デザイン思考入門クラス・夏期特別編　2015年6月16日(火)

Design Thinking Institute
本場スタンフォード大学に学ぶ！
デザイン思考入門クラス夏期特別編
2015年6月16日(火)10：00∼17:30

＜デザイン思考なし＞
検査を怖がり泣く子供
↓
全体の80%に鎮静剤注射

＜デザイン思考あり＞
検査が「楽しい冒険」に
↓
鎮静剤注射は5%以下に

デザイン思考入門クラス
午前
午後
イントロダクション
デザイン／デザイン思考とは？
Step1：共感
Step2：問題定義
Step3：創造
Step4：プロトタイプ
Step5：テスト
振り返り
共感
問題定義
創造
プロトタイプ
テスト
プ
ロ
セ
ス
体
験

イントロダクション
Introduction

本日のゴール
ユーザーへの深い理解によって
イノベーションを実現させる、
問題解決プロセス：デザイン思考の基礎を理解

イノベーション実現に必須のチーム活動で
成果につながる失敗と学習を促進させる、
組織としての共通言語を獲得
期待できる成果

Design Thinking Institute参照：Fleming, Lee, Perfecting Cross-Pollination. Harvard Business Review, 00178012, Sep2004, Vol. 82, issue 9 を一部編集
低メンバーの多様性高
理論多様性とイノベーションの関係
高

経
済
的
価
値

低

シェア自己紹介：1人90秒
1.  ニックネーム
2.  ワークショップへの期待
3.  24時間以内にあった
嬉しいこと or 新しいこと
※ネームシールにニックネームを
※発表者はクッシュボールを持つ

講義担当：柏野尊徳
KASHINO Takanori
一般社団法人デザイン思考研究所
代表理事所長
ワーク担当：中村珠希
NAKAMURA Tamaki
一般社団法人デザイン思考研究所
専務理事

デザイン思考のプロセス
共感
問題定義
創造
プロトタイプ
テスト

デザイン／デザイン思考とは？
What are design and design thinking?

デザインとは？
Everyone designs who devises courses of
action aimed at changing existing
situations into preferred ones
「現状をより良い状態へ変えることを目的
に行動方針を考える人は、みなデザインを
している」
Herbert A. Simon(1996)
The sciences of the artiﬁcial

デザインとは？
Everyone designs who devises courses of action aimed at
changing existing situations into preferred ones
「現状をより良い状態へ変えることを目的に行動方針を考
える人は、みなデザインをしている」
Herbert A. Simon(1996)
The sciences of the artiﬁcial
問題解決

デザイン思考とは？
a methodology that imbues the full
spectrum of innovation activities with
a human-centered design ethos.
「人間中心の精神によって、イノベー
ション活動のあらゆる側面を満たす方
法論」
Tim Brown, CEO of IDEO
Photo：@tceb62 ＜https://twitter.com/tceb62＞

デザイン思考とは・・・
人の幸福や社会の繁栄を目的に
イノベーションを実現させる
問題解決のプロセス

どういう態度が大事か？
Fail fast, learn a lot
素早い失敗とたくさんの学習

5,127回
参考：http://www.wired.com/business/2011/04/in-praise-of-failure/

売上 1,859億 2,493億
利益 563億 734億
利益率 30.28% 29.44%
参考：https://en.wikipedia.org/wiki/Dyson_(company)／ http://www.wired.com/business/2011/04/in-praise-of-failure/
2011 2013

イノベーションの発想
成功は失敗から学ぶ
ことでしか得られない
James Dyson
Photo：@tceb62 ＜https://twitter.com/tceb62＞

素早い失敗とたくさんの学習
Fail fast, learn a lot

プロセス体験
An Experience in Process

職場でのリフレッシュ体験を新しくデザイン
•  成果は製品/サービス/システム等、何でもOK
•  ただし、重要なのはプロセスの学習

Design Thinking InstituteDesign Thinking Institute共感
デザイン思考
共感
問題定義
創造
プロトタイプ
テスト

人間中心デザインの基礎
ユーザーに対する深い理解
Step1. 共感
共感

共感について
By the imagination we place
ourselves in his situation,
we conceive ourselves enduring
all the same torments
「想像の中で相手の状況に身を
おき同じ苦しみを感じること」
Adam Smith
(Theory of Moral Sentiments, I.i.1.2)

sympathize empathize
•  シンクロ
•  実体験から
•  受動的
•  中に入り込む
•  想像から
•  能動的
2つの共感
参照：Herbert Read, Read H Staﬀ The Meaning Of Art Faber & Faber, 2004

3つの方法
客観的主観的
①観察 ②インタビュー ③体験

ワークインタビュー項目の設計
1.  テーマを踏まえて相手に質問したいことを、
事実の観点から2つ考える
⇒ 何／誰と／いつ／どこ／どう
2.  同様に感情の観点から2つ考える
⇒ 嬉しい／悲しい／好き／嫌い
職場でのリフレッシュ体験を新しくデザイン

ワーク相手に共感しよう！
１：2人1組のペアを組みます
２：相手の写真を観察（2分）
３：インタビュー項目の設定（3分)
４：インタビュー（4分×2回）
(1) AさんがBさんにインタビュー
(2) BさんがAさんにインタビュー
職場の
リフレッシュ体験を
新しくデザイン

ワーク物語の共有と把握
1.  順番に、観察やインタビューによって得られた
物語を口頭で共有
2.  発言しているメンバーの物語を、聞いている
メンバーがポスト・イットに太い字で記録

Design Thinking Institute問題定義
着眼点を定める
優れた解決策を生む
きっかけとなる
Step2. 問題定義
問題定義

“If I had 20 days to solve a problem,!
I would take 19 to deﬁne it.“
Albert Einstein"

例：MRI アドベンチャー・シリーズ
ユーザー
検査が怖く、不安な気持ちになって泣きだした5歳の子供
ニーズ
遊んで楽しみたい。自分は普通の子供だと思いたい
インサイト
これから行うことが冒険とわかったら、積極的に参加する
具体的ユーザー像
⃝ニーズ ✕解決策
共感を通して得られた気付き
着眼点の構成要素

1.  共感マップでユーザーへの理解を深める
2.  ペルソナを作成して共感を高める
3.  着眼点を設定してユーザーの視点に立つ
問題定義：方法

?
共感マップ
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• 「健康に気を使い始めた」
• 「いつも帰宅は10時以降」
•  ジムに申し込みをした
•  夜中にアイスを食べる
•  健康な生活をすべき
•  習慣を改める必要がある
•  疲れた時は好物を食べたい
•  私はそんなに不健康じゃない
発言(say) 考え/気持ち(think/feel)
行動(do)

ペルソナ例

［(1)ユーザー］は［(2)ニーズ］を必要としている。
なぜなら/でも…［(3)インサイト］。
着眼点を定める

着眼点の例：買い物の体験
(1)浪費家のAさんは・・・
(2)ニーズ
1.  並ぶのを避けたい
2.  買い物を楽しみたい
3.  歩きまわるのが好き
→
(3)インサイト
1.  「時は金なり」の精神を
大切にしている
2.  自分の好きなものにお金
を出すことが楽しい
3.  幸せそうな人を見ること
が自分を幸せにする
→
→

1.  フィールドワークの結果わかったことで、
特に興味深かったユーザーの発言や特徴を抽出
2.  抽出した発言や特徴を1枚の模造紙にまとめ、
共感マップを作る
ワークチームで共感マップを作成

発言(say) 考え/気持ち(think/feel)
行動(do)
?
共感マップ
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計10分
5分：発言と行動に分ける
⇒ 観察やインタビューでわかった客観的な事実
5分：考えや気持ちを推論して記入する
⇒ 発言と行動を踏まえた主観的な解釈
ワークチームで共感マップを作成

ワークペルソナ作成

［(1)ユーザー］は［(2)ニーズ］を必要としている。
なぜなら/でも…［(3)インサイト］。
ワーク着眼点の穴埋め

着眼点の例：買い物の体験
(1)浪費家のAさんは・・・
(2)ニーズ
1.  並ぶのを避けたい
2.  買い物を楽しみたい
3.  歩きまわるのが好き
→
(3)インサイト
1.  アップルの新製品なら
3日間並んで待てる
2.  衝動的に買った時に罪悪
が残る
3.  買い物客がいない場所で
は歩きたくない
→
→

着眼点をシェア
1：着眼点をチームで共有
→ そのまま読み上げる（1分／人）
2：チームで議論し、一つ選ぶ
職場の

参考：インサイトの壁
希望自信
参照：T. ブラウン(2010)『デザイン思考が世界を変える』千葉敏生訳、早川書房
＋
ー

Design Thinking Institute創造
イノベーションの
可能性を広げる
生成と評価を分ける
Step3：創造
創造

ワークブレインストーミング
事前準備
•  1回につき1つのトピック／テーマ
3つのポイント
1.  質より量：評価しない／思いつきの発言OK
2.  簡潔に：視覚化／新聞の見出しを意識
3.  共同作業：他人の発言に乗る／喋りながら貼る
職場の

分類名
ワークアイデア分類

ユーザーに喜んでもらえる (有用性)
形になりそう(実現性)
前代未聞（革新性）
ワークアイデア選択

Design Thinking InstituteDesign Thinking Instituteプロトタイプ
アイデアを
見える状態に
考え学ぶために
素早く作る
Step４. プロトタイプ
プロトタイプ

早めに失敗しよう

プロトタイプで確認すること
参照：R. Martin(2009) The design of business
再現性
有用性
機能：正しさ
共感：ワクワク


IMG_2560.JPG
ワークプロトタイプの作成

Design Thinking InstituteDesign Thinking Instituteテスト
ユーザーにとっての
日常で試す
ユーザーに対する
より深い理解を得る
テスト
Step5. テスト
テスト

フィードバックマップ
良い点改善点
疑問点アイデア

テストのための3点セット
1：状況 → いつ／どこで発生する問題なのか
2：小道具 → プロトタイプ
3：配役 → ユーザー／友人・同僚／店員

2分フィードバックマップの準備
3分 1：テストユーザーに状況を伝える
2：プロトタイプを使ってもらう
3分フィードバックをもらう
2分フィードバックを元に改善
ワークテスト実践

1.  ニーズ（共感：普段の行動）
2.  インサイト（問題定義：抱えている藤）
3.  変化（創造：提供する解決策）

5分間：シナリオ作成
ワークストーリーテリング

振り返り
Debrieﬁng

I like, I wish
「・・・が良かった！」
「・・・が活かせそう！」
「・・・という点で価値があった！」
「・・・がよくわらかなかった」
「もう少し・・・だったらよかった」
「できれば・・・したかった」
1人
2分

何度も繰り返し実行
問題定義
共感
問題定義
創造
プロトタイプ
テスト

9:00 – 17:30, Aug. 21 - 23th, 2015
Design Thinking Boot Camp
in 3days
Takanori Kashino & Tamaki Nakamura, from Design Thinking Institute
Special Thanks to Stanford d.school
CC – BY – NC – SA - 3.0
日程：8月21∼23日（金・土・日）
参加費：194,400円（入門参加者:129,600円）
デザイン思考マスター・クラス：夏期特別編(3日間)

参考文献・参考資料
1.  Fleming, Lee, Perfecting Cross-Pollination.
Harvard Business Review, 00178012,
Sep2004, Vol. 82, issue 9.
2.  Hasso Plattner Institute of Design at
Stanford (d.school). The bootcamp
bootleg.
3.  Kotler, Philip; Kartajaya, Hermawan;
Setiawan, Iwan (2010) Marketing 3.0:
From Products to Costumers to the
Human Spirit, Wiley.
4.  Martin, R.(2009) The design of business,
Harvard business press.
5.  Neumeier, M. (2012) The designful
company.
6.  Patnaik, Dev. (2009) Wired to Care, FT
Press.
7.  Pink, D.(2006) A Whole New Mind: Why
Right-Brainers Will Rule the Future,
Riverhead Trade.
8.  Simon, Herbert A. (1996) The Sciences of
the Artiﬁcial, The MIT press.
9.  Smith, Adam. (1875) Theory of Moral
Sentiments.
10.  http://www.ﬂickr.com/photos/winning-
information/2325865367/
11.  F・ドゥ・ヴァール(2010)『共感の時代へ』
柴田裕之訳、紀伊國屋書店
12.  T. ケリー＆J. リットマン(2002)『発想する会
社!』鈴木主税＆秀岡尚子訳、早川書房
13.  T. ブラウン(2010)『デザイン思考が世界を変
える』千葉敏生訳、早川書房

ライセンス
•  「一般社団法人デザイン思考研究会所」によるこの資料は、
Creative Commons 表示 ‒ 非営利 - 継承 2.1 日本 License.によってラ
イセンスされています。本資料は
https://dschool.stanford.edu/groups/k12/とhttp://
dschool.stanford.edu/wp-content/uploads/2012/02/Participant-
Worksheet.pdfに基づき作成されました。
•  出典明記と以下のライセンス継承をして頂ければ、非営利に限りご
自由にご利用が可能です。詳しくは以下をご覧下さい。
http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/2.1/jp/

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