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岡山県 老人福祉施設協議会
第一回総会講演資料
ICTの利活用が導く介護の未来について
~介護の質向上、人材獲得・定着への影響、
そして先端技術は介護にどの様な変革を与えるのか~
株式会社ビーブリッド 代表取締役
竹下 康平
ご挨拶・自己紹介
まずは、本日このセミナー講師を務めさせて頂く
わたくしの自己紹介から
竹下 康平 (タケシタ コウヘイ)
青森県弘前市生まれの42歳
株式会社ビーブリッド 代表取締役
日本福祉教育専門学校 非常勤講師
一般社団法人クラウド利用促進機構 理事
一般社団法人介護離職防止対策促進機構 理事
ICTCカウンシル青森 監事
青森県クラウド事業化推進部会コーディネーター
趣味:
・介護×IT啓発活動
・ツーリング
介護×ITで約10年
(株)ビーブリッドとは
「介護とITを同時に考える会社」です。
ビーブリッドのCI
会社概要
 会社名:株式会社ビーブリッド
 URL:http://bibrid.co.jp
 代表者:竹下康平
 設立:2010年7月16日 (創業2009年)
 所在地:東京都台東区上野3-17-9 タイムビルⅡ 2階
 事業内容:
介護・福祉・医療業界専門サポートサービス「ほむさぽ」運営
介護福祉用製品開発協力事業
介護福祉業界向けIT等の利活用情報発信事業
活動実績
【講演】
厚生労働省、経済産業局、老施協
青森県庁、産業技術大学院大学、
西日本国際福祉機器展、八戸学院大学
介護労働安定センター、中小機構等
【記事】
月刊老施協、介護ビジョン、HELPMAN JAPAN、政策金融公庫調査月報、週刊朝日、介
護対談、介護チームマネジメント、ASCII.jp、リクナビNEXT、その他技術系雑誌
介護×ITといえば
「介護 IT」または「IT 介護」Google、Yahooで検索してみると・・・
1,3,4,5位!
1位
HELPMAN JAPAN https://helpmanjapan.com/article/5501
「ITで介護はもっと進化する業界を支える「ヘルプマンのヘルプマン」」
3位
gihyo.jp https://persol-tech-s.co.jp/i-engineer/human/bibrid1
「介護の現場でエンジニアが大活躍!?ITリテラシーとテクノロジーで福祉を支える
ビーブリッドの仕事場に潜入【IT×介護】
4位
ASCII.jp http://ascii.jp/elem/000/000/942/942946/
全人口の4割がお年寄りになる日本で「介護×IT」は絶対必要!超高齢化時代を迎えた介護業界のIT化は「やりがい」がある
マストマガジン コラム連載中
株式会社SMS 介護マスト内、マストマガジンにて介護業界におけるITについ
て連載中
http://kaigo-must.jp/mustmagazine/article/14/
主たる事業「ほむさぽ」の紹介
「ほむさぽ」で検索
ホームページ : http://homesapo.com
「業界特化型 IT等総合支援サービス」
<主たるサービス>
IT、OA機器導入支援、ヘルプデスク、事業所開
設時インフラ構築支援、ホームページ制作、
IT化による介護業務の効率化/コストダウン支援
<その他>
採用等PR支援、エアコン掃除、リフォーム、建物の修繕、家電販売
等
本業に注力でき(月200時間超の時短達成ケースも)
相談窓口業務開始
2017年4月度スタート 介護労働安定センター東京支部
「専門家による無料相談」サービス開始予定
労務・人事
メンタルヘルス
人材育成
IT 今春よりメニュー追加
その他サービス
メーカー向け開発協力事業 (無料)見積チェックサービス
企画、開発、PR等支援
介護業界により良いものを開発して欲しい!
ヘルプマン‼のヘルプマン‼
ヘルプマン
日本の老人介護を題材にした漫画作品。
2003年8月から2014年9月まで、講談社発行の『イブニング』にて連載され
た。
2014年12月より朝日新聞出版発行の『週刊朝日』に移籍。
それに伴いタイトルを『ヘルプマン!!』に改題。
2011年5月、第40回日本漫画家協会賞大賞を受賞。
軽いタッチの描画で高齢社会の問題点をわかりやすく、リアルに描いてい
る。
(Wikipediaより引用)
では
本題に入ります
早速ですが質問です
うちはIT使いこなしてるぞ!
という方
早速ですが質問です
いやーうちはちょっと・・・
けど問題課題が山積してるから
期待してるっ!
という方
早速ですが質問です
ITなんて全くダメ!
期待もしてない
という方
早速ですが質問です
ありがとうございます。
感覚が分かりました
本日のポイント
1.ICT活用による介護の質向上
2.ICT 利活用の肝
3.人材獲得・定着への影響
4.介護の味方?先端技術について
理想と現実
理想
介護ロボで労務軽減
ビッグデータを活用して、将来のケアに活かす
IoTを駆使して、人間頼みの業務から脱却
VRでケアの教育訓練
などなど・・・・
実に素晴らしいね^^
理想と現実
現実(介護事業者側は・・・)
で、誰に何を頼めばいいの?
たくさんあってどれを選べば?
タブレットで、WiFiでって言われても・・・
ネットワーク環境は??
どうやって運用すればいいの?
現場からは困惑の声
使い始めて半年も経たないうちに利用率低下…
道具の真理
道具の為に目的を達成する?
道具を使いたい!!!???
のこぎり持って木材を探す??
違いますよね!
作りたいもの(目的)があって、
それを実現するための「道具」ですよね?
重要なのは目的です
目的
ご利用者様のQOL向上
ESの向上
職場環境の改善
安全安心の事業所づくり
定着率UP 等
手段
システム導入
ツールの活用
ところが・・・
目的
ご利用者様のQOL向上
ESの向上
職場環境の改善
安全安心の事業所づくり
定着率UP 等
手段
システム導入
ツールの活用
本日の4つのポイントに
入る前に
「介護保険を取り巻く状況」
「介護におけるICTの活用の現状」
を考察してみましょう
釈迦に説法ですが・・・
(厚労省:第137回社会保障審議会介護給付費分科会資料より)
IT化の状況考察
介護業界のコンピュータの利活用は、他産業と比較すると充分に活用が進んでいない。
これは、事業の主であり殆どを締めるのが対人援助サービスであるという事で
本質的な業務改善を目的としたITの活用が難しい点や、
コンピュータ業界出身の人材がうまく介護業界に流入せず、コンピュータを利用するマインドが高く
ない点などあげられるが、ケアプランや実施記録も含めて、
現在の事務作業の多くをコンピュータの利用無しには困難な状況である事は間違いない。
そのため、既にほとんどの介護事業者が「計画作成、記録、請求といった事務作業を目的」として
当たり前の様にコンピュータを利用しているが、
ケアの業務効率改善や、ケアの質を上げる目的でのコンピュータの利活用はまだまだ未熟
である。
介護マスト 竹下コラムより引用
業界のIT活用の現状は?
最もICTの利活用
状況が低く、
効果が薄いとされて
いる
「中小保健・福祉・医療
関連産業」
(出典)総務省「ICTが成長に与える効果に関する調査研究 報告書」
情報資本比較
(出典)総務省「ICTが成長に与える効果に関する調査研究 報告書」
他国と比較して
も情報資本が乏
しい
我が国の施策
~検討されている内容~
厚労省:介護保険制度の見直しについて
内閣府:経済・財政再生計画改革工程表(抜粋)
ニッポン一億総活躍プラン (28年6月2日閣議決定)
未来投資会議(第10回資料より)
目指すべき社会像
団塊の世代が全て 75 歳以上となる 2025 年には、ビッグデータ・AI など技術革新を最大限活用し、最適
な健康管理と診療、自立支援に軸足を置いた介護など、「新しい健康・医療・介護システム」が確立してい
る。健康寿命を更に延伸し、世界に先駆けて生涯現役社会が実現している。
<変革後の生活・現場のワンシーン>
・(高齢者・家族)市街地から離れた実家に暮らす高齢の父親は、遠隔診療によ り、かつての週に1
回から今では月に1回へと通院負担が軽減され、データ・ AI を活用したかかりつけ医による診療を無
理なく受けられる。要介護状態の 母親は、データ・AI を活用した最適なケアプランにより、要介護度
が改善し、 自宅で過ごす時間が増え、団らんを楽しんでいる。
・(医療・介護現場)医師は、これまでばらばらだった患者の健診・治療・介護 記録を、本人同意の下
確認し、初診時や救急時に医療機関において患者情報 を活用し、個人に最適な治療がいつでもどこ
でも可能に。介護現場でも、ロ ボット・センサー等の活用により、夜間の見守りなどをめぐる職員の厳
しい 労働環境は大幅に改善され、その分、専門性をいかして個々の利用者に最適 なケアの提供が
可能に。
続き(抜粋)
介護:科学的介護の導入による「自立支援の促進」
(残された課題)
・介護予防や、要介護状態からの悪化を防止・改善させるための先進的な取組が一部に広まって
いるものの、国として目指すべき形として、自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護を具
体的に示すには至っておらず、また、要介護度が改善すると報酬が減ることもあり、自立支援に向
けたインセンティブの充実等を求める声がある。
(主な取組)
・次期介護報酬改定において、効果のある自立支援について評価を行う。
・自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護の実現に向け、必要なデータを収集・分析する
ためのデータベースを構築し 2020 年度の本格運用開始を目指す。
・データ分析による科学的な効果が裏付けられた介護サービスについて、2021 年度以降の介護報
酬改定で評価するとともに、そうしたサービスが受けられる事業所を厚生労働省のウェブサイト等
で公表し、国民に対する「見える化」を進める。
・介護現場でのロボット・センサー等の活用について、効果実証を着実に進め、その結果を踏まえ
て、次期介護報酬改定の際に、介護報酬や人員・設備基準の見直しなど制度上の対応を行う。
未来投資会議(第7回)塩崎厚生労働大臣提出資料(抜粋)
厚労省:社会保障審議会・介護給付費分科会
第 137 回(H29.4.26)資料抜粋
<検討事項の例>
・通所リハビリテーションと通所介護の役割分担と機能強化
・小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の、サービス提供量の増加や機能
強化・効率化の観点からの人員基準や利
用定員等のあり方
・特別養護老人ホームの施設内での医療ニーズや看取りに、より一層対応できるような仕組み
・入退院時における入院医療機関と居宅介護支援事業所等との連携
・ロボット・ICT・センサーを活用している事業所に対する報酬・人員基準等のあり
方
・訪問介護における生活援助を中心にサービス提供を行う場合の緩和された人員基準のあり方
・介護医療院の報酬・基準や各種の転換支援策
一方・・・・
<現実>
現場が抱くICTへの感覚は?
ITへのイメージ
経営者 現場職員
効率化・生産性↑ 嫌悪感
若手獲得定着 苦手意識
介護の事務業務
「みんなの介護」によるアンケート結果
9割以上の方が負担と思った事がある。
介護職の平均的な事務作業に費やす時間は2割前後といわれている。
(もっと多いんでは???)
必要不可欠な事務業務
計画 実施 請求
ケアプラン サービス提供 レセプト
上記に加えて送迎表、シフト管理、連絡帳等々!
事務作業
ケアプラン、アセスメント、カンファレンス記録、サービス提供票(別
表)、バイタル、国保連請求データ作成etc
言い始めるときりがないですね。。。。
何の為?
記録とは
後々まで伝える必要のある事柄を書きしるすこと。
その書きしるしたもの。
?
介護記録
後々まで伝える必要のある事柄を書きしるすこと。
介護保険請求を行う為のもの。
事業者の責任を果たす(第三者評価や行政への提出)為のもの。
になっていませんか? とある自治体職員の話
大量のドッチファイル
介護事業者からの書類のチェックに忙殺
「チェックでさえ膨大な事務なのだから書
く方はもっと大変だろう」
仮説
本来はご利用者さんの「倖せ」の為にケアに注力したい皆さん。
↓
保険請求のために、事務業務に「忙殺」。
(本来のお仕事に注力したいけど!)
↓
大変、事務多過ぎ、事務の為にお昼休み献上、残業・・・
「嫌」になりますよね・・・・
ポイント1
ICT活用による介護の質向上
折角取っている「記録」
↓
介護の質をより良くする物に
記録の活用:データ化のメリット
情報共有
事業所内、多職種連携、ご家族、地域
経過記録
ケアの効果測定、中長期での変化
暗黙知の可視化
 ケア力のアップ、他職員からの学び
けど、それって「理想論」
事務業務はより膨大に
「記録」の手間を極力省力化
↓
ご利用者に対する時間の確保
↓
本業に注力:介護の質の向上
データ化
本業注力
介護の質
向上
その為にマインドセットを変える
経営者 現場職員
効率化・生産性↑ 嫌悪感
若手獲得定着 苦手意識
ポイント2
ICT利活用の肝
ITへのイメージ
経営者 現場職員
効率化・生産性↑ 嫌悪感
若手獲得定着 苦手意識
負の循環を断ち切り
介護の質に寄与する
ITの成功体験が無い
新しいチャレンジは
苦労でしかない。面倒。
嫌々導入
結果が出ない
成功体験の好循環を目指す
介護の質に寄与する
ITの成功体験
ITへの興味関心拡大
積極的なトライアルと導入
結果と失敗(良い意味で)
ICT活用のポイント
 中長期戦略の策定
単体企画でなく、複合的に将来を見据えIT戦略を立案
 経営と現場双方の努力
経営側で決めて現場に落とすのでなく、双方がそれぞれ役割を果たす
 ハードルの低いところから
小さな成功体験の積み重ねが将来の大きな成功体験に
 目的意識を持つ
メリットを理解(経営:コスト、現場:環境改善)し、生みの苦しみを突破
 継続した教育と改善、フォロー
施策運用後も改善点が無いか徹底検討、継続的教育の実施、
運用面の継続的なフォロー
ポイント3
人材獲得・定着への影響
実務的ストレス
膨大な事務作業負担
(ケアに注力したい)
ミスや漏れの不安・・・
心理的ストレス
アナログに対する困惑
変化が無い事への絶望感
職員の本音
ICTで解決の糸口を
実務的ストレス
ICT化による省力化
ICTで自動チェック
心理的ストレス
使ってみたら意外と定着
※調査結果より
継続的業務革新の期待
データ化
本業注力
介護の質
向上
なによりもココ
離職理由NO1を
ICT活用による潰した事例
離職理由は??
参考
公益財団法人 介護労働安定センター
介護労働の現状について
平成25年度介護労働実態調査
チームワーク形成⇒
コミュニケーションがカギ
コミュニケーションは質より量
質
量
コミュニケーションには、良く質と量
の議論がなされるが、ハーバードビジ
ネススクールのTsedal B Neeley教授に
よると、ビジネスの場面において、対
面・メール・電話などの方法に関わら
ず 「意図的に大量のコミュニケー
ションをとる」人は、 そうでない人
と比べると、より早くより円滑に仕事
を進め完了している傾向があり、しか
も「質」よりも「量」の方が有効に機
能しているという研究報告がある。
[参考:"It's Not Nagging - Why Persistent, Redundant
Communication Works" Harvard Business School,
2010 President and Fellows of Harvard College]
大阪のデイサービスの話
職員間のコミュニケーション手段を従来のフェイストゥフェイスに加え、SNSによるコミュ
ニケーションを徹底したところ、
コミュニケーションの量が飛躍的に増加した。
しかも写真などの情報も伝達する事で、口頭では難しかった正確な情報も伝達可能となっ
ている。
申し送りなど職員間のコミュニケーションはもちろん、前述の「離職原因第2位」にも挙
がっている経営者サイドの意見・考えも確実に伝達が出来る様になった。
コミュニケーションの量と質(情報精度・確実性)双方が向上し、結果として人材定着率
が大きく向上したというのだ。
この様にコミュニケーション力強化にはITの活用が効果的と言えよう。
引用:介護チームマネジメント 竹下記事引用
介護の質を上げ
専門職としてのアイデンティティを確立し、
チームワークを形成すれば
↓
やりがいがあり、魅力のある職場に
きっとなるでしょう。
ポイント4
介護の味方?先端技術について
期待技術その1
IoTとAI、ビッグデータ
IoT 青森県八戸市 白山台やすらぎ館
バイタル(心拍、体動)、モーション、照度、ドアセンサーを多用した、総合監
視管理システム。
Internet of Things
モノのインターネットは、様々な
「モノ(物)」がインターネット
に接続され(単に繋がるだけでは
なく、モノがインターネットのよ
うに繋がる)、情報交換すること
により相互に制御する仕組みであ
る。それによる社会の実現も指す。
「物のインターネット」と表記さ
れた例もある。
IoT
Z-Works LiveConnect
ドアセンサー、モーションセンサー、温湿度センサーを利用
した、在宅時のデータ取得。生活リズムの閲覧による状態
把握と安否確認。
今後、対応センサーが増えていく事が予測される。
訪問介護やさしい手、有料老人ホームSOMPOケアネクスト
で導入
aba Helppad
世界初の臭気による排泄検知シート
ユーザ毎のにおいのデータをAIで分析、おむつか
らの便漏れなどを事前に防止。
おむつ交換のタイミングを予知。
センサーの進化がもたらすメリット
これらセンサーが進化を続けると・・・
バイタルデータの殆どが無記録になるでしょう。
人間が計測するより高精度、高密度。
行動記録の自動化。
睡眠時間や活動量、排泄、食事(水分)摂取量等の情報を人手を介さず記録可能
に。
職員を計測する事で、サービス提供状況や負荷状況などがデータとして見える可
出来る。
その他IoTの例
ゴミ
https://iotnews.jp/archives/501/2
電球見守り
https://iotnews.jp/archives/32421
ビーコン&ドローン見守り
https://iotnews.jp/archives/40639
Amazon Echo
https://iotnews.jp/archives/32279
参考:IoTニュース
VR
VRとは、人間の感覚器官に働きか
け、現実ではないが実質的に現実の
ように感じられる環境を人工的に作
り出す技術の総称。
身体に装着する機器や、コンピュー
タにより合成した映像・音響などの
効果により、3次元空間内に利用者
の身体を投影し、空間への没入感
(immersion)を生じさせる。
VR事例
ゲーム
https://iotnews.jp/archives/9084
高所作業
http://nanigoto.hatenablog.jp/entry/20
16/11/13/195651
VR入学式
https://iotnews.jp/archives/17252
VR認知症体験 シルバーウッド
http://www.silverwood.co.jp/vr/
ビッグデータについて
膨大なデータがセンサーなどによって蓄積されてくると、そのデータを基に様々な分析
が可能となる。
例えば
膨大なケアプランの類似性から、同様の計画が本人にどう影響を与えそうかを事前に
分析
ケアの実施結果が要介護者に対して、中長期的にどの様な影響を与えたか分析
これらを分析予測するのが専門職(ケアのプロ)の仕事に!
人工知能(AI)について
セントケアホールディングス
スタンフォード大学との共同研究による「人工知能」を活用したケアの改善
(2016/7/25)
⇒ケアプラン自動作成を目指す(2016/10/7 日経新聞)
これらAIが進化すると・・・
先のビッグデータとの組合せにより、ある程度のケアプランの自動作成が容易にな
る。
ケアマネージャーは、AIが提案するケアプランから選択・加筆をする流れになるで
しょう。AIは心強いアシスタントに!
期待技術その2
自動運転技術
(これ自体AI、ビッグデータのたまもの)
自動運転
自動運転は介護を変える??
自動運転技術
まだまだ介護云々ではないが・・・
・Google 300万マイル(480万km=地球120周分)のテスト走行完了
・Tesla 1億マイル(1.6億km 16000万=地球4000周)のテスト走行完了
誰もが強力な移動手段を得る事に。
それから想像できる事ってなんだろうか?
技術がもたらす介護変革を
想像してみよう
未来への期待
働き方の進化
 面倒なデータ記録、加工、調査は殆ど機械が行います。
 行政への提出データの大半は、日々の記録から自動作成される様に。
 事務から解放され、より専門性を活かしやすく、対人援助に特化する流れ
に。
 ケアマネージャーはAI等の優秀な助手を得て、本人の過去の事から現在、
類似性の高い他人の情報を組合せより、簡単に高度なケアプランを立てる
事が出来る様になるでしょう。
更に技術革新が進むと・・・
(少し飛躍します)
AIや自動運転技術の進化により
高齢者の移動手段の確立や高度な見守り
技術により専門職の活躍の場が多様化
• 温浴施設
• スーパーマーケット
• 百貨店
• 飲食店
• スポーツジム
• 娯楽施設(カラオケ、パチンコ、雀荘)
地域社会での共生
当たり前の社会
地域に老若男女、介護職、その他職が入り混
じる時代に。
•見守りっていりますか?
•いる事が当たり前だと?
街中カメラ+異常行動検出AIとか、
フルオートレジとか(お金の計算出来なくても大丈夫)
高齢者が当たり前にいる事前提のアイデア、ビ
ジネスが活躍するでしょう。
専門職の在り方の変化
介護の専門職だからこそ出来る事に注力が出来る様に!
送迎は専門職じゃなくても出来る
事務作業も専門職じゃなくて出来る
⇒ドライバーの方が運転技術高いし、事務員の方が事務能力高いわけで
専門職ならではの高度な介護知識、経験値に基づき考え抜かれた、対
人援助に特化した仕事になっていくでしょう。
専門職は知性を磨き続けるお仕事に!
それぞれの強みの理解
人間 機械
気持ちの理解。 膨大な記録の蓄積。統計。検索。
配慮。心遣い。 超高感度センサー(視覚、聴覚、
嗅覚、味覚)。
豊かなコミュニケーション。
(表情、声色、呼吸、体温、瞳の
輝き)
24時間365日稼働。
阿吽の呼吸。
これからのケア職像
 蓄積されたデータを分析し、個別ケアを
「考える」仕事。
 面倒な事務作業をどの様に機械に行わせるか
「考える」仕事。
 市場にあるソフト、機器を用いた高度なケアを
「考える」仕事。
 機械の補助を得て、人だからこそできるケアを
実践する仕事。
ICT利活用に対する意識を変える
経営者 現場職員
効率化・生産性↑ 嫌悪感
優秀な助手の獲得
若手獲得定着 苦手意識
ご利用者の倖せ
おさらい
ICTは道具
目的を持つ(メリットの理解)
負の循環から好循環へ
ICTの活用は経営、現場双方にとって有益
最後に
今からやろう「3づくり」
3づくり
環境づくり
インターネット環境、無線LAN環境、セキュリティ
ルールづくり
運用ルール、BYOD、セキュリティポリシー
有効的なICT業者との関係づくり<むちゃくちゃ重要>
地元の親切なICT事業者の発掘、営業外でのコミュニケーション
~おまけ~
介護×ITの人材交流活動
各地域でも取り組んでみよう!
ここでIT業界側の問題
私は良くIT側のイベントで以下の質問をします。
このような質問をしています
介護業界というものがあるという事を知っている
少子高齢化問題が日本でも最も重要な問題の一つだという事を知っている
身近に介護関係者(ヘルパーケアマネ等)がいる
身近に介護サービスを受けている人がいる
製造業向けの仕事をしたことがある
介護業界向けの仕事したことがある
介護業界で仕事をしたことがある
多
無
何故か?
日本国の問題であり、
身近にも働く人がいたりするのに、
関わり合いが薄い介護
人材交流薄
2025年問題
後期高齢者人口が、約2,200万人まで増加し、
全人口の4人に1人は後期高齢者となる
2025年には237万~249万人の就業が欠かせない。
(70-100万人程度は増やさないとマズイ)
結果
絶対的に介護人材不足
労働力人口:6000万強のうち約3.9%が介護職員の世界
(現在2.4%位??)
→25人に1人は介護職員
国が力を尽くしても
中々増えない・・・
職種間・業種間人材流動がほとんど無い!!
私竹下の場合、
IT系
ITは他産業に使ってもらう事が収益源である事から、非常に多種
の産業界での引き合いがある。
にもかかわらず
他産業からの転職が少ない?
例えば
リクナビNEXT
ITエンジニア(システム開発、インフラなど)/医療・福祉関連の求
人
→0件(医療系はHIT)
マイナビ
ITエンジニア/医療・福祉・介護サービスの転職・求人情報
→ 0件(医療系はHIT)
というか求人が無い!
先日のIT業界向けイベントで
「自分の祖母が要介護状態でした。自分達の技術で何かできると
か考えたことが無かった」
「そもそも情報がどこにあるかわからなかった」
介護のイベントがある事を知っているかという質問に対して
「全く知らなかった」「探したことが無い」etc
介護に興味を持つチャンスが無い!
(そもそも知らない)
介護人材(業務SE)として
ヘルプマンも
ヘルプマンのヘルプマンもみんな合わせて
ヘルプマン‼
色んなきっかけ作り
コミュニティからはじめよう
 介護×ICTミーティング
 介護×IT ハッカソン
(青森公立大)
目指せ!ICTとのパートナーシップ
介護の知識薄
たくさん売れる
かわからない
介護の知識高
たくさん売れる高めの価格設
定
関係悪化 へぼい製品 良い製品
価格安
信頼関係
質問コーナー
ご清聴ありがとうございました
本日の資料(Web公開リンク)
https://goo.gl/eEmXby
まだまだ聞き足りないぞって方は
ご遠慮なく会場でお声掛けください

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