中国のAI産業状況、スタートアップ情報リサーチ

アイ・マーキュリーキャピタル
2018/03/29
中国のAI産業概況、スタートアップ情報リサーチ
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2
1
2
中国AIの全体像
カテゴリ別の説明

3
1
2

4
人工知能とは
・コンピュータによる知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野を指す
・データ量、計算力、アルゴリズムは人工知能の三要素
ビッグデータ
アルゴリズム
現実応用
ト
レ
ー
ニ
ン
グ
応
用
1950年～1980年、早期人工知能
1980年～2010年、機械学習
2010年～ディープランニング
人工知能、機械学習、ディープランニングの関係

5
人工知能の発展

6
人工知能業界の構造
基礎応用技術
・自然言語処理
・コンピュータビジョン
基盤層
応用層
サービス
製品プロダクト
ハードウエア
・センサー
・CPU/GPU/NPU
アルゴリズム
・ディープラーニング

7
世界における人工知能分野のトレンド
126 180
256
365
520
741
1,057
1,507
2,147
3,061
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年2025年
世界人工知能市場規模
+43%
588
1,025
2,654
3,123
4,968
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
世界人工知能分野資金調達額
+70％
・人工知能の市場規模と投資額が伸びつつ、社会的にも人工知能への期待も高まっている
・成長の要因は技術の躍進（データ量、アルゴリズムなど）、
そして、ビッグデータ、IoT、クラウドコンピューティングも人工知能の発展要素とする
出典：中国人工知能学会出典：中国人工知能学会
百万ドル億ドル

8
中国の各分野の会社数、投資金額
96
92
77
38
26
15
10
0
20
40
60
80
100
120
スタートアップ社数
467.0
333
267
133
117
100
0.0
50.0
100.0
150.0
200.0
250.0
300.0
350.0
400.0
450.0
500.0
投資金額
時間：2016年10月まで
情報元：36Kr
億円
時間：2015年9月～2016年10月
情報元：36Kr
社数
・コンピュータビジョン、ロボット、自然言語処理領域が最も注目されている
・2015年9月～2016年10月、自然言語処理、ロボット、コンピュータビジョンの
投資金額が200億円超える

9
中国の各分野の投資された社数、平均投資金額
58
53
48
22
18
12
8 6 4
1
0
10
20
30
40
50
60
70
投資された社数
社数
29.05
22.41
9.83
7.76
5.72 4.89 4.60 4.57 4.33
1.66
0.00
5.00
10.00
15.00
20.00
25.00
30.00
35.00
一社あたり平均投資額
億円
時間：2015年9月～2016年10月
情報元：36Kr
時間：2015年9月～2016年10月
情報元：36Kr
・2015年9月～2016年10月において人工知能領域で資金調達した会社数が226社
*（調達金額が公表されたのみ）
・全体平均一社あたりの資金調達金額が6.6億円

10
ラウンドごとの資金調達社数
時間：2015年9月～2016年10月
情報元：36Kr
・2015年9月～2016年10月の間、
シード、アーリーステージを中心に資金調達が実施されている、シリーズB以降は少ない
シード期, 131
シリーズA, 96
シリーズB, 33
シリーズC, 4
シリーズD, 1
シリーズE, 1 M&A, 8

11
中国の年度ごとのAI関連スタートアップ設立社数
1 1 2 3 2 1 2
6 5 3 3 1
8
22
26
50
98 99
23
0
20
40
60
80
100
120
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
各年設立社数社数
4.6
3.9 3.8
3.6
3.4
2.7 2.6
2.2 2.1
1
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
平均存続年数
情報元：36Kr
情報元：36Kr
・2014年と2015年が人工知能スタートアップのブームとなる（統計データ2016年10月まで）
・直近、フィンテックとチップの研究開発の会社が多くなってきている
年数

12
中国の研究能力の世界各国の比較
373
190
168
153 152
0
50
100
150
200
250
300
350
400
アメリカイギリス中国ドイツカナダ
H Index指数*
637 692
199
388
267
1487
424
444
200
237
0
500
1000
1500
2000
2500
中国アメリカインドイギリススペイン
AIトピック論文引用数
海外引用国内引用
・論文引用数は中国一位となる。しかし、海外引用数で見ると、アメリカが一位である
・発表した論文の質がアメリカとまだ大きな差がある
情報元：36Kr 情報元：36Kr
*h指数とは論文数と被引用数とに基づいて、
科学者の研究に対する相対的な貢献度を示すものである
引用数 H Index

13
地域ごとのスタートアップ分布
159
61
40
27
23 22
11
6 3 3 3 2 2 1 1 1 1
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
北京
上海
深セン
浙江省
広東省
江苏省
四川省
陕西省
福建省
河南省
湖北省
辽宁省
天津
安徽省
贵州省
黑龙江省
吉林省
北京
43%
上海
17%
深セン
11%
北京上海深セン浙江省広東省江苏省
四川省陕西省福建省河南省湖北省辽宁省
天津安徽省贵州省黑龙江省吉林省
・北京が人工知能スタートアップの最も集中している地域
・北京、上海、深セン、三都市の合計が71％に至っている
情報元：36Kr
情報元：36Kr
社数

14
1
2

15
ⅰ
ⅱ
ⅲ
ロボット
フィンテック
ヘルスケア
ⅳ セキュリテイ

16
ⅰ
ⅱ
ⅲ
ロボット
フィンテック
ヘルスケア

17
ロボットの市場規模
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
世界ロボット市場規模
インダストリー
サービス
64%
個人/家庭サー
ビス
36%
世界ロボット売上高シェア
インダストリーサービス個人/家庭サービス
CAGR+10％
億ドル
・ロボットの構成要素：センサー、コントロールシステム、デバイスドライバ
・人工知能の発展に伴って、今後コントロールシステムのみで、
自動運転のような場面に応用可能
情報元：Capvision 情報元：IFR

18
メインプレイヤー
チップ OS
サプライチェーンプラットフォーム
クラウドソフトウエア
OEM/ODM

19
会社名：JD Smart （JD：Alibabaの次、E-コマース分野シェア2位の会社）
・企業向けにはJD+のプラットフォームを提供し、提携先は本プラットフォームを
使い、JDのAI技術を利用することで、スマートホーム製品を開発
・資本、マーケティング、デザイン、データ、サプライチェーンなどの方向で提携可能

20
プロダクトイメージ
・JD Smartのプラットフォームを利用し、提携企業が製造された製品

21
Alibaba Cloud （Alibabaの関連企業）
サービス例：ET City Brain
ITプラット
フォーム
AIプラット
フォーム
データプラット
フォーム
コンピューティ
ングプ
応用
・Alibabaが提供するクラウドサービス

22
プロダクトイメージ（画像リサーチ機能）
・近日、画像リサーチ機能が公開された
・E-Commerceと画像サーチエンジンにおいて利用可能
E-Commerceの場合ユーザーが
スマホで写真を撮るだけで、自
動的に該当商品を検索可能

23
ⅰ
ⅱ
ⅲ
ロボット
フィンテック
ヘルスケア

24
フィンテックのマーケット状況
応用領域 AI技術どのように応用するか
個人資産運用
・機械学習
・ナレッジグラフ
・ビッグデータを応用し金融資産価値の
変動を予測
・ポートフォリオの再構築
リスクマネジメント
・機械学習
・銀行が融資する際に同業他社の情報を
含め、従来見えないところを
相関関係で可視化する
サーチエンジン
・情報相関関係の緊密化
身分検証・顔認識システム
・身分検証を簡易化にする
・口座開設、ペイメントにも応用可能、
ユーザーのUXを上げる
コミュニケーション
・金融機関のコールセンターでの利用、
人件費削減

25
個人資産運用リスクマネジメント
サーチエンジン
身分検証
クライアント対話

26
会社名：Qixin （従来の検索不可の相関情報の検索を実現させた）
カテゴリ特徴
会社・2014年5月
・企業情報サーチエンジン
開発チーム・60％以上の開発者はAlibaba、Baiduにおける開発経験を有する
サービス・オープンソースより情報取得
・検索可能企業者数、1.5億社
・企業基本情報検索（従来のサーチエンジン実現可能）
・企業の関連情報検索（従来のサーチエンジン実現可能、ユーザーにとって手間がかかる）
・企業同士間での関連（従来のサーチエンジン実現不可）
・帝国データバンクと違い、オープンソースより情報を取得
クライアント・クライアント数：1,000社以上
・金融機関のリスクマネジメント部門
・法律事務所

27
サービスイメージ 1
・AIを利用し、
関連企業情報も表示

28
サービスイメージ 2 （Tencentを検索する場合）
・該当企業の基本情報以外、裁判に関連する
情報、株主情報、対外投資情報も記載

29
Licaimofang
・個人資産運用サービス
・AIを利用しリスクマネジメントを行い、ユーザーごとのリスク選好を判別する上で、
最適な取引を実行し、収益の最大化を保つ
投資ポートフォリオのリスク/収益率

30
ⅰ
ⅱ
ⅲ
ロボット
フィンテック
ヘルスケア

31
ヘルスケア分野のマーケット状況
応用領域 AI技術どのように応用するか
ロボット
・画像認識
・音声認識
・機械学習
・リハビリ、手術において、
医者、看護師をサポート
メディカルイメージング
・画像認識
・医用画像処理の領域で、
病気の判断、分析
遠隔診断
・画像認識
・音声認識
・患者が病院に行けない場合、
患者のデータを入力することで、
自動診断
薬品研究・ディープラーニング・新薬の開発、テスト

32
ロボットメディカルイメージング
遠距離診断薬品研究

33
会社名：Infer VISION （中国最大の病院と提携）
カテゴリ特徴
会社・2017年成立
・医療診断におけるAI分析プラットフォーム
創業者
・陳宽（CK）：シカゴ大学PhD.（経済モデリング専攻/中退）
・指導教授（四人ともノーベル賞受賞）：
Gary Becker / Robert Fogel
James Heckman / Lars Hansen
プロダクト
・AI-CT
・AI-DR
・AI Scholarプラットフォーム
製品の課題点・正確性（医者に比べ、正確率どれぐらいか）
マーケット
・医用画像処理専門医者：8万人（2017年時点）
・病院年間の医用画像データ量：10T（2017年時点）

34
サービスイメージ（AI-CT）
・がんの早期診断
・蓄積されたデータで判断
・医者の診断結果と対照し、
正確性、効率性を高める
・一枚のレントゲンを読み取るには、医者の平均時間が10分、AI-CTが5秒

35
サービスイメージ (AI-Scholar)
・医療用映像データ処理スピード：100枚/s
・50種類以上のアルゴリズムを利用、医療現場の応用に相応しい分析プラットフォームを構築
・UIを改善し、コードなど詳しくない人でも優しく利用可能

36
Kangfuzi （一般的な病気診断の正確率90％）
・大量の医療データをコンピューターに読み取り、病気と症状の相関性を
認識し、機械学習させる
・ユーザーがある症状を入力すると、AIを利用することで、
ほかの関連症状はあるかどうかを認識可能
症状入力診断結果

37
ⅰ
ⅱ
ⅲ
ロボット
フィンテック
ヘルスケア

38
セキュリティ
46,032
53,784
64,458
71,380
80,676
89,640
18%
17%
20%
11%
13%
11%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
100,000
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
系列1 系列2
億円成長率
・中国においてセキュリティ市場は年々増加している
・2011年～2016年の平均増加率が15％となる
出典：Marketline

39
セキュリテイ分野のマーケット状況
領域市場シェア* サービス提供者の
営業利益率
市場ニーズ
公衆安全
交通
50％ 50％～55％
・都市治安
・テロ
金融 30％ 75％
・銀行、ATM
・証券取引所の監査
（内部取引等）
エナジー
電力
鉄道
10％ 50％～70％
・天然ガスパイプライン
・駅以外など、鉄道状況の監視
ショッピング
モール
10％ 50％～70％
・セキュリティ
・ユーザー買い物のでモグラ
*セキュリテイ市場全体に対するシェア

40
DSPチップ* 固体撮像素子**
ハードウエアプラットフォーム/ソフトウエア
*デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサであり、一般にリアルタイムコンピューティングで使われる
**半導体チップの集積回路による、撮像素子（イメージセンサ）である

41
会社名：Sense Time （中国のユニコーン）
カテゴリ特徴
会社・SenseTime Group Limited
・2014年設立
・コンピュータビジョン/ディープラーニング
経営陣/チーム・経営陣：MIT 北京大学のPhD.（Microsoft Google Baidu）
・チーム：開発側800人
PhD.取得者150人（MIT Stanford HKU etc.）
バリュエーション・30億ドル
研究開発能力・2017年CVPR*、ICCA*発表論文数43（アジア一位）
・ディープラーニングセンターにおいて中国企業にとって
上位のGPU数保有（6,000）
応用領域・セキュリティ
・エンターテインメント
・金融
・オンライン、オフラインコマース
*補足：CVPR、ICCV、ECCV conference on computer vision

42
Sense Time製品イメージ 1
・警察などをサポートし、交通管理分野への応用
・移動体も認識可能

43
Sense Time製品イメージ 2
・顔認識、セキュリテイ分野での応用
・中国においては、政府機関が16歳以上の全国民の顔写真データを保有している

44
2017年12月Hondaと共同研究開発提携
・自動運転システムへ適用するAIアルゴリズム
・AIアルゴリズムを学習するための大規模計算技術
・AIプログラムを車載コントローラーへ実装する技術

45
Face++ （ユニコーン、バリュエーション20億ドル）
顔認識カード情報入力学生表情分析
運転手識別マーケティング分析
・顔認証サービスを提供
・Ant Financialと提携し、顔スキャンペイメントを推進

46

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