ジオメディアサミット大阪2015 懇親会ライトニングトーク 同一タイトルの旧発表を再編集

1. ニュータウンぶらり（再）
Code for Nara 大塚恒平

2. 何？
歴史のないニュータウンでも、古地図をぴったり重ね合
わせて歩いてみると割と面白かった

3. ニュータウンに来て
6年前、古地図技術を事業化すべく東京ど真ん中から
関西のニュータウンへ
古地図事業したくて来たはいいけれど
歴史の積み重ねのある街から、歴史がなく生活感もない
山を切り開いた街へ
自分の住んでる街が街歩きして楽しいところじゃなくなっ
た
ブラタモリとかで盛り上がってる東京や、お客さんの魅力
ある地方都市を横目に指を咥える日々

4. でも…実は楽しかった
ぴったり重なる地図で歩くと、地形の変遷がわかる
なんでそこが崖になってるか、ここに道路があるか、給
水塔があるか、全部昔の地形に理由がある
まあ、地理学出てる方には常識なことなのでしょうが
巡検？とかいうやつ？

5. 例（現代）

6. 例（現代）
給水タンク
山城大和国境
ならやま大通り

7. 例（大正）

8. 例（大正）
給水タンク
山城大和国境
ならやま大通り
給水タンクは
山の頂上
ならやま大通りの
ルートは平城山に
深く切れ込む谷沿い
最短ルートで
峠越え
平地に出てから北に
迂回するのは押熊
集落を避けるためか

9. 例（大正）
給水タンク
山城大和国境
ならやま大通り
石のカラト古墳で
不自然に北へ突出
古墳以東の国境は
尾根線沿い
古墳以西の国境は
谷線沿い
今は自然遊歩道
大雨の日は今も川に

10. 例（大正）
給水タンク
山城大和国境
ならやま大通り
古墳以西の国境は
谷線沿い
今は自然遊歩道
大雨の日は今も川に
石のカラト古墳で
不自然に北へ突出
古墳以東の国境は
尾根線沿い

11. 例（大正）
給水タンク
山城大和国境
ならやま大通り
石のカラト古墳で
不自然に北へ突出
Wikipedia:石のカラト古墳
五ヶ村惣図（享保9年）によると、大和国超昇寺郷と
山城国相楽郡との間で山論が起きた時、超昇寺
郷が勝訴して相楽郡に舌状に張り出した事が、
古墳が奈良県と京都府にまたがる要因となったと
されている。
古墳以東の国境は
尾根線沿い
古墳以西の国境は
谷線沿い
今は自然遊歩道
大雨の日は今も川に

12. 例（現代）
両脇が崖で周辺より低いところを通る
大通り、谷を通したのかと思ってたら…
場所により家の床面と
路面の高低がまちまちな
道路
切り立った高低差のある地形

13. 例（大正）
両脇が崖で周辺より低いところを通る
大通り、谷を通したのかと思ってたら…：
逆、尾根越えのところを切り通していた。
東の方は谷線を利用している
場所により家の床面と路面の
高低がまちまちな道路：
ここも尾根を越えていた！
矢印の先は下り坂で
これも地形図に合う
切り立った高低差のある地形：
開発前の等高線に合う。
奈良盆地東縁断層帯に属する
撓曲地形らしい

14. 歩いてみて
そりゃなんとかなんとかの守下屋敷とかはないけれど
古地図をぴったり重ねて歩いてみれば、どこでも何かし
ら発見があって楽しい！
むしろ、誰もこんなところ解説してない分、全部自分の発
見なのでそれも面白い
古地図はぴったり重ねることにも大きな意味がある
古地図を歪めない技術というのはそれはそれで価値は
ある。しかしそれだけではない。