りに行くと必ず、 出力される紙のサイズがバラバラ。。。Copyright © Masaya Ando
  16. 16. 15 コピー機の謎  普段使うコピー機も、細かい話を抜きにしても素直に見 直すと謎が多い。  なぜ、左上にピッタリ合わせないといけないのか?  なぜ、印刷面をひっくり返すのか?  なぜ、いつも「デタトコ勝負」にならざるをえないのか?  「節電」って何?  ・・・ 処理法を予め教え込んで、処理してもらうもの 機械にお願いするタイプの体験 知識や正しいメンタルモデルがないと難しいCopyright © Masaya Ando
  17. 17. 16 事務機器のあり方とUX  事務機器は、コンシューマ向け機器とは所有の形態が 異なる。個人的な思い入れが少ない分、より正確なメン タルモデルを形成・調整していく過程が大事ではないか。 生活における 意味 強化 調整 意欲 理解 意欲 理解 意欲 理解 意欲 時間の 流れ 利用 利用 利用 利用 エピソード エピソード エピソード エピソード 頻繁に使い込まない機器だからこそ、体験により メンタルモデルを正しく調整することが大事ではないかCopyright © Masaya Ando
  18. 18. 17 例えば思いつきで・・・  メンタルモデルを利用することによって、徐々に調整す るようなUIがあるとすると、例えばどんなものが考えら れるだろうか。  結果を先に示して理解を促すメニューを提供する • 「冊子みたいにしたい」、「ホチキス止めにしたい」などから選ばせ、機 能を理解させる手がかりにする  ハードボタンにちょっと高度な機能が割り当てられている • ボタンを見るとできることが分かる⇒メンタルモデルの手がかり  印刷結果から、ユーザーが求める方法に導く手がかりで誘導 する • 結果的に求める機能を学ぶCopyright © Masaya Ando
  19. 19. 18 UXとしての長期的ユーザビリティをどう測るか  本当に、長期の利用状況を経時的に測り続ける必要が あるのだろうか?  目指すべき目標や指標がなければ、ただ長期にデータを収 集する意味はない。 • 基礎研究としてデータを集めることは意味のあること。しかし、そ れも仮説的な指標がないとデータが膨大で分析しきれない可能 性が高い。 • 長期的利用を想定したユーザビリティテストで行う、テスト条件や タスクの状況設定の収集という意味では、意味や有効性は高い。Copyright © Masaya Ando
  20. 20. 19 “遠投”としてのLTUと測定イメージ  ボールを遠くに投げるアナロジー。最初の短期間でメン タルモデルがどのように変化したか、その変化の正確さ と満足度、それに伴う行為の正しさ、効率などで長期の 評価を推定可能ではないか? V0 Θ° T 最初の変化が、後の変化を決めるCopyright © Masaya Ando
  21. 21. 20 最初の変化でLTUを推定するイメージ  測定法のアイディア(想定): 1. ユーザビリティテストを実施する前のメンタルモデル • 各操作の操作手順や課題分割の正確さの程度 等 2. ユーザビリティテストの実施と成果 • 通常通り、ユーザビリティテストを実施する • ここでテストすべき利用状況が、長期・実利用であり得る状況だといい のかもしれない (例:上司に急いでコピーしろと言われた) 3. ユーザビリティテストを実施した後のメンタルモデル • 直後の変化を計測する • テストの実績と関連性をチェック 4. 数週間後に改めてメンタルモデルを測定する • ビジネス機器のように、必要以外はあまり意識が及ばない状況を想定 し、時間をおいて再度対象機器のメンタルモデルを測定するCopyright © Masaya Ando
  22. 22. 21 問題点  前述の方法は“メンタルモデルの精緻化”という観点か らLTUを捉えた場合の測定法のアイディアであり、以下 のように越えなければならないハードルは多い。 – メンタルモデルを、どのように測定するのが妥当なのか • 単なる知識問題とするのではなく、様々な状況に応用可能な(推測可 能な)モデルがどの程度構築されているかを調べる必要がある。ただし、 その方法と妥当性を検討する必要がある。 – 実際の利用状況(Context)をいかに考慮するか • 実利用環境をどこまで、どのように考慮可能なのか。物理的な(設置場 所等)影響、タスクの状況などは、どう考えればよいか。 • ユーザビリティテストでの状況に盛り込むことに意味や効果はあるのか。 長期を推定することになるのか、妥当性を検討する必要がある。Copyright © Masaya Ando
  23. 23. 22 まとめ UXを“メンタルモデル精緻化プロセス”ととらえて事務機器 におけるUXとUXD及びその測定法について議論した 1. UXにはいまだ定まった定義がないが、UXを製品づ くりの目標とすることは産業界共通の課題。 2. UXを理解と意欲と利用の連鎖と捉える時、理解の 時間的過程はメンタルモデルの精緻化だと考えら れる。事務機器の特徴を考慮すると、事務機器のU Xは、メンタルモデルの精緻化がいかにスムーズに 行えるか、と考えることはできないだろうか。 3. 長期に渡るUXないしLTUを測定する方法はいまだ ない。今後研究と検討を進めていく必要がある。Copyright © Masaya Ando

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