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10/29/2014 1
競争と共創 
研究を最適化する評価システムとは 
藤田保健衛生大学 
宮川剛
2001年と比べて今は… 
減少! 
増加! 
「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2012)」より
ハイリスク・ハイリターンの研究 
腰をすえた着実な研究 
が日本ではできにくい!
目標 
ハイリスク・ハイリターンの研究 
腰をすえた着実な研究 
を促進するための 
競争と共創 
を実現する仕組みを!
提案をひとことで言うと 
安定性と多様性を生む 
「ひとの評価」 
で競争と共創を!
提案をひとことで言うと 
安定性と多様性を生む 
「ひとの評価」 
で競争と共創を!
提案1 
「ひとの評価」で 
ゆるやかに変動する 
安定した基盤的研究費を!
現状の研究費では…
「科研費が当たった」 
「科研費がはずれた」
若手Aに出すか、 
若手Bに出すか、 
それが問題だ…
若手A(3000万)はリスキーすぎる、 
若手B(500万)であればたぶん通るが 
しかし足りない… 
本当は(たぶん)1500万くらいの実力だし、 
それくらい必要… 
どうする?
(1)ポジション・研究費の安定
実施期間は 
2〜5年
研究費が 
はずれると 
いきなりゼロになる!
短期間で 
確実に結果が 
出るようなものにするしかない!
(1)ポジション・研究費の安定
研究費を確保する 
もう一つの方法…
たくさん申請する!
申請準備中の科研費のリスト 
教授基盤研究(B)(一般) 
挑戦的萌芽研究 
新学術領域研究(公募研究)1 
研究成果データベース 
准教授基盤研究(C)(一般) 
新学術領域研究(公募研究)1 
新学術領域研究(公募研究)2 
特任准教授新学術領域研究(公募研究)3 
新学術領域研究(公募研究)4 
助教1 若手研究(B) 
新学術領域研究(公募研究)3 
新学術領域研究(公募研究)5 
助教2 新学術領域研究(公募研究)1 
新学術領域研究(公募研究)3 
助教3 若手研究(B) 
新学術領域研究(公募研究)1 
新学術領域研究(公募研究)4 
ポスドク若手研究(B) 
新学術領域研究(公募研究)4
(1)ポジション・研究費の安定
現状では… 
ハイリスク・ハイリターンの研究 
腰をすえた着実な研究 
は困難
計画でなく 
過去の実績で 
ひとを評価し、 
(2) 計画ではなくヒトの評価 
研究費を安定させる!
事例 
ハワード・ヒューズ 
メディカル・インスティテュート 
(Howard Hughes Medical Institute;HHMI)
(1)ポジション・研究費の安定 
ハワード・ヒューズの例 
“How We Advance Science 
— People, Not Projects” 
研究計画ではなく、 
研究者個人の 
過去の業績から 
ポテンシャルを 
評価することで、 
長期的・独創的な 
研究をサポート! 
Freedom to 
Explore!
中柴さんの場合Junghyup Suh の場合 
2000 利根川ラボに2000 利根川ラボに 
2008. Nakashiba et al., Science 
2009. Nakashiba et al., Neuron 
2010. Torborg et al., J Neurosci 
2011. Suh et al., Science 
2012. Nakashiba et al., Cell 
2011. Suh et al., Science 
2011. Ramirez et al., Science 
2013. Suh et al., Neuron 
2014. Kohara et al., Nat Neurosci 
2014. Kitamura et al., Science 
2014. Yamamoto et al., Cell
計画でなく 
過去の実績で 
ひとを評価し、 
(2) 計画ではなくヒトの評価 
研究費を安定させる!
(2) 計画ではなくヒトの評価 
基盤的研究費の申請書では 
過去の実績の 
内容・意義の説明を中心に!
新しい申請書のイメージ 
<申請書> 
希望カテゴリー【B】 
希望研究費額【1500万円】 
研究業績 
• これまでの研究実績の概要 
• これまでの実績の独創性、新規性 
• 他の基礎研究、応用研究への波及効果 
• これまでの研究実績への外部からの評 
価(PubMed Commonへの書き込みな 
ど) 
業績リスト(所属・学位・経歴) 
業績のメトリクス 
• ScopusやGoogle Scholarなどでの数 
値 
• 各論文引用数、Altmetricsの数値 
• 全論文の各年毎の総引用数の推移、 
過去の総引用数 
• H-index、i10-indexなど 
• 学位取得後年数、PIポジション獲得 
後の年数などの層別で、各指標の値 
の平均値・中央値、ヒストグラムなど 
も参考資料として添付。 
• (将来的には著者数、貢献率、大学 
院修了後の年数などを加味し補正) 
研究計画 
今後の研究の抱負 
宮川剛, 「安定した基盤的研究費を!」, シンポジウム・サイエンストークス, 2013 発表資料より改変 
http://www.sciencetalks.org/miyakawa-presentation/ 
(2) 計画ではなくヒトの評価
研究者をもれなく 
研究費カテゴリーに 
ふり分け 
カテゴリーのレベルに 
よって研究費を配分 
5年ごとの評価で 
カテゴリーの 
上下変動あり 
(2) 計画ではなくヒトの評価 
特S A 
B C D
提案2 
「ひとの評価」には 
多様な指標を!
画像: 
http://nb459.exblog.jp/19273971/ 
http://edlogtkool.blog36.fc2.com/category9-1.html 
多様な指標
画像 
http://www.geocities.jp/galfned/ff2/ff2.html 
http://www.logsoku.com/r/ff/1302481336/ 
多様なひとが 
パーティを組み 
たたかう!
新しい申請書のイメージ 
<申請書> 
希望カテゴリー【B】 
希望研究費額【1500万円】 
研究業績 
• これまでの研究実績の概要 
• これまでの実績の独創性、新規性 
• 他の基礎研究、応用研究への波及効果 
• これまでの研究実績への外部からの評 
価(PubMed Commonへの書き込みな 
ど) 
業績リスト(所属・学位・経歴) 
業績のメトリクス 
• ScopusやGoogle Scholarなどでの数 
値 
• 各論文引用数、Altmetricsの数値 
• 全論文の各年毎の総引用数の推移、 
過去の総引用数 
• H-index、i10-indexなど 
• 学位取得後年数、PIポジション獲得 
後の年数などの層別で、各指標の値 
の平均値・中央値、ヒストグラムなど 
も参考資料として添付。 
• (将来的には著者数、貢献率、大学 
院修了後の年数などを加味し補正) 
研究計画 
今後の研究の抱負 
宮川剛, 「安定した基盤的研究費を!」, シンポジウム・サイエンストークス, 2013 発表資料より改変 
http://www.sciencetalks.org/miyakawa-presentation/ 
(2) 計画ではなくヒトの評価
多様な指標 
(3) 多様な指標 
• 各論文引用数 
• Altmetricsの数値 
• 全論文の各年毎の総引用数の推移、過去の総引用数 
• ScopusやGoogle Scholarなどでの数値 
• H-index、i10-indexなどの他にも支援indexのような 
ものも学位取得後年数、PIポジション獲得後の年数 
などの層別で、各指標の値の平均値・中央値、ヒス 
トグラムなども参考資料として添付。 
• (将来的には著者数、貢献率、大学院修了後の年数 
などを加味し補正)
事例 
オールジャパンの 
マウス行動解析拠点
こころの特徴を調べる 
“網羅的行動テストバッテリー” 
不安様行動 
社会的行動 
知覚運動機能 
学習・記憶 
うつ様行動 
活動量
オールジャパンのマウス行動解析拠点 
All JAPAN 
★ 
From overseas 
包括脳ネットワーク 
20-30 系統/年を支援的共同研究として解析 
これまでに102 研究室と共同研究 
(統合脳からを含む) 
(3) 多様な指標
(3) 多様な指標 
これまでに172系統のマウスの行動を網羅的に解析 
体重 
体温 
握力 
不安様行動 
活動量 
社会的行動(新奇) 
社会的行動(ホーム) 
運動機能 
歩行 
痛覚 
驚愕反応/PPI 
潜在抑制 
うつ様行動 
作業記憶 
参照記憶 
けいれん発作 
102の研究室(28大学,10研究所) との共同研究 
順次成果を発表 
高雄・宮川ら 
統合失調症モデルマウス 
Neuropsychopharmacol., 2013 
京都大・影山教授ら 
神経新生の役割解明 
Nat. Neurosci., 2008 
広島大・内匠教授ら 
自閉症モデル 
Cell (2009) 
その他多数 
行動データ付きの 
脳・血液をリソース化 
プロトコルを動画論文 
として出版・紹介 
マウス表現型データベースの 
構築・公開、ソフトウェア公開 
各列が1系統のマウスを表す
しかし、 
支援的共同研究では(普通は) 
研究費も取れないし、 
人事ポストを得るのは困難! 
(3) 多様な指標 
なぜか?
(3) 多様な指標 
単一の指標しか 
みていないから!
(3) 多様な指標 
第一著者/ 責任論文の 
インパクト・ファクターしか 
みていないから!
(3) 多様な指標 
ミドル著者論文の 
引用数なども 
みる仕組みに!
(3) 多様な指標 
他にも 
科学コミュニケーションインデックス 
人材育成インデックス 
地域・社会貢献インデックス 
学会活動インデックス 
などなど 
いろいろ指標はありうる!
(3) 多様な指標 
多様な指標が 
共創に 
つながる!
「数値指標などはだめ。 
研究は数値では測れない。」 
(3) 多様な指標
多様な指標 
(3) 多様な指標 
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• 全論文の各年毎の総引用数の推移、過去の総引用数 
• ScopusやGoogle Scholarなどでの数値 
• H-index、i10-indexなどの他にも支援indexのような 
ものも学位取得後年数、PIポジション獲得後の年数 
などの層別で、各指標の値の平均値・中央値、ヒス 
トグラムなども参考資料として添付。 
• (将来的には著者数、貢献率、大学院修了後の年数 
などを加味し補正)
提案3 
多様なひとの評価を 
多様なキャリアパスへ 
繋げよう!
多様なテニュアのトラック 
研究者 
技術員 
広報 
専門家 
事務 
知財 
専門家 
規制 
専門家 
研究 
秘書 
アドミン 
トラック 
リサーチ 
トラック 
マイスター 
トラック 
参考URL (京大iPS研・山中伸弥教授の総合科学技術会議での発表) 
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu105/siryo1-1.pdf 
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu105/siryo1-2.pdf
事例 
MITの 
技術職の職階
マイスタートラックの職階の例 
プリンシパル・リサーチスペシャリスト 
プリンシパル・リサーチエンジニア 
シニア・リサーチスペシャリスト 
シニア・リサーチエンジニア 
シニア・テクニカルアシスタント 
リサーチエンジニア 
テクニカルアシスタント 
参考URL(マサチューセッツ工科大学の職位・職階)http://web.mit.edu/policies/5/5.2.html
職階によるアドオン収入で競争的に 
研究以外から 
の収入 
機関から 
学士18万/月 
修士20万/月 
博士22万/月 
必要なら 
業務時間外 
で副業も可 
アドオン: 
業績や評価次第 
基礎報酬: 
保証されている 
機関や 
研究者自身の 
研究費 
の間接経費から 
研究以外からの収入の例: 
教育コマ数に応じた収入 
一般向け書籍の著作料 
ベンチャー 
機関によるアドオンの基準設定 
マイスタートラックの職階の例: 
プリンシパル・リサーチスペシャリスト 
プリンシパル・リサーチエンジニア 
シニア・リサーチスペシャリスト 
シニア・リサーチエンジニア 
シニア・テクニカルアシスタント 
リサーチアソシエイト 
リサーチエンジニア 
テクニカルアシスタント 
参考URL(マサチューセッツ工科大学の職位・職階)http://web.mit.edu/policies/5/5.2.html
トラック間の異動が可能! 
リサーチ・トラック 
資格:博士号取得者、受入先が確保されていること 
プリンシパル・リサーチアソシエイト(ミニ 
PI) 
リサーチアソシエイト(ポスドク相当) 
トラック間の 
マイスター・トラックアドミン・トラック 
資格:修士号取得者または 
学部卒業後2年間実務経験保有 
リサーチエンジニア 
資格:学部卒以上 
リサーチアドミニストレーター 
インテレクチャルプロパティ 
スペシャリスト 
テクニカルアシスタントリサーチセクレタリー 
etc 
リサーチスペシャリスト 
異動も可 
大学・国研 
などの常勤 
教員・職員等 
トラック外 
への異動も 
あり 
参考URL(マサチューセッツ工科大学の職位・職階)http://web.mit.edu/policies/5/5.2.html
まとめ 
「ひとの評価」 
で競争と安定のベストミックス! 
そこから共創を!
ぜひ議論にご参加を! 
http://www.sciencetalks.org 
この意見は発表者が所属する組織の意見を反映しているものではありません 
画像出典(部分):http://office.microsoft.com/
ガチ議論 
これまでの資料 
安定した基盤的研究費の導入を! 
http://scienceinjapan.org/topics/031413.html 
安定性と競争性を担保する日本版テニュアトラック制度の提案 
http://scienceinjapan.org/topics/20130925.html 
論文のオープンアクセス化を推進すべき7つの理由と5つの提案 
http://scienceinjapan.org/topics/20140326a.html 
すべての公的研究費の複数年度予算化を 
http://bit.ly/1qat45W 
サイエンストークス 
競争と共創の両立、研究を最適化する評価システム―Competition 
& Collaboration 
http://www.sciencetalks.org/ideas/competition-collaboration/ 
研究者の実績にもとづいた研究費を安定して支給するやり方に変え 
よう。1年でお金を使い切らねばならない制度をやめて雑用を減らし、 
研究者が疲弊しない研究環境を実現! 
http://www.sciencetalks.org/ideas/miyakawa1/ 
日本はジャーナルのオープンアクセス化推進を戦略とすべし! 
http://www.sciencetalks.org/ideas/openaccess_miyakawa/ 
CBSN platform / XooNIps 
神経科学者SNS「事業仕分けコミュニティ」による「これからの科学・ 
技術研究についての提言」(要点のまとめ) 
https://cbsn.neuroinf.jp/modules/xoonips/detail.php?item_id=25802 
研究費の使い方についての文科省への意見 
https://cbsn.neuroinf.jp/modules/xoonips/detail.php?item_id=114 
「ガチ議論」からの提言現場の研究者の声を!(Powerpoint版) 
https://cbsn.neuroinf.jp/modules/xoonips/detail.php?item_id=29429 
ReaD, Researchmap & e-Rad から始まる研究レボリューション」 
https://cbsn.neuroinf.jp/modules/xoonips/detail.php?item_id=29400
評価者の評価も!! 
(3) 多様な指標
アマゾン方式でいい! 
(3) 多様な指標
アマゾン方式でいい! 
(3) 多様な指標 
コメントを公開し、それにも評価!
(2) 計画ではなくヒトの評価 
カテゴリー振り分けの方法 
• 過去の実績の評価を主に 
– 自動的に生成されるメトリクスレポートが申請書に添付される 
– 業績説明・業績リスト、メトリクスレポートを参考に3〜6名程度の 
評価者が、申請者の主に過去の実績に基づき評価 
• メトリクスレポート 
– 各指標(総引用数、H-index、i10-indexなど)の値 
– 年ごとの指標の値の推移グラフ 
– 各指標での領域内偏差値 
• 研究計画はカテゴリー振り分けには用いない 
– 配分研究費の多寡の適正性の評価に用いる

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論文のオープンアクセス化を推進すべき7つの理由と5つの提案 by宮川剛(藤田保健衛生大学 教授)
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Science talks2014 plan
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ニッポンの研究力を「納税者の立場」から考える 神田眞人 Science Talks_vol1
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安定した基盤的研究費を 宮川剛 ScienceTalks_vol1
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【サイエンストークス】競争と共創ー研究を最適化する評価システムとは (宮川剛・藤田保健衛生大学教授)

Hinweis der Redaktion

  1. 藤田保健衛生大学の宮川です。よろしくお願いします。
  2. これは、「NISTEP定点調査2012」からいただいてきたアンケートの結果です。 2001年とくらべて、現在、…が減少し、・・・が増加している、という回答になってしまっています。
  3. まず目標ですが、日本ではハイリスク・ハイリターンの研究、腰を据え地に足をつけた着実な研究ができにくいと言われてます。これをやりやすいようにすることは極めて重要と考えられるわけですが、[次のスライド]
  4. 本日の僕が主張したい目標は、ハイリスク・ハイリターンの研究、腰を据え地に足をすえた着実な研究をやりやすくするための、競争とともに作る意味での共創を実現する仕組みを作りましょう、ということです。
  5. そのための提案をひとことで言いますと、安定性と多様性を生むような「ひとの評価」を研究費審査でも人事でも中心にしてもらって、競争・共創を実現しましょう、ということです。
  6. まず、この安定性の部分についての提案です。
  7. 提案1 「ひとの評価」でゆるやかに変動する安定した基盤的研究費をぜひともお願いしたい!
  8. 2年前のScience Talksでもご紹介しましたので、簡単に説明いたしますが、現状の研究費の仕組みでは、
  9. 申請がギャンブルのようです。
  10. 科研費が当たった、科研費が外れた、こういう表現、普通にするわけですが、これはまさに申請がギャンブルであることを示唆しています。1:11
  11. もう少しいいますと、若手Aに出すか、 若手Bに出すか、 それが問題だ、とうわけです。
  12. 若手A、3000万円というのはリスキーすぎるけど、若手B、500万円であれば、たぶん、というか間違いなく通るが、しかし足りない、ということがあるわけです。 *本当は多分、1500万円くらいの実力であり、それくらい必要、という場合、どうするか、ということです。 若手Aにいって、3000万円かゼロ円か、というギャンブルに出るか、500万円で足りないんだけどそれで成果を出そうという別の意味でのギャンブルにでるか、という決断をしないといけない、ということです。
  13. 次、リスクの高い研究に打ち込むことができません。 もしギャンブルに成功して、仮に研究費が当たったとしても
  14. 研究費の実施期間は2〜5年しかないわけで、
  15. つぎ、研究費が外れると、いきなりゼロになる。 こうなると、研究の観点から言うと、悲劇的です。こうならないようにするには、
  16. というわけでリスクの高い研究に打ち込めない。
  17. 研究費を確保するためには、もう一つの方法というかわざがありまして、それがなにかと申しますと
  18. たくさん申請する、ということです。
  19. なずけて「数を打てば当たる作戦」でこれは2年前の申請実績ですが、一研究室で19だしたと。
  20. で、そんなことをしていると疲弊してしまって、研究どころではないわけです。
  21. つまり、
  22. そこで、研究計画ではなく、過去の比較的長期にわたる実績をみて、ひとを評価し、研究費を安定させよう、ということです。
  23. 事例ですが、皆様御存知かもしれませんが、 ハワード・ヒューズ・メディカル・インスティチュート。米国の医学生物学のメジャーな研究者はこのインスティチュートのインベスティゲーターのポジションをもっています。 このポジションにつくと、年間xxドルくらいの研究費が長期的にもらえます。
  24. ここでは、People、not Projectということがいわれていまして、過去の業績から、そのひとのポテンシャルを評価することで、長期的・独創的な研究をサポートします。
  25. 僕が以前在籍していた、MITの利根川進ラボは、このHHMIの研究費を持っていたのですが、そういうこともあってか、研究に対する院生・ポスドクの姿勢が全然ちがうわけです。ともかく、時間はかかってもいいので大きな教科書にのるような仕事をする、ということを目標にしているわけです。ですので、まずポスドクがラボに入ってから、しばらくは実験をしない。3ヶ月とか半年近く実験しないで、何をするべきかじっくり勉強したり仲間と議論したりしながら考えるます。そして仕事にとりかかる。大きい物を目指しているので、なかなか論文にはならず、時間はかかる。例えば、僕と同期で同じ年2000年にポスドクとして利根川ラボに入った中柴さんというひとは、2008年に苦労してつくった実験系が非常にうまくワークして最初の論文がScienceにでてます。つまり、8年間なにも論文がでなかった。その後、NeuronとCellに第一著者ででてます。 これは、例外的なことではなく多くの利根川ラボの研究者はそのような感じです。このジャンというのも同期なんですが、なんと11年間論文が出ませんでした。 そういうリスキーだが大きな成果を出すようなことは、長期的で安定したサポートなくしては非常に困難だと考えられます。2年間論文がでなかったら、研究費打ち切り、というようなことでは、無理なわけです。
  26. で、額はともかく、仕組みとしては長期的で安定したサポートが望ましいと思われるわけで、そのためには、計画でなく 過去の実績でひとを評価し、研究費を安定させるしかない、ということです。 では、日本で具体的にどうすればよいかというと、
  27. 申請書で、過去の実績の内容・意義の説明のアピールを中心にやるのが良いだろう、ということです。
  28. つまり、新しい申請書のイメージを考えてみますと、これまでの研究実績の概要、これまでの実績の独創性、新規性、他の基礎研究、応用研究への波及効果、これまでの研究実績への外部からの評価などを記載の中心にします。 これに、業績リストと、業績の各種数値指標、メトリクスが添付されてます。論文引用数とか、H-Indexとかですね。計画はほんのちょっとだけ書く。
  29. そして、業績中心の申請書を評価して、研究者をもれなく「研究者カテゴリー」に振り分けます。 *そして、カテゴリーのレベルによって研究費を配分します。 *5年ごとの同様な評価でカテゴリーの上下変動はありますが、変化しても1ランク程度であまり大きくは変わらないようにしておきます。 http://www.istockphoto.com/stock-illustration-8932383-martial-arts-cartoon-with-belts.php?st=8d1a544
  30. 二つめの提案です。 「ひとの評価」には多様な指標を参考にすべきです。多様な指標が重要だ、などということは、こどもでもわかることなんですが、意外にこれがなされていない。
  31. で、多様な指標というのはどういうものをイメージしているか、といいますと、 こんな感じで、*こうげき力とか、*防御力とか、そういうものをイメージしてます。このフリオさんは攻撃力も防御力も100以上でかなり高いですが、 *ちせいをみてみますと、1と、高いとは全く言えない。 一方、このマリアさんは、攻撃力、防御力は高いとはいえませんが、ちせいは36とぼちぼちな数字を出してます。
  32. で、パーティは、攻撃力が高い人ばかりあつめてもダメでして、多様な人を集めてパーティを組む必要がある。そうでないと強大な敵に勝てないわけなんですね。そのバランスがよければ、勝てる。そんなことは、こどもでもわかるわけです。
  33. で、戻りまして、この業績のメトリクスの中身ですが
  34. 多様な指標をぜひ入れてほしい。その一例として例えば、支援インデックスというようなものが有りうるのではないか、ということです。
  35. 事例ですが、僕の研究室では、オールジャパンのマウス行動解析拠点というのをやってます。
  36. 僕の研究室では、様々な遺伝子改変マウスに網羅的行動テストバッテリーというユニークな実験系を持っています。
  37. この実験系を全国の研究者にオープンに開放してまして、”オールジャパンのマウス行動解析拠点”と称しまして、全国からマウス(と、ヒト)を受け入れて、支援的共同研究を行っています。 毎年 20から30系統のマウスを解析し、この10年弱でこれまでに102の研究室と共同研究を行っております。
  38. で成果も様々なものがでてます。
  39. しかしですね、これだけがんばってもですね、支援的共同研究では(普通は)研究費も取れないし、人事ポストを得るのは困難なんです。 なぜか。
  40. 単一の指標しかみていないから!です。 単一の指標、というのは言い換えれば、
  41. 第一著者 / 責任論文の インパクト・ファクターのことです。ということで[次]
  42. ミドル著者論文の引用数などもみてください!つまり、支援インデックスのようなものも見てください。
  43. というようなご意見をいただくことがあり、これは根強いんですが、研究費も人件費も数値指標ですので、どこかで変換はしなければいけないのです。
  44. 数値指標といっても、最終的には多様な指標を参考にしてそれらを睨みつつ、自己アピールとしての実績の記述を精査して、最後は評価者が主観的に判定するようにするわけです。ですので、数値はあくまで参考にすぎませんが、主観だけの暴走は圧倒的に防ぐことができます。たかが数値、されど数値。
  45. 3つめの提案ですが、 多様なひとの評価ですが、 多様なキャリアパスに繋げよう、ということです。
  46. 現在では、Principal Investigatorを目指すトラック、研究者トラックしか、まともな職、常勤・テニュアのトラックとしてはないわけですが、これに、技術員のテニュアトラックとか、アドミニストレーターのテニュアトラックを設けませんか、ということです。
  47. 事例ですが、MITではテクノロジーのインスティチュートというくらいで、技術を持つひとに対するリスペクトは高いのでは、と思わせるのが、技術職の職階です。
  48. テクニカルアシスタントからはじまって、…などなど。
  49. このような職階によってアドオン収入をつけ、競争的にするようにすれば、技術トラックのひとのモチベーションも高まるでしょう。
  50. あと、詳細な説明は省略いたしますが、これらの別のトラックは、その人の適性や興味によってトラック間の移動が可能になるようにしておきます。 多様な指標をみてみれば、その人がどんなことに向いているか、見えてくるのではないでしょうか。 --------- ・リサーチ・トラック:プリンシパル・リサーチアソシエイト(“ミニPI”として独立して研究を行う研究者)、リサーチアソシエイト(PIの下で研究を行う研究者) ・マイスター・トラック:リサーチスペシャリスト(高度で広範な研究補助業務を行う技術員)、リサーチエンジニア(高度で専門的な研究補助業務を行う技術員)、テクニカルアシスタント(高度な技術・知識を必要としない研究補助業務を行う補助員) ・アドミン・トラック:リサーチアドミニストレーター(事務)、パブリックリレーションスペシャリスト(広報専門家)、インテレクチャルプロパティスペシャリスト(知財専門家)、レギュレーションスペシャリスト(規制専門家)、リサーチセクレタリー(研究秘書) ・ミニPIのトラックについては、海外にいる時点でこの制度と研究費(科研費やさきがけなど)に応募できるようにする。
  51. ということで、まとめですが、 「ひとの評価」 で競争と安定のベストミックス! そこから共創を! 以上です。
  52. で、最終的に評価するのが評価者の主観だとしますと、評価者の評価もする必要があるでしょう。 評価者の評価は、世の中では最近は、よく行われているわけでして、例えば、
  53. アマゾン方式はまさに評価者の評価もしているわけです。 本のレビューの点数が出ているのは、もちんろんですが、
  54. レビューにも、*参考になったかどうかの評価があり、 さらにその*評価者にも、*これまでのレビューの総合点をもとにして、レビュワーランキングが付いているわけです。 *評価のコメントをオープンに公開して、それに対しても評価をつける。 こういうことがアカデミアでも有効だと思われます。 研究そのものではなく、研究の評価では一流、というような人が出てきてもいいのではないでしょうか。
  55. でカテゴリー振り分けの方法ですが、 *過去の実績の評価を主として、ほぼ自動的に算出されるような各種の指標、メトリクスリポートが参考として添付されています。 *このメトリクスレポートには、多様な数値指標の値が記されているわけです。 *で、研究計画は、カテゴリー振り分けには用いない、というのを原則としておきます。