PDF入稿 初めの一歩 ~ PDFの基本知識から印刷用データまで1. PDF入稿は怖くない
PDF入稿 初めの一歩
PDFの基本知識から印刷用データまで
笹川純一@jdash2000
2. プロフィール
名前:笹川純一
ハンドルネーム:@jdash2000 とか jdash
勤務:印刷会社
印刷用データのデータ処理・出力などを取り組む
現在の職務はウェブ制作・講師など
InDesign集中セミナー関西版開催! 2012年11月30日 @メルパルク京都
共著ですが書籍も出しています→
『デザイン・フォーラム 13人のプロが教える原則と経験則』(翔泳社)
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4798123323/ 笹川純一@jdash2000
3. 概要
PDFの生い立ち・歴史
印刷用データには様々なものがある
なぜPDFを選択するのか?
完全データ入稿とは?
PDFにも色々ある
PDF入稿するためには
笹川純一@jdash2000
5. PDFの生い立ち・歴史
1984年
PostScriptが発表
翌1995年にPostScript対応の機器・ソフトが発表
Apple Macintosh用プリンター「LaserWriter Ⅱ」
Aldusのページレイアウトソフトウェア「PageMaker」
出典:http://www.adobe.com/jp/print/postscript/pdfs/welcmps2.pdf 笹川純一@jdash2000
6. PDFの生い立ち・歴史
1990年
基礎となる技術の開発
ページ記述言語Adobe PostScriptの技術が確立さ
れ、印刷技術の標準として普及
PostScript Level 2が確立
出典:http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/adobepdf.html 笹川純一@jdash2000
7. PDFの生い立ち・歴史
1992年
Adobe PDFの誕生
コードネーム『Carousel』として発表されたAdobe
PDFは、画期的で斬新なテクノロジが大きな反響を
呼び、この年のBest of Comdex賞を獲得。
出典:http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/adobepdf.html 笹川純一@jdash2000
8. PDFの生い立ち・歴史
1993年
Adobe Acrobatのデビュー
Adobe PDFファイルの作成と表示を可能にする多機
能ソフトウェアAdobe Acrobatの販売を開始。PDF
が多様な情報とあふれるアイデアを世界中に発信し
始めます
出典:http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/adobepdf.html 笹川純一@jdash2000
9. PDFの生い立ち・歴史
1994年
無償の閲覧ソフト
アドビは、無償でAdobe Readerソフトウェアの配
布を開始しました。これにより、Adobe PDFはさら
に普及します。以来、Adobe Readerのダウンロー
ド数は、世界中で累計5億本を超えました
つまり前は閲覧するソフトが
有料だった
出典:http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/adobepdf.html 笹川純一@jdash2000
10. PDFの生い立ち・歴史
1996年
プロフェッショナルグレードへ
Acrobat 3.0は、スポットカラー、ハーフトーン、
UCR、オーバープリントといった印刷プロ向けの機
能をAdobe PDFでサポートする機能を提供しました
画面表示→印刷用途も
出典:http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/adobepdf.html 笹川純一@jdash2000
11. PDFの生い立ち・歴史
2001年
PDF/X-1aがISO 15930-1として発行
→ PDF/X-1a:2001
出典: 笹川純一@jdash2000
12. PDFの生い立ち・歴史
2002年
時代をリードする雑誌でも活躍
TIME社が広告制作用の入稿データにPDF/Xを指定
こんな時代→
懐かし過ぎる
出典:http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/adobepdf.html , http://www.time.com/time/covers/0,16641,20020114,00.html 笹川純一@jdash2000
13. PDFの生い立ち・歴史
2006年
次世代PDF印刷ワークフローをパワフルにサポート
Adobe PDF Print Engineは、一般的な技術プラット
フ ォ ー ム ; Adobe PDF と JDF で 、 Adobe Creative
Suiteユーザーを印刷のプロフェッショナルたちと
つなぎ、エンドツーエンドのワークフローを可能に
します
出典:http://www.adobe.com/jp/products/acrobat/adobepdf.html 笹川純一@jdash2000
14. PDFの生い立ち・歴史
2007年
PDF/X-4のドラフトが発行
翌2008年にISO 15930-7:2008として発行
→ PDF/X-4:2008
出典: 笹川純一@jdash2000
15. PDFの生い立ち・歴史
2010年
PDF/X-4
ISO 15930-7:2010として発行
→ PDF/X-4:2010
出典: 笹川純一@jdash2000
17. 印刷用データには様々なものがある
ネイティブデータ
レイアウトソフトのデータそのもの = 編集用
メリット :再編集しやすい
デメリット:付属ファイルの添付し忘れ
編集環境の違いによるエラー
笹川純一@jdash2000
18. 印刷用データには様々なものがある
EPSデータ
レイアウトソフトから書き出したデータ
メリット :このファイルだけで印刷できる
デメリット:再編集しづらい(例外が大いにあり)
編集環境の違いによるエラー
複数ページを扱えない
笹川純一@jdash2000
19. 印刷用データには様々なものがある
PSデータ(PostScriptデータ)
プリンタドライバから書き出したデータ
メリット :複数ページを扱える(1ファイルでOK)
出力指定情報を含められる
デメリット:書き出す設定が難しい
再編集は難しい
笹川純一@jdash2000
20. 印刷用データには様々なものがある
TIFFデータ
完全に画像データ
メリット :編集環境の違いによるエラーがない
デメリット:データサイズが大きい
精密さの設定が難しい
再編集は難しい
笹川純一@jdash2000
21. 印刷用データには様々なものがある
PDFデータ
これからの印刷用標準データ
メリット :様々なデータ・設定を含められる
複数ページを扱える
印刷用の標準規格がある
デメリット:書き出す設定によっては印刷に不適切に
再編集は難しい
笹川純一@jdash2000
22. なぜPDFを選択するのか?
印刷用データに求められるもの
安定した出力《高信頼性データ》
エラーを含みづらいデータ
環境の違いを吸収できるデータ
適切なファイルサイズ
どこでも使える《非依存データ》
環境依存・機種依存しない
笹川純一@jdash2000
23. なぜPDFを選択するのか?
柔軟性と信頼性のバランス
Flexibility:柔軟性 / Reliability:信頼性
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
24. 完全データ入稿とは?
データは指示書
データの作成者は次行程へ命令する人
仕上がりサイズ指定
カラー指定
フォント指定
画像指定
加工指定
笹川純一@jdash2000
25. 完全データ入稿とは?
「完全」の意味
データを受け取った側が
修正・編集を加える必要がなく、
適切な指示のあるデータ
→ データ作成側ではない
→ データを見て仕上がりがわからないデータはNG
笹川純一@jdash2000
27. PDFにも色々ある
PDFのバージョン
PDF 1.0 / 1.1 / 1.2 / 1.3 / 1.4 / 1.5 / 1.6 / 1.7
PDFのバージョンは
基本的にAcrobatのバージョンと密接な関係
笹川純一@jdash2000
28. PDFにも色々ある
PDFのバージョン
PDF 1.0 ───── Acrobat 1.0
PDF 1.1 ───── Acrobat 2.0
透明機能
PDF 1.2 ───── Acrobat 3.0 なし
PDF 1.3 ───── Acrobat 4.0
PDF 1.4 ───── Acrobat 5.0
PDF 1.5 ───── Acrobat 6.0 透明機能
PDF 1.6 ───── Acrobat 7.0 あり
PDF 1.7 ───── Acrobat 8.0
笹川純一@jdash2000
29. PDFにも色々ある
PDF/Xとは
ISO 15930で定められている印刷向けPDFの規格
PDFファイルの相互交換性(=受け渡し)を定義
PDF/X-1a ─── Acrobat 4.0
PDF/X-2
PDF/X-3
PDF/X-4 ─── Acrobat 5.0~
PDF/X-5
PDF/X Plus ←これだけ少し違う(ISO準拠ではない)
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
30. PDFにも色々ある
PDF/Xの種類
PDF/X-1a
PDF/X-2
PDF/X-3
PDF/X-4
PDF/X-5 ←
PDF/X Plus
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
31. PDFにも色々ある
RIPの種類
CPSI
PDF/X-1a Configurable PostScript Interpreter
PostScriptを処理
PDF/X-4 APPE
Adobe PDF Print Engine
PDFを処理
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
32. PDF入稿するためには
PDFに求められる設定
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
33. PDF入稿するためには
PDFに求められる設定
PDF/X
Embedded fonts, no encryption, TrimBox required,
no HalftoneName, no threshhold screens,
no annotations within the page etc.
PDF/X Plus
Min & max image resolutions, min type size,
Required bleed, which print characterization etc.
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
34. PDF入稿するためには
PDFに求められる設定
PDF/X
フォントを埋め込む
暗号化しない
トリムボックスを付ける
注釈を(仕上がり範囲内に)付けない
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
35. PDF入稿するためには
PDFに求められる設定
PDF/X Plus
特定の範囲の画像の解像度になっている
解像度が低すぎたり高すぎたりしない
文字の大きさが特定のサイズ以上になっている
裁ち落としデータがある
出典:http://www.gwg.org/content/downloads/whitepapers/PDF/GG_FAQ_PDFX_EN.pdf 笹川純一@jdash2000
39. PDF入稿するためには
PDF保存手順
データ受け側提供のPDFプリセット
笹川純一@jdash2000
40. PDF入稿するためには
PDF保存手順
PDFプリセットを使用
↓
設定を自動的に行ってくれる
↓
正しい設定を覚えられる?という悩みの心配なし
データ受け手側も変な変換してないかの心配なし
笹川純一@jdash2000
41. まとめ
PDFはあくまでひとつのフォーマット
PDF/X-4は今後主流のフォーマット
PDF書き出しは難しくない
笹川純一@jdash2000
42. PDF入稿は怖くない
ぜひチャレンジしてみましょう!
PDF入稿 初めの一歩
PDFの基本知識から印刷用データまで
笹川純一@jdash2000