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Contents
研究者・教育実践者としての
私の属性・立ち位置
Mooreの法則とコンピュータの道具化
技術の「民主化」とMake
「技術」の教育実践の変化と「プロ」の役割
技術の「民主化」のラスボス:半導体
3. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介
1970名古屋生まれ
東京で大学→大学院
金沢大(’98~’00・’04~)
公立はこだて未来大(’00~’04)
’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員(翼セミナーOBの縁)
本業:集積回路、特に(機能つき)イメージセンサ
好きなプロセスはCMOS 0.35μm
+集積回路を使うデバイス・システム
ユーザインタフェース・インタラクティブシステム(人間相手の機械)
集積回路(イメージセンサ)のレイアウト図
(プロッタ出力して目視チェック) 基板設計
研究室(実験室)
4. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介(副業)
Maker、ハンダテラピスト
好きな半田はPb:Sn=40:60
好きなパッケージはDIP8p
NT金沢の企画・運営(6月末頃@金沢駅地下広場)
6. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
研究者としての転換点?
(実は一時期、半導体の研究に魅力を感じなくなっ
て、足を洗おうと思った時期もあった)
Mooreの法則=半導体の継続的な微細化・性能向上
すごいがんばって工夫して「性能0.1%アップ」
巨額投資で技術が進歩(大学の出番・役割は?)
平本俊郎「データ駆動社会の展望(中) 半導体、設計思想の変革を」
(日経新聞「経済教室」2019/7/18)
Si原子
10個分
7. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
研究者としての転換点?
研究としてのユニーク性(他にいない)
半導体がわかるMaker
Makeがわかる半導体研究者
How to MakeとWhat to Make
「誰でもチップ設計・製造」
AI/IoT時代にこそ、「道具」に
半導体設計のオープンソース化
9. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ICの進化の歴史:Mooreの法則
ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm
傾き:×約1.5/年
年を追って、複雑・高機能な集積回路がつくられるようになった
※G.Moore (インテルの創業者の一人)
G.Mooreが1965年に論文[1]で述べる→C.Meadが「法則」と命名→「予測」→「指針(目標)」へ
G.E.Moore, "Cramming more components onto integrated circuits," IEEE Solid-State Circuit Newsletter, Vol.11, No.5, pp.33-35, 1965.
10. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Mooreの法則の2つの側面
DEC VAX(1976)
1MIPS
Cray-1 (1978)
100MIPS
MIPS:Million Instruction Per Second (1秒間に実行できる命令数)
(世界最初のスーパーコンピュータ)
「世界トップの高速化」+「身近なものにも高速化の恩恵」の2つの側面がある
107MFLOPS
10MIPS
100MIPS
100MIPS
108MIPS
5×1011MFLOPS
106MFLOPS
100MIPS
11. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Mooreの法則の帰結
実は半導体は枯れた技術でも、
革新的な使い方はある
Mooreの法則=トレードオフのない性能向上
突然のゲームチェンジの源泉
機器の頭脳 関節ごとに小さい脳(神経節)
コンピュータが、システムの「主役」から「構成要素(部品)」になった
※基本的には「コンピュータ」だが、小型で安価
12. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「Lチカ」のパラダイムシフト
MCU
#Component=1
$1
Oscillator(555)
#Component=4
$1.5 while(1){
a = 1;
sleep(1);
a = 0;
sleep(1);
}
可能だが非現実的なLチカ
合理的なLチカ
マイコン(MCU)を使って
「Lチカ」しない理由がない
コスト、機能性、・・・
コンピュータの使い方がもったいなくなくなった
Mooreの法則の結果、コンピュータが「部品」になった例
14. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
技術の進歩と独裁化
科学技術の進歩=社会水準の向上
科学技術の進歩=技術の高度化・複雑化
「製造者」と「利用者」の分離
製造者の「特権」:
原材料の入手(原油、電子部品、・・・)
工場・製造装置
販売チャンネル
利用者の「意識」
「ものは買う物」
大量生産・大量消費の時代が長く続いた
15. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
技術の民主化へ
技術を、市民の手に「取り戻す」流れ
大量生産→ロングテールへ
「技術の民主化」を可能にする技術革新
実はルネッサンス時代への回帰でもある
様々な技術的・社会的背景が揃った
半導体・コンピュータの部品化・民主化
デジタル加工技術の普及
“Maker”ムーブメントへ
16. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
FabLabの源泉
「(ほぼ)なんでも作る方法」
(MITでの演習)
上流から下流まで一通りを
すべて体験する
「作りたいもの」を
「具現化する」プロセス
http://fab.cba.mit.edu/classes/MIT/863.08/
17. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
FabLabと、その派生コミュニティ
加工機をコアにしたものづくりコミュニティ
レーザーカッター、3Dプリンタ等
DIYからDo It With Others (DIWO)へ
現在、日本では鎌倉とつくば他
「製造技術の民主化」
→市民が「製品は買うものではなく作るもの」へ
カフェ併設などの派生型も
18. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Makeの要請:ロングテール
(昔)少数のヒット商品
→(今)多数のニッチ商品
ニッチも多数なので
総和は大きい
例:音楽販売では、
25,000位以下で売上の40%
「一部のヒット商品」がなくなる
音楽業界:△25%(’01〜’07)
ヒットアルバム:△60%(’01〜’07)
(C.アンダーソン「ロングテール」,早川書房 (2009))
19. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
“Maker”ムーブメントへ
従来型の「大量生産型」産業を
補完するものとして一定の定着
ものづくりの「ロングテール」を支える技術革新
3Dプリンタ等によるプロトタイピング
クラウド・ファンディング(市場調査・資金調達)
サプライチェーン活用による
小ロット量産の低ハードル化
「モノへの愛着」の重要性
(熱心なファン)
「製造業・製造技術」の
「民主化」とでも呼ぶべき現象
C.アンダーソン
「MAKERS」
(NHK出版,2012)
20. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Make: 理工離れ?どこの世界の話?
“Maker”の活動の広がり
実はみんな「作るのが大好き」
FabLab(レーザーカッター、
3Dプリンタ等の加工機を
コアにしたコミュニティ)
今までは「技術が手元になかった」だけ
道具・技術が「民主化」されて、
使えるようになった
MakerFaireTokyo2013
の様子
21. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
技術の「民主化」がもたらすもの
(以前)プロのみ
音楽、映画、・・・
我々は「消費者」
(現在)アマチュアでもコンテンツを
作ることができる
DTM, Vocaloid, …
YouTube, …
我々は「制作者」にもなれる
(可能性・裾野が広がった) 宮下芳明「コンテンツは民主化をめざす
―表現のためのメディア技術」
(明治大学出版会, 2015)
22. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
技術の「民主化」がもたらすもの
プログラミング
(以前)PCもプログラミングツールも高価
「遊び」から始められない
(現在)PCもプログラミングツールも安価orタダ
「遊び」などから始められる
=敷居の低下=裾野の広がり
23. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
技術の「民主化」がもたらすもの
裾野が広がる=イノベータの多様化
「アツい思い」を具現化する
道具がある
多様性=イノベーションの土壌
小川進「ユーザーイノベーション:
消費者から始まるものづくりの未来」
(東洋経済新報社, 2013)
(L.Fleming, Harvard Business Review,
8(9), pp.22-24 (2004))
24. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「技術の民主化」の必要条件
技術が「道具」になる
開発/発明される
お店で買えるようになる
使い方が知られるようになる
みんなが使うようになる
それが「道具」となって、次のステップへ
プロのみ マニア(ハイレベルアマチュア)向け だれでも
プロ(詳しい人)しか使えない
アマ(詳しくない人)でも使える
25. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
技術が生まれて「道具」になるまで
エリンギの例
1993年に日本へ
2003年ごろから一般化
↑10年かかって「道具」に
料理番組、調理例・・・
農林水産省「平成20年度 農林水産物貿易円滑化推進事業
台湾・香港・シンガポール・タイにおける品目別市場実態調査
(生鮮きのこ)報告書」(林野庁経営課特用林産対策室 )より
27. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「Makerの道具」としてのArduino
Arduino←→それまでのマイコンボード
USBケーブルのみでPC接続(給電・通信・書き込み)
DTRリセット(PCからリセットをかける)
メスソケット(ジャンパ線を挿せる)
ArduinoIDE(ソフトウエアはこれで完結。ライブラリと
サンプルも)
いずれも「なんだ、そんなことか」と思えること
(特に、「詳しい人」にとっては)
しかし、それで「世の中が
変わった」のも事実
29. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
最近の秋葉原(あきば)
※客層が変わってきている(こっちの)
(昔)ロボコン高専生・電子工作マニア(おっさん)
(今)↑+親子連れ,美大生
29
西餅「ハルロック」
30. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「Lチカの次」の谷
Arduinoなどで、マイコン(Lチカ)デビュー
・・・さて、その次は・・・?
センサ?
モータ?
制御プログラム?
「とりあえずつないで動く」のレベルの次が
とたんにハードルが上がる
31. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「なぜ電子回路を学ぶのか?」
身の回りのものは、ほとんど
電子回路で動いている。
情報/IT社会だからこそ、
電子回路の勉強は大事!
プログラミングなんて軟弱。
ハードウエア・電子回路こそ、
本当に大事だし、役にたつ。
なんでその大事さがわからないかなあ(嘆)。
そんなこと言われても、コンピュータは
使えるしなあ。
プログラミングのほうが楽しいし。
電子回路っても、何ができるか
よくわからないんだよなあ。
32. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「で、なぜ電子回路を学ぶのか?」
「世の中、ほとんどの機器が電子回路で動い
ているから」
でも知らなくてもスマホもネットも使える
・・・よね?
プログラミングの勉強をしたいし・・・
電子回路からコンピュータの限度を知る
=「使いこなせる」
ソフト/ハードで分けずに両方できるとお得
33. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
“Make”で、いろいろつながってきた
電子回路(理論)
エレクトロニクス(産業)
電子工作(ホビー)
34. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
“Make”の教育実践の例
M5Stackでセンサ・IoT(共通機材)
プログラミング入門、センサ、 アクチュエータ、
IoT (Webスクレイピング、IFTTT、 LINE)
「純正」ではないセンサ類も(IOピンを直接制御)
ブラウザからWiFi経由でコーディング・実行(UIFlow)
35. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
“Make”の教育実践の例
電子情報通信学類「情報通信実験第1」(3週分)
CdS分圧などの回路も少々、Pythonも
共通教育「デザイン思考とプロトタイピング」(1Q)
文系の学生も
金沢美大「デザイン工学」(4回分)
製品デザイン専攻3年生、早速作品制作に応用も
先導学類「デザイン思考」(うち2回分:予定)
文理融合学科、プロトタイピングの道具として
最後に「自由課題」を設定
あったらいいな、と思うものを考えて実装
柔軟な発想と、それを具現化する経験
36. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
“Make”の課外活動の例
理系文系関係なく「なんかつくってみたい」という学生はいる
そういう学生の「きっかけ」の場
メインはオンライン(Discord)、ときどき作業
対面での作業の経験・対話も、けっこう有効そう
37. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
プロの役割・意義の向上
「電子回路-電子工作-エレクトロニクス」が
Makeの登場・普及で、やっとつながった
電子回路を勉強
机上の理論(←いままで)
+Makeの実践(その裏づけ)
やってみると、怪しい知識の
限界に気づく
勉強したら、Makeで「生かせる」
38. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
プロの仕事:公共事業型
例:センシングシステム
高価・高性能な観測機
広い観測網、高い信頼性
得られるデータの高い公共性
維持のための継続的な(主に公的)資金提供
「先立つもの」が必要
ロングテールに向かない
例:おばあちゃんセンシング
(畑や裏山は気になるが、「発注」できるはずがなく、
自分で観測)
(AMEDAS観測所)
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39. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
アマの仕事:趣味型
例:センシングシステム
観測機を自作
狭い観測網、低い信頼性
得られるデータはオレ向け
その人にとっては「死活問題」の場合もある
ロングテール向き
高いモチベーション
「具現化の道具」がそろってきた
(道具の民主化=まさにMake)
そこからプロへ進化できる 「でっかいさとるさん:山梨県でお米と野菜を作るでっかい人」blogより
http://www.jumbo-satoru.net/wordpress/
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40. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
期待されるプロの役割
民主化された根幹回路技術(プロしかできない)
特に、電力(エナジーハーベスト)と
通信(ラスト1メータ・IoT (Internet of Things))
電子回路の設計技術の提供
汎用のマイコン・回路と設計ツール(スマートアナログ、PSoC、
FPGA等) 、および「ユーザコミュニティ」
(悪い例:がじぇっとるねさす・・・技術先行、ユーザ不在)
ユーザへのサポート
ロングテールの裾ほど事業規模は小さい
=兼業やアマチュア形態が多い
アマチュア作品・趣味を「製品・事業」へ昇華させる
「受託開発」だけでなくコンサルティングなども
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41. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
ライフスタイルの多様化?
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器具メーカー
コミュニティ
(カフェ・大会)
素材メーカー
(ランニング)
産業・ビジネス
43. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
半導体は「道具」になっているか?
「ハード」=電子回路、プリント基板あたり
「集積回路(半導体チップ)」までは、なかなか
どうしても「今あるもの・使えるもの」を使う
カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・
新技術で、一気にパラダイムが変わることがある
「集積回路をつくれる」という道具
=「いまできること」という発想の縛りから開放
Depth画像
※昔は「可能だが高価」
→Kinect後は「誰でも使える」
→ユーザインタフェース界の革命
44. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
集積回路(IC)は「道具」か?:調査
https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093
CMOS 0.18um 5Al
2.5mm x 2.5mm
RingOSC x 1001
T-FF (Div)
(※LSI=集積回路のこと)
45. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Lチカ動画:ニコ動でのコメント
こっから?
ニコ技界のTOKIO
ゲートの無駄遣い
ここから!!?
ひでえ、勿体ない使い方wwwww
マジかよ。レジストレベルの設計とか
ガチすぎる。
無駄遣い過ぎるだろw
贅沢というかなんというか
え?まじでここからかよ」wwww」」
IC版FusionPCB的なところが現れれば・・・
(FPGAでは)いかんのか?
俺はFPGAで我慢することにする
いや、そこまでは必要ないです
量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・
アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w
「集積回路=すごいことをやるためのもの」という意識
46. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
なんでこんなアホなことを?
LSIは「道具」になりきっているか?
オレLSI
「作る?ちょっとそこまでは・・・」「使うけど・・・」
他の技術はどうなってきたか?
コンピュータ:大型機→PC
マイコン:H8→Arduino
プリント基板:業務用→アマチュア
3Dプリンタ:業務用→フィギュア
動画編集:映画→YouTube/ニコ動
47. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
Mooreの法則がもたらしたもの
LSI設計・製造コストの高騰
シャトル製造サービス〜$1k
製造初期コスト(マスク)〜$1M
設計ツール 〜$1M
秘密保持契約(NDA; Non Disclosure Agreement)
: Priceless
製造工場 〜$1G
cf:プリント基板製造($10~)、Arduino($10~)
cf: 設計CAD&コンパイラ(IDE)(Free~)
「専用LSIつくってLチカ」ってもったいない&無駄遣いすぎる
48. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
これまでに・・・
「懲りずに再度、LED点滅用のLSIを
つくってLチカをやってみた」
Inkscape設計、クリーンルームで製造、
センサ
「また懲りずに再度、LED点滅用の
LSIをつくってLチカをやってみた 」
555互換(デジアナ混載)
「またまた懲りずに再度、LED点滅用
のLSIをつくってLチカをやってみた 」
Cortex-M0(HDLから設計)
49. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
オレLSIをつくってみたい:実践
情報収集・整理
探せば、ないことはない
仲間さがし
やや古めのテクノロジで
NDAフリー
&オープンソース
GitHubで回路をシェア
http://j.mp/make_lsi
50. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
・・・と思っていたら
NDA不要・オープンソースなチップ設計環境
やや議論が発散気味な印象だが、猛スピードで整備中
予定では11月に相乗り試作
「なんてNDAなしでできたんですかね?」
→「だって130nmなんて枯れた技術だし、
隠すより、エコシステム作ったほうがいいじゃん?」
※ほかにも世界中にいくつか似たプロジェクトがある
51. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
チップ製造のお手軽化(基板の感覚)
1[um]/3Alプロセス・0.5inウエハに
Cortex-M0コアが4ショットは入る
カスタムなペリフェラル・アナログ・センサ・MEMS
の混載も(これが数万円&1週間@1個から)
「つくって試す」ことで抜群の教育効果
※0.18[um]/3Alでの配置配線結果の
レイアウトデータ(GDS)を1/0.18=28倍に
拡大して作成
52. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
LSIが道具になるとは・・・
『3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいの
か」を問いかけているのです。』
あなたなら、何を作りますか?
いまのうちから、考えておいても
損はないはず。
53. 2021/8/21 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
まとめ
Mooreの法則とコンピュータの道具化
技術の「民主化」の土壌
技術の「民主化」とMake
ホビー-電子回路-エレクトロニクスが
やっとつながった
「技術」の教育実践の変化と「プロ」の役割
ホビー-電子回路-エレクトロニクスがつながった
時代にこそ、「プロ」の価値が高まる
技術の「民主化」のラスボス:半導体
世界的にも進行中