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1.    ITプロジェクトは失敗するものだ
2.    パッケージ商品の現状
3.    ITプロジェクトの失敗とは
4.    なぜ失敗するのか
5.    失敗しないために何をすべきか
6.    チェックの対象と視点
7.    Ⅰ初期検討とプロジェクト立ち上げ準備
8.    Ⅱ現状分析と要求仕様・RFP作成
9.    Ⅲパッケージソフトとベンダーの選択
10.   Ⅳキックオフまでの準備
11.   Ⅴ導入フェーズ(前半)
12.   Ⅵ導入フェーズ(後半)
13.   Ⅶプロジェクトマネジメント
14.   Ⅷプロジェクト完了
15.   おわりに                 26
 プロジェクトの失敗原因は様々です。これをアンケート、集計
  したような図表を目にされている方も少なくないと思います。
 (一部を除き)内容にそんな違いがないことがわかります。




    WEBサイトや雑誌等でみられる、プロジェクト失敗に関するアンケート集計結果・統計データ   27
 広告タイアップの記事は中身に偏りがあるような気がします
 が、それでも大体の傾向はつかめるはずです。
  プロジェクトマネジメントが出来ていない
  従業員に十分なスキルがない
  計画や目標があいまい
  トップの関与が足りない

 こんなところでしょうか?
 単純に、これの原因を裏返して
   プロジェクトマネジメントスキルを身につける
   従業員に役割に応じた専門知識を身につけさせる
   計画や目標をしっかり立てましょう
   トップが積極的に関与しましょう
 では、あまりにも綺麗事すぎる気がしませんか?
                                28
 もっとどろくさいプロジェクトの失敗理由の一例を挙げます。
 プロジェクトに慣れていない企業で見られる「構造」です。




   プロジェクト初期はエグゼクティブが強く関与しているが、リスク認識は低く、問題があっても発見はなかなかできない。
  中盤になり、序盤のリスク放置が影響して問題が発生するも、上級管理職の関与は薄く、メンバーの責任として認識する。
 その場しのぎでなんとか後半に突入するも、形になってきたシステムが当初の思いと異ったものとなり、プロジェクト失敗となる。
                                                               29
 ビジネスは常にリスクと隣り合わせです。
 プロジェクトもしかりです。プロジェクトを失敗させないために
  は、 (広義の)リスクを顕在化させないことです。
 そのための(広義の)リスクマネジメント手法は、何も特別なも
  のでなく、以下の一般的な体系で示すことができます。
 「そんなのはわかってるよ」との声が聞こえそうですが、 多く
  の企業おそらく7割の企業は、これができていないはずです。
                              リスクファイナンス




                              リスクコントロール




                                     30
           一般的なリスクマネジメントの体系
 ここで用いた「リスク」という言葉は、プロジェクトマネジメント
  体系(PMBOK)の構成要素である、(狭義の)リスク管理と
  は、違います。
 ビジネスレベルでの広義の意味でのリスクです。
 プロジェクトそのものにマイナスの影響を及ぼす可能性のあ
  る事象です。




                                   31
 さて、どの部分が失敗の原因になっているのでしょうか?
 どんな企業でも、それなりにやっているはずなんですが・・・
 例えば、
   リスクの洗い出しに漏れはないか?
   リスク管理の手法は適切なのか?
   漏れがない、適切であることをどうやって説明できるのか?
   その説明が正しいことを、誰が証明できるのか?
   それはしかるべき者に承認されているか?
   その承認にはどういう意味があるのか?
 担当するメンバーは頑張って考えるでしょう。いろいろな資料
  やサイトを参考に検討もするでしょう。
 管理者はチェックもするでしょう。

                                  32
 しかし、ちょっとまってください。
 その方々は、リスクアセスメントのプロではなく、システム開
    発の十分な経験があるわけでもありませんよね?
   「出来る限りのことはやったはず」
   「自分のわかる範囲ではこれで大丈夫だと思います」
   とは言えても、「完全です」とは言えないでしょう。
   要は、逃げ道をちょっと作っておくのです。
   責任が所在をあいまいにしておくのは、ある意味日本文化そ
    のものなので、これだけをフォーカスして否定するつもりはあ
    りません。


                                   33
 プロジェクトの主たる関係者である人たちが、同時にプロジェ
  クトのリスクを発生させる原因を作る人たちでもあります。
 プロジェクト期間中、自分達をコントロールできない理由、つ
  まりジレンマが常に発生します。
 ですから、頑張って策定した計画に対し、どうしても実行段階
  で、リスクコントロールの完全性は崩れていくのです。




                                 34
           リスクコントロールのジレンマ
 特に、プロジェクトマネージャのプレッシャーは半端ありませ
  ん。経験された事のある方であれば、プロジェクトの大小問
  わず、家に帰っても消えない、休日になっても消えない緊張
  感に悩まされたはずです。
 まして経験の無い方が、ちょっとセミナーに行きました、書籍
  で知識は身につけました、管理資料のフォーマットは手にい
  れました、だけでITプロジェクトを成功させられるほど、現実
  は甘くありません。
 スキルだけでなく、性格、カリスマ性、センス、そういったもの
  が必要となる職業だけに、なかなか一朝一夕ではその仕事
  を完遂できないのが実情です。


                                  35
 他にも理由はあります。
 プロジェクトメンバーには、自分の役割、仕事の範囲がありま
    す。最近の若い人には、あまり他人の事に興味を持たない、
    関わりを持ちたくないと考える人が多いようです。
   ただでさえ、自分の仕事が忙しいのに他人の間違いなんて
    指摘して、手伝えなんて言われたらとんでもない。
   他人の事なんて放っておこう・・・。
   プロジェクトマネージャの間違いを指摘したら逆切れされそう
    だし・・・
   責任者の考え方もなんか違うみたいだけど、指摘したら心象
    悪くしそうだし・・・

                                   36
 まだまだあります。
 プロジェクトの責任者が部長(中小企業の部長は取締役かも
    しれません。)というケースは少なくないと思います。
   彼らが失敗の責任を取るということは一大事です。
   「若いやつらにまかせる。」聞こえはいいですが、成功率3割
    の面倒なことはやりたくないのでしょう。
   「どうせなら失敗は部下のせいにしておきたい。」絶対口には
    しませんが、腹のうちでそう思って無いとは言い切れません。
   そもそも、エグゼクティブな方は、忙しいでしょうから、常時監
    視しているわけにはいかないでしょう。



                                    37
 更にあります。
 PMOにしても現場を見ていません。というか中小企業で仮に、
  PMOを設置できたとしても、なかなかうまく機能しません。
 論理的に駄目“そう”なところを指摘できたとしても、所詮実行
  まで責任を持てない(持ちたくない)でしょう。
 具体的改善策も示すこともなく、ましてPMO自ら仕事を手
  伝ってあげましょうなんてことは、まずありえません。
 そもそも中小企業では、臨時と言えどもPMOを設置できるほ
  ど人的資源に余裕はないように思います。




                                  38
 また、良くないことに、一度発生した問題(顕在化したリスク)
  は、時間の経過とともに凶悪になるという性質を持ちます。
 プロジェクトのひとつひとつの作業には、基本的にはかなら
  ず先行作業がありますので、先行作業での問題は、それ以
  降の工程すべてに影響を及ぼします。




                                  39
          先行作業の問題は後工程すべてに蓄積される
 ここまでの話をまとめてみましょう。大きく分けて以下のような
    3つに集約できるはずです。
   ①リスク計画の中身はそこそこのレベル
   ②せっかくたてた計画もなかなか守れない状況に陥る
   ③プロジェクトマネジメントやその他の機能(PMO等)が形骸
    化してしまう
   以上のような事に起因して、想定されたリスクが顕在化し、そ
    れが適切に解決されないと、プロジェクトの成功確率は確実
    に減少します。




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失敗しないパッケージ導入2

  • 1. 1. ITプロジェクトは失敗するものだ 2. パッケージ商品の現状 3. ITプロジェクトの失敗とは 4. なぜ失敗するのか 5. 失敗しないために何をすべきか 6. チェックの対象と視点 7. Ⅰ初期検討とプロジェクト立ち上げ準備 8. Ⅱ現状分析と要求仕様・RFP作成 9. Ⅲパッケージソフトとベンダーの選択 10. Ⅳキックオフまでの準備 11. Ⅴ導入フェーズ(前半) 12. Ⅵ導入フェーズ(後半) 13. Ⅶプロジェクトマネジメント 14. Ⅷプロジェクト完了 15. おわりに 26
  • 2.  プロジェクトの失敗原因は様々です。これをアンケート、集計 したような図表を目にされている方も少なくないと思います。  (一部を除き)内容にそんな違いがないことがわかります。 WEBサイトや雑誌等でみられる、プロジェクト失敗に関するアンケート集計結果・統計データ 27
  • 3.  広告タイアップの記事は中身に偏りがあるような気がします が、それでも大体の傾向はつかめるはずです。  プロジェクトマネジメントが出来ていない  従業員に十分なスキルがない  計画や目標があいまい  トップの関与が足りない  こんなところでしょうか?  単純に、これの原因を裏返して  プロジェクトマネジメントスキルを身につける  従業員に役割に応じた専門知識を身につけさせる  計画や目標をしっかり立てましょう  トップが積極的に関与しましょう  では、あまりにも綺麗事すぎる気がしませんか? 28
  • 4.  もっとどろくさいプロジェクトの失敗理由の一例を挙げます。  プロジェクトに慣れていない企業で見られる「構造」です。 プロジェクト初期はエグゼクティブが強く関与しているが、リスク認識は低く、問題があっても発見はなかなかできない。 中盤になり、序盤のリスク放置が影響して問題が発生するも、上級管理職の関与は薄く、メンバーの責任として認識する。 その場しのぎでなんとか後半に突入するも、形になってきたシステムが当初の思いと異ったものとなり、プロジェクト失敗となる。 29
  • 5.  ビジネスは常にリスクと隣り合わせです。  プロジェクトもしかりです。プロジェクトを失敗させないために は、 (広義の)リスクを顕在化させないことです。  そのための(広義の)リスクマネジメント手法は、何も特別なも のでなく、以下の一般的な体系で示すことができます。  「そんなのはわかってるよ」との声が聞こえそうですが、 多く の企業おそらく7割の企業は、これができていないはずです。 リスクファイナンス リスクコントロール 30 一般的なリスクマネジメントの体系
  • 6.  ここで用いた「リスク」という言葉は、プロジェクトマネジメント 体系(PMBOK)の構成要素である、(狭義の)リスク管理と は、違います。  ビジネスレベルでの広義の意味でのリスクです。  プロジェクトそのものにマイナスの影響を及ぼす可能性のあ る事象です。 31
  • 7.  さて、どの部分が失敗の原因になっているのでしょうか?  どんな企業でも、それなりにやっているはずなんですが・・・  例えば、  リスクの洗い出しに漏れはないか?  リスク管理の手法は適切なのか?  漏れがない、適切であることをどうやって説明できるのか?  その説明が正しいことを、誰が証明できるのか?  それはしかるべき者に承認されているか?  その承認にはどういう意味があるのか?  担当するメンバーは頑張って考えるでしょう。いろいろな資料 やサイトを参考に検討もするでしょう。  管理者はチェックもするでしょう。 32
  • 8.  しかし、ちょっとまってください。  その方々は、リスクアセスメントのプロではなく、システム開 発の十分な経験があるわけでもありませんよね?  「出来る限りのことはやったはず」  「自分のわかる範囲ではこれで大丈夫だと思います」  とは言えても、「完全です」とは言えないでしょう。  要は、逃げ道をちょっと作っておくのです。  責任が所在をあいまいにしておくのは、ある意味日本文化そ のものなので、これだけをフォーカスして否定するつもりはあ りません。 33
  • 9.  プロジェクトの主たる関係者である人たちが、同時にプロジェ クトのリスクを発生させる原因を作る人たちでもあります。  プロジェクト期間中、自分達をコントロールできない理由、つ まりジレンマが常に発生します。  ですから、頑張って策定した計画に対し、どうしても実行段階 で、リスクコントロールの完全性は崩れていくのです。 34 リスクコントロールのジレンマ
  • 10.  特に、プロジェクトマネージャのプレッシャーは半端ありませ ん。経験された事のある方であれば、プロジェクトの大小問 わず、家に帰っても消えない、休日になっても消えない緊張 感に悩まされたはずです。  まして経験の無い方が、ちょっとセミナーに行きました、書籍 で知識は身につけました、管理資料のフォーマットは手にい れました、だけでITプロジェクトを成功させられるほど、現実 は甘くありません。  スキルだけでなく、性格、カリスマ性、センス、そういったもの が必要となる職業だけに、なかなか一朝一夕ではその仕事 を完遂できないのが実情です。 35
  • 11.  他にも理由はあります。  プロジェクトメンバーには、自分の役割、仕事の範囲がありま す。最近の若い人には、あまり他人の事に興味を持たない、 関わりを持ちたくないと考える人が多いようです。  ただでさえ、自分の仕事が忙しいのに他人の間違いなんて 指摘して、手伝えなんて言われたらとんでもない。  他人の事なんて放っておこう・・・。  プロジェクトマネージャの間違いを指摘したら逆切れされそう だし・・・  責任者の考え方もなんか違うみたいだけど、指摘したら心象 悪くしそうだし・・・ 36
  • 12.  まだまだあります。  プロジェクトの責任者が部長(中小企業の部長は取締役かも しれません。)というケースは少なくないと思います。  彼らが失敗の責任を取るということは一大事です。  「若いやつらにまかせる。」聞こえはいいですが、成功率3割 の面倒なことはやりたくないのでしょう。  「どうせなら失敗は部下のせいにしておきたい。」絶対口には しませんが、腹のうちでそう思って無いとは言い切れません。  そもそも、エグゼクティブな方は、忙しいでしょうから、常時監 視しているわけにはいかないでしょう。 37
  • 13.  更にあります。  PMOにしても現場を見ていません。というか中小企業で仮に、 PMOを設置できたとしても、なかなかうまく機能しません。  論理的に駄目“そう”なところを指摘できたとしても、所詮実行 まで責任を持てない(持ちたくない)でしょう。  具体的改善策も示すこともなく、ましてPMO自ら仕事を手 伝ってあげましょうなんてことは、まずありえません。  そもそも中小企業では、臨時と言えどもPMOを設置できるほ ど人的資源に余裕はないように思います。 38
  • 14.  また、良くないことに、一度発生した問題(顕在化したリスク) は、時間の経過とともに凶悪になるという性質を持ちます。  プロジェクトのひとつひとつの作業には、基本的にはかなら ず先行作業がありますので、先行作業での問題は、それ以 降の工程すべてに影響を及ぼします。 39 先行作業の問題は後工程すべてに蓄積される
  • 15.  ここまでの話をまとめてみましょう。大きく分けて以下のような 3つに集約できるはずです。  ①リスク計画の中身はそこそこのレベル  ②せっかくたてた計画もなかなか守れない状況に陥る  ③プロジェクトマネジメントやその他の機能(PMO等)が形骸 化してしまう  以上のような事に起因して、想定されたリスクが顕在化し、そ れが適切に解決されないと、プロジェクトの成功確率は確実 に減少します。 40