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はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
図書館情報学教育に関する考察
今井 福司
白百合女子大学文学部共通科目
2015 年 3 月 26 日
1 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
本スライドについて注意点
公開シンポジウム「図書館情報学と専門職養
成」の発表で使用したものです。
あくまで個人の立場として発言したもので,
所属機関の意見を代表するスライドではあり
ません。
第 2 部「本務先の状況」はカットしています。
第 4 部「ディスカッションのために」はあく
までも「想定意見」に基づいて述べており,
「論点への回答」は今井個人および所属機関
の意見とは異なりますので,ご了承下さい。
2 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
1 はじめに
ディスカッションでの論点
本発表の位置づけ
司書課程の開講大学数
2 本務先の状況
3 将来像を考える上での問題
LIPER 報告書での提言について
その他の問題
4 ディスカッションのために
仮想意見による立論
不要であるという前提に基づいた論点への
言及
3 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
論点設定について
今回は時間も限られているため,発表者に事
前に論点を提示して,それに答えられる材料
を提示してもらうようにした。
基本的には,論点に沿ってディスカッション
を行いたいと思うが,フロアから新たな論点
を提示してもらっても構わないと考えて
いる。
4 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
ディスカッションでの論点
1 司書,情報専門職は必要か。
2 教育と研究の立ち位置,バランスについて
3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学
5 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
ディスカッションでの論点
1 司書,情報専門職は必要か。
もし必要であるなら,求められるスキル,知識
とは。現在の図書館情報学で教育できる体制は
あるのか。
もし不要なら,図書館情報学という学問の存在
意義は何か。情報学の一分野として残れば良い
のか。
2 教育と研究の立ち位置,バランスについて
3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学
司書・情報専門職が必要であれば,これらのキャ
リア設計について
不要であるなら,何を教育の場で扱い,何を扱
わなくても良いと考えるのか。
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はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
本発表の位置づけ
ディスカッションのための材料提供を目的と
する。
司書課程そのものの活動よりも,将来像を考え
る上で考慮しておくべき要素を提示したい。
その上で,敢えて司書,司書教育は不要である
との「想定意見」を提示したい。
司書課程そのものの活動報告はディスカッ
ション部分で必要に応じて提示したい。
7 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
司書課程の開講大学数
司書講習開催大学 12 校
司書養成科目開講大学 218 校
図書館情報学専門課程(学部 11,大学院 6)
参考:教育職員免許状(第一種中学国語)は
294 大学 1
参考:保育士は 601 大学 2
1
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/
detail/__icsFiles/afieldfile/2015/02/24/1287055_1_1.pdf
2
http:
//www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku_youseikou.pdf
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はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
研究者の受け入れ枠としての司書課程
司書課程には原則として 2 名の専任教員を配
置することが求められている。
図書館情報学の研究者の概算に使える?
ただし,大学で 2 名共に図書館情報学の研究者
というパターンもあれば,1 名が研究者,1 名が
図書館 OB,OG というパターンもある。
また,司書課程所属でなくても図書館情報学
の研究をされているパターンもある。
いずれにせよ,大学における図書館情報学教員
の受け皿として機能している。
9 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
1 はじめに
ディスカッションでの論点
本発表の位置づけ
司書課程の開講大学数
2 本務先の状況
3 将来像を考える上での問題
LIPER 報告書での提言について
その他の問題
4 ディスカッションのために
仮想意見による立論
不要であるという前提に基づいた論点への
言及
10 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
1 はじめに
ディスカッションでの論点
本発表の位置づけ
司書課程の開講大学数
2 本務先の状況
3 将来像を考える上での問題
LIPER 報告書での提言について
その他の問題
4 ディスカッションのために
仮想意見による立論
不要であるという前提に基づいた論点への
言及
14 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
LIPER報告書での提言について(1)
教員はそこ(※注:国家資格かつ学生募
集の手段とされやすい)に問題があるこ
とを意識しながらも職務上の教育活動に
従事することを最優先にする。一方,図
書館の現場関係者も養成体制に問題があ
ることを感じながらも,大学教育は大学
関係者の領分なので口を出すことにため
らいがあり,批判を自粛してしまう 5
。
5
『情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育の再構築に関する総
合的研究』 2006, p. 3
15 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
LIPER報告書での提言について(2)
長期的には大学院での専門職養成教育の
確立を目標にするが,そこに至るまでの
短期的,中期的な戦略として,現行の法
的枠組みのなかで可能な改革を提案し,
それが実を挙げた段階で次の改革に結び
つくようなものにする 6
。
6
『情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育の再構築に関する総
合的研究』 2006, p. 3
16 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
LIPER報告書での提言について(3)
17 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
LIPER報告書での提言について(4)
18 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
LIPER報告書での提言について(5)
司書課程においては,コア領域を中心に
学ぶものとし,大学院修士課程ではコア
領域の科目に加えて個別情報領域を選択
的に学び,さらに三つの情報専門職領域
のいずれかを学ぶことになる。
19 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
2018年問題
18 歳人口の減少に伴う,各大学の志願者数な
らびに入学者数の減少。
志願者数の急減に対応しきれない大学が出て
くる恐れ。
司書課程 218 校がそのまま残れるのか。
20 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
研究の水準の問題
テニュア獲得後の研究発表ペースの減少。
隣接分野との競合,研究水準の競争で耐えら
れる足腰があるのか。
21 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
教育内容の問題
LIPER 報告書では教員は教育熱心であるとの
指摘。
その一方で,図書館情報学内部での FD 機会
の少なさ
そもそも何を教えるべきなのか,そして教え
るだけの準備が教育者側にあるのか(実務教
育とは言われるが…)。
22 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
出口戦略の問題
司書免許の発行・認定を主とする課程である
べきか
図書館関連業界への入り口としての教育を行
うべきか
それとも司書とは異なる「情報専門職」を養
成するという立場なのか
23 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
1 はじめに
ディスカッションでの論点
本発表の位置づけ
司書課程の開講大学数
2 本務先の状況
3 将来像を考える上での問題
LIPER 報告書での提言について
その他の問題
4 ディスカッションのために
仮想意見による立論
不要であるという前提に基づいた論点への
言及
24 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
論点に対する提案(仮定として)
今回のパネリストからは,司書・情報専門職
が不要であるという議論は出てきにくい。
そこで敢えて,司書・情報専門職およびその
教育が不要であるという立場に立って展開し
たい。
あくまで「想定意見」であり,今井自身の意
見とは異なるので,留意されたい。
25 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
司書資格が不要である理由
図書館に特化した資格として司書資格を考え
ると…
年間 1 万人が取得しながら,図書館への就職
条件としては(ほぼ)機能していない。
国家資格でありながら,更新が行われないた
め,必要な知識を保証する仕組みとしては機
能していない。
試験による認定が行われないため,大学ごと
に養成の質に差が出ている。
また現職者にとっても改めて取得するモチ
ベーションは高くない。
26 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
司書資格教育が不要である理由
教育内容の問題
演習と現状がかけ離れている。
扱われる理論が学問の最新を反映しているか。
人材の問題
非常勤講師や専任教員を雇うにはそれ相応の理
由が必要である。
図書館情報学の教員よりも,例えば歴史学や経
済学を専門とする研究者で,図書館を研究対象
とする研究者の方が使い勝手がよい?
27 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
情報専門職が不要である理由
雇用の受け皿として
そもそも新しい職種を作ったところで雇用の受
け皿はあるのか。
存在意義について
既存の職種と何が異なるのか,名前だけを差し
替えただけではないのか。
28 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
情報専門職教育が不要である理由
資格として
既に ICT 系の資格は多数出されており,それに
応じた資格試験講座は開かれており,改めて教
育する必要性が薄い。
教育として
大学院での教育を前提とできなければ,分野ご
との専門性を前提にした専門職は教えにくい。
29 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
論点再掲
1 司書,情報専門職は必要か。
2 教育と研究の立ち位置,バランスについて
3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学
30 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
論点への回答
1 司書,情報専門職は必要か。
図書館に特化した,司書,情報専門職は不要で
ある。図書館情報学という学問分野自体が成立
するかどうかが危ない。むしろ他分野の人を多
く巻き込んで,対象としての図書館を残すべき
ではないか。
2 教育と研究の立ち位置,バランスについて
3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学
例えば,歴史学や経済学の対象としての図書館
が残れば良いのでは。
31 / 32
はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために
発表は以上です。
32 / 32

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図書館情報学教育に関する考察

  • 1. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 図書館情報学教育に関する考察 今井 福司 白百合女子大学文学部共通科目 2015 年 3 月 26 日 1 / 32
  • 2. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 本スライドについて注意点 公開シンポジウム「図書館情報学と専門職養 成」の発表で使用したものです。 あくまで個人の立場として発言したもので, 所属機関の意見を代表するスライドではあり ません。 第 2 部「本務先の状況」はカットしています。 第 4 部「ディスカッションのために」はあく までも「想定意見」に基づいて述べており, 「論点への回答」は今井個人および所属機関 の意見とは異なりますので,ご了承下さい。 2 / 32
  • 3. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 1 はじめに ディスカッションでの論点 本発表の位置づけ 司書課程の開講大学数 2 本務先の状況 3 将来像を考える上での問題 LIPER 報告書での提言について その他の問題 4 ディスカッションのために 仮想意見による立論 不要であるという前提に基づいた論点への 言及 3 / 32
  • 4. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 論点設定について 今回は時間も限られているため,発表者に事 前に論点を提示して,それに答えられる材料 を提示してもらうようにした。 基本的には,論点に沿ってディスカッション を行いたいと思うが,フロアから新たな論点 を提示してもらっても構わないと考えて いる。 4 / 32
  • 5. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために ディスカッションでの論点 1 司書,情報専門職は必要か。 2 教育と研究の立ち位置,バランスについて 3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学 5 / 32
  • 6. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために ディスカッションでの論点 1 司書,情報専門職は必要か。 もし必要であるなら,求められるスキル,知識 とは。現在の図書館情報学で教育できる体制は あるのか。 もし不要なら,図書館情報学という学問の存在 意義は何か。情報学の一分野として残れば良い のか。 2 教育と研究の立ち位置,バランスについて 3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学 司書・情報専門職が必要であれば,これらのキャ リア設計について 不要であるなら,何を教育の場で扱い,何を扱 わなくても良いと考えるのか。 6 / 32
  • 7. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 本発表の位置づけ ディスカッションのための材料提供を目的と する。 司書課程そのものの活動よりも,将来像を考え る上で考慮しておくべき要素を提示したい。 その上で,敢えて司書,司書教育は不要である との「想定意見」を提示したい。 司書課程そのものの活動報告はディスカッ ション部分で必要に応じて提示したい。 7 / 32
  • 8. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 司書課程の開講大学数 司書講習開催大学 12 校 司書養成科目開講大学 218 校 図書館情報学専門課程(学部 11,大学院 6) 参考:教育職員免許状(第一種中学国語)は 294 大学 1 参考:保育士は 601 大学 2 1 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/ detail/__icsFiles/afieldfile/2015/02/24/1287055_1_1.pdf 2 http: //www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku_youseikou.pdf 8 / 32
  • 9. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 研究者の受け入れ枠としての司書課程 司書課程には原則として 2 名の専任教員を配 置することが求められている。 図書館情報学の研究者の概算に使える? ただし,大学で 2 名共に図書館情報学の研究者 というパターンもあれば,1 名が研究者,1 名が 図書館 OB,OG というパターンもある。 また,司書課程所属でなくても図書館情報学 の研究をされているパターンもある。 いずれにせよ,大学における図書館情報学教員 の受け皿として機能している。 9 / 32
  • 10. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 1 はじめに ディスカッションでの論点 本発表の位置づけ 司書課程の開講大学数 2 本務先の状況 3 将来像を考える上での問題 LIPER 報告書での提言について その他の問題 4 ディスカッションのために 仮想意見による立論 不要であるという前提に基づいた論点への 言及 10 / 32
  • 11. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 1 はじめに ディスカッションでの論点 本発表の位置づけ 司書課程の開講大学数 2 本務先の状況 3 将来像を考える上での問題 LIPER 報告書での提言について その他の問題 4 ディスカッションのために 仮想意見による立論 不要であるという前提に基づいた論点への 言及 14 / 32
  • 12. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために LIPER報告書での提言について(1) 教員はそこ(※注:国家資格かつ学生募 集の手段とされやすい)に問題があるこ とを意識しながらも職務上の教育活動に 従事することを最優先にする。一方,図 書館の現場関係者も養成体制に問題があ ることを感じながらも,大学教育は大学 関係者の領分なので口を出すことにため らいがあり,批判を自粛してしまう 5 。 5 『情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育の再構築に関する総 合的研究』 2006, p. 3 15 / 32
  • 13. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために LIPER報告書での提言について(2) 長期的には大学院での専門職養成教育の 確立を目標にするが,そこに至るまでの 短期的,中期的な戦略として,現行の法 的枠組みのなかで可能な改革を提案し, それが実を挙げた段階で次の改革に結び つくようなものにする 6 。 6 『情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育の再構築に関する総 合的研究』 2006, p. 3 16 / 32
  • 14. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために LIPER報告書での提言について(3) 17 / 32
  • 15. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために LIPER報告書での提言について(4) 18 / 32
  • 16. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために LIPER報告書での提言について(5) 司書課程においては,コア領域を中心に 学ぶものとし,大学院修士課程ではコア 領域の科目に加えて個別情報領域を選択 的に学び,さらに三つの情報専門職領域 のいずれかを学ぶことになる。 19 / 32
  • 17. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 2018年問題 18 歳人口の減少に伴う,各大学の志願者数な らびに入学者数の減少。 志願者数の急減に対応しきれない大学が出て くる恐れ。 司書課程 218 校がそのまま残れるのか。 20 / 32
  • 18. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 研究の水準の問題 テニュア獲得後の研究発表ペースの減少。 隣接分野との競合,研究水準の競争で耐えら れる足腰があるのか。 21 / 32
  • 19. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 教育内容の問題 LIPER 報告書では教員は教育熱心であるとの 指摘。 その一方で,図書館情報学内部での FD 機会 の少なさ そもそも何を教えるべきなのか,そして教え るだけの準備が教育者側にあるのか(実務教 育とは言われるが…)。 22 / 32
  • 20. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 出口戦略の問題 司書免許の発行・認定を主とする課程である べきか 図書館関連業界への入り口としての教育を行 うべきか それとも司書とは異なる「情報専門職」を養 成するという立場なのか 23 / 32
  • 21. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 1 はじめに ディスカッションでの論点 本発表の位置づけ 司書課程の開講大学数 2 本務先の状況 3 将来像を考える上での問題 LIPER 報告書での提言について その他の問題 4 ディスカッションのために 仮想意見による立論 不要であるという前提に基づいた論点への 言及 24 / 32
  • 22. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 論点に対する提案(仮定として) 今回のパネリストからは,司書・情報専門職 が不要であるという議論は出てきにくい。 そこで敢えて,司書・情報専門職およびその 教育が不要であるという立場に立って展開し たい。 あくまで「想定意見」であり,今井自身の意 見とは異なるので,留意されたい。 25 / 32
  • 23. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 司書資格が不要である理由 図書館に特化した資格として司書資格を考え ると… 年間 1 万人が取得しながら,図書館への就職 条件としては(ほぼ)機能していない。 国家資格でありながら,更新が行われないた め,必要な知識を保証する仕組みとしては機 能していない。 試験による認定が行われないため,大学ごと に養成の質に差が出ている。 また現職者にとっても改めて取得するモチ ベーションは高くない。 26 / 32
  • 24. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 司書資格教育が不要である理由 教育内容の問題 演習と現状がかけ離れている。 扱われる理論が学問の最新を反映しているか。 人材の問題 非常勤講師や専任教員を雇うにはそれ相応の理 由が必要である。 図書館情報学の教員よりも,例えば歴史学や経 済学を専門とする研究者で,図書館を研究対象 とする研究者の方が使い勝手がよい? 27 / 32
  • 25. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 情報専門職が不要である理由 雇用の受け皿として そもそも新しい職種を作ったところで雇用の受 け皿はあるのか。 存在意義について 既存の職種と何が異なるのか,名前だけを差し 替えただけではないのか。 28 / 32
  • 26. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 情報専門職教育が不要である理由 資格として 既に ICT 系の資格は多数出されており,それに 応じた資格試験講座は開かれており,改めて教 育する必要性が薄い。 教育として 大学院での教育を前提とできなければ,分野ご との専門性を前提にした専門職は教えにくい。 29 / 32
  • 27. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 論点再掲 1 司書,情報専門職は必要か。 2 教育と研究の立ち位置,バランスについて 3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学 30 / 32
  • 28. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 論点への回答 1 司書,情報専門職は必要か。 図書館に特化した,司書,情報専門職は不要で ある。図書館情報学という学問分野自体が成立 するかどうかが危ない。むしろ他分野の人を多 く巻き込んで,対象としての図書館を残すべき ではないか。 2 教育と研究の立ち位置,バランスについて 3 受講生のキャリア設計としての図書館情報学 例えば,歴史学や経済学の対象としての図書館 が残れば良いのでは。 31 / 32
  • 29. はじめに 本務先の状況 将来像を考える上での問題 ディスカッションのために 発表は以上です。 32 / 32