SlideShare ist ein Scribd-Unternehmen logo
1 von 24
2012年12月9日(日)国際安全保障学会・安全保障の新視座分科会




    投票行為としてのサイバーテロリズム
    ∼液状化民主主義とハクティビズムの交錯点と特異点を考察する
     Cyber Terrorism as the suffrage




                                       大阪大学大学院国際公共政策学科招聘研究員

                                                前田 邦宏
                                                kunihiro.maeda@mac.com
12年12月9日日曜日
表題 投票行為としてのサイバーテロ の引用元「テロの経済学」

                 自爆テロは路上犯罪より投票行動に似ている。  


                プリンストン大学のアラン・P・クルーガー教授は
                自著「テロの経済学」の中で、<テロは、犯罪行動
                よりもむしろ投票行動に似ている。>と言及してい
                る。この論説の意図は、貧困や不十分な教育がテロ
                リズムを引き起すという考えが、現実とは違った通
                念であること。

                また、そういった誤った単純過ぎる偏見は、政治家
                に、テロ対策の見返りとして、貧困対策や教育環境
                改善のための経済援助をするという、テロの本質を
                捉えていない発言や政策、そして間違った効果を生
                む危険性があることを懸念している。

                アラン・P・クルーガーは、現在、バラク・オバマ
                大統領の大統領経済諮問委員会の委員長である。



12年12月9日日曜日
テロリストとサイバー・テロリストの曖昧な境界線を理解する
   現代のテロリストは、資金源や運営母体が分散化し、垂直的組織から水平的な緩やかなネ
   ットワークへ移行し、更には現実の共同体とも断ち切れた<個的化>が進んでいる。


   これらのテロリストの個的化は、サイバー空間と相性が良く、フランスの中東専門家オリ
   ビエ・ロイ教授によると、イスラム過激派は、イスラム圏でなく、西洋で生まれ育った二
   世アラブ人のアイデンティティ危機(人種差別等)がきっかけで敬 なジハーディストが
   誕生し、仮想空間でネットワーク化すると分析している。現状、イスラム過激派による大
   規模なサイバーテロ攻撃の可能性は低いという分析が多いが、人種を問わず、孤立し、ア
   イデンティティを喪失した若者が単なる嫌がらせから、突如現実世界における大規模テロ
   を起こす可能性は高まってくるだろう。

   The Allure of Terrorism by Olivier Roy
   http://www.nytimes.com/2010/01/11/opinion/11iht-edroy.html?_r=0

   また、サイバーテロはIT技術の進化と連動しているために、より安価で安易に実行可能
   で、かつ高度化している。もし被害規模が核テロに相当する政治的脅迫が日常化した場
   合、攻撃者はもはや過激派テロリストでなく、政治的効果を性急に求める過激な、独りの
   <投票者>になってしまう可能性がある。


12年12月9日日曜日
海賊党に見る民意のサイバー化(液体民主主義)
                                                              スウェーデンが発祥の海賊党は、元々
                                                              P2Pによるコンテンツ複製を旧媒体で
                                                              認められた範囲で認めるよう要求する
                                                              など政治色は薄かったが、その後「政
                                                              府の透明性」「情報プライバシーにお
                                                              ける公民権」「著作権や特許の法改
                                                              正」を公約として、欧州議会選挙で2
                                                              議席を獲得。2012年ドイツ国内の海
                                                              賊党の支持率が13%、第3党まで上
                                                              昇。スイスでは初めて地方自治体の首
                                                              長も誕生した。彼らは、インターネッ
                                                              ト的なスピード感のある民意反映を実
                                                              現する<液体民主主義>を標榜し、そ
                                                              のプラットフォームづくりを行ってい
                                                              る。


   http://www.amazon.com/No-Safe-Harbor-United-States/dp/1468033999


12年12月9日日曜日
ワシントン的思考では、理解しにくいハッカー文化の政治思想化
                   今のところ、アノニマスやウィキリーク
                   ス、海賊党は、もともと西海岸のカウンタ
                   ーカルチャーやシリコンバレーの起業風土
                   を元にした、古き良きハッカー文化を、現
                   実社会に持ち込もうという精神から始まっ
                   ており、自分たちから社会インフラを先制
                   攻撃したり、不法な収奪行為を行っていな
                   い(一部は法的問題が問われる行為はある
                   が、自分たちの利益よりメッセージ性が強
                   い)。

                   しかしながら、こういった思想は、詰まる
                   所、自分たちの意志反映がこれまでの民主
                   的投票や代議制では実現が難しく、それが
                   世代間のギャップによって、コミュニケー
                   ションが断絶した瞬間、彼らの一部が過激
                   化する可能性は否定できない。



12年12月9日日曜日
サイバー攻撃は高度化/多様化し、急激に政治化する傾向にある




12年12月9日日曜日
ハッカーからクラッカー。ハクティヴィズムから その先へ




12年12月9日日曜日
サイバー9.11は起こるのか?ワシントン的見解は過剰反応?
                                                            米国防長官レオン E. パネッタは、再三、
                                                            「サイバー真珠湾」攻撃の可能性をメディ
                                                            アで警告し、公共性の高い企業への警告や
                                                            協力の要請をしている。また、米サイバー
                                                            軍司令官/国家安全保障局のキース・アレ
                                                            キサンダーも「アノニマスは、あと1-2年も
                                                            すれば、サイバー攻撃によって限定的なが
                                                            らも電力供給を遮断できる能力を手に入れ
                                                            る危険がある」と発言。ワシントンは表向
                                                            き強い警戒と臨戦態勢を表明している。し
                                                            かしながら、彼が事例として挙げた石油会
                                                            社やウォール街の金融システムへのサイバ
                                                            ー攻撃は果たして9.11や真珠湾攻撃と並べ
                                                            て、例えるべきものだろうか?(日本も急遽予
                                                            行演習を始めたインフラへのサイバー攻撃は、一体誰が
                                                            利する攻撃手段なのかを想定出来た上での訓練なの
                                                            か?)

   http://www.nytimes.com/2012/10/12/world/panetta-warns-of-dire-
   threat-of-cyberattack.html?_r=0

12年12月9日日曜日
ハリウッド的サイバーテロ警告映画「DieHard 4.0」
                    公共インフラのサイバー攻撃に現実感を与え
                    た映画の代表例の一つは、『ダイ・ハード
                    4.0』だろう。政府機関・公益企業・金融機
                    関への侵入コードを入手したテロリストが信
                    号機を自在にコントロールするところから始
                    まり、電力網を停止し、防衛システムまでを
                    掌握する。劇中「デジタル時代の鳩時計」と
                    呼ばれる主人公ブルース・ウィルスがいつも
                    通りの成り行きで、たまたま犯罪に加担して
                    しまったハッカーと協力して敵と闘う。


                    この映画の中にある虚実は、ワシントンとシ
                    リコンバレーの文化の違いを象徴しているよ
                    うに思われる。例えば、サイバーテロの技術
                    的な裏打ちがある程度あるにも関わらず、政
                    治的な意図に触れる事がないエンターテイメ
                    ント的シナリオとなっている点である。


12年12月9日日曜日
ワシントン的サイバーテロ警告TV番組「24 シーズンVII」

                   米国の人気TVドラマ番組「24」のシリーズ
                   7作目は、元CTU(テロ対策ユニット)捜
                   査官ジャック・バウアーが主人公のドラマ。
                   ストーリーは、全米の通信網、交通網など
                   の重要なシステムを操作できるCIPファイア
                   ウォールモジュールを開発した技術者が路上
                   で誘拐されるところから始まる。


                   テロの首謀者である某西アフリカの大佐
                   は、 航空管制システムをコントロールして
                   旅客機事故を起こすなどして、自国への米軍
                   の介入阻止を要求する。断固としてテロに
                   屈しない大統領だが、その裏には私腹を肥
                   やすためテロリスト側に協力するホワイト
                   ハウスやFBI内にも張り巡らされた陰謀組織
                   の存在が浮かび上がってくる。



12年12月9日日曜日
想定外のサイバーテロリスト像について考える   (映画「ピースメーカー」)

                    ロシアから解体予定の核弾頭10発が
                    盗み出され、そのうちの1発がテロと
                    装い爆発。米国政府は、核兵器の専
                    門家のケリー博士(ニコール・キッ
                    ドマン)と統合参謀本部のデヴォー
                    中佐(ジョージ・クルーニー)に捜査
                    を託す。犯人は、金目当てのロシアの
                    将軍をそそのかした、ボスニアの外
                    交官でピアニストのデューサンであ
                    り、彼は、ユーゴ紛争で故郷の崩壊
                    とそれを助長した国際社会への怒り
                    から復讐を企てたのだった。 ピース
                    メーカーは「Peace Keeper」を平
                    和を気取る偽善者と皮肉った題名。
                    妻子を紛争で失った善人を犯人とし
                    たのは、女性監督らしい演出と言え
                    る。


12年12月9日日曜日
映画「Unthinkable」における<個的>テロリスト
                     映画「Unthinkable(邦題:4デイズ)」は、
                     元デルタフォースの米軍兵士が、イランの依頼
                     で、ロシアから収奪したプルトニウムを使って米
                     国内の大都市3カ所に核爆弾を設置し、中東諸国
                     からの米軍撤退と政治的介入を止めるよう要求す
                     る。犯人は超法規的な拷問に耐え続け、 妻を目の
                     前で殺され、子供までもが拷問されかける。




  現在の捜査方法(ネットワーク分
  析)は、特定の才能ある個人(孤
  立型テロリスト)を事前に推測す
  る事は難しい。ユナボマーは18年
  間もFBIを悩ませた。


12年12月9日日曜日
フォートフッド基地乱射事件と重なるアイデンティティの危機




12年12月9日日曜日
フォートフッド基地乱射事件と重なるアイデンティティの危機




12年12月9日日曜日
大規模テロが日常化した場合、テロリストとの交渉は拒否可能か?




12年12月9日日曜日
米国版でカットされたエンディングに見る不気味な 現実感
                          本映画のタイトルは
                          「Unthinkable」
                          で、劇中サミュエル・
                          J・ジャクソンが子供
                          を人質に、犯人を脅す
                          際に言うせりふからの
                          引用となっている。し
                          かしながら、実のとこ
                          ろは、刺激的だという
                          理由でカットされたエ
                          ンディングシーン、つ
                          まり核爆弾は4つ存在
                          したという「想定外」
                          が本来意図したタイト
                          ルだったと思われる。




12年12月9日日曜日
Enemy Within(グローバル化で複雑化するアイデンティティと国際安全保障)




  フォートフッド基地乱射事件は、精神科医であるハサン少佐が犯人だった。犯人
  と同じく米国生まれ、米国育ちのアルカイーダのメンバー、アンワル・アウラキ
  師(通称:インターネット界のビンラディン。後に暗殺される。)に教化された
  とされる。陸軍には、3500名のイスラム教徒がいるが、ハサン少佐は米国人扱
  いされないという理由で、宗教欄にはイスラム教とは入れなかった。




12年12月9日日曜日
歴史的テロリストやSFに見る新しいテロリスト像を考察する。
                                                        ジョン・ブラウン
                                                        (1800年5月9日 -
                                                        1859年12月2日)
                                                        は、アメリカの奴隷制
                                                        度廃止運動家。運動の
                                                        手段としてアメリカで
                                                        は初めて反乱を唱道し
                                                        実行した人物として知
                                                        られる。当時議員だっ
                                                        たエイブラハム・リン
  世界的に有名な日本のアニメーション「攻殻機動隊」。映                            カーンは、ブラウンの
  画の第二作「Individual Eleven」に登場する革命家「ク                    ことを「見当違いの狂
  ゼ」は、仮想空間で300万人もの難民と一体化した人格=                           信者」と言った。
  社会をネットの中に構築し、現実と融合させて、新しい生
                                          ブラウンはバージニア州に対する反逆罪で裁判に掛けら
  命体を作り上げ、人間社会を上部構造へ移行させるという
                                          れ、絞首刑に処せられたが、公判中のブラウンの挙動は
  哲学的/宗教的な理論の持ち主。主人公の草薙素子は、首
                                          多くのアメリカ人の目に英雄のように映った。 歴史家
  相直轄の公安9課(情報戦を得意とする武闘派の隠密部
                                          は、1859年のハーパーズ・フェリー襲撃がその年遅く
  隊)のリーダーで、クゼと敵味方の関係だが、映画の中で
                                          のアメリカ南北の緊張関係を強め、アメリカ連合国の離
  次第にクゼに共感を感じる演出となっている。
                                          脱と南北戦争に繋がったと指摘している。アメリカで初
   http://www.youtube.com/watch?          めてのテロリストであり、近代的なテロリストの原型と
   v=qS4vEWKBxQU&feature=BFa&list=PLD18   も言われる。
   87EA2680823B2

12年12月9日日曜日
逆転の発想:サイバー空間における最強の武器は善なるハッカー

                                        米国を中心にサイバーセキュリティ対策には、年鑑
                                        数十億ドルが投資されているにも関わらず、その根
                                        本にある問題にはほとんど手が付けられていない。
                                        例えば、犯罪や裏社会の研究者であるミシャ・グレ
                                        ニーは、TEDカンファレンスで、サイバー犯罪で有
                                        罪判決を受けたプログラマーのプロファイリングを
                                        した結果、彼らの人格には社会的な問題がなく、監
                                        獄に入れるより政府やセキュリティ会社で雇った方
                                        が良いと発言している。


                                        例えば、ある民間会社に勤めていた根っからのハッ
                                        カーであるプログラマーは、FBIを手始めに米国政府
                                        のあらゆるネットワークの脆弱性を修復するという
                                        素晴らしい仕事をしたのだが、ハッカーの習性で、
                                        つい自分だけがアクセス出来るバックドアをつくっ
                                        たために逮捕されることになる。結局、彼は刑務所
                                        で悪い友人とつき合う事になり金融犯罪等で懲役18
                                        年の刑を受けている。ミシャ・グレニーは、彼らを
   http://www.ted.com/talks/lang/ja/    捕らえるべきでない。われわれと一緒に働かせるの
   misha_glenny_hire_the_hackers.html   だと、彼らもそう望んでいると主張する。




12年12月9日日曜日
Foreign Affairsへの寄稿「Anonymousはテロか抗議か?」




              http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201205/Benkler.htm


12年12月9日日曜日
サイバーテロ防御技術の高度化は、核武装と相似する諸刃の剣?
   サイバー攻撃は先制する側が圧倒的に有利な為に、実際のところ民間が運営しているインフラのすべ
   てを堅牢で、冗長性の高いものにするには限界がある。そうすると軍事的には、クリティカルなイン
   フラは特別な多重化や冗長性を持たせる必要があると考えるだろう。実際に米国防総省は「ネットワ
   ークセントリック作戦」というものを展開していて、DARPAに現状の10倍以上の効率性を持つ自己
   形成型無線ネットワーク(neXt Generation Communications Technology) を可能にする通
   信技術を開発させようとしている。例えば、以下のように小型の軍用自走式WiFiルーターは、ドロー
   ン同様防御手段として武装化も可能だろう。これでは、クリティカルインフラの防衛システムという
   よりも、ECMで無力化した都市で市街戦を行うための武器にさえ思える。ちなみにこのLANdroids
   開発しているのは、お掃除ロボットROOMBAをつくっているiRobot社。




12年12月9日日曜日
大規模サイバーテロの危険性はインフラ攻撃に限らない
                        科学技術によるテロリズ
                        ムの脅威は、インターネ
                        ットだけでなく、バイオ
                        テロ等、様々なものがあ
                        り、今後はそれらが複合
                        的に組み合わされる可能
                        性がある。左記の鳥イン
                        フルエンザウィルス論文
                        規制騒動だけでなく、情
                        報の共有とその可視化
                        (人、もの、知識、文化
                        などあらゆるつながりの
                        可視化)こそが、全体的
                        な抑止力(安全保障の底
                        上げ)になると考えられ
                        ないだろうか。



12年12月9日日曜日
国際機関による多元的(Multi-Cultural)なサイバーテロ研究の必要性
                                 国際的なサイバーテロリストのプロファイリング研究に関
                                 する資料は非常に少ない。そもそもエビデンスも希少で、
                                 類型化も難しい。国内の論文では「テロリストの心理的特
                                 性に関する研究の現状と展開(越智, 2004)」に以下のコメン
                                 トがあり「 サイバーテロ(Rogers, 2003)」も引用されてい
                                 るが、サイバーテロリストが検挙されにくい今、その分析
                                 や資料は少なく、インターネットそのものの包括的な動向
                                 と現実世界の両方の動きを追い続ける必要がある。

                                 パワー型タイプは,基本的には,自分が社会に対して何らかの影響を与える
                                 ことができるという、パワー感覚を確認するためにテロ行為を行うものであ
                                 る。国家や社会に対する政治的なメッセージを発する場合もあるが、その主
                                 張のために犯罪をしているというよりは自らの行為を正当化するため、ある
                                 いは、単なるゲームとしてイデオロギーを援用していると思われる。このタ
                                 イプは,基本的には、単独で犯行を行う。ユナボマーはこのタイプであろ
                                 う。このタイプのテロリストは、知的水準が高い場合も多く、今後、や化学
   http://www.unicri.it/         生物兵器テロなどの犯罪者として現れてくる可能性がある。今後は、このよ
   emerging_crimes/cybercrime/   うな心理学的な類型化と行動分析と各テロ集団、セクトについての情報収集
   cyber_crimes/docs/profiling-   と、行動分析をいかに統合して、対テロリズム戦略をとっていくかが捜査心
   hackers_en.pdf                理学のひとつの課題となるであろう。


12年12月9日日曜日
My Profile(open source intelligence のためのweb community構築例)

                                               1967年宝塚生まれ。1990年よりマルチメディアの製作業
                                               務に従事。1996年に国内初のSNSを企画開発。1998年
                                               欧「Ars Electronica」に、SNSにおける信頼度を可視化
                                               したアート作品を出品。2001年コミュニティエンジン「関
                                               心空間」を開発。日経BP、TBS、小学館、全日空等へ
                                               SaaS納品。2002年度グッドデザイン賞新領域部門入賞。
                                               2005年日本広告主協会Web広告研究会「Webクリエーシ
                                               ョン・アウォード」受賞。


                                               現在は、企業内研究所やシンクタンクの共同研究や受託研
                                               究を行い、研究者と消費者の架け橋的役割を担う。2012年
                                               4月より大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘研究員に着
                                               任し、国際公共政策分野におけるICT事業を開始。人間の安
                                               全保障やインテリジェンス(情報共有、個人情報秘匿マイニ
                                               ング、データヴィジュアライゼーション等)が研究テーマ。

                                               株式会社クォンタムアイディ/株式会社ユニークアイディ代表取締役

   “NEED TO SHARE”をテーマにしたWebア                  東京大学大学院・情報学際学府情報学環教育部「ソーシャルメディア
                                               論」非常勤講師(2008-2009)
   プリケーションの例(Closed β version)                 玉川大学・経営学部国際経営学科「eマネジメント研究」非常勤講師
   http://univer.se.com/                       産業技術総合研究所・社会知能技術研究ラボ・客員研究員
                                               国立情報学研究所・社会知共有センター共同研究員
   http://compact.ly/
   http://www.linkedin.com/in/kunihiromaeda/
12年12月9日日曜日

Weitere ähnliche Inhalte

Andere mochten auch

横浜でのオープンデータ実践
横浜でのオープンデータ実践横浜でのオープンデータ実践
横浜でのオープンデータ実践Iwao KOBAYASHI
 
オープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナー
オープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナーオープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナー
オープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナーCode for Japan
 
企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用)
企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用) 企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用)
企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用) Kouichi Kita
 
Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015
Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015
Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015Cloudera Japan
 
オープンデータと環境未来都市
オープンデータと環境未来都市オープンデータと環境未来都市
オープンデータと環境未来都市Iwao KOBAYASHI
 
【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料
【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料
【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料datascientist_
 
オープンデータによる地方創生が日本を変える
オープンデータによる地方創生が日本を変えるオープンデータによる地方創生が日本を変える
オープンデータによる地方創生が日本を変えるTaisuke Fukuno
 
自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220
自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220
自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220Tomihiko Azuma
 
地域デザイン×オープンデータ
地域デザイン×オープンデータ地域デザイン×オープンデータ
地域デザイン×オープンデータIwao KOBAYASHI
 
「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策
「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策 「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策
「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策 NHN テコラス株式会社
 
行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.org
行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.org行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.org
行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.orgSayoko Shimoyama
 
アプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニック
アプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニックアプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニック
アプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニックTaisuke Fukuno
 
オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題
オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題
オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題Masahiko Shoji
 
ビッグデータはどこまで効率化できるか?
ビッグデータはどこまで効率化できるか?ビッグデータはどこまで効率化できるか?
ビッグデータはどこまで効率化できるか?Shohei Hido
 
オープンデータのためのスクレイピング
オープンデータのためのスクレイピングオープンデータのためのスクレイピング
オープンデータのためのスクレイピング直之 伊藤
 
プロダクトマネージャのお仕事
プロダクトマネージャのお仕事プロダクトマネージャのお仕事
プロダクトマネージャのお仕事Shohei Hido
 
21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫る
21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫る21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫る
21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫るTakashi J OZAKI
 
非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料
非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料
非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料Takuya Minagawa
 

Andere mochten auch (20)

20151020 オープンデータビジネス3種類のタイプとその特徴
20151020 オープンデータビジネス3種類のタイプとその特徴20151020 オープンデータビジネス3種類のタイプとその特徴
20151020 オープンデータビジネス3種類のタイプとその特徴
 
横浜でのオープンデータ実践
横浜でのオープンデータ実践横浜でのオープンデータ実践
横浜でのオープンデータ実践
 
オープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナー
オープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナーオープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナー
オープンデータ活用による地域課題解決とCode for Japan @ 福岡 BODIK セミナー
 
企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用)
企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用) 企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用)
企画提案書「北海道のオープンデータをもっと進めたい」(最終審査用)
 
Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015
Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015
Hadoopビッグデータ基盤の歴史を振り返る #cwt2015
 
オープンデータと環境未来都市
オープンデータと環境未来都市オープンデータと環境未来都市
オープンデータと環境未来都市
 
【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料
【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料
【データサイエンティスト協会】20140314オープンデータ意見交換会_政府におけるオープンデータの推進について 土井様講演資料
 
オープンデータ推進の課題とポイント
オープンデータ推進の課題とポイントオープンデータ推進の課題とポイント
オープンデータ推進の課題とポイント
 
オープンデータによる地方創生が日本を変える
オープンデータによる地方創生が日本を変えるオープンデータによる地方創生が日本を変える
オープンデータによる地方創生が日本を変える
 
自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220
自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220
自治体広報誌オープンデータ実証説明20131220
 
地域デザイン×オープンデータ
地域デザイン×オープンデータ地域デザイン×オープンデータ
地域デザイン×オープンデータ
 
「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策
「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策 「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策
「情報セキュリティ10大脅威2017」 から読み取る最新セキュリティ傾向とその対策
 
行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.org
行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.org行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.org
行政と市民によるオープンデータ共創支援プラットフォーム LinkData.org
 
アプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニック
アプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニックアプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニック
アプリ開発新時代!オープンデータを活用したお得な企画&プログラミングテクニック
 
オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題
オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題
オープンデータ・オープンガバメントの現状と課題
 
ビッグデータはどこまで効率化できるか?
ビッグデータはどこまで効率化できるか?ビッグデータはどこまで効率化できるか?
ビッグデータはどこまで効率化できるか?
 
オープンデータのためのスクレイピング
オープンデータのためのスクレイピングオープンデータのためのスクレイピング
オープンデータのためのスクレイピング
 
プロダクトマネージャのお仕事
プロダクトマネージャのお仕事プロダクトマネージャのお仕事
プロダクトマネージャのお仕事
 
21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫る
21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫る21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫る
21世紀で最もセクシーな職業!?「データサイエンティスト」の実像に迫る
 
非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料
非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料
非技術者でもわかる(?)コンピュータビジョン紹介資料
 

Mehr von Kunihiro Maeda

技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―
技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―
技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―Kunihiro Maeda
 
20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-sp
20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-sp20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-sp
20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-spKunihiro Maeda
 
201528 ossip international_securities-04
201528 ossip international_securities-04201528 ossip international_securities-04
201528 ossip international_securities-04Kunihiro Maeda
 
Keep in touch for cyber peace_20150212
Keep in touch for cyber peace_20150212Keep in touch for cyber peace_20150212
Keep in touch for cyber peace_20150212Kunihiro Maeda
 
OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105
OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105
OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105Kunihiro Maeda
 
東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18
東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18
東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18Kunihiro Maeda
 
東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料
東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料
東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料Kunihiro Maeda
 
日本知財学会シンポジウム前田130620
日本知財学会シンポジウム前田130620日本知財学会シンポジウム前田130620
日本知財学会シンポジウム前田130620Kunihiro Maeda
 
北海道大学大学院講演2010年10月19日
北海道大学大学院講演2010年10月19日北海道大学大学院講演2010年10月19日
北海道大学大学院講演2010年10月19日Kunihiro Maeda
 
防衛研究所講演2013014配布用
防衛研究所講演2013014配布用防衛研究所講演2013014配布用
防衛研究所講演2013014配布用Kunihiro Maeda
 
尾道大学情報処理センター20121113
尾道大学情報処理センター20121113尾道大学情報処理センター20121113
尾道大学情報処理センター20121113Kunihiro Maeda
 
大阪大学大学院国際公共政策学科20121030
大阪大学大学院国際公共政策学科20121030大阪大学大学院国際公共政策学科20121030
大阪大学大学院国際公共政策学科20121030Kunihiro Maeda
 
Lectutre for kinshasa20120222
Lectutre for kinshasa20120222Lectutre for kinshasa20120222
Lectutre for kinshasa20120222Kunihiro Maeda
 
「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーション
「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーション「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーション
「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーションKunihiro Maeda
 
JAGAT20111019印刷白書Seminar
JAGAT20111019印刷白書SeminarJAGAT20111019印刷白書Seminar
JAGAT20111019印刷白書SeminarKunihiro Maeda
 
国会図書館20110216
国会図書館20110216国会図書館20110216
国会図書館20110216Kunihiro Maeda
 
科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011light
科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011light科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011light
科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011lightKunihiro Maeda
 

Mehr von Kunihiro Maeda (17)

技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―
技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―
技術立国のためのサイバー防諜  ― サイバー攻撃が問う経営者の資質と 企業のコアコンピタンス ―
 
20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-sp
20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-sp20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-sp
20150408_Tamagawa-Univ_Service-Managemnet-sp
 
201528 ossip international_securities-04
201528 ossip international_securities-04201528 ossip international_securities-04
201528 ossip international_securities-04
 
Keep in touch for cyber peace_20150212
Keep in touch for cyber peace_20150212Keep in touch for cyber peace_20150212
Keep in touch for cyber peace_20150212
 
OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105
OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105
OSIPP_グローバル・ガバナンス論_20150105
 
東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18
東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18
東大新図書館トークイベント Vo.3 『境界条件』2013/10/18
 
東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料
東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料
東大総合図書館新館プロジェクトプレス発表会資料
 
日本知財学会シンポジウム前田130620
日本知財学会シンポジウム前田130620日本知財学会シンポジウム前田130620
日本知財学会シンポジウム前田130620
 
北海道大学大学院講演2010年10月19日
北海道大学大学院講演2010年10月19日北海道大学大学院講演2010年10月19日
北海道大学大学院講演2010年10月19日
 
防衛研究所講演2013014配布用
防衛研究所講演2013014配布用防衛研究所講演2013014配布用
防衛研究所講演2013014配布用
 
尾道大学情報処理センター20121113
尾道大学情報処理センター20121113尾道大学情報処理センター20121113
尾道大学情報処理センター20121113
 
大阪大学大学院国際公共政策学科20121030
大阪大学大学院国際公共政策学科20121030大阪大学大学院国際公共政策学科20121030
大阪大学大学院国際公共政策学科20121030
 
Lectutre for kinshasa20120222
Lectutre for kinshasa20120222Lectutre for kinshasa20120222
Lectutre for kinshasa20120222
 
「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーション
「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーション「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーション
「知」が拡散する時代アーカイブ・キュレーション
 
JAGAT20111019印刷白書Seminar
JAGAT20111019印刷白書SeminarJAGAT20111019印刷白書Seminar
JAGAT20111019印刷白書Seminar
 
国会図書館20110216
国会図書館20110216国会図書館20110216
国会図書館20110216
 
科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011light
科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011light科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011light
科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表2011light
 

国際安全保障学会20121209配布用最終

  • 1. 2012年12月9日(日)国際安全保障学会・安全保障の新視座分科会 投票行為としてのサイバーテロリズム ∼液状化民主主義とハクティビズムの交錯点と特異点を考察する Cyber Terrorism as the suffrage 大阪大学大学院国際公共政策学科招聘研究員 前田 邦宏 kunihiro.maeda@mac.com 12年12月9日日曜日
  • 2. 表題 投票行為としてのサイバーテロ の引用元「テロの経済学」 自爆テロは路上犯罪より投票行動に似ている。   プリンストン大学のアラン・P・クルーガー教授は 自著「テロの経済学」の中で、<テロは、犯罪行動 よりもむしろ投票行動に似ている。>と言及してい る。この論説の意図は、貧困や不十分な教育がテロ リズムを引き起すという考えが、現実とは違った通 念であること。 また、そういった誤った単純過ぎる偏見は、政治家 に、テロ対策の見返りとして、貧困対策や教育環境 改善のための経済援助をするという、テロの本質を 捉えていない発言や政策、そして間違った効果を生 む危険性があることを懸念している。 アラン・P・クルーガーは、現在、バラク・オバマ 大統領の大統領経済諮問委員会の委員長である。 12年12月9日日曜日
  • 3. テロリストとサイバー・テロリストの曖昧な境界線を理解する 現代のテロリストは、資金源や運営母体が分散化し、垂直的組織から水平的な緩やかなネ ットワークへ移行し、更には現実の共同体とも断ち切れた<個的化>が進んでいる。 これらのテロリストの個的化は、サイバー空間と相性が良く、フランスの中東専門家オリ ビエ・ロイ教授によると、イスラム過激派は、イスラム圏でなく、西洋で生まれ育った二 世アラブ人のアイデンティティ危機(人種差別等)がきっかけで敬 なジハーディストが 誕生し、仮想空間でネットワーク化すると分析している。現状、イスラム過激派による大 規模なサイバーテロ攻撃の可能性は低いという分析が多いが、人種を問わず、孤立し、ア イデンティティを喪失した若者が単なる嫌がらせから、突如現実世界における大規模テロ を起こす可能性は高まってくるだろう。 The Allure of Terrorism by Olivier Roy http://www.nytimes.com/2010/01/11/opinion/11iht-edroy.html?_r=0 また、サイバーテロはIT技術の進化と連動しているために、より安価で安易に実行可能 で、かつ高度化している。もし被害規模が核テロに相当する政治的脅迫が日常化した場 合、攻撃者はもはや過激派テロリストでなく、政治的効果を性急に求める過激な、独りの <投票者>になってしまう可能性がある。 12年12月9日日曜日
  • 4. 海賊党に見る民意のサイバー化(液体民主主義) スウェーデンが発祥の海賊党は、元々 P2Pによるコンテンツ複製を旧媒体で 認められた範囲で認めるよう要求する など政治色は薄かったが、その後「政 府の透明性」「情報プライバシーにお ける公民権」「著作権や特許の法改 正」を公約として、欧州議会選挙で2 議席を獲得。2012年ドイツ国内の海 賊党の支持率が13%、第3党まで上 昇。スイスでは初めて地方自治体の首 長も誕生した。彼らは、インターネッ ト的なスピード感のある民意反映を実 現する<液体民主主義>を標榜し、そ のプラットフォームづくりを行ってい る。 http://www.amazon.com/No-Safe-Harbor-United-States/dp/1468033999 12年12月9日日曜日
  • 5. ワシントン的思考では、理解しにくいハッカー文化の政治思想化 今のところ、アノニマスやウィキリーク ス、海賊党は、もともと西海岸のカウンタ ーカルチャーやシリコンバレーの起業風土 を元にした、古き良きハッカー文化を、現 実社会に持ち込もうという精神から始まっ ており、自分たちから社会インフラを先制 攻撃したり、不法な収奪行為を行っていな い(一部は法的問題が問われる行為はある が、自分たちの利益よりメッセージ性が強 い)。 しかしながら、こういった思想は、詰まる 所、自分たちの意志反映がこれまでの民主 的投票や代議制では実現が難しく、それが 世代間のギャップによって、コミュニケー ションが断絶した瞬間、彼らの一部が過激 化する可能性は否定できない。 12年12月9日日曜日
  • 8. サイバー9.11は起こるのか?ワシントン的見解は過剰反応? 米国防長官レオン E. パネッタは、再三、 「サイバー真珠湾」攻撃の可能性をメディ アで警告し、公共性の高い企業への警告や 協力の要請をしている。また、米サイバー 軍司令官/国家安全保障局のキース・アレ キサンダーも「アノニマスは、あと1-2年も すれば、サイバー攻撃によって限定的なが らも電力供給を遮断できる能力を手に入れ る危険がある」と発言。ワシントンは表向 き強い警戒と臨戦態勢を表明している。し かしながら、彼が事例として挙げた石油会 社やウォール街の金融システムへのサイバ ー攻撃は果たして9.11や真珠湾攻撃と並べ て、例えるべきものだろうか?(日本も急遽予 行演習を始めたインフラへのサイバー攻撃は、一体誰が 利する攻撃手段なのかを想定出来た上での訓練なの か?) http://www.nytimes.com/2012/10/12/world/panetta-warns-of-dire- threat-of-cyberattack.html?_r=0 12年12月9日日曜日
  • 9. ハリウッド的サイバーテロ警告映画「DieHard 4.0」 公共インフラのサイバー攻撃に現実感を与え た映画の代表例の一つは、『ダイ・ハード 4.0』だろう。政府機関・公益企業・金融機 関への侵入コードを入手したテロリストが信 号機を自在にコントロールするところから始 まり、電力網を停止し、防衛システムまでを 掌握する。劇中「デジタル時代の鳩時計」と 呼ばれる主人公ブルース・ウィルスがいつも 通りの成り行きで、たまたま犯罪に加担して しまったハッカーと協力して敵と闘う。 この映画の中にある虚実は、ワシントンとシ リコンバレーの文化の違いを象徴しているよ うに思われる。例えば、サイバーテロの技術 的な裏打ちがある程度あるにも関わらず、政 治的な意図に触れる事がないエンターテイメ ント的シナリオとなっている点である。 12年12月9日日曜日
  • 10. ワシントン的サイバーテロ警告TV番組「24 シーズンVII」 米国の人気TVドラマ番組「24」のシリーズ 7作目は、元CTU(テロ対策ユニット)捜 査官ジャック・バウアーが主人公のドラマ。 ストーリーは、全米の通信網、交通網など の重要なシステムを操作できるCIPファイア ウォールモジュールを開発した技術者が路上 で誘拐されるところから始まる。 テロの首謀者である某西アフリカの大佐 は、 航空管制システムをコントロールして 旅客機事故を起こすなどして、自国への米軍 の介入阻止を要求する。断固としてテロに 屈しない大統領だが、その裏には私腹を肥 やすためテロリスト側に協力するホワイト ハウスやFBI内にも張り巡らされた陰謀組織 の存在が浮かび上がってくる。 12年12月9日日曜日
  • 11. 想定外のサイバーテロリスト像について考える (映画「ピースメーカー」) ロシアから解体予定の核弾頭10発が 盗み出され、そのうちの1発がテロと 装い爆発。米国政府は、核兵器の専 門家のケリー博士(ニコール・キッ ドマン)と統合参謀本部のデヴォー 中佐(ジョージ・クルーニー)に捜査 を託す。犯人は、金目当てのロシアの 将軍をそそのかした、ボスニアの外 交官でピアニストのデューサンであ り、彼は、ユーゴ紛争で故郷の崩壊 とそれを助長した国際社会への怒り から復讐を企てたのだった。 ピース メーカーは「Peace Keeper」を平 和を気取る偽善者と皮肉った題名。 妻子を紛争で失った善人を犯人とし たのは、女性監督らしい演出と言え る。 12年12月9日日曜日
  • 12. 映画「Unthinkable」における<個的>テロリスト 映画「Unthinkable(邦題:4デイズ)」は、 元デルタフォースの米軍兵士が、イランの依頼 で、ロシアから収奪したプルトニウムを使って米 国内の大都市3カ所に核爆弾を設置し、中東諸国 からの米軍撤退と政治的介入を止めるよう要求す る。犯人は超法規的な拷問に耐え続け、 妻を目の 前で殺され、子供までもが拷問されかける。 現在の捜査方法(ネットワーク分 析)は、特定の才能ある個人(孤 立型テロリスト)を事前に推測す る事は難しい。ユナボマーは18年 間もFBIを悩ませた。 12年12月9日日曜日
  • 16. 米国版でカットされたエンディングに見る不気味な 現実感 本映画のタイトルは 「Unthinkable」 で、劇中サミュエル・ J・ジャクソンが子供 を人質に、犯人を脅す 際に言うせりふからの 引用となっている。し かしながら、実のとこ ろは、刺激的だという 理由でカットされたエ ンディングシーン、つ まり核爆弾は4つ存在 したという「想定外」 が本来意図したタイト ルだったと思われる。 12年12月9日日曜日
  • 17. Enemy Within(グローバル化で複雑化するアイデンティティと国際安全保障) フォートフッド基地乱射事件は、精神科医であるハサン少佐が犯人だった。犯人 と同じく米国生まれ、米国育ちのアルカイーダのメンバー、アンワル・アウラキ 師(通称:インターネット界のビンラディン。後に暗殺される。)に教化された とされる。陸軍には、3500名のイスラム教徒がいるが、ハサン少佐は米国人扱 いされないという理由で、宗教欄にはイスラム教とは入れなかった。 12年12月9日日曜日
  • 18. 歴史的テロリストやSFに見る新しいテロリスト像を考察する。 ジョン・ブラウン (1800年5月9日 - 1859年12月2日) は、アメリカの奴隷制 度廃止運動家。運動の 手段としてアメリカで は初めて反乱を唱道し 実行した人物として知 られる。当時議員だっ たエイブラハム・リン 世界的に有名な日本のアニメーション「攻殻機動隊」。映 カーンは、ブラウンの 画の第二作「Individual Eleven」に登場する革命家「ク ことを「見当違いの狂 ゼ」は、仮想空間で300万人もの難民と一体化した人格= 信者」と言った。 社会をネットの中に構築し、現実と融合させて、新しい生 ブラウンはバージニア州に対する反逆罪で裁判に掛けら 命体を作り上げ、人間社会を上部構造へ移行させるという れ、絞首刑に処せられたが、公判中のブラウンの挙動は 哲学的/宗教的な理論の持ち主。主人公の草薙素子は、首 多くのアメリカ人の目に英雄のように映った。 歴史家 相直轄の公安9課(情報戦を得意とする武闘派の隠密部 は、1859年のハーパーズ・フェリー襲撃がその年遅く 隊)のリーダーで、クゼと敵味方の関係だが、映画の中で のアメリカ南北の緊張関係を強め、アメリカ連合国の離 次第にクゼに共感を感じる演出となっている。 脱と南北戦争に繋がったと指摘している。アメリカで初 http://www.youtube.com/watch? めてのテロリストであり、近代的なテロリストの原型と v=qS4vEWKBxQU&feature=BFa&list=PLD18 も言われる。 87EA2680823B2 12年12月9日日曜日
  • 19. 逆転の発想:サイバー空間における最強の武器は善なるハッカー 米国を中心にサイバーセキュリティ対策には、年鑑 数十億ドルが投資されているにも関わらず、その根 本にある問題にはほとんど手が付けられていない。 例えば、犯罪や裏社会の研究者であるミシャ・グレ ニーは、TEDカンファレンスで、サイバー犯罪で有 罪判決を受けたプログラマーのプロファイリングを した結果、彼らの人格には社会的な問題がなく、監 獄に入れるより政府やセキュリティ会社で雇った方 が良いと発言している。 例えば、ある民間会社に勤めていた根っからのハッ カーであるプログラマーは、FBIを手始めに米国政府 のあらゆるネットワークの脆弱性を修復するという 素晴らしい仕事をしたのだが、ハッカーの習性で、 つい自分だけがアクセス出来るバックドアをつくっ たために逮捕されることになる。結局、彼は刑務所 で悪い友人とつき合う事になり金融犯罪等で懲役18 年の刑を受けている。ミシャ・グレニーは、彼らを http://www.ted.com/talks/lang/ja/ 捕らえるべきでない。われわれと一緒に働かせるの misha_glenny_hire_the_hackers.html だと、彼らもそう望んでいると主張する。 12年12月9日日曜日
  • 20. Foreign Affairsへの寄稿「Anonymousはテロか抗議か?」 http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201205/Benkler.htm 12年12月9日日曜日
  • 21. サイバーテロ防御技術の高度化は、核武装と相似する諸刃の剣? サイバー攻撃は先制する側が圧倒的に有利な為に、実際のところ民間が運営しているインフラのすべ てを堅牢で、冗長性の高いものにするには限界がある。そうすると軍事的には、クリティカルなイン フラは特別な多重化や冗長性を持たせる必要があると考えるだろう。実際に米国防総省は「ネットワ ークセントリック作戦」というものを展開していて、DARPAに現状の10倍以上の効率性を持つ自己 形成型無線ネットワーク(neXt Generation Communications Technology) を可能にする通 信技術を開発させようとしている。例えば、以下のように小型の軍用自走式WiFiルーターは、ドロー ン同様防御手段として武装化も可能だろう。これでは、クリティカルインフラの防衛システムという よりも、ECMで無力化した都市で市街戦を行うための武器にさえ思える。ちなみにこのLANdroids 開発しているのは、お掃除ロボットROOMBAをつくっているiRobot社。 12年12月9日日曜日
  • 22. 大規模サイバーテロの危険性はインフラ攻撃に限らない 科学技術によるテロリズ ムの脅威は、インターネ ットだけでなく、バイオ テロ等、様々なものがあ り、今後はそれらが複合 的に組み合わされる可能 性がある。左記の鳥イン フルエンザウィルス論文 規制騒動だけでなく、情 報の共有とその可視化 (人、もの、知識、文化 などあらゆるつながりの 可視化)こそが、全体的 な抑止力(安全保障の底 上げ)になると考えられ ないだろうか。 12年12月9日日曜日
  • 23. 国際機関による多元的(Multi-Cultural)なサイバーテロ研究の必要性 国際的なサイバーテロリストのプロファイリング研究に関 する資料は非常に少ない。そもそもエビデンスも希少で、 類型化も難しい。国内の論文では「テロリストの心理的特 性に関する研究の現状と展開(越智, 2004)」に以下のコメン トがあり「 サイバーテロ(Rogers, 2003)」も引用されてい るが、サイバーテロリストが検挙されにくい今、その分析 や資料は少なく、インターネットそのものの包括的な動向 と現実世界の両方の動きを追い続ける必要がある。 パワー型タイプは,基本的には,自分が社会に対して何らかの影響を与える ことができるという、パワー感覚を確認するためにテロ行為を行うものであ る。国家や社会に対する政治的なメッセージを発する場合もあるが、その主 張のために犯罪をしているというよりは自らの行為を正当化するため、ある いは、単なるゲームとしてイデオロギーを援用していると思われる。このタ イプは,基本的には、単独で犯行を行う。ユナボマーはこのタイプであろ う。このタイプのテロリストは、知的水準が高い場合も多く、今後、や化学 http://www.unicri.it/ 生物兵器テロなどの犯罪者として現れてくる可能性がある。今後は、このよ emerging_crimes/cybercrime/ うな心理学的な類型化と行動分析と各テロ集団、セクトについての情報収集 cyber_crimes/docs/profiling- と、行動分析をいかに統合して、対テロリズム戦略をとっていくかが捜査心 hackers_en.pdf 理学のひとつの課題となるであろう。 12年12月9日日曜日
  • 24. My Profile(open source intelligence のためのweb community構築例) 1967年宝塚生まれ。1990年よりマルチメディアの製作業 務に従事。1996年に国内初のSNSを企画開発。1998年 欧「Ars Electronica」に、SNSにおける信頼度を可視化 したアート作品を出品。2001年コミュニティエンジン「関 心空間」を開発。日経BP、TBS、小学館、全日空等へ SaaS納品。2002年度グッドデザイン賞新領域部門入賞。 2005年日本広告主協会Web広告研究会「Webクリエーシ ョン・アウォード」受賞。 現在は、企業内研究所やシンクタンクの共同研究や受託研 究を行い、研究者と消費者の架け橋的役割を担う。2012年 4月より大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘研究員に着 任し、国際公共政策分野におけるICT事業を開始。人間の安 全保障やインテリジェンス(情報共有、個人情報秘匿マイニ ング、データヴィジュアライゼーション等)が研究テーマ。 株式会社クォンタムアイディ/株式会社ユニークアイディ代表取締役 “NEED TO SHARE”をテーマにしたWebア 東京大学大学院・情報学際学府情報学環教育部「ソーシャルメディア 論」非常勤講師(2008-2009) プリケーションの例(Closed β version) 玉川大学・経営学部国際経営学科「eマネジメント研究」非常勤講師 http://univer.se.com/ 産業技術総合研究所・社会知能技術研究ラボ・客員研究員 国立情報学研究所・社会知共有センター共同研究員 http://compact.ly/ http://www.linkedin.com/in/kunihiromaeda/ 12年12月9日日曜日