Weitere ähnliche Inhalte Mehr von Keith G. Tidball (20) Greening in the Red Zone GEA japanese translation1. GEA 国際会議 2011 復興を通じた持続可能な社会づくり~日本の再生を世界と共に~ 於東京 5. 緑化の作用 5. 社会資本 3. 自然資本 4. 生態系サービス 2. 個人・家族の 幸福 1. 緑化活動の立ち上げ 好循環 緑のボックスは、安定社会の中で、各サイクルの引力によって安定状態が変わる様子を示す。 正のフィードバック効果により、好循環を繰り返しながらサイクルを拡大 6. 悪循環 1. レッドゾーン内の地域社会 5. 社会資本の枯渇 3. 自然資本の枯渇 4. 生態系サービスの喪失 2. 暴動、略奪行為等による個人・家族の幸福の破壊 負のフィードバック効果により、悪循環を繰り返しながらサイクルを拡大 赤のボックスは、安定社会の中で、各サイクルの引力によって安定状態が変わる様子を示す。 7. 望ましい展開 好循環 避けるべき展開 悪循環 出典: B ・ H ・ウォーカー、 D ・サルト『回復力の考察:変わりゆく世界における生態系と人類の維持』( Resilience Thinking: Sustaining Ecosystems and People in a Changing World )、アイランドプレス、米国ワシントン D.C. 、 2006 年、 53—55 頁、および http://www.resalliance.org/index.php/key_concepts 8. 出典: B ・ H ・ウォーカー、 D ・サルト『回復力の考察:変わりゆく世界における生態系と人類の維持』アイランドプレス、米国ワシントン D.C. 、 2006 年、 53—55 頁、および http://www.resalliance.org/index.php/key_concepts 好循環 悪循環 分岐帯 (分水嶺) Hinweis der Redaktion 「植樹」とは、木を植えるとの意味である。 災害や紛争を経験した社会生態系はさらなる変化に対して抵抗を示すこともあるため、緑化に限らず、たった 1 つの行動が大きな混乱をきたした生態系の再建を可能にという期待はできない。社会生態系の回復構造、特に好・悪循環やフィードバックのサイクルに関する概念( ギャロピン、 2002 、 パウエル、セルマン他、 2002 、 マシューズ、セルマン、 2006 、 セルマン、 2006 、 ティッドボール、クラズニー、 2011 )は、変化に対する障壁であると同時に変革を推し進める機会ともなり得る要素を見極める上で、非常に有用である。このようなサイクルを構成する要素は、それぞれが自立しながら互いに増幅し合うのが一般的で、こうした影響が負の方向に働くと悪循環、正の方向に働くと好循環と見なされる。 こうしたサイクルに陥ることは避けなければならない。 社会生態系の回復力に関する用語のうち、好循環( ギャロピン、 2002 )とは、ある時点における、ある社会の中の 1 つの安定した状態を指す( ベイズナー、ハイドン他、 2003 を参照)。どの社会の中にも、安定した状態をもたらし得る要素は存在する。例えば、住民が緑地の建設や復興を進める努力が、自然と地域社会の共生や生態系の向上をもたらし、緑化活動のさらなる拡大の基礎をつくる、といった好循環が挙げられる( ティッドボール、クラズニー、 2008 、 ティッドボール、クラズニー、 2011 )。 見方を変えれば、悪循環は、社会全体の中に置かれた洗面器の縁でボールが回り続けている状態として説明することもできる(安定社会における「ボールとカップ」理論の詳細については、 パウロウスキー、 2006 を参照)。政策立案者の目標は、このボールを好循環の洗面器へと移し変えることにある。ボールを別の洗面器へと移すには、洗面器の中の状況を変える、または社会の構成要素に変化を加えることで 2 つの洗面器を隔てる障壁を下げる、のうちいずれかの方法が必要となる(安定社会と洗面器の引力に関する詳細については、 シェファー、カーペンター他、 2001 、 ウォーカー、ホリング他、 2004 を参照)。この議論の中でまず注目すべきは、洗面器の中の状況を変えることである。これを実現する手段としては、例えば被災地における管理活動の規模を拡大することが挙げられる。 では、社会をどう変えれば、赤で示した悪循環と緑で示した好循環の間の障壁を下げることができるのだろうか。 好循環と悪循環という 2 つの洗面器の間を分水嶺または分岐帯が隔てている様子を思い浮かべてほしい( シェファー、 2009 )。この場合、分水嶺の高さを下げれば、悪循環の洗面器から好循環の洗面器へとボールを容易に移せることが分かる。 逆に、分水嶺を高くし、それによって緑化のもたらす好循環から、緑地の荒廃と犯罪から成る悪循環へとボールが移らないようにすることもできる。この比喩モデルにおいて分水嶺となり得るのは、法的障壁、否定的な世論、士気の低さ、乏しい資源を巡る競争、緑化活動を支える政策的枠組みの欠如などである。分水嶺の高さを変えるためには、政府や非政府組織の政策変更や、悪循環外からの資金・資源等の流入が必要となる。政府の政策変更や資金・資源等の流入は、当該状況における緑化活動に関して、その有用性を示す証拠が見つかるかどうかにかかってくる場合もある。