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本当は怖い「2次受け少額案件」の世界
- 1. 本当は怖い「2次受け少額案件」の世界 第3回 群⾺WordPress Meetup 家富 正幸（@jyokyoku）
- 2. ⾃⼰紹介 家富 正幸（いえとみ まさゆき） 37歳・⾼崎⽣まれ・前橋住み • 株式会社インスパイアデザイン • エンジニア＆ディレクター • WordPressのテーマ開発が仕事 • 2017年〜2019年9⽉で132テーマを納品 • HTML／CSS／PHPは独学 • スプラトゥーン2／筋トレ／旅⾏
- 3. 諸注意 • 僕は法律の専⾨家ではありません。 • 発表する内容は実際に弁護⼠に相談して確認した内容も含みます が、ケースバイケースの可能性もあります。 • 困ったことがあれば、まず弁護⼠に相談するべきです。
- 4. 結論
- 6. 前提
- 7. 前提 • 弊社は代理店を介して、 孫受け以上の案件を9割くらい受注している • エンドクライアント ➡ 代理店 ➡ 弊社 • 代理店は中〜⼤企業もあるが、 個⼈事業主や⼩規模な会社が5割以上ある
- 8. 踏み倒されたケース
- 9. ケース1 • 納品後に⾳信不通 • 電話連絡を何度もするが、毎回「経理は が不在で」「代表者が不在で」というこ とで担当者と連絡取れず • 内容証明を送るも反応無し 有限会社A 資本⾦︓ 100万円 取引数︓ 初回 着⼿⾦︓ あり 請 求︓ 納品後 被害額︓ 3万円
- 10. ケース2 • 4回⽬の取引後、過去全ての⼊⾦が無い ことが発覚 • 連絡したところ経理担当が横領して逃げ たと苦しい⾔い訳 • 全体の3/4を⽀払った後で⾳信不通に • 内容証明を送るも反応無し • その後ウェブサイトが消滅、 電話も不通になり代表者の⾏⽅も不明 合資会社B 資本⾦︓ - 取引数︓ 4回 着⼿⾦︓ なし 請 求︓ 納品後 被害額︓ 15万円
- 11. ケース3 • 6回⽬の納品後、5回⽬の請求から⽀払わ れていないことが発覚 • ⼝座残⾼が無いため⽀払を待ってくれと の連絡があり、公正証書を作り分割払い で⽀払ってもらうことに • 2回の⽀払後に⽀払いが遅延し⾳信不通 • ⾃⼰破産したため請求不可能に フリーランスC 資本⾦︓ - 取引数︓ 6回 着⼿⾦︓ なし 請 求︓ 納品後 被害額︓ 20万円
- 12. ケース4 • 8度⽬の納品後、6度⽬の納品から⽀払が無 いことをが発覚 • 担当が体調不良を理由に⾳信不通に • 別担当と連絡を取るが「納品物がバグだら けなので⽀払できない」との連絡 • バグをリストで送れと返答するが、なぜか 「バグで納品できなかったので訴訟を起こ す」という明後⽇の⽅向に急展開 • 資料をそろえて訴訟を楽しみにするも、 やっぱりコイツも⾳信不通 株式会社D 資本⾦︓ 300万円 取引数︓ 8回 着⼿⾦︓ なし 請 求︓ 納品後 被害額︓ 70万円
- 13. 結局のところ • 何度もメールを送って、電話をして、 ⾏政書⼠に内容証明を送ってもらっても最後は⾳信不通になる • ⾳信不通になった取引先を探すのは⾮常に⾯倒くさいし、 ⾒つかっても無い袖は振れないと⾔われたら終わり • 逆にマイナスになってしまうため、 数万円を⽀払ってもらうために⼤きなコストはかけにくい
- 14. 対応策を考える
- 16. 案1 • ⾃社がエンドクライアントから直接受注している案件であれば、 契約書に条項を盛り込んでおけば実施できる • 代理店をからの受注の場合、代理店のサーバー上のファイルを削 除したり納品物の返還請求はできるが、エンドクライアントの サーバーから直接納品物を削除することは出来ない。 • 下⼿をすると損害賠償で訴訟になる可能性がある。
- 19. 案3 公正取引委員会に通報する
- 20. 案3 • 下請法の適⽤要件としてIT系の場合は、 代理店の資本⾦が1001万円を超えている必要がある • 資本⾦1000万円以下、または個⼈の代理店から受けた業務は、 下請法の適⽤外となる • 少額案件の殆どは個⼈や⼩規模代理店からの依頼が多いため、 殆どが適⽤範囲外（弊社の場合）
- 21. 案4 少額訴訟を起こす
- 22. 案4 • 60万円以下の案件に限れば実施できる • ⼿続きが⾮常に⾯倒くさい • 勝訴し、相⼿が⽀払わない場合は差し押さえも可能だが、 差し押さえる資産や銀⾏⼝座などがわからないと実施できない • 裁判所は相⼿の銀⾏⼝座は調べてくれない • そもそも⼝座に資産がなければ差し押さえられない
- 23. どうすればいいの︖
- 25. 事前のリスク回避⼿段
- 26. 事前のリスク回避⼿段1 • 必ず契約書を作り、⽀払要件を明確にしてから作業をする。 ⼝頭発注でいきなり仕事を開始するという愚⾏は絶対に⾏わない。 • 契約書を作る際は必ず内容を理解しておく。 特に⽀払／納品／瑕疵担保／著作権にかかわる箇所。 • 相⼿の資本⾦は必ず確認し下請法の適⽤があるかを確認する。 • 初回取引の場合は必ず着⼿⾦を⽀払ってもらい、 相⼿のキャッシュ状況と、訴訟に備えて銀⾏⼝座を確認する。
- 27. 事前のリスク回避⼿段2 • 着⼿⾦を嫌がる代理店はキャッシュ無い可能性があるので要注 意。 その場合必ず「経理上の都合で〜」という理由。 • 開発期間が1ヵ⽉以上かかったり、全体の⾦額が⼤きい場合は、 着⼿だけでなく中途⼊⾦なども相談すること。 • 可能であれば納品前の全額⽀払いをルール化する。 嫌がる代理店も多いので難しいところ。