Weitere ähnliche Inhalte Ähnlich wie 医療情報とビッグデータセキュリティ (20) Mehr von Eiji Sasahara, Ph.D., MBA 笹原英司 (20) 医療情報とビッグデータセキュリティ13. 2-1.米国マサチューセッツ州
「Framingham Heart Study」 のユースケース(1)
「Overweight, Obesity, and Survival After Stroke in the
Framingham Heart Study」
Hugo J. Aparicio, Jayandra J. Himali,
Alexa S. Beiser, Kendra L. Davis‐Plourde,
Ramachandran S. Vasan, Carlos S. Kase,
Philip A. Wolf, Sudha Seshadri
J Am Heart Assoc. 2017 Jun 24;6(6). pii: e004721. doi:
10.1161/JAHA.116.004721.
(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28647687)
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「Framingham Heart Study」 のユースケース(2)
「Framingham Heart Study」 とは?
健康な集団の大規模調査により、米国の都市生活者の
心血管疾患に先行する因子とその自然歴を明らかにす
るため、1948年、マサチューセッツ州フラミンガムで開始
された前向きコホート研究
当初はNIH直轄プロジェクトであったが、現在は、ボスト
ン大学がコラボレーターとなり、国立心肺血液研究所
(NHLBI).国立生物工学情報センターと共同で運営してい
る。(官・民双方より研究資金を調達)
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15. 2-1.米国マサチューセッツ州
「Framingham Heart Study」 のユースケース(3)
検査項目
初回当時、心血管疾患の危険因子が未解明だったため、
多岐に渡る調査項目を設定
・既往歴、身長、体重、脂肪厚、家族病歴、血圧、胸部X線、
心電図、血清総コレステロール、血糖、ヘモグロビン、喫煙、
食事量等(研究開始当初は80項目 → 350項目まで拡大)
研究のエンドポイント=冠動脈疾患の発症
心筋梗塞の既往と心電図所見、狭心症、冠動脈疾患を示唆
する状況下での突然死によって診断し、部検所見、地域医
療機関の診療録、死亡診断書に基づいて予後に関する情
報を系統的に収集・調査し、参加者の冠動脈疾患や脳卒中
などの発症をすべて把握するようにする。
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「Framingham Heart Study」 のユースケース(4)
検査項目(続き)
脂質に関しては、1969年より、LDLコレステロール、HDLコレ
ステロール、トリグリセリド等を追加
参加者の血清を凍結保存 ⇒遺伝子解析が可能に
経時的なフォローアップが可能で、臨床所見や生活習慣の
記録が一定した手法で収集されているので、データとしての
クオリティが高い
コホート研究の参加者
オリジナルコホート:住民台帳から無作為抽出された、心血
管疾患にかかっていない30~62歳の男女6,507人のうち調
査研究への協力を承諾した4,469人と、無作為抽出されなか
ったボランティア志願者740人の計5,209人
当初より、参加者の約半数は女性
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「Framingham Heart Study」 のユースケース(5)
住民とのコラボレーション
参加者コーディネーターが、研究開始時、参加者ひとり一人
にコンタクトし、協力の承諾、診察予約、移動手段の提供、フ
ォローアップ、情報提供などをサポートする体制を構築する
地域住民から選ばれた市民諮問委員会が、コホート研究機
関と一般市民との間のコミュニケーションの調整役として機
能する
当初より、フラミンガム在職在住の医療関係者が、被験者と
して研究に参加
・地域の医療専門家が、コホート研究の専門家委員会にもア
ドバイザーとして参画
研究開始後30年間の参加者の脱落率は約3%にとどまり、
高い追跡率を維持
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「Framingham Heart Study」 のユースケース(6)
データ解析
ボストン大学に加えて、メリーランド州にあるNIHの生物統計
学部門の統計専門家が主導
生物統計学的手法を疫学研究に適用したパイオニア的なプ
ロジェクト
解析項目が多岐に渡るため、多変量解析手法を積極的に
行う ⇒ 米国の統計解析の発展に寄与
*SAS、IBM/SPSS等、統計ソフトウェア開発のサンプルデ
ータとして、Framingham Heart Studyが活用される
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