2019年10月6日(日)に水戸市立東部図書館の情報発信レベルアップ講座で使用したスライドです。

1. 情報発信レベルアップ講座
SNSをつかいこなすためのヒント
2019年10月6日(日)
水戸市 みとの魅力発信課 課長 沼田 誠

2. 自己紹介

3. 1971年生まれ=47歳
京都→札幌→名古屋⇄東京→水戸
一橋大学社会学部卒・中国史専攻
2000年水戸市役所に入庁

4. 2012年∼
庁内公募により
みとの魅力発信課へ異動
↓
2017年∼
みとの魅力発信課長

5. みとの魅力発信課
市民相談室
・行政課題の発見
・市政モニター
・市民/行政懇談会
広報係
・行政情報の広報
・広報紙
・マスコミ対応
イメージアップ係
・魅力情報によるPR
・イメージアップの企画
・市民の魅力発信の支援他
・フィルムコミッション
(・HP・SNSの運用)
(旧広報広聴課…対市民)

7. このような講座を行う動機

8. なぜ「情報が届かない」という声が届き続ける？
なぜ「 城県魅力度最下位」が話題になるのか？
なぜ「 城／水戸は発信が下手」なのか？
なぜ水戸の歴史について住んでいる人が知らないのか？

9. 「「くまもとサプライズ」は、
熊本県民のみなさんが、
自分たちの日常の中にある「サプライズ」を
見つけて、
それを一人でも多くの人に伝えようとする
運動です。」(小山薫堂)
(2012年3月朝日新聞広告特集
…1年後に九州新幹線の開通を控えた熊本県による記事)

10. 同じことが 城／水戸にも必要だが
しかし伝え方が下手では伝わらない
↓
ノウハウの地域での共有や研究が必要
Cf.福井県：通信販売→ECサイト構築

11. ❶情報がありすぎる時代の情報発信
❷SNSをマスターするステップ
❸各SNSの特徴
❹その他

12. ❶情報がありすぎる時代の情報発信
❷SNSをマスターするステップ
❸各SNSの特徴
❹その他

13. 全世界のデジタルデータの量(2010年)

14. 1ゼタバイト(2010年)
1ZB=1,000EB(エクサバイト)
1ZB =1,000,000PB(ペタバイト)
1ZB =1,000,000,000TB
1ZB =1,000,000,000,000GB
↓
世界中の砂浜の砂粒の数と同じ数
(情報砂一時代)

15. 40ZB
1ZB

16. トヨタの広告宣伝費=みとの魅力発信課の当初予算の4,000倍
東洋経済Online(2017.9)

17. 情報発信=地球40個分の砂浜から
自分の砂粒を発見してもらうこと
↓
特に広告的なものは無視されるのが当たり前
手に取られてもすぐに忘れられる
(そしてお金はかけられない)

18. そのような状況でどうやって情報を届けるのか

19. (問題)
仙台旅行で超美味しい牛タン定食を食べたい時
どうやってお店を探しますか？

20. 地元民や友人＞ガイドブック

21. 他薦＞自薦

22. 情報発信
自薦
(自ら発信)
オウンドメディア
広報紙
ホームページ
SNS,動画,ブログ 等
広告
マスメディア
インターネット
サイネージ 等
他薦にみせかけた
自薦
インフルエンサー
マーケティング
観光大使
有名ブロガー
YouTuber 等
他薦
(発信してもらうよう
誰かに働きかける)
パブリシティ
ニュースリリース
事業の先進性 等
口コミ
(仕掛けて発生)
(偶発的に発生)

23. 広告は本来信頼度が高くない
質の高い広告は簡単に作ることが困難
パブリシティは広告主が制御できない(報道の自由や口コミ)
↓
◉とにかく知らせようとする(質の低い広告の蔓延)
・繰り返し表示(←フェイクニュース)
・表現の過激化(炎上マーケティング)
◉人気者に語らせる(インフルエンサーマーケティング)
読者モデル→YouTuber ex.「荒野行動」の拡散
◉広告に見せない(ステルスマーケティング)
PR表示のないWebメディアへの掲載←規制の強化

24. ❶情報がありすぎる時代の情報発信
❷SNSをマスターするステップ
❸各SNSの特徴
❹その他

25. LEVEL.1
情報を収集する
LEVEL.2
投稿のルールを決める
LEVEL.3
ファンを獲得する
LEVEL.4
インフルエンサーになる

26. (レベル1)情報を収集する

27. 0
1,000,000
2,000,000
3,000,000
4,000,000
@yousuck2020
(前澤友作)
@takapon_jp
(堀江貴文)
@masason
(孫正義)
@itoi_shigesato
(糸井重里)
2,351,8372,435,144
3,319,081
3,962,987
977959791
左…フォロー数
右…フォロワー数

28. SNSの二面性：情報発信と情報収集
↓
情報収集の道具としてのみ使ってもよい
無理に発信しなくてもよい

29. 情報を収集するのは「正解を導き出したい」から

30. ❶ 情報源のフォローは少なくてよい
●わかりやすく整理してくれる人(キュレーター)のみフォロー
●異なる意見や感覚を持つ人もあえてフォローする
・確証バイアス(視野の狭まり)を避け
多様な意見を聞くことで自分の中に 集合知 を作る
・セレンディピディを呼び込む(有益な情報を偶然に発見)

31. みんな 多くの人
みんな=多様な人

32. ❷ 情報を貯める・読み返す
●情報収集の方法が変化
・「その都度検索」→「情報を貯め必要な時に後から見る」
・定期的に見返すことで自分の中でアイデアの 発酵 が進む
・貯め方の例
Gmailに送る
Facebookの保存機能を使う
いいね！ リツイート などを付箋として使う
スクリーンショットを撮る

33. ・60分以内で読める名著
・アイデアが生まれる仕組み
①収集
②消化
③発酵
④ひらめき
⑤具体化

34. テーマを設定して
仕分けもできる

35. (レベル2)投稿のルールを決める

36. ① #(ハッシュタグ)
●投稿にキーワードを付けテーマを追いやすくするしくみ
・SNS上で多く投稿されている言葉(トレンドワード)に
内容を関連させる際ハッシュタグを使う
●SNSにより最適な数がある
・Twitter…1∼２個
・Facebook…なしの方がよい？
・Instagram…最大30個→8∼12個が最適

37. ② 投稿する時刻
●４つのタイミングで投稿する
・通勤時→ランチタイム→退勤時→就寝前
●決まった時刻に自動投稿できる外部サービスを利用する
・Buffer，HootSuite，IFTTTなど
※Facebookページは予約投稿可能

38. ③ 写真
●とにかくたくさん撮る
●体も心も撮影対象に向かって一歩前へ(by篠山紀信)
●構図
・画面を縦横三分割して対象を配置
・合わなければトリミングして調整
●加工
・食べ物は少し明るさや赤みを加えると美味しそうに見える
●光
・できるだけ自然な光で撮る(フラッシュは使わない)
・影を意識する(立体感)
●その他
・撮影対象への敬意(神社は正面から撮らないなど)

40. ←加工前
↓加工後

41.
④ 文章
●ネット上の読者は「読む」ではなく「見る」
・短く簡潔に
・語り過ぎてしまう→ブログへ移行
Cf.
・Yahoo!ニュースのヘッドラインの文字数…13.5文字
●文章が難しければ写真や動画で補完してもよい

42. ⑤ 広告臭を消す
●他人にオススメした瞬間、広告的に見えてしまう
→対象に対する自然な反応で表現する
✖「超うまい！ぜひみんなも食べてください！」
○「超うまい！」

43. ⑥ 毎日投稿する
●ネットで注目を集めるためには 毎日投稿 が必要条件
Cf.
・181127株式会社オガール・岡崎正信代表
(まちづくり専攻の新入社員に対しての指示)
「毎日200字以内のブログと写真2枚を毎日投稿」
「まちづくりの話は興味を持つ人が少ない→10回に1回」
→6年間続けた結果：40/日→14万件/日
・190417UUUM・松山奨代表
「成功するユーチューバーは毎日投稿する人」

44. ⑦ 投稿しないという選択
●投稿は誰が見ているかはわからないことは大前提
●投稿を避ける場合を自分の中で明確にしておく
・気分が落ち込んでいる時
・酔っている時
・自分の解釈が定まっていないニュースを見た時 など
●ネガティブなことは書かない
●政治・外交・宗教・下ネタは避ける
●どうしても書きたい場合は表現を十分に婉曲にする

45. (レベル3)ファンを獲得する

46. ファンを獲得するために必要なこと
①共感を得る
②自分の世界観を表現する
③ファンとの継続したコミュニケーション

47. ファンを獲得するために必要なこと
❶共感を得る
❷自分の世界観を表現する
❸ファンとの継続したコミュニケーション

48. 2014年2月28日(金)高橋市長 堀江貴文氏対談
高橋市長「水戸の魅力とは何か？」
堀江氏 「地域であなたの守りたいものは何？
…と聞いて出てくるものが魅力。」
「私が水戸に対して思うのは、
歴史と文化に裏打ちされた美的感覚。
好文亭の3階からの眺め。」
「 水戸市 にファンがつくのではない。
誰々さん にファンがつく。」
↑＜収監期間：2011年6月∼2013年3月＞
2010年10月26日(火)どっとこむいばらき主催講演会
堀江氏 「 城には実はよく来てます。
宍戸カントリーでゴルフをやって、
大工町のキャバクラで飲んで、
で、東京に帰ります。」

50. ヒトはモノ・コトには共感しない
ヒトはヒト(物語)に共感する

51. どうすれば共感してくれるのか？

52. ゴールデンサークル(サイモン・シネック)

53. ゴールデンサークル(サイモン・シネック)
抽象
具体
モノ・コト
方法
動機・理念

54. TED(Technology Entertainment Design)
サイモン・シネック「優れたリーダーはどうやって行動を促すのか」

55. Self
私は子どもの頃、バレエを習っていました。
しかし学校の同級生や先生は、私ほどバレエを好きではなく、体育の先生からは
女みたいだとからかわれました。
彼は私のことを『オカマ』と呼んだ、最初の人でした。
ずっと私はひとりぼっちだ、悪いのは自分だと思っていました。
Us
私たちは誰でもからかわれたり、いじめられたりした経験があります。
それは背の高さや出身地、人種のことかもしれません。
たとえ一瞬だったとしても、自分には誰も味方がいない。
誰も助けてくれないという気持ちがわかるはずです。
Now
もっと早くカミングアウトしていれば、もっと子どもの相談にのれたはずです。
これ以上時間をむだにしたくありません。
行動を起こすのは今です。
子どもたちが自ら死を選ぶ前に、一緒に手をさしのべましょう。

56. 動機 のある 理念 や 大義 は共感を生む
↓
嘘のない自分の 物語 を語ろう

57. ファンを獲得するために必要なこと
❶共感を得る
❷自分の世界観を表現する
❸ファンとの継続したコミュニケーション

58. (１)キュレーション(知識)
・自分の専門性は何か？→名乗り
・フォローした複数の情報源から導かれる集合知

59. (２)センスの表現(感性)
・自分が気持ちいいと感じるものを把握する
・テーマの首尾一貫性
・フォーマットの統一
写真の加工で使用するフィルターを統一など

60. DELISH KITCHEN

61. ファンを獲得するために必要なこと
❶共感を得る
❷自分の世界観を表現する
❸ファンとの継続したコミュニケーション

62. 接客

63. 中の人 の息づかいを見せる
↓
中の人 への共感(VIP)
↓
店舗への興味(来店)
↓
継続的なコミュニケーション
・マメな返信
・ファンミーティング等
↓
継続的なファン(常連)

64. (レベル4)インフルエンサーになる

65. 1万時間→専門性の獲得
=100人に1人の人材
↓
(1/100) (1/100) (1/100)
=1/1,000,000
3つの専門性があれば
100万人に1人の希少性
(=レアカード化)

66. ❶情報がありすぎる時代の情報発信
❷SNSをマスターするステップ
❸各SNSの特徴
❹その他

67. Twitter
●国内アクティブユーザー数：4,500万人
●ターゲット
・基本的には不特定多数
・若者←複数のアカウントを持ちペルソナを使い分ける
・特定のファングループ(トライブ)
●運用のポイント
・プロフィール…ネット上での信用の源泉
・投稿頻度は高め…botの活用(個人利用では )
・文字→写真
・炎上しやすい→正確な内容(特に災害時)・権利関係
・リアルタイム性
→トレンドやお祭り感を重視して運用(イベントの中継など)

69. Facebook
●国内アクティブユーザー数：2,800万人
●ターゲット
・中高年男性
・社会的地位が明確な人
●運用のポイント
・4つのタイミングでの投稿
・写真→文字
・投稿の範囲：公開、友達限定、特定のグループ限定
・ターゲットの精度が高い→広告は割と有効
・アルゴリズムの変化：写真→動画→LIVE→…？
・スパム注意

70. LINE
●国内アクティブユーザー数：8,000万人
●ターゲット
・全世代(メッセージアプリとして)
→公式アカウント上では20-40代女性
●運用のポイント
・One to One：基本的に(LINE内では)炎上しない
・投稿頻度は1日1回以下…頻度が高いとブロックされる
・画像→リンク先へ誘導

71. Instagram
●国内アクティブユーザー数：3,300万人
●ターゲット
・20-40代女性→拡大
●運用のポイント
・写真のみで完結(文字は読まれない前提)
・アクティブユーザー多い
・Facebook傘下→Facebookと連携で同時投稿
・ハッシュタグ大事
・検索機能はハッシュタグのみ…8∼12個を添付
・ハッシュタグフォローが可能
・写真の質・統一感
・ インスタ映え は一巡？

72. その他
●TikTok
・10-20代が圧倒的
・必ず数百ユーザーには見てもらえるが拡散は限定的
→既に衰退傾向？
●マチマチ
・アメリカの地域密着SNS NextDoor を参考にリリース
・水戸では転勤者などが多く利用
●Pinterest
・著作権的な問題アリ？
●Weibo(微博)
・中国で圧倒的シェア
・KOL(Key Opinion Leader)の活用？

73. ❶情報がありすぎる時代の情報発信
❷SNSをマスターするステップ
❸各SNSの特徴
❹その他

74. 誘惑に勝てるか？
・フォロワーはお金で買える
・誰かを攻撃することで知名度を獲得
・広告に見えない広告 など

75. ・東京都教育委員会が
スマートフォン解禁
・文部科学省も
原則禁止のルール見直し
⇅
・禁止一辺倒だった学校には
ノウハウがない
・リテラシーを誰が教える？
↓
自衛を！

76. 炎上 の発生
・基本は「過剰に反応しない」
・タイミングを注意深く判断する
・問題の投稿の削除
・再開のタイミング

77. 災害時の発信
・いつの時点の情報かを明確にする
・直接確認可能な情報のみ投稿する

78. まとめ

79. SNSも現実も人との向き合い方は同じ
↕
SNSは現実とは異なり自分で影響力を拡大できる

80. SNS=他人が自分に会いたくなるツール

81. ご清聴ありがとうございました！
Facebook：Makoto Numata
joseph.kafkah@gmail.com