インターネッツ老人会による2000年あたりの リモートワーク事情

1. 太古の持ち帰り案件
インターネッツ老人会 会員 みやたけゆき

2. 最初の仕事 Ver 0
フリーランスで常駐

3. 最初の仕事 Ver 0
フリーランスプログラマになる
ソフトウェア会社の事務所を借り、フリーランス6人で受託開発
一番年下だが300時間残業で3案件の掛け持ち＋社内インフラ担当
サーバOSはFreeBSD、仕事は主にWindowsクライアント＆Linuxサーバ
私は主に、VisualC++、gcc、VisualBasic、アセンブラ、専用端末などマニアックな開
発の担当
ほぼ全員が毎日のように会社に寝泊まりして、私は週に2日も家に帰れない、月に2日休
みがあれば良いほう
地獄（天国）のような職場でした

4. 働き方改革 Ver 1
ドキュメント作業の持ち帰り

5. 残業300時間が半年続き、働き方を改善しようという動きが出る
ドキュメント作成作業は自宅でも可能なので、自宅で持ち帰る事にした
ただし、自宅だとサボる人が多かったので、私を含む2名のみ許可された
当時はVPNやクラウドストレージが普及しておらず、会社のサーバは外部アクセス不
可能だったので、ドキュメントやソース一式をノートPCに入れて持ち帰り作業した
都度足らないファイルや、完成したドキュメントはメールで会社に送り、やり取りを
していた
会社のサーバが使えないのは不便だし、プログラムも動かせないので効率は悪かった

6. 働き方改革 Ver 2
開発の持ち帰り

7. インターネット環境
今と違いISDNという遅い回線で、接続時間で料金が発生していた
インターネット普及率が3%の時代
常時接続、速度、IP固定の為に月額3万8千円の光専用線を引く必要があった
サーバーも自分で建てねばならず、ルーター専用PCを購入し常時起動させ
ソフトウェアルータ、Natサーバ、DNSサーバ、メールサーバ等を建てる必要があった
知ってる限りVPNルータは一般化しておらず、IP制限などで社内リソースアクセス可能
だが、セキュリティ等から基本アクセス不可にしていた
Linux（FreeBSD）も今のように簡単にインストールできる代物ではなく、OSのソース
をダウンロードし、使っているデバイスのデバイスドライバのソースを落とし、ビルド
を行い、たいていエラーが出るので、コードを書き替えてエラーを潰して・・・
非常にLinuxのインストールすら難しい時代でした

8. ソフトウェア
OSがWindows NT4.0 Serverで開発していたので、14万円ぐらいした
VisualC++やVisualBasic等の言語もそれぞれEnterprizeが20万～とかするので
MSDN Enterprize（年30万ぐらい）に入る必要があった
DBはOracleやSQL Serverを使っていたので安いバージョンでも20万～
その他Photoshopを20万ぐらいで購入した
合計金額とか覚えていないが、100万～したはず

9. 開発環境
今と違い、VMやDocker、VPNがないので、基本的に自宅にサーバ環境を作る必要が
あった
自宅にインフラを構築し、DBサーバ、アプリケーションサーバ等をたてた
一応会社のサーバに接続させることは可能だが、結局はローカルに持ってるほうが便利

10. コミュニケーション
当時はSlackのようなリアルタイムチャットツールがなかったのでIRCサーバを立ち上げ
た
GoogleCalender等の無い時代
一応MSDN入っているのでBackOfficeは立ち上げていたが、VPNがないのでリモートか
らは使えない設定にしていた
緊急時は電話の世界

11. まとめ
インターネット環境が今よりも悪い
光専用線、OS、ソフトウェア、ハードウェアですごいお金がかかる
Linuxやネットワークの構築がマストで今よりもすごい難しい
自宅に案件用のDBサーバやアプリケーションサーバ等を建てる必要があった
社内リソースへのアクセスが基本NGだったので辛かった