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20220118_オンラインイベント時の音源利用と著作権（弁護士山城尚嵩）
- 2. 【自己紹介】 弁護士 山城尚嵩 ▼ 所属・生い立ち等 STORIA法律事務所（神戸・東京） 弁護士登録6年目 関西学院大学法学部非常勤講師 神戸生まれ神戸育ち（山城という名字ですが・・） ▼ 専門とする法領域 著作権法・個人情報保護法 1 https://storialaw.jp/lawyer/3250 yamashiro@storialaw.jp
- 3. 【自己紹介】 ▼ 事業領域 コンテンツ事業、IT事業、スタートアップ支援、アーティスト支援 ▼ 活動・資格等 – 音楽家のための法律相談サービス「Law and Theory」（2021~） – MPA音楽著作権管理者講座修了（2021） – AI法研究会（2020～） – スキルアップAI講師（2021～） – 東京都先端医療機器アクセラレーションプロジェクト登録専門家 （2021～） 2
- 4. ▼ 音楽家のための法律相談サービス「Law and Theory」 ➢ 公式HP（https://law-and-theory.com/） ➢ 連載 3 出典：https://magazine.tunecore.co.jp/taglist/law-and-theory-for-artists/ 【自己紹介】
- 6. 5 【本日の目標】 ➢ 著作権法の基本概念をざっくり理解する。 ➢ 音源と著作権法の関係をざっくり理解する。 ➢ 権利処理の方法をざっくり理解する。
- 15. 14 【本日のテーマ】 １ 著作権法の基礎知識 ２ 音源と著作権・原盤権 ３ 配信利用に必要な権利処理 ４ 結婚披露宴等での音源利用
- 16. 15 【本日のテーマ】 １ 著作権法の基礎知識（スライド９枚） ２ 音源と著作権・原盤権 ３ 配信利用に必要な権利処理 ４ 結婚披露宴等での音源利用
- 17. ■ 一つのスライドにまとめてみた。 16 第１ 著作権法の基礎知識 著作物を 創作した人 （著作者） 著作物 著作者に発生する権利 １ 著作権（財産的権利） ：第三者に譲渡可能 ２ 著作者人格権（人格的権利） ：第三者に譲渡不可
- 18. ■ 著作権法で保護される「著作物」とは？ 著作権法＝著作物を保護する法律 著作物＝人の思想または感情を創作的に表現したもの ⇒著作権法は「創作的な表現」 (=著作物)を保護する法律 17 第１ 著作権法の基礎知識
- 24. ■ 著作隣接権とは ：著作物そのものに発生する権利ではないが、 著作物を伝達する者に与えられる権利 （再掲） 23 第１ 著作権法の基礎知識 出典：文化庁著作権課「著作権テキスト～初めて学ぶ人のために～令和２年度, p4参照 実演家：著作物を演じる者（e.g. 歌手・俳優) レコード製作者：音を最初に録音した者 （e.g. レコード会社） 放送事業者／有線放送事業者： 同じ内容を受信者の手元まで無線／有線で同時 に送信する事業者
- 25. ■著作権法の基本概念のまとめ – 著作権法：著作物を保護する法律 – 著作物：人の思想または感情が表れた創作的な表現 – 著作者：最初に著作物を創作した人 – 著作権：著作物に発生する財産的権利(権利の束) – 著作者人格権：著作者に発生する人格的権利(権利の束) – 著作隣接権：著作物を伝達する者に認められる権利 – 著作権者：著作権を有する者 – 著作隣接権者：著作隣接権を有する者 24 第１ 著作権法の基礎知識
- 26. 25 【本日のテーマ】 １ 著作権法の基礎知識 ２ 音源と著作権・原盤権（スライド12枚） ３ 配信利用に必要な権利処理 ４ 結婚披露宴等での音源利用
- 27. ■ 音源に発生する権利（重要） 26 第２ 音源と著作権・原盤権 音楽の著作権 実演家の 著作隣接権 作詞家 作曲家 ② 原盤制作者 ③ アーティスト ① レコード製作者 の著作隣接権
- 28. ■ 音源に発生する権利（重要） 27 第２ 音源と著作権・原盤権 音楽の著作権 実演家の 著作隣接権 作詞家 作曲家 ② 原盤制作者 ③ アーティスト ① レコード製作者 の著作隣接権 総称して「原盤権」と 呼ばれることが多い。
- 30. ■ 音源に発生する権利①：音楽の著作権 ・音楽著作権は通常、JASRAC/NexToneが管理 29 第２ 音源と著作権・原盤権 作詞家 作曲家 著作権 音楽 出版社 著作権 管理事業者 ・JASRAC ・NexTone 利用者 使用料 譲渡 信託譲渡 /委任 利用許諾 使用料 支払い 分配 再分配 著作権 著作権
- 35. ■ 音源に発生する権利②：原盤権 34 第２ 音源と著作権・原盤権 ミュージシャン （実演家） プロダク ション 原盤制作者 利用者 利用料 譲渡 譲渡 利用許諾 利用料 支払い 印税 分配 印税 分配 実演家の 著作隣接権 原盤権 レコード製作者 の著作隣接権 実演家の 著作隣接権 実演家の 著作隣接権
- 36. 35 ミュージシャン （実演家） プロダクション 利用者 利用料 譲渡 利用許諾 利用料 支払い 印税 分配 印税 分配 実演家の 著作隣接権 原盤権 レコード製作者 の著作隣接権 譲渡 作詞家 作曲家 著作権 音楽 出版社 JASRAC/NexTone (著作権管理事業者) 譲渡 信託譲渡 /委任 利用許諾 使用料 支払い 分配 再分配 著作権 著作権 使用料 実演家の 著作隣接権 実演家の 著作隣接権 原盤制作者
- 37. 36 ミュージシャン （実演家） プロダクション 原盤制作者 利用者 利用料 譲渡 利用許諾 利用料 支払い 印税 分配 印税 分配 実演家の 著作隣接権 原盤権 レコード製作者 の著作隣接権 譲渡 作詞家 作曲家 著作権 音楽 出版社 JASRAC/NexTone (著作権管理事業者) 譲渡 信託譲渡 /委任 利用許諾 使用料 支払い 分配 再分配 著作権 著作権 使用料 【重要】 音源を利用する場合、 利用者は、 ①JASRAC／NexTone【著作権】 ②原盤制作者【原盤権】 という２つの権利について利用 許諾を得る必要がある！ 実演家の 著作隣接権
- 38. 37 ミュージシャン （実演家） プロダクション 原盤制作者 利用者 利用料 譲渡 利用許諾 利用料 支払い 印税 分配 印税 分配 実演家の 著作隣接権 原盤権 レコード製作者 の著作隣接権 譲渡 作詞家 作曲家 著作権 音楽 出版社 JASRAC/NexTone (著作権管理事業者) 譲渡 信託譲渡 /委任 利用許諾 使用料 支払い 分配 再分配 著作権 著作権 使用料 【重要】 音源を利用しない場合 （例）・歌ってみた配信 ・弾いてみた配信 ・原盤制作者は無関係。 ↓ ・JASRAC/NexTone【著作権】 にのみ許諾を得ればOK ↓ ・YouTubeなどであれば 個別の許諾不要(今からのお話) 実演家の 著作隣接権
- 39. 38 【本日のテーマ】 １ 著作権法の基礎知識 ２ 音源と著作権・原盤権 ３ 配信利用に必要な権利処理（スライド24枚） ４ 結婚披露宴等での音源利用
- 46. ■ 著作権の権利処理 45 第３ 配信利用に必要な権利処理 出典：JASRACウェブサイト「YouTube等の動画投稿サービスでの音楽利用について」 個人の「歌ってみた」・「弾いてみた」動画など
- 51. ■ 著作権の権利処理 ・JASRACウェブサイトの 動画配信時のフローチャート 50 第３ 配信利用に必要な権利処理 出典：JASRACウェブサイト「動画投稿（共有）サービスでの音楽利用」より
- 53. 52 第３ 配信利用に必要な権利処理 ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・ 利用者が、原盤制作者から 個別に利用許諾を得ることが原則。
- 54. 53 第３ 配信利用に必要な権利処理 ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・ 利用者が、原盤制作者から 個別に利用許諾を得ることが原則。 ↓ ・【重要】原盤権(配信)の集中管理は未整備。 （著作権はJASRAC/NexToneが管理） ・【重要】原盤権については、 配信プラットフォームの権利処理が 十分とはいえない。 ↓ ・基本的には、原則どおり個別の権利処理が必要。
- 55. 54 第３ 配信利用に必要な権利処理 ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・ 利用者が、原盤制作者から 個別に利用許諾を得ることが原則。 ↓ ・【重要】原盤権(配信)の集中管理は未整備。 （著作権はJASRAC/NexToneが管理） ・【重要】原盤権については、 配信プラットフォームの権利処理が 十分とはいえない。 ↓ ・基本的には、原則どおり個別の権利処理が必要。
- 58. ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・YouTubeの「Content ID」 57 第３ 配信利用に必要な権利処理 出典：Google合同会社「YouTubeにおける権利者による著作物の利活用」（デジタル時代における著作権制度・関連政策の在り方検討タスクフォース（第３回）資料２）より
- 59. ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・YouTubeの「Content ID」 58 第３ 配信利用に必要な権利処理 出典：Google合同会社「YouTubeにおける権利者による著作物の利活用」（デジタル時代における著作権制度・関連政策の在り方検討タスクフォース（第３回）資料２）より
- 60. ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・YouTubeの「Content ID」 ⇒ 権利的に「OK」とまではいえない。 59 第３ 配信利用に必要な権利処理 出典：Google合同会社「YouTubeにおける権利者による著作物の利活用」（デジタル時代における著作権制度・関連政策の在り方検討タスクフォース（第３回）資料２）より
- 61. ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・まとめ（原盤権の処理は、制度の過渡期といえる状況） ・「音源」そのものを利用する場面の原盤権の処理は、 著作権（JASRAC／NexTone）のような画一的な処理が 現状難しい。 ・ 現状考えられる方法としては、 １ 原盤権者に個別で承諾を得る ２ 許諾を得ているプラットフォームで利用する ３ 音源そのものの利用はしない という方法しかないように思われる。 60 第３ 配信利用に必要な権利処理
- 63. 62 第３ 配信利用に必要な権利処理 ■ 音源そのものの利用方法（原盤権の処理） ・おまけ（原盤制作者側の気持ち） 出典：ねとらぼ「“恋ダンス”動画削除を」 星野源が所属するレコード会社が要請、9月以降は削除手続き（2017年9月1日）
- 64. 63 【本日のテーマ】 １ 著作権法の基礎知識 ２ 音源と著作権・原盤権 ３ 配信利用に必要な権利処理 ４ 結婚披露宴等での音源利用（スライド５枚）