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Kiteの少年と学ぶUE4.11の新シェーダ
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Unreal Fest 大阪 2016で発表した資料です。
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Kiteの少年と学ぶUE4.11の新シェーダ
1.
Unreal Fest Osaka
| 2016 Kiteの少年と学ぶ UE4.11の新シェーダ
2.
内容 ● Eyeマテリアル ○ 各部名称 ○
Content Examplesのマテリアル ○ 改造方法 ● Hairマテリアル ○ Content Examplesのマテリアル ○ 少年のマテリアルを調整 ○ よりリアルにするための改造 ○ ライトの問題について
3.
Eyeマテリアル • Content Examplesにマテリアル例がある M_EyeRefractive 特にこだわりがなければこれを使うほうが楽 •
実際に使用されているマテリアルインスタンス M_Sparrow_EyeRefractive_Inst Sparrowって何? Paragonの彼女
4.
Eyeマテリアル:各部名称 • コメント等に英単語があるので簡単に解説 • Iris:虹彩 黒目の周りの模様 •
Pupil:瞳孔 いわゆる黒目 • Sclera:強膜 いわゆる白目 • Limbus:角膜輪部/角膜縁 虹彩と白目の境目の部分 出典: Wikipedia
5.
Eyeマテリアル:Content Examples • M_EyeRefractive シェーディングモデルは当然Eye 複雑 関数1つ、Custom1つ 関数内にはCustom2つ 全部は説明できない
6.
Eyeマテリアル:Content Examples • ML_EyeRefraction 核心部の関数 機能は2つ 前眼房の屈折からUVを求める 虹彩マスクを求める
7.
Eyeマテリアル:ML_EyeRefraction • Iris UV
Mask 全体UV上の虹彩のマスクを求める テクスチャは白目と虹彩を分けている 合成時にこれを使用する メッシュのUVは白目用 • IrisUVRadius 虹彩部分が最終UV座標に対してどの程 度のUVサイズになるか • UV メッシュのUV • LimbusUVWidth 角膜輪部の幅をUV座標で指定 x:テクスチャブレンド幅 y:シェーディングブレンド幅
8.
Eyeマテリアル:ML_EyeRefraction • Refraction Direction 前眼房に侵入した光の屈折ベクトルを求める •
InternalIoR 前眼房のIoR ほぼ水と同じ 外部のIoRは空気のものを使用 Customコード内部にマジックナンバー • NormalW ワールド空間の法線ベクトル • CameraW ワールド空間の視線ベクトル
9.
Eyeマテリアル:ML_EyeRefraction • 深度オフセット 前眼房の膨らみに対応する深度オフセットを入れている 平面で見ると虹彩部分が凹んでいるのがわかる
10.
Eyeマテリアル:ML_EyeRefraction • 出力Transparencyの計算は間違ってる? 上のSubtractが元のもの、下のDivideが修正したもの Bへの入力は同じもの Eyeマテリアルは半透明ではないので、現在は使用していない 多分今後も使用しない
11.
Eyeマテリアル:M_EyeRefractive • 黒目のサイズを変更しているCustomノード 黒目は虹彩テクスチャに描かれている このサイズをスケール値で設定する 基本は縮小だが、拡縮どちらでも虹彩がゆが むので注意 通常の虹彩ならほぼ気にならない
12.
Eyeマテリアル:M_EyeRefraction • UseEyeBuldge BuldgeはBulgeのtypoと思われる メッシュに前眼房の膨らみがあるならどちら でもよさげ 結果にほぼ変化がない メッシュが完全な球形ならTrue推奨 True False
13.
Eyeマテリアル:少年に適用した結果 • 上がオリジナル、下がM_EyeRefraction オリジナルは実は2つのマテリアルで構成 虹彩、白目の不透明マテリアル 屈折を表現する半透明マテリアル 半透明メッシュは膨らみあり M_EyeRefractionは1つだけ 半透明メッシュに適用 不透明側は非表示 オリジナルはまつげが消える 加算合成が絡んでる? 右目(奥)の屈折 下の方が屈折の結果は正しく見える 眼力が違う オリジナル M_EyeRefaction
14.
Eyeマテリアル:改造方法 • 各種パラメータの調整 瞳孔のサイズ、虹彩のサイズがメイン 生気のない目はラフネスを上げると良い • 虹彩のテクスチャ 眼の色に合わせたテクスチャを用意する ちょっと特殊な虹彩もあり 画像のようなものもできる 写○眼とかもうまくやれば作れるかも
15.
Hairマテリアル • Content Examplesにマテリアル例がある M_Character_Hair そのまま使うのは難しい ただし参考にできる部分は多い •
TemporalAAの利用を推奨 特にヘアプレーンを使用する場合 板を複数枚重ねるタイプ OpacityMaskで抜いた部分が特に汚くなる
16.
Hairマテリアル:Content Examples • パッと見は複雑だが、見た目ほど複雑ではない そのままは使えないので重要な部分をピックアップ •
Scatter, Roughness, Backlitは定数 下手に変化させるより定数の方が扱いやすい Backlitは廃止予定 • Tangent 髪の流れを設定する 重要 • Pixel Depth Offset (PDO) 実はとても重要 • Edge Mask ポリゴンを水平に見た際のOpacityMask処理 • 各種ノイズ OpacityMaskとPDOのノイズはTemporalAAを使うこ とを意図している
17.
Hairマテリアル:少年の髪を調整 • Tangent
18.
Hairマテリアル:少年の髪を調整 • Tangent 髪の流れを指定するTangentMapを別途作成 髪の流れがタンジェント空間に対して一定ではなかったから FlowMapと作り方は同じ 今回はSubstance Painterを使用 http://monsho.blog63.fc2.com/blog-entry-198.html Tangentをそのまま使うか法線マップとの外積からBinormalを求め、再び外積をとってTangentに戻 す TangentのZ値をノイジーにするならそのまま使っても問題なかった TangentのZ値をノイジーに Content
Examplesと同様、-0.3~0.3の範囲内 LerpのAlphaには法線のZ値かラフネスマップの結果を使用 法線のZ値を加工した方が個人的には良かった
19.
Hairマテリアル:少年の髪を調整 • Scatter
20.
Hairマテリアル:少年の髪を調整 • Scatter MinとMaxの間をラフネスマップの結果でLerpするようにした ソリッドメッシュの場合は定数より良かった 定数ではちょっと綺麗すぎる Fresnelを利用してエッジ部分のScatterが強くなるようにしてみた 効果は限定的でイマイチ なくてもいいかも
21.
Hairマテリアル:少年の髪を調整 • Roughness Scatterと同様にMinとMaxを指定してLerp Scatterと違ってそれほど効果はないので定数でも良かったかも • Base
Color 定数、もしくはオリジナルのカラーマップ 定数で十分な印象 調整もしやすい • Pixel Depth Offset 地肌が見えてしまったりとあまり良い結果を得られない ソリッドメッシュに対してはオススメできない
22.
Hairマテリアル:少年の髪を調整 • 結果 オリジナル 調整後
23.
Hairマテリアル:少年の髪を調整 • 結果 オリジナルはSubsurface Profileで作成されている すこしNPR調 陰影が深い 調整後は艶がかなり出ている ちょっと出すぎていて綺麗すぎる しかし、あまりノイジーにし過ぎるとそれはそれでリアリティがなくなる カメラから遠い場合はラフネスを下げた方が見栄えがいい テクスチャ等、ちゃんと調整した方がいい ソリッドメッシュ単体だと調整が難しい
24.
Hairマテリアル:よりリアルにするために • Sparrowさんに学ぶ 髪のメッシュは2段階 ベースとなる形状はDefaultLit その上に薄くかぶせるようにベースと似た形状のHairマテリアル、OpacityMaskあり HairマテリアルはContent Examplesにものに似ている •
少年モデルにも適用してみた 髪メッシュをコピーして2重化 マテリアルは別に設定 薄くかぶせるようにするのはワールドポジションオフセットを使って法線方向に膨らませて対応 かぶせる方(ヘアラインメッシュ)はContent Examplesのものをほぼそのまま移植 TangentのみTangentMapを使用している その他テクスチャの差替
25.
Hairマテリアル:よりリアルにするために • 結果 メッシュ2重 化 Hairマテリアルのみ
26.
Hairマテリアル:よりリアルにするために • 結果 2重化すると髪のボリューム感、束感が出る しかし綺麗かと言われるとイマイチな感じ 硬い感じがする Hairマテリアルのみは綺麗すぎるが、どちらがいいかと言われると… OpacityMapを別途作成したが、これをもうちょっと綺麗にするといいかも • Content
Examplesのマテリアルとの違い OpacityMaskにDitherを利用していない ベースメッシュとPDOを使用している場合は不要 結果は少し変わってくるが、比較しないとわからない程度 TangentMapの使用 使用しているテクスチャの種類 OpacityMapはラフネスマップを調整して作成 Unique_Hair_Valueの代わりはラフネスマップ
27.
Hairマテリアル:よりリアルにするために • Pixel Depth
Offsetの有無による違い PDOを使用するとOpacityMaskのDitherは不要 深度テストの関係でベースモデルに遮られて非表示となるため 使用しないとヘアラインが平坦になる PDO:OFFPDO:ON
28.
Hairマテリアル:よりリアルにするために • ベースメッシュをDefaultLitではなくHairマテリアルにしてみたらどうか? 髪束感が残りつつ綺麗になってる ただし処理速度に注意 Hairのみ DefaultLit
+ Hair Hair + Hair
29.
Hairマテリアル:ライトの問題について • Hairシェーダでは法線が存在しない 髪のような細い糸状の物体では裏面があまり意味を成さない しかし、髪が束になれば光の当たらない面も考慮する必要がある 法線が存在しないため、光の当たらない面がライト計算だけでは規定できない • ではどうやって陰影を求める? シャドウを利用する 光源がシャドウキャストをしない場合は光が透けてしまうので注意!
30.
Hairマテリアル:ライトの問題について • シャドウキャストしておけば問題ない? シャドウマップの精度が問題になる シャドウとして割り当てられるピクセル数が少ないと正しい遮蔽情報が得られない ライトビルド前のStationaryLight、ライトビルドとは無関係なMovableLightは影響を受けやすい StationaryLightはライトビルド後にオブジェクトごとのシャドウマップが作られるのでかなりマシ MovableLightで綺麗に描画したい場合はオブジェクトごとに “Dynamic
Inset Shadow”を有効にする ただし重い Stationary(ビルド前 ) Stationary(ビルド後 ) Movable
31.
結論 • Content Examplesは偉大 製品に載っているアセットも含まれてたりする 新しいExampleが追加されてたらチェックしよう! •
シェーディングモデルが追加されても適切なマテリアルが作成できなければ意味がない マテリアル側で対応しなければいけない部分も多い Eyeマテリアルの屈折 HairマテリアルのPDO など Content Examplesだけだと不十分な場合もある Hairメッシュの2重化 検証してみないとわからない 検証結果を公開すると喜ぶ人も多い 集合知でUE4を攻略していこう!
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