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再現可能性ベストプラクティス 解析方法とレポート作成方法の再現可能性 RとRStudioとR Markdownを通して
- 2. 理論的（統計的）な再現可能性 QRPs レビューつきプレレジ 再現可能性＝理論的（統計的）な再現可能性 × 実践的な再現可能性 実践的な再現可能性 実験環境の多様性 アドホックなデータ解析 実験環境の統制 再現可能なデータ解析
- 4. 共立 Wonderful R: RR本の紹介 再現可能性のすゝめ―RStudioによるデータ解析とレポート作成―（仮） 1. なぜ再現可能性？ • たこ焼き屋ジョンの苦悩 2. RStudio入門 3. 再現可能なデータ解析プラクティス 4. Rマークダウンの導入 5. Rマークダウンの応用 • flexdashboard / htmlwidgets / bookdown 6. 再現可能性を高める • Git / パッケージ環境の再現（packrat） 7. RStudioを使いこなす Wonderful R 第3弾として5月くらいに刊行予定
- 5. データ解析とレポート作成 • 入力 • 実験データ・調査データ・さまざまなログなど • 出力 • ミーティング用の資料 • プレゼン資料 • 報告書・論文 • 究極の目標は「入力→出力」の変換を再現可能にすること。 →「結果（できたモノ）を残す」のではなく 「手順（やったこと）を残す」 入力 出力
- 6. データ解析とレポート作成 • データをエクセルで加工・整形 • 被験者数分のシート！ • グラフはどこ？このグラフ何？ • Rのコンソールで解析 • エクセルからコピペ • 自分でもなにをやったからこうなったのかわからない • 結果・グラフをワード・パワポにコピペ • このグラフでいいのか？ 入力 出力
- 7. メリット • 信頼性向上 • どこでもだれでもいつでも同じデータから同じ結果を。 • 間違いの検証 • レポートの中の間違い・怪しい点をあとから追跡可能。 • 作業効率の向上 • 再現可能化＝自動化。 • （リバイズ対応） • 追加解析など、めっちゃ楽。 ※どこからどこまでが再現可能なのか常に意識する
- 8. 使うべきツール • R：統計解析環境 • RStudio：Rを使いやすくする環境 • Rスクリプト：解析手順を記述したレシピ • Rマークダウン：Rスクリプト＋ドキュメント • knitr：Rマークダウンの中で働くやつ
- 9. RStudioの導入 • 現在ではRのGUI環境のデファクトスタンダードだと思 われる。 • ユーザが多い→情報が多い・開発がアクティブ • ColdFusionのJJ Allaire（凄腕プログラマ）が率いる。現在では HadleyやYihuiも参加。 • メリット • プロジェクトという概念の導入 • 再現可能性に関するさまざまな便利機能を使うことができる • デメリット • なし（UIが英語）
- 10. プロジェクト • 必須というわけではないが、絶対に使うべき。 • タスクに関連するファイル類・セッションをプロジェクト ごとに独立に扱うことができる。「１料理」＝「１台所」 • 新しいタスク→新しいプロジェクト • 実験（研究ではない）ごとにプロジェクト • 実験1と実験2は別プロジェクト • 比較分析が必要なときは別途対応 プロジェクトA • ファイル類 • データ • 解析スクリプト • アウトプット • Rセッション • 変数 • 関数定義 • パッケージ環境 プロジェクトB • ファイル類 • データ • 解析スクリプト • アウトプット • Rセッション • 変数 • 関数定義 • パッケージ環境 プロジェクトC • ファイル類 • データ • 解析スクリプト • アウトプット • Rセッション • 変数 • 関数定義 • パッケージ環境
- 11. 再現可能な解析処理 • 「結果を記録」から「手順を記録」へ。 • RスクリプトまたはRマークダウンの導入 • 手作業＋確認＋スクリプト化（マークダウン化） • 目による確認は厳禁 • 頻繁な正当性チェック（≠内容チェック） • データの行数・欠損値・列名・符号・などなど
- 12. 再現可能な解析処理：基本的な作 業ルーチン（パターン１） 1. 必要な処理を実行するコマンドをコンソールに 入力して実行する (手作業)。 2. 結果を確認する (目作業)。 3. 欲しい結果が得られるまで、コマンドを修正し て実行する (コマンド履歴を活用)。 4. 問題なければ、そのコマンドをRスクリプト・R マークダウンに記録する (コピペなど)。 5. 1に戻る
- 13. 再現可能な解析処理：基本的な作 業ルーチン（パターン２） 1. 必要な処理を実行するコマンドをRスクリプト・ Rマークダウンに記述する (手作業)。 2. 必要な箇所のコードを実行する (実行補助機能を 活用)。 3. 結果を確認する (目作業)。 4. 欲しい結果が得られるまで、コマンドを修正す る。 5. 問題なければ、次のコマンドの記述に進む。
- 14. データ読み込み • データソース • 実験データ・調査データなど。frozen（編集しない） • PsychoPyならtrial csvが↓の入力データとしてそのまま使える。 • 入力データ • Rで読み込めるデータ • 基本は2次元の表形式ｘ複数ファイル • Matlabの.mなども可（Rで扱える）。 • データソース→入力データ • 可能な限り自動化（外部ツールなどでもいいので、とにかく自動化） • 手作業をルーチン化する前に、あらゆる努力を（土下座も含む）。
- 16. 余談・研究データとtidy data • 作成するデータは２次元表形式に。 • １観測＝１行 • １試行１行（実験）、１サンプル１行（調査） • Tidy data 大学 文系 理系 A大学 45 55 B大学 65 75 Tidyではないデータ 大学 文理 偏差値 A 文 45 A 理 55 B 文 65 B 理 75 Tidyデータ http://id.fnshr.info/2017/01/09/tidy-data-intro/
- 17. 解析：こまめにデータの妥当 性を確認する • データを目で眺めることは無意味。 • 安心したいということなら止めないけど時間の無駄。 • 内容の確認ではなく形式の正当性チェック • 行数・型・欠損値・範囲・などなど • データ要約を駆使する。 • str, head, names, dim: データの構造 • summary, range, table: データの要約 • くわしくはRR本で。
- 18. 画像保存・結果保存 • 全てファイルに保存すること。「自動化」すること。 • 結果をパワポ・ワードにコピペ、RStudioの手動エクスポート→NG • 画像保存 • cairo_pdf / jpeg などお好みで。 • Rマークダウンの場合、自動的にファイルに残るが、論文用のグラフな どは明示的に保存しておくほうがわかりやすい。 • 結果保存 • Rマークダウンの場合：出力しておけばよい。 • 表：knitr::kable • 統計量：print / broom::tidy • くわしくはRR本で。
- 19. R Markdownの導入 • 従来のレポート • ドキュメントに解析結果（図・表・統計）をコピペ • 再現可能型レポート • ドキュメントと解析コード→自動変換→レポート
- 20. R Markdownでどこまでやるか • レポート中のデータ・ドキュメント比がひとつの目安 • データの割合が大きいほど有効 • ミーティング資料などには圧倒的に便利 • 学会プレゼン・論文はちょっと厳しいかも • 不可能ではないし、使ったほうが再現性は高い • 面倒が多い（レイアウト・デザイン・リファレンス） • DD比が小さい（データが締める割合が小さい） • やり過ぎると効率を落とすことになるので、柔軟に対応しましょう。
- 21. Rマークダウン最速入門 1. Rマークダウンファイル (.Rmd) の新規作成。 2. メタ情報の編集。 3. ドキュメントとコードの編集。 4. レポート生成コマンドの実行。 • 3と4を、先程紹介したルーチンで繰り返す。 実演でやります。
- 22. Rマークダウン補足 1. 表はkableまたはDT::datatableで。 2. 外部画像はknitr::include_graphicsが吉。 3. 重要なチャンクオプションを知っておく 1. echo, include など。自分の使い方に合わせて。
- 23. 表 • 小さい表ならknitr::kableが便利 • 大きめかつHTML対応ならDT::datatable • 細かいことは気にしない。
- 24. 再現可能性ベストプラクティス • 再現可能なデータ解析 • とにかく１実験（調査）＝１プロジェクト。 • 目で確認より要約関数。形式の正当性チェックを頻繁に。 • 再現可能なレポート作成 • まずはRマークダウンを作成。 • クリーンな環境でのテストを頻繁に。 • 再現可能性の維持 • 手作業を排除する。データが増えてもコードの修正を不要に。 • 完璧を目指しすぎず、再現可能性を徐々に高める。
- 25. 理論的（統計的）な再現可能性 QRPs レビューつきプレレジ 再現可能性＝理論的（統計的）な再現可能性 × 実践的な再現可能性 実践的な再現可能性 実験環境の多様性 アドホックなデータ解析 実験環境の統制 再現可能なデータ解析 森としての再現可能性 木としての再現可能性