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ログ分析で支えるゲームパラメータ設計 #denatechcon
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ログ分析で支えるゲームパラメータ設計 #denatechcon
1.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. ログ分析で支える ゲームパラメータ設計 February 10, 2017 Jun Ernesto Okumura AI System Dept. DeNA Co., Ltd. DeNA TechCon 2017
2.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. 自己紹介 名前 奥村 エルネスト 純 経歴 宇宙物理学 Ph.D → DeNA入社(2014年) → データアナリスト@分析部(〜2016年) → 機械学習エンジニア@AIシステム部(2017年〜) 業務領域 ゲームデータ分析、ゲームパラメータデザイン 機械学習、強化学習 2
3.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. 3 本日お話する内容 対戦系ゲームタイトル『逆転オセロニア』で スキルのバランス調整をログ分析によってサポートしている話
4.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. 『逆転オセロニア』の紹介 ゲーム概要 オセロを進化させた分かりやすくとも奥深いゲームシステム 友達や全国のプレイヤーとリアルタイムバトルが楽しめる 豊富なスキル群、ドラマチックな逆転劇、リアルイベント、etc… 4
5.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. スキルについて オセロニアにおける「スキル」 ゲームバランス・プレイサイクルを支えるコア要素 オセロをベースとした多様なスキルが存在 「1枚ちょうどひっくり返すと攻撃力が2倍になる」、 「表になっている間、毒ダメージを与える」、etc… 5 スキルのパラメータ(条件・効果を決める値)の調整は ゲームバランスを設計する上で重要度が高い
6.
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Co.,Ltd. All Rights Reserved. スキルバランスに関する運用課題 スキルの運用課題 1. パラメータのバランス調整が属人化しやすい • スキルの強さにバラツキが生じてしまう 2. 統一的な評価指標がなく、設計精度が確認できない • 意図通りの使われ方がしたのか、適切な強さだったのか振り返りしづらい 3. 「壊れキャラ」の事前検知ができない • 強いキャラを作ろうとしても、どの程度までなら壊れないかが読みづらい 6
7.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. スキル設計において実現したい理想状態 1. 壊れキャラの排出をしないこと 利用難易度と効果のバランスが取れていないキャラ 戦略の硬直や単調なバトルUXに直結 2. 定量的な評価指標導入によって、スキルの振り返りが出来ること 3. 企画が意図する「面白さ」が実現出来ていること 7 ユーザーのプレイングが勝敗や面白さに反映されている状態
8.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. スキル設計において実現したい理想状態 1. 壊れキャラの排出をしないこと 利用難易度と効果のバランスが取れていないキャラ 戦略の硬直や単調なバトルUXに直結 2. 定量的な評価指標導入によって、スキルの振り返りが出来ること 3. 企画が意図する「面白さ」が実現出来ていること 8 ユーザーのプレイングが勝敗や面白さに反映されている状態 定量データによる担保 定性情報による担保
9.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. どのようにスキルを定量的に表現するか 要素分解:スキルの効用を分解して定量的に表現する 9 発動の難しさ 効果範囲 効果 難易度が低いほど 汎用性が高い 対象範囲が広いほど強い 効果量が大きいほど強い × × スキルの発動確率 手駒のキャラが実際にスキルを発動したか 発動実績の分布 ダメージ系スキル:ダメージ量 回復系スキル:回復量 バフ系スキル(※):バフによってサポートしたダメージ量 ※キャラパラメータを上昇させる効果を持つスキル
10.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. バトルログを使ったスキル評価の取り組み 発動確率と発動実績をログ取得することで、スキルの評価要素を定量化 10 キャラクター ス キ ル ダ メ ー ジ 実 績 ( 箱 ひ げ 図 ) ス キ ル 発 動 確 率
11.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. バトルログを使ったスキル評価の取り組み 発動確率と発動実績をログ取得することで、スキルの評価要素を定量化 11 キャラクター ス キ ル ダ メ ー ジ 実 績 ( 箱 ひ げ 図 ) ス キ ル 発 動 確 率 スキル発動確率 スキルダメージ実績 (5, 25, 50, 75, 95パーセンタイル)
12.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. バトルログを使ったスキル評価の取り組み 発動確率と発動実績をログ取得することで、スキルの評価要素を定量化 12 キャラクター ス キ ル ダ メ ー ジ 実 績 ( 箱 ひ げ 図 ) ス キ ル 発 動 確 率 ①発動難易度に応じて効果が上昇している (=プレイングが効果に反映されている状態)
13.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. バトルログを使ったスキル評価の取り組み 発動確率と発動実績をログ取得することで、スキルの評価要素を定量化 13 キャラクター ス キ ル ダ メ ー ジ 実 績 ( 箱 ひ げ 図 ) ス キ ル 発 動 確 率②発動難易度に対して効果が大きい 懸念のあるキャラクター ③発動難易度に対して効果が小さい 懸念のあるキャラクター 同じ発動確率
14.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. バトルログを使ったスキル評価の取り組み スキル設計のフローに定量的なレビューを導入 1. 発動確率・効果分布を推定(既存実績・シミュレーション) 2. 既存キャラとの相対感を確認しながら適切なパラメータに調整 結果 ⁃ 統一的な評価軸でPDCAを回すことで、 プランナーの想定と実績が近づくようになってきている 特殊なスキルに対しても評価軸の導入をトライアルしている ⁃ 例)特殊マス生成のように直接効果を及ぼさないスキル • ロジスティック回帰による勝率評価、等 14
15.
Copyright © DeNA
Co.,Ltd. All Rights Reserved. 今後のスコープ 現在は、完全な棋譜データ取得により、さらに細かい情報が抽出可能 設置ターン分布、設置場所ヒートマップ、etc… スキルの使用感を多様な軸で定量評価する仕組みが出来つつある AIによるパラメータ策定やUX検証の取り組みの検討 教師データを使った学習+強化学習など自律学習による、 「人間らしい手筋」を打つAI開発によるプランナー工数の削減 15 ※AIを使ったゲーム支援に興味のある方は、以下トークがオススメです 講演:「強化学習を利用した自律型GameAIの取り組み~高速自動プレイによるステージ設計支援~」 時間:15:50 〜 16:40 会場:A-STAGE 定性的な面白さの設計とデータによる評価を共存させたい