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© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
OSSセキュリティ技術の会第一回勉強会
株式会社 日立製作所
OSSソリューションセンタ
2017/5/16
中村 雄一
RSA Conference USA 2017報告
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
自己紹介
1
名前: 中村 雄一
SELinux徹底ガイド(日経BP社) 2004年3月
・ SELinux Policy Editorを開発、公開。
現在は飽きてメンテ停止、コンセプトは良かったと思うのですが…
所属企業と全く関係ないところで使われてきた模様
・ 他組込み向けSELinuxなどを開発、Ottawa Linux Symposium,
USENIX LISAなどで論文発表
・ 2007年頃に一度OSSワールドから引退、別の仕事をやっていました。
・ その間にSELinux関連開発をまとめて博士号取りました。
・ 時代が一巡し、OSSセキュリティが再び求められ、復帰しました。
・ 2001年から旧日立ソフトに入社し、SELinuxの研究開発や布教。
SELinuxユーザ会を立ち上げたり、(たぶん)世界初のSELinux書籍を執筆。
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
・ 日程:2017年2月13日(月)~17日(金)
場所:Moscone Center, San Francisco, CA, USA
・ 世界最大級の情報セキュリティのイベント、大量のセミナと展示会から成り立つ
・ 今回の参加者は40,000人以上
RSA Conference USA 2017概要
2
基調講演の一つ、10,000人以上出席 展示会場の様子
憧れのNSA(SELinux開発元)ブース
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
OSSセキュリティについての主なトピック
3
普通のセキュリティの話題もいっぱいありましたが
(ランサムウェアとかIoTとか)
OSSセキュリティに関するトピックのみを紹介します
1. コミュニティのレベルでのセキュリティ強化
- Linux Foundationの取り組み
- CVEの新たな動きについて
2. コンテナのセキュリティ
当日のセッションの動画は以下で見れます。
https://www.rsaconference.com/events/us17
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
Linux Foundationの取り組み(1/2)
4
●Collaborative Security Securing Open Source Software
By Nicko van Someren (The Linux FoundationのCTO)
・ OSSのセキュリティは商用ソフト以上でも以下でもない。
ただし商用ソフトとの違いとして、コード重視、たくさんの人間が開発、
プロセス は後付、security firstのプレッシャーが少ない等。
・ OpenSSLの事件を踏まえ、CII(https://www.coreinfrastructure.org/)を設立。
・ コミュニティ開発者の意識向上が重要!
・ 脅威モデル作成
Card game(elevation of privilege threat model card game)というOSSツール
https://www.microsoft.com/en-us/SDL/adopt/eop.aspx
・ Change controlする
・ テスト必須。重要。テストも一緒に提出させる。
・ コード分析・ファジングツールを使う。商用製品高いが、OSSもある。
OSSの例としてはSonarCube, FramaC, AFL等。
・ バグ管理必須
・ OSSユーザ側へのお願いとして、タダ乗りしないでほしい。
バグレポートやパッチなどの貢献をしてほしいと強く呼び掛け。
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
Linux Foundationの取り組み(2/2)
5
なお認定基準は:
https://github.com/linuxfoundation/cii-best-practices-badge/blob/master/doc/criteria.md
・ CII Best Practices Badge Programを設立。
https://bestpractices.coreinfrastructure.org/
所定のベストプラクティスを守っているOSSコミュニティをCIIが認定するというもの。
https://bestpractices.coreinfrastructure.org/
ページより引用
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
CVEの新たな動き(1/2)
6
● Saving CVE with Open Source Software
by Kent Landfield(Intel), Kurt Seifried(Red Hat)
・ 脆弱性管理のCVEについて。(CVE-yyyy-xxxxのようなよく見るアレです)
・ CVEは、MITREというUSの非営利団体が主導、元々はUS産ソフトが対象。
またOSSのカバレッジは少なかった。
OSSのCVEについてのよくある誤解!
・ ここ2,3年でOSSに関するCVEが激増している。
これは1ソフトウェアあたりの脆弱性が増えているわけではない。
見る人が増えたからである。
⇒ 関連する取り組みの紹介
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
CVEの新たな動き(2/2)
7
DWFの設立
・ OSSを扱うCNAとしてDWF(Distributed Weakness Filing:
https://github.com/distributedweaknessfiling/)が新たに設立された。
・ DWFは、基本的にはコミュニティベースで運営される。DWFの下にサブCNAをぶら下げて、
どんどんOSSのカバレッジを増やしたい。CNAやりたい人を大募集中。
・ DWFでは、OSSのCVEのレビュア―としてMentorという役割を作った。Mentorも大募集中である。
⇒ Mentorは簡単になれるようです。興味ある方は↓
https://github.com/distributedweaknessfiling/DWF-CVE-Mentor-Registry
・ MITREの下のCNA(CVE Numbering Authorities)という組織が自分の担当範囲のCVEをまとめる
⇒ OSSに関するところが弱かった。
MITRE
CNA
(forベンダ)
CNA for地域
(現状日本のJPCERTのみ)
CNA
(forX社製品)
CNA
(forY社製品)
CNA for OSS
DWF
新設
OSSのジャンル
毎のCNA
OSSのジャンル
毎のCNA
mentormentor
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コンテナセキュリティ
8
今年のRSA Conferenceはコンテナセキュリティであるとの声。
(数年前はクラウドセキュリティと言われていたのと一緒)
● セッション: Orchestration Ownage: Exploiting Container-Centric Data center
Platforms, by Bryce Kunz@Adove、Mike Mellor @ Adobe
何も考えずにApache Mesosでコンテナベースのデータセンタを組むとひどいことになるというデモ
脆弱な
Webアプリがある
コンテナ ジョブ管理デーモン
(marathon) Mesos Master
Mesos DNS
任意コマンド実行を許す脆弱性が
ある前提
(例:最近のStruts2の脆弱性)
1: REST API叩いて
各種サービスのIPアドレスと
ポート取得
2:
REST API叩いて
悪意のあるジョブを投入 3: 悪意あるジョブにてrootシェル
起動
最低限REST APIを認証+TLSしろとの話。
#コンテナ関連のOSSは、デフォルト安全に倒した設定になっていない、
#ベストプラクティスも共有されていない模様。
#なおデモ環境ではSELinuxは入っていたが適切に設定されていなかった。
他のセッションでも、コンテナからホストを破壊のデモもあり
# SELinuxが入っていればなぁ。。。。
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
コンテナセキュリティ
9
Red Hatブースにて対策技術展示。
SELinux
seccomp
OpenSCAP
コンテナ同士の分離、コンテナとホストの分離に利用
前提技術とされている
システムコールを使えなくするLinuxカーネルの機能、SELinuxと併用
コンテナの検査に利用
OpenSCAPにバグ報告実施
(SELinuxのチェックされていない件)
© Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved.
個人的な感想
10
・ 脆弱性がどんどん報告され、
「脆弱性突かれてしまった場合の対策」として
・ コンテナ時代の「分離技術」として
⇒ 改めてSELinuxが重要になってきている!!
そこで本日のテーマの
「SELinux」
11© Hitachi, Ltd. 2016. All rights reserved.
他社所有商標に関する表示
• RSAはRSA Security Inc.の米国およびその他の国における登録商標です
• Linuxは米国及びその他の国におけるLinus Torvaldsの登録商標です。
• SELinuxは米国及びその他の国におけるNational Security Agencyの登録商標です。
• Apache Mesosは米国及びその他の国におけるThe Apache Software Foundationの登録商標です。
• その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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  • 3. © Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved. ・ 日程:2017年2月13日(月)~17日(金) 場所:Moscone Center, San Francisco, CA, USA ・ 世界最大級の情報セキュリティのイベント、大量のセミナと展示会から成り立つ ・ 今回の参加者は40,000人以上 RSA Conference USA 2017概要 2 基調講演の一つ、10,000人以上出席 展示会場の様子 憧れのNSA(SELinux開発元)ブース
  • 4. © Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved. OSSセキュリティについての主なトピック 3 普通のセキュリティの話題もいっぱいありましたが (ランサムウェアとかIoTとか) OSSセキュリティに関するトピックのみを紹介します 1. コミュニティのレベルでのセキュリティ強化 - Linux Foundationの取り組み - CVEの新たな動きについて 2. コンテナのセキュリティ 当日のセッションの動画は以下で見れます。 https://www.rsaconference.com/events/us17
  • 5. © Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved. Linux Foundationの取り組み(1/2) 4 ●Collaborative Security Securing Open Source Software By Nicko van Someren (The Linux FoundationのCTO) ・ OSSのセキュリティは商用ソフト以上でも以下でもない。 ただし商用ソフトとの違いとして、コード重視、たくさんの人間が開発、 プロセス は後付、security firstのプレッシャーが少ない等。 ・ OpenSSLの事件を踏まえ、CII(https://www.coreinfrastructure.org/)を設立。 ・ コミュニティ開発者の意識向上が重要! ・ 脅威モデル作成 Card game(elevation of privilege threat model card game)というOSSツール https://www.microsoft.com/en-us/SDL/adopt/eop.aspx ・ Change controlする ・ テスト必須。重要。テストも一緒に提出させる。 ・ コード分析・ファジングツールを使う。商用製品高いが、OSSもある。 OSSの例としてはSonarCube, FramaC, AFL等。 ・ バグ管理必須 ・ OSSユーザ側へのお願いとして、タダ乗りしないでほしい。 バグレポートやパッチなどの貢献をしてほしいと強く呼び掛け。
  • 6. © Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved. Linux Foundationの取り組み(2/2) 5 なお認定基準は: https://github.com/linuxfoundation/cii-best-practices-badge/blob/master/doc/criteria.md ・ CII Best Practices Badge Programを設立。 https://bestpractices.coreinfrastructure.org/ 所定のベストプラクティスを守っているOSSコミュニティをCIIが認定するというもの。 https://bestpractices.coreinfrastructure.org/ ページより引用
  • 7. © Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved. CVEの新たな動き(1/2) 6 ● Saving CVE with Open Source Software by Kent Landfield(Intel), Kurt Seifried(Red Hat) ・ 脆弱性管理のCVEについて。(CVE-yyyy-xxxxのようなよく見るアレです) ・ CVEは、MITREというUSの非営利団体が主導、元々はUS産ソフトが対象。 またOSSのカバレッジは少なかった。 OSSのCVEについてのよくある誤解! ・ ここ2,3年でOSSに関するCVEが激増している。 これは1ソフトウェアあたりの脆弱性が増えているわけではない。 見る人が増えたからである。 ⇒ 関連する取り組みの紹介
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  • 10. © Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved. コンテナセキュリティ 9 Red Hatブースにて対策技術展示。 SELinux seccomp OpenSCAP コンテナ同士の分離、コンテナとホストの分離に利用 前提技術とされている システムコールを使えなくするLinuxカーネルの機能、SELinuxと併用 コンテナの検査に利用 OpenSCAPにバグ報告実施 (SELinuxのチェックされていない件)
  • 11. © Hitachi, Ltd. 2017. All rights reserved. 個人的な感想 10 ・ 脆弱性がどんどん報告され、 「脆弱性突かれてしまった場合の対策」として ・ コンテナ時代の「分離技術」として ⇒ 改めてSELinuxが重要になってきている!! そこで本日のテーマの 「SELinux」
  • 12. 11© Hitachi, Ltd. 2016. All rights reserved. 他社所有商標に関する表示 • RSAはRSA Security Inc.の米国およびその他の国における登録商標です • Linuxは米国及びその他の国におけるLinus Torvaldsの登録商標です。 • SELinuxは米国及びその他の国におけるNational Security Agencyの登録商標です。 • Apache Mesosは米国及びその他の国におけるThe Apache Software Foundationの登録商標です。 • その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。