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「構想力:持続的な脱コモディティ化を目指す事業構想の立て方」
- 1. Brand Design Lab 1
名古屋工業大学
産学官連携センター
加藤雄一郎
2017年3月13日
持続的な脱コモディティ化を目指す
事業構想の立て方
構想力
- 2. Brand Design Lab
講師略歴
<学歴>
東京工業大学大学院 社会理工学研究科
価値システム専攻 博士課程修了. 博士(学術)
2003 / 04 -- 広告会社 アクティベーションデザイン推進局 客員研究員
2007 / 04 -- 建機メーカー BMアドバイザー、およびミドルマネジメント研修講師
2017 / 01 -- 産業機器メーカー 事業価値創造プロジェクト アドバイザー
2015 / 04 – 2016 / 09 自動車部品メーカー 価値創造プロジェクト アドバイザー
2011 / 08 -- 2013 / 10 電子機器メーカー BM(ブランドマネジメント)プロジェクト アドバイザー
2009 / 12 -- 2011 / 10 自動車メーカー インターナル・ブランディング アドバイザー
2009 / 08 – 2010 / 04 自動車部品メーカー インターナル・ブランディング アドバイザー
2009 / 04 – 2010 / 03 コンタクトレンズメーカー インターナル・ブランディング アドバイザー
2008 / 07 -- 2009 / 06 化学メーカー 人財育成プログラム 「創塾」 塾長
2006 / 10 -- 2007 / 03 食品メーカー ブランドコンセプト立案アドバイザー
2005 / 10 -- 2007 / 03 トイレタリ・メーカー 新任マネジャー研修講師、および調査手法開発アドバイザー
2004 / 10 -- 2006 / 03 総合商社 プロジェクト担当顧問
2003 / 08 -- 2005 / 03 中小企業庁 繊維産業再生プロジェクト ディレクター
<職歴>
1992 - 93 食品会社 食品工場 製造技術課
1995 - 03 広告会社 マーケティング局
2003 - 15 名古屋工業大学大学院 産業戦略工学専攻 准教授
2015 - デミング賞審査委員
<企業からの委託実績>
加藤 雄一郎
2
名古屋工業大学 産学官連携センター 特任教授
- 5. Brand Design Lab 5
調査概要
●対象業界
●対象者
●調査方法
●回答方法
●調査期間
●有効回答数
●設問内容
:製造業 (企業規模や業種区分は不問)
:管理職以上
:自由記述形式のアンケート調査
:自由記述
:2013/6~継続中
:約180サンプル
Q1 企業が魅力的な製品・サービスを生み出せないのはなぜか
Q2 組織マネジメントについて直面している課題は何か
Q3 魅力的な顧客価値を創造する上で、尊重すべき価値観や
基本的姿勢は何か。それに対し、現状はどうか
組織実態アンケートの実施
- 6. Brand Design Lab 6
① 価格競争を危惧する声
・ 他社との値引き競争になってしまっている
・ 多数のメーカが参入しており、価格だけで採否が決まる傾向が強い
・ 世界的に価格競争が激化している
・ 低価格な商品づくりの追求が最優先課題になっている
・ 価格競争に対応しているが、砂漠に水を撒くかの如く全く効果が感じられない
・ 新興国製品の品質レベル向上に伴い、同質化による価格競争に陥っている
・ 顧客のそのさきの顧客も価格だけで取引先を選定するケースが増えている
・ 価格競争に陥り、利益目標との乖離が著しい
・ 商品のコモディティ化とともに利益率が低下している
価格競争が業種を超えて深刻化
- 7. Brand Design Lab
コスト削減、コスト削減、コスト削減
・ 終わることのない原価低減競争
・ コスト削減や効率を良くするための改善ばかりが先行しがちだ
・ コストダウンが、終わりなき課題としてより強く求められている
・ 多くの企業が効率化を進め、競ってコスト競争力の強化を図っている
・ 常に競合とのコスト比較から入り、顧客不在のコスト削減に陥っている
・ 日本企業はコスト優先のところがあり、商品価値の追求を妥協してしまう
・ コストダウンばかりが目立つ新製品開発
・ 新製品開発の主軸は、品質向上とコスト削減の実現
・ 戦略的な重要業務の推進においてすら、「効率」という視点が求められる
・ 顧客に感動をもたらすという発想はなく、効率やコストが重視される
② 終わりなきコスト削減
7
- 8. Brand Design Lab
コスト削減策のさきに魅力は創造されない
・ 真の価値創造(革新的なモノ)を生み難い
・ 継続的なヒット商品が生まれにくい
・ 過去に固執しない新たな発想での製品作りができなくなった
・ 生産効率ばかりに重きが置かれ、魅力ある商品づくりが後回し
・ 魅力ある新企画が継続しない
・ 組織風土が革新的な魅力商品の創造を阻んでいる
・ 画期的な製品が生まれない
・ 感動を生む新しいコトを創出できない
・ 商品価値が「利便性」に留まり、顧客の人生に関わるレベルにない
・ 「製品を通じてユーザーを惹き付ける」という世界観の構築に至っていない
・ 「ニーズを創出する」という取組みは極めて弱い
③ 魅力的な商品の不在
8
- 9. Brand Design Lab
④ 歯止めがかからぬコモディティ化の流れ
9
市場に溢れる「特徴なき製品」
・ どの製品も高品質で同質化している
・ 専門家でなければ違いを認識できないほど似通った商品が生まれている
・ 商品画一化(似たもの同士)が進んでいて、顧客のニーズを喚起できていない
・ 市場に出てくるものは各メーカーとも似たものになる傾向がある
・ 80%のユーザーが頷く商品を作る傾向にある
・ 万人受けする商品を狙うために、かえって特徴のないものになっている
・ すべての人に受け入れられるように開発している
・ 企画する商品に無難なものばかりで、目立った特徴が無い
・ 万人受けする商品企画しか受け入れられない企業風土
コモディティ化とは
市場における勝ち負けが
価格以外の争点を失った状態
- 10. Brand Design Lab 10
問題意識
価格競争
激化
終わりなき
コスト削減
革新的製品開発
挑めず
止まらぬ
コモディティ化
負の連鎖をいかに断ち切るか
- 16. Brand Design Lab 16
サービス・ドミナント・ロジック
≪キーワード≫
アメリカ・マーケティング協会(AMA)が
マーケティング定義を改定するほど大きな衝撃を与えた新理論
- 18. Brand Design Lab 18
すべてのハード・ソフトは
価値を実現するための道具である
B2B / B2Cを問わず
すべての財は 生産財 である
- 30. Brand Design Lab
まとめ
30
キーワード1: サービス・ドミナント・ロジック
キーワード2: Doニーズ
キーワード3: コト・マーケティング
SDロジックにおいて「価値提供」という表現は誤り。
企業が提供できるのは「価値実現手段」としての製品・サービス。
手段としての製品・サービスを使いこなして、価値は共創される。
「何をできるようになれば喜ぶか?」という発想。
最も重要な視点は、顧客による新たな行動を編み出すこと。
「スマコンによって、顧客は何をできるようになるのか?」と徹底的に考える。
すべての製品・サービスは、顧客に新たな行動をもたらす手段。
それら手段をパッケージにして提供することが、持続的な脱コモディティ化をもたらす。
今後の更なる行動の創出に向けて、有望な手段は何か?
- 34. Brand Design Lab 34
鉄道が衰退したのは、旅客と貨物輸送の需要が減ったためではない。
それらの需要は依然として増え続けている。
鉄道以外の手段(自動車、トラック、航空機、さらには電話)が登場した。
鉄道は危機に見舞われた。
鉄道会社は、自社の事業を、
鉄道事業と考えるのではなく、輸送事業と考えるべきであった。
事業定義をなぜ誤ったのか。
輸送を目的と考えず、鉄道を目的と考えたからである。
顧客中心ではなく、製品中心に考えてしまったのだ。
- 43. Brand Design Lab
競争優位の源は
企業外部にある
位置取りの戦略
(positioning approach)
組織能力の戦略
(resource-based view)
基本的な立場
競争優位の源は
企業内部にある
違いづくりの着眼点
外部環境における
「自社の位置づけ」に着目し
「うまいこと儲かるところに
身を置こう」という考え方
「仕事のやり方」に着目し
(ways of doing thing)
「他社と違う道具と
運用方法でうまくやろう」
という考え方
レストランにたとえると ジャンルの戦い 厨房の戦い
競争戦略における2つの「違いのつくり方」
考え方の誕生時期 70年代 80年代
43
- 44. Brand Design Lab
弱い 強い
不明確
明確
位置取り
Strategic Positioning
組織能力
Organizational
Capability
競争戦略は「位置取り」と「組織能力」から構成された4象限で表すことができる
位置取りが明確、かつ、組織能力が強い場合が最強となる
競争戦略のタイプ
44
- 45. Brand Design Lab
事業の位置づけ
< SP: Strategic Positioning >
組織能力
< OC: Organizational Capability >
競争戦略
45
当該事業は顧客の何を実現して儲け続けるのか?
上記をどのように実現するのか?
⇒ What
⇒ How
極論すれば事業構想で意思決定すべきは上記2点
- 47. Brand Design Lab 47
【Q】
長期にわたって
コマツが無くてはならない存在であり続けるための
最大の鍵は何か?
【A】
1.未来の課題
- 50. Brand Design Lab 50
ソリューションが生み出される組織オペレーションの全体像
4.サービス・デリバリ・プロセスの構築
顧客
シェア
市場
シェア
- 51. Brand Design Lab 51
5.各部門の関係性理解
顧客
シェア
市場
シェア
ICT部門
循環部門
部品部門
サービス部門
営業部門
ファイナンス部門
サービス・デリバリ・プロセスから見た
各部門の位置づけと役割を組織全体で相互理解する
- 52. Brand Design Lab 52
6.戦略的意思決定項目の検討
顧客
シェア
市場
シェア
持続的な競争優位を目指した
「既存の打ち手の改善」 と 「更なる新たな打ち手の検討」
- 56. Brand Design Lab 56
ちょっと待って!
何か足りなくない?
組織オペレーションの見える化
事業の戦略的ポジショニング
< SP: Strategic Positioning >
組織能力
< OC: Organizational Capability >
顧客の何を実現して儲け続けるか?
上記をどのように実現するか?
顧客
シェア
市場
シェア
What
How