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原 幹 (HARA , Kan)
1992年 井上斉藤英和監査法人
会計監査・コンサルティングサービス部門(現 プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント)の初期メンバーとして、
主に製造業を対象とした連結決算・グループ経営管理・活動基準原価計算などのシステム企画・設計・構築を行う
1998年 フューチャーシステムコンサルティング
ビジネスアナリストとして、主に製造業・流通業を対象としたビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)実行支援・
システム化要件分析を行う
2001年 ウルシステムズ
サービス業・流通業を対象としたビジネス要件分析・業務改革支援・システム要件分析を行う
2004年 NTTデータ システムデザイン
製造業を対象とした業務改革支援・プロジェクトマネジメント・定着化支援およびプロジェクト管理システムの
企画・設計・運用を行う
2007年 独立開業
現任 株式会社クレタ・アソシエイツ 代表取締役 http://kleta.co.jp/
原幹公認会計士事務所 代表 http://harakancpa.com/
freee株式会社 監査役(社外) http://freee.co.jp/
• 常に実践的な課題解決を展開し、多くのプロジェクトにて高い顧客満足度を得る
• 会計およびIT領域での豊富な経験を有し、主要な技術要素やコンサルティングメソッドにも精通
• 「経営に貢献するITとは?」という一貫した視点をベースにキャリアを形成、翻訳書およびメディアでの連載実績多数
• 専門領域 連結会計・内部統制・国際会計(IFRS)・ITマネジメント
• 保有資格 公認会計士・税理士・公認情報システム監査人(CISA)
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5. AIとは
AI(Artificial Intelligence)とは
さまざまな人工知能の定義
「大量の知識データに対して高度な推論を的確に行うことを目指したもの」
(一般社団法人 人工知能学会設立趣意書より)
“the simulation of human intelligence processes by machines,
especially computer systems“ (*)
一般的には「自律的に振る舞いヒトの脳の代替を行う」
現実的なAIの振る舞い
ヒトの振る舞いの一部を模倣する
模倣するための学習データが必要
基本的なAIの振る舞い
探索
知識表現
進化的手法
機械学習
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(*) https://searchenterpriseai.techtarget.com/definition/AI-Artificial-Intelligence
6. AIの基本的な振る舞い
「探索」
膨大なデータから必要な情報を探し出す機能
地図ルート案内
あらかじめ登録された地図情報・交通状況・コスト情報にもとづいて最適経
路やコストを検索し、利用者に提示する
「力づく探索」は、迷路を一方向で検索するため非効率
検索条件の集合体である探索木(search tree)をいかに効率的に
解くかがポイント
探索木をくまなく探索する方法
縦型探索
横型探索
知識を用いてより効率的に探索する方法
発見的探索
最良優先探索
山登り法
最適経路探索
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9. AIの基本的な振る舞い
「機械学習」
人工知能分野において進展が著しい領域
入力データの特性に基づき、最も合理的に説明がつくように
データの分割及び再構成を自動的に行う
より人間の思考に近い高度な振る舞いが実現される
機械学習の種類
教師データの有無
学習用データを与えて行う「教師あり学習」
学習用データなしに行う「教師なし学習」
強化学習
未知のデータに対しても自力で学習内容を変化できるようにする
深層学習(ディープラーニング)
正解データに到達するまでに多層の処理階層を持つ
表現力の深い関数を用いる(データと計算量が多いほど精度が上がる)
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10. AIの基本的な振る舞い
「機械学習」
深層学習(ディープラーニング)の最新技術
深層生成モデル
データ生成の過程そのものをモデル化する「生成モデル」を深い階層のニューラルネ
ットワークによって実現する
実装例
変分オートエンコーダー(Variational Autoencoder: VAE)
生成的敵対ネットワーク(Generative Adversarial Network: GAN)
深層強化学習
価値算出変数の組み合わせを生成するため、深い関数で「状態」から
「価値」の計算を学習する
実装例
Q学習 DQN(deep Q-Network)
DeepMindなど
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11. Amazon GO (Amazon)
完全無人店舗 2016.12より
1. カメラで店内を撮影
2. ゲートを通過
3. Amazonアカウントに請求
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https://en.wikipedia.org/wiki/Amazon_Go
教師あり学習の活用事例
13. AIの世代変化
第1次ブーム 1960~80年代
ルールベースのアルゴリズムに基づいた問題処理システムを
「エキスパートシステム」の誕生を契機に、有機化合物の化学
構造を求める研究が進んだ
第2次ブーム 1980~90年代
コンピューティングの進歩とともに、人間の脳の仕組みを模倣
する「ニューラルネットワーク」の開発が進んだ
第3次ブーム 2000年代~現在
機械学習と深層学習の進化が新たなブームを迎えた
ディープラーニング(深層学習)の登場により、大量のデータから
有用な特徴をコンピュータが自律的に分析することができる
コンピュータの飛躍的な機能向上がブームを後押ししている
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21. なぜいまAIが注目されるのか
各国の政策動向
米国
Summit on Artificial Intelligence for American Industry
Artificial Intelligence for the American People
EU
AIに関する協力宣言(2018.04)
EU全体としてのAI活用の取り組み提案
イノベーション助成プログラム “HORIZON Europe”
中国
新世代人工知能発展計画 2017.07-
“Internet Plus”
人工知能革新発展
デジタルエコノミー
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25. 作業の自動化に向けたRPAの活用
RPAとは
処理の自動化・高速化
操作記録に基づく自動化で業務の高速化を図る
あくまで既存の「人力の作業」を自動化するための仕組み
RPAとAIとの違い
RPAは?
コンピュータに対する人間の指示に基づき操作を自動化する
操作記録に基づく自動化により業務の高速化を図ることができる
課題を自律的に解決するわけではない
課題自体を見つけることができない
課題設定、解決方法は人間が考える必要がある
AIは?
課題を設定し、解決方法を探索する
AIは自律的に思考と探索を行い、最適解を追求する
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26. 作業の自動化に向けたRPAの活用
RPA適用領域の例
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業務領域 RPA活用業務例
人事 • 給与計算とチェック、福利厚生業務
• 休暇申請の処理・管理
• 複数のERPに対する従業員情報のメンテナンス
• 人事考課結果の入力管理
財務経理 • 請求書処理や売掛金・買掛金などの仕訳
• 督促や回収業務
• 財務マスターデータの作成
• 固定費分析などの財務レポート作成
IT • ソフトウェアのインストール及びメンテナンス
• ファイル管理やサーバー監視
• プリンターのセットアップ
• 各アプリケーションに対する新規アカウント作成
サプライチェーン • 在庫管理や所在監視などに関わる業務
• 作業依頼や指図管理の指示出し
• 物流管理、返品処理業務
• 契約管理業務
「RPA(ロボティック・プロセス/オートメーション)市場の実態と展望2018」矢野経済研究所 2017年11月
38. 監査領域へのAIの活用事例
これまでの監査支援
人的リソースの制約があった
サンプル抽出も人力に頼ってきた
「90%以上の信頼性を得るために25件のサンプルを抽出」
これからの監査支援
仕訳テストの要請(監査手続として必須のものに)
実務でコンピュータ利用監査技法(Computer Assisted
Auditing Techniques, CAAT)が推奨される
試査から精査へ
大量データの取り扱いが容易になった
分析的手続機能がAIに期待できる
経理財務部門の立場からも、監査に耐えうる必要十分な監査
証跡を提供するためにどのようなデータセットを準備するの
かを検討するべき時期が到来しつつある
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55. クラウド会計ソフトにおける要素技術
基礎技術
形態素解析
テキストデータから必要な単語を抽出する
構文解析
形態素のつながりからテキストの構造を調べ、テキスト全体の構造を解析す
る
意味解析
形態素解析や構文解析の結果を用いてテキストの「意味」を分析する
応用技術
頻出する単語や情報を統計的手法により抽出するtf-idf
(term-frequency inverse document frequency)手法
特定の文書における出現頻度と多くの文書に共通の出現頻度を
組み合わせ、特定の単語がその文書の特徴をどの程度表現して
いるかどうかを分析する
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60. 予算実績管理
予算実績管理の要件
計画・予算値と実績値との乖離をタイムリーに把握する
継続的に次の打ち手につなげる
財務会計費目ごとの実績として、クラウド会計ソフトが保持し
ている総勘定元帳データを利用可能
主要な機能
取得した実績値と当初予算を比較し、乖離と過去の統計データ
に基づき要因仮説を抽出する
予算管理担当者が予算修正の適否を判断する(必要に応じ修正)
AIが仮予算案を設定、修正後仮予算に基づく効果予測を行う
必要に応じて修正後予算に対するファイナンス提案を作成する
予算管理担当者はマネジメントに承認された仮予算を本予算と
して確定する
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63. 売上予測(新規事業との関連)
新規事業計画における予測変数
費用の変動固定分解
損益分岐点の特定
費用の変動固定分解において
過去実績データに基づく傾向分析が可能
損益分岐点の特定において
売上目標や安全余裕率の想定に基づく分析が可能
その他
その他のリスク係数を折り込んだうえで、より確度の高い事業
予算の策定にAIが貢献する
製品ライフサイクルを予測したうえで、次の新サービスを投入
するタイミングやそれによる収益貢献予測を行う
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83. 現場での分析力の活用
技術トレンドを経理部門に統合するためにまずやるべきこと
教育担当者のボランティアを募る
“アーリーアダプター”として知見を部署で共有する
教育担当者の学習を推奨する
Khan Academy/ Udemy/ Coursera
基礎固めを優先する
ブロックチェーン、AIなど基礎知識の習得を優先する
最新技術のリサーチプロジェクトを立ち上げる
オープンソースの動画、オンライン学習コース など
グループプロジェクトを課す
スプレッドシートから最新技術に業務をどのように進化させるか
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https://www.journalofaccountancy.com/newsletters/extra-credit/blockchain-artificial-intelligence-accounting-curriculum.html