身内への説明のために書きました

1. ブロックチェーン技術及びビットコイン(仮想通貨)について
蚊取り線香

2. ブロックチェーン技術について
 金融機関等の中央集権型システムと違い、P2Pによる分散型ネットワーク(ブロックチェーン)により機能している。
 ブロックチェーンとは、過去から現在までの全ての取引履歴が記録された鎖のようなものである。
 新しく取引が発生すると、ブロックチェーンに新規ブロックが生成される。
 中央集権型システムと違い、拠点システムが存在しないため取引データ消失や悪意を持った第三者によるデータ改ざんが発生
しにくい。
 また運営コストも発生しないため手数料が発生せず、利用者の負担を軽減できる。
 拠点システムが存在しないのでサーバーのダウンに伴う障害が存在せず、安定性が非常に高い。
画像出典: 経産省 「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査報告書」
http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160428003/20160428003-1.pdf

3. ビットコインとブロックチェーンの関連について
 2009年に開発され、リーマンショックに揺れている世界が各金融機関や各国通貨への信頼を失う中、前述した安定性とセ
キュリティに注目されてブロックチェーンシステムへの信頼が高まり普及していった。
 日本円や米ドルなどの法定通貨は中央銀行や国が、クレジットカードやその他決済サービスは金融機関が責任者となっている
が、ビットコインに責任者は存在しない。
 ビットコインが取引されるたびに、世界中に広がるブロックチェーンに取引情報が書き込まれていく。
 ブロックチェーンは誰でも閲覧できるので、どのアドレスからどのアドレスにいくら送金されたか確認することができる。
 この取引の可視化によって流通通貨量の偽造、二重の支払いを防ぐことが出来る。

4. ビットコインのマイニング(採掘)
 まずビットコインを取引するときは、「アドレスAからアドレスBにxBTCを送金する」という取引情報を、ブロックチェーンネットワークを構成しているマイナーノード
(マイニングをしている人たち)へ送信する。
 マイナーは受け取った取引情報をブロックにまとめ、新たなブロックとしてブロックチェーンの末尾に追加する。
 ブロックチェーンに追加するためには、金額のズレなどを防ぐためにハッシュ値を計算してデータ整合性をチェックする必要があり、一番最初にハッシュ値を解
読できたマイナーがブロックを追加し、その計算報酬として一定のビットコインが支払われる。
 すべてのビットコインはマイナーへの報酬として支払われたものだけが流通している。
 ハッシュの計算は、前のブロックのハッシュ値、ナンスと呼ばれる32bitの任意のパラメーター、取引情報が含まれていて、その3つのパラメーターをハッシュ関数
に入力して計算する。
 ハッシュ値には先頭16桁が0でなければならないなど一定のルールがあり、そのルールを満たすハッシュ値を導き出すためにナンスを幾度も変更して計算する。
 ナンスの変更を幾度も繰り返し、ルールに適合するハッシュ値を計算できたマイナーがブロックを追加できる。
 以上の流れを総括してマイニング(採掘)と呼ぶ。

5. ハッシュの役割とビットコインの改ざん防止
 まずビットコイン(ブロックチェーン)の改ざん、不正の防止はハッシュから成り立っている。
 ハッシュの特徴は出力値から入力値を逆算出来ないことである。一般的な関数は出力と計算した方法から簡単に入力値を求
められる。
 これではデータの漏洩や外部からの改ざんに対して脆弱なため、一般の関数は取引システムの管理には利用できない。
 ハッシュ値を計算するときに、前のブロックのハッシュ値も利用しているため、不正な取引の整合性を合わせようとするとそのハッ
シュ値も計算して改ざんしなければならず、またその取引以降に行われる他人の取引に使われるハッシュ値も全て変更する必
要があるため非現実的な計算能力が要求される。
これにより技術的にだけでなく、経済的にも改ざんを困難にしている。
 ハッシュの計算は数分で完了するよう難易度が調整されており、送金者は取引情報をマイナーに送信してその整合性がマイ
ナーにより確認され、ブロックチェーンに追加されるまで待たなければならない。

6. ブロックチェーンへの攻撃やブロックの競合
 攻撃者によって過去の取引情報が改ざんされたり、複数のマイナーが同時に計算を終了し、同時にブロックを追加しようとすると
ブロックチェーンが分岐する場合がある。この問題は、「最も長いチェーンを信用する」というルールで解決される。
 攻撃者が過去の履歴を書き換えても、その履歴が信頼されるためには書き換えられたチェーンが他のチェーンより長くならなけれ
ばならないが、チェーンすべてを書き換えてブロックを追加するにはP2Pネットワーク上の半分以上の計算リソースが必要になる。
 ビットコインに参加しているノード(マイナー)が多ければ多いほど計算リソースが必要になるため、現実的には改ざんが不可能に
なっている。ビットコインはこれを利用して堅牢性を保っている。
これをプルーフ・オブ・ワークと呼ぶ。
 同時にブロックを追加しようとした場合は、P2Pネットワーク上の各マイナーはどちらかのチェーンを選択してマイニングし、さらに新
しいブロックがどちらかのチェーンに追加された時点で「最も長いチェーンを信用する」という原則に基づき片方のチェーンは破棄さ
れる。