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府中市 地域生活支援センターあけぼの
                           ~高次脳機能障害者支援促進事業2012年度学習会 (第3回)~




                                                    2012年11月4日
                                                    asayume001



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正
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             い
             問
             い
             に
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             に
             挑
             む
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Agenda
                                                Ⅰ.   はじめまして

                                                Ⅱ.   経緯

                                                Ⅲ.   工夫したこと

                                                Ⅳ.   のぞむこと

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Ⅰ.
                                                     はじめまして




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高次脳機能障害と付き合っている41歳の3児のパパです。
           最近ヨークシャテリアのマックスくんが家族に加わりました!


                                                    ■病歴
                                                    37歳の時に心筋梗塞による突然の心肺停止。
                                                    家族の蘇生と救急搬送により助命。
                                                    意識不明4日間を経て戻ってきました。
                                                    高次脳機能障害という障害もついてきて。

                                                    ■仕事
                                                    広告代理店勤務。
                                                    受傷⇒休職⇒復職⇒転職⇒再転職。
                                                    苦戦しましたがやっと落ち着きはじめました。




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                                                                            5
自分が講演に立つ理由
                    事実としての要因                              志的な要因
   受傷度として重度ではなかった。                                  就労で社会参加を継続する事に挑戦したい。
   医学の知識が基盤としてあった。                                  脳障害の当事者もできる範囲で声をあげるべ
                                                      きだと感ずる。
   課題抽出・解決するスキルを有していた。
                                                     コミュニケーションで向上する医療もあると
   プレゼンテーションスキルを有していた。
                                                      信じてる。
   コミュニケーション能力が残されていた。
                                                     脳障害を得てもあたり前の未来を。
   代替手段を習得する機能が残されていた。




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                                                                         6
Ⅱ.   経緯




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発症の経緯
                                                     37歳健康診断ほぼA・仕事順調・家庭円満!?
                                                     ↓
                                                     2008年8月に実家にお盆帰省
                                                     ↓
                                                     うしみつ時に急性心筋梗塞発症⇒心肺停止
                                                     ↓
                                                     蘇生リレー⇒AED20回⇒緊急手術
                                                     ↓
                                                     4日間意識不明
                                                     ↓
                                                     三途の川を渡りきる前に目が覚める
                                                     ↓
                                                     高次脳機能障害
                   ↑発症12時間前の写真。



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                                                                          8
私の高次脳機能障害の症状
                                                    ・新しいことが覚えづらい

                                                    ・同時複数作業が苦手

                                                    ・疲れやすい・注意散漫

                                                    ・うるさいところが苦手

                                                    ・過去の記憶喪失(きっかけがあれば思い出せる)

                                                    ・意欲・発動性の低下

                                                    ・一つの事に固執しやすいなどなど



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                                                                              9
就労とリハビリテーションの経緯
                                 猶予                                        他企業に               復職関連企業に
                 休職                                    通常勤務
就労              (4ヶ月)            勤務
                                (3ヶ月)
                                                    (14か月 うち1ヶ月休職)        通常雇用転職
                                                                        (16か月 うち3ヶ月休職)
                                                                                              通常雇用転職
                                                                                               (13か月)



            入院                                                         外来

                     外来
 OT               (週2回~月2回)
                                                                     ジョブコーチ・サポート・患者会


                     外来                                                        外来
 ST               (週2回~月2回)                                               (1~2ヶ月に1回程度)


 PT
                     復職支援                                                                      グループ
その他                  プログラム                                                                    カウンセリング



      発症                                            1年               2年                  3年             4年

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                                                                                                         10
就労復帰の経緯とストレス曲線
                                          FB①         OTさん                 FB②              FB③
 高 10                                                 から喝!
                                                                                                  業務役割の
        9                                                                                         変更依頼
                                                           疎外感・先の見えない
        8                                                  不安感など悶々とした                             自分ができる
  主                                                        状況続く                                   ことを改めて
  観     7
  的                                                                                               見直す
  な     6
  「                                                                                                               業務内容の
  不     5
  安               障害認知                                                                                            更なる見直し
  ・     4       (理解はしていない)
  つ                                                   やる気がないだ
  ら     3                                             けと勘違いし退社
  さ                                                                                                    障害を開示
                                                                           上司やチームメン
  」     2                                                                                              して再転職
                                                                           バー内に障害の開示
                        復職P
        1                                                                  をして他企業に転職。
                        開始
 低      0
                3Q


                          4Q


                                    1Q


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                                                            4Q


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                                                                                                                   2Q


                                                                                                                          3Q
                 2008年                        2009年                   2010年                 2011年                 2012年
                                 猶予                                                他企業に                     復職関連企業に
                 休職                                    通常勤務
                                 勤務                                               通常雇用転職                    通常雇用転職
                (4ヶ月)                               (14か月 うち2ヶ月休職)
                                (3ヶ月)
                                    )                                         (16か月 うち3ヶ月休職)                 (13か月)

         発症                                          1年                     2年                    3年                      4年
          本格復職してから非常に強いストレスが発生。受傷後一年二年も経ってから、
          改めて自分の障害に遭遇したときに、強い精神的ストレスや不安感が起きた。
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                                                                                                                           11
就労復帰して
                                                    何が起きたか?



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                                                              12
負のスパイラルの発生


                                                    焦燥    体当たり

                                                         不安
                                                    疲弊    失敗体験

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                                                                 13
障害                                    就業           金銭面

                                       先が見えないよ!
                               復帰すればするほど、湯水のごとく出てくる障害。
                               症状も改善し自分の状況が認識できるほど、症状・状況に気付き、
                               できない自分に苛立ちを感じ、5年後、10年後の自分や家族の姿が
                               イメージできない状況に陥る。

                               単に周囲から「見えない」だけではなく、自分からも「見えない」。
      病気                                                         住宅ローン
                                               家族        老後




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                                                                       14
Ⅲ 工夫
                                                    . したこと



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体                   課
                                当                   題
                                り                   を
                                                    捉
                             →

                                                    え
                                                    「
                                不                   策
                                安                   」
                                                    で
                                ・
                                疲                   解
                                弊
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                                                    く   16
健常時                           受傷時               回復・創生期

   負              人生経験で培った
                    自己の基盤
   の               (いきがい・誇り・自
   状                 信・自尊心)
                                                    障害で喪失した
                                                                        自己の基盤
                                                                         の回復
   況                                                 自己の基盤

                                                                       残された認知機能で
                                                                        新たに形成される
                                                                      負の認識の基盤

                                                     今まで見逃してたちょっとした
                                                       日常の幸せを記録する。
                                                     ここを意識し始めると生活全体
                                                     がスムーズになってきました。
                                                     「辛いけど不幸ではない」と思
                                                      える新しい自分の基盤創り。
   正              人生経験で培った                                              自己の基盤
                    自己の基盤
   の               (いきがい・誇り・自
                                                                         の回復

   状                 信・自尊心)
                                                    障害で喪失した            残された認知機能で
   況                                                 自己の基盤              新たに形成される
                                                                      正の認識の基盤

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                                                                                   17
正の基盤を創るために。

              ①指標                                   中長期指標を持って、ペースを保つ。


              ②宣誓                                   宣誓をして、正に牽引する。


              ③補完                                   代替手段と記録で、正の基盤を固める。



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                                                                         18
①指標
                     ~中長期指標を持って、ペースを保つ~




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中長期指標を事前規定する意義とは?
       現状把握ができない                                         現状確認ができる
       暗中模索
                                                         ペースを保てる
       行き詰まり感                                            焦燥感の軽減

       閉塞感
                                                    指標   安堵感の醸成

                                                         これからの自分
       復帰過程が見えない                                         を想起しやすい


         長くて困難な復職活動で、エンストを起こさないために、
         中長期の指標を持つことが重要であったと感じます。
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                                                                   20
新しい自分創りの指標を持つ
                            ~シンプルに3つのフェーズで捉え再構築を図る~

   1.過去確認期_どんな自分だったか客観的に把握する。
   自分がそもそもどういう人間だったかを振り返る。仕事資料、写真、旧友に会う、ビデオ、ア
   ルバム、メール、手紙、年賀状、音楽、購入したもの、幼稚園のものまで・・・・。



   2.現実受容期_失われた機能と残された機能を確認⇒受容する。
   「再体験」によって、現在の自分を確認する。ここが一番難しい。過去で経験していたことに
   も再トライ。やる気が起きないので好きなことから始める。趣味、遊び、買い物、仕事。
   気分も凹みやすいので、正の基盤づくりを意識して、できること・できたことを把握する。



   3.新自分創生期_代替手段を習得しながら新しい自分を創る。
   メモ、ライフログ、アクティブインタレスト等の代替手段の取得と同時に、新しい生き方をシェ
   アする場を活用して、新しい自分づくりを模索する。同じ障害者の方々の経験談も参考に。
   患者会、家族会、ブログなど。


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                                                      21
1.過去確認

                  2.現実受容                            共有



                  3.新自分創生

                                                          合意形成を
            × 復職猶予期間=業務負担の軽減期間                           いかに作るか
                                                         がポイント!
                       ↓
            ○ 復職猶予期間=できるところを一緒に探して
                     もらう期間。
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                                                              22
②宣誓
                 ~新しい自分創りへの決意表明の大切さ~




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なぜ決意表明をしたか?

               •負の連鎖を断ち切りたかった。

               •この障害をなかったことにはできなかった。

                                                    共存する道を模索

                  自分で自分の意識を変えるために、
                  ⇒障害の事をオフィシャルに開示して再々就職。
                  ⇒執筆・講演・講義・ブログ 等々社会への宣言。
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                                                               24
③補完
                    補完手段や思考で、
                    神経疲労を最小限にしながら、正の基盤創りのための
                    実パフォーマンス値を向上させる。




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補完手段と対策術の一覧
                                                    ・脳に負担をかけない~疲れをとる
神経疲労対策                                              ・エコ脳~替脳~休脳

                                                    ・障害で自分の対応に異変が起きたことに気づく
抑制対策                                                ・セルフ切り替え術の習得 コップ一杯深呼吸三回

                                                    ・好きだったことから誘導する
発動性対策                                               ・強制的に牽引してもらう
                                                    ・きっかけ・ライフタイムイベントを活用する
                                                    ~五感をコントロールする~
注意・集中対策                                             ・五感ノイズキャンセリング
                                                    ・五感アクティブインタレスト
                                                    ・事前規定(アジェンダ)
コミュニケーションと情
                                                    ・リアルタイム確認(横並び&ボード術)
報処理
                                                    ・事後確認(デブリーフ)
                                                    ・記録する(メモ、カメラ、IC、速記、カタカナ)
記憶                                                  ・情報の入れ方を工夫する(色の使い手)
                                                    ・情報の固着化をする(振り返り、時系列表示、集約)
                                                    ・サポートツール・思考をフル活用する。
遂行機能・論理的思考                                          ・スケジューラー、アラート機能、TO/DO活用、
                                                    ・マトリクス活用、カスケードチャートなど        26
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0.1歩、歩んだことを「記録」する
                  とりあえずメモ帳

                  スケジュール帳
                                                    反
                                                        正
                  ライフログ                             復
                                                    確
                                                        の
                  カメラ・写真
                                                    認   基
                                                        盤
                  ブログ

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                                                            27
未来の自分のために、歩んだことを自分で記録する。

           こんな工夫をしながら、新しい自尊心を求め、
           高次脳機能障害と歩んでいます。




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Ⅳ.
                                                     望む 臨む




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周囲に望む

           期待値と実パフォーマンス値の
           「ギャップを解消するステップ」が欲しい。
           就労において最も困ったことは、相手の期待値と、当事者の実パフォーマンス値
           のギャップ。「見えない障害」は、相手にも見えないし、自分でも見えない。ゆえに、
           お互いどうしたらいいのか、どうしてほしいのかが、わからない。

           復職上、何ができて何ができないか、場当たり体当りで確認していく過程が必ず
           発生するので、そこを事前共有しておくことがポイントであると感じてます。




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                                                            30
制度に望む
           社会保障のゴールと、当事者のゴールの
           ギャップを埋めてほしい。

                  急性期                               回復・リハ期         復職・就労期
                                                             社会復帰において、最も サポートが必要な時期
                                                             社会復帰において、最もサポートが必要な時期




         退院⇒復職してからが非常に大変であり、そこをサポートするシステムができてい
         ないと感じます。医療提供者側からすると「復職」は一つのエンドポイントとなりうる
         が、患者側からするとエンドポイントではありません。

         「その後の人生を、残された機能を活かしながらいかに充実して過ごせるか?」=
         「社会との同期・一員となる」が、エンドポイントととらえています。


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                                                                                      31
社会に望む


                                                    障害と向き合う力。
                                                    その力を奪わないようにしてくれることを
                                                    周囲や社会に望んでいます。




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                                                                          32
自分に臨む



高次脳機能障害とともに歩む
自分づくりの30代半ばにして、低酸素脳症による高次脳機能障害を受傷した
3児の父親のブログ。主に、高次脳機能障害のこと、その後の社会復帰につい
て記します。 趣味のこともちらほらと。




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  • 2. 解 の な い 問 い に 共 に 挑 む Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
  • 3. Agenda Ⅰ. はじめまして Ⅱ. 経緯 Ⅲ. 工夫したこと Ⅳ. のぞむこと Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
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  • 6. 自分が講演に立つ理由 事実としての要因 志的な要因  受傷度として重度ではなかった。  就労で社会参加を継続する事に挑戦したい。  医学の知識が基盤としてあった。  脳障害の当事者もできる範囲で声をあげるべ きだと感ずる。  課題抽出・解決するスキルを有していた。  コミュニケーションで向上する医療もあると  プレゼンテーションスキルを有していた。 信じてる。  コミュニケーション能力が残されていた。  脳障害を得てもあたり前の未来を。  代替手段を習得する機能が残されていた。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 6
  • 7. Ⅱ. 経緯 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
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  • 17. 健常時 受傷時 回復・創生期 負 人生経験で培った 自己の基盤 の (いきがい・誇り・自 状 信・自尊心) 障害で喪失した 自己の基盤 の回復 況 自己の基盤 残された認知機能で 新たに形成される 負の認識の基盤 今まで見逃してたちょっとした 日常の幸せを記録する。 ここを意識し始めると生活全体 がスムーズになってきました。 「辛いけど不幸ではない」と思 える新しい自分の基盤創り。 正 人生経験で培った 自己の基盤 自己の基盤 の (いきがい・誇り・自 の回復 状 信・自尊心) 障害で喪失した 残された認知機能で 況 自己の基盤 新たに形成される 正の認識の基盤 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 17
  • 18. 正の基盤を創るために。 ①指標 中長期指標を持って、ペースを保つ。 ②宣誓 宣誓をして、正に牽引する。 ③補完 代替手段と記録で、正の基盤を固める。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 18
  • 19. ①指標 ~中長期指標を持って、ペースを保つ~ Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
  • 20. 中長期指標を事前規定する意義とは? 現状把握ができない 現状確認ができる 暗中模索 ペースを保てる 行き詰まり感 焦燥感の軽減 閉塞感 指標 安堵感の醸成 これからの自分 復帰過程が見えない を想起しやすい 長くて困難な復職活動で、エンストを起こさないために、 中長期の指標を持つことが重要であったと感じます。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 20
  • 21. 新しい自分創りの指標を持つ ~シンプルに3つのフェーズで捉え再構築を図る~ 1.過去確認期_どんな自分だったか客観的に把握する。 自分がそもそもどういう人間だったかを振り返る。仕事資料、写真、旧友に会う、ビデオ、ア ルバム、メール、手紙、年賀状、音楽、購入したもの、幼稚園のものまで・・・・。 2.現実受容期_失われた機能と残された機能を確認⇒受容する。 「再体験」によって、現在の自分を確認する。ここが一番難しい。過去で経験していたことに も再トライ。やる気が起きないので好きなことから始める。趣味、遊び、買い物、仕事。 気分も凹みやすいので、正の基盤づくりを意識して、できること・できたことを把握する。 3.新自分創生期_代替手段を習得しながら新しい自分を創る。 メモ、ライフログ、アクティブインタレスト等の代替手段の取得と同時に、新しい生き方をシェ アする場を活用して、新しい自分づくりを模索する。同じ障害者の方々の経験談も参考に。 患者会、家族会、ブログなど。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 21
  • 22. 1.過去確認 2.現実受容 共有 3.新自分創生 合意形成を × 復職猶予期間=業務負担の軽減期間 いかに作るか がポイント! ↓ ○ 復職猶予期間=できるところを一緒に探して もらう期間。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 22
  • 23. ②宣誓 ~新しい自分創りへの決意表明の大切さ~ Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
  • 24. なぜ決意表明をしたか? •負の連鎖を断ち切りたかった。 •この障害をなかったことにはできなかった。 共存する道を模索 自分で自分の意識を変えるために、 ⇒障害の事をオフィシャルに開示して再々就職。 ⇒執筆・講演・講義・ブログ 等々社会への宣言。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 24
  • 25. ③補完 補完手段や思考で、 神経疲労を最小限にしながら、正の基盤創りのための 実パフォーマンス値を向上させる。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
  • 26. 補完手段と対策術の一覧 ・脳に負担をかけない~疲れをとる 神経疲労対策 ・エコ脳~替脳~休脳 ・障害で自分の対応に異変が起きたことに気づく 抑制対策 ・セルフ切り替え術の習得 コップ一杯深呼吸三回 ・好きだったことから誘導する 発動性対策 ・強制的に牽引してもらう ・きっかけ・ライフタイムイベントを活用する ~五感をコントロールする~ 注意・集中対策 ・五感ノイズキャンセリング ・五感アクティブインタレスト ・事前規定(アジェンダ) コミュニケーションと情 ・リアルタイム確認(横並び&ボード術) 報処理 ・事後確認(デブリーフ) ・記録する(メモ、カメラ、IC、速記、カタカナ) 記憶 ・情報の入れ方を工夫する(色の使い手) ・情報の固着化をする(振り返り、時系列表示、集約) ・サポートツール・思考をフル活用する。 遂行機能・論理的思考 ・スケジューラー、アラート機能、TO/DO活用、 ・マトリクス活用、カスケードチャートなど 26 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
  • 27. 0.1歩、歩んだことを「記録」する とりあえずメモ帳 スケジュール帳 反 正 ライフログ 復 確 の カメラ・写真 認 基 盤 ブログ Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 27
  • 28. 未来の自分のために、歩んだことを自分で記録する。 こんな工夫をしながら、新しい自尊心を求め、 高次脳機能障害と歩んでいます。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 28
  • 29. Ⅳ. 望む 臨む Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved.
  • 30. 周囲に望む 期待値と実パフォーマンス値の 「ギャップを解消するステップ」が欲しい。 就労において最も困ったことは、相手の期待値と、当事者の実パフォーマンス値 のギャップ。「見えない障害」は、相手にも見えないし、自分でも見えない。ゆえに、 お互いどうしたらいいのか、どうしてほしいのかが、わからない。 復職上、何ができて何ができないか、場当たり体当りで確認していく過程が必ず 発生するので、そこを事前共有しておくことがポイントであると感じてます。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 30
  • 31. 制度に望む 社会保障のゴールと、当事者のゴールの ギャップを埋めてほしい。 急性期 回復・リハ期 復職・就労期 社会復帰において、最も サポートが必要な時期 社会復帰において、最もサポートが必要な時期 退院⇒復職してからが非常に大変であり、そこをサポートするシステムができてい ないと感じます。医療提供者側からすると「復職」は一つのエンドポイントとなりうる が、患者側からするとエンドポイントではありません。 「その後の人生を、残された機能を活かしながらいかに充実して過ごせるか?」= 「社会との同期・一員となる」が、エンドポイントととらえています。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 31
  • 32. 社会に望む 障害と向き合う力。 その力を奪わないようにしてくれることを 周囲や社会に望んでいます。 Copyright © 2012 asayume001. All Rights Reserved. 32