Weitere ähnliche Inhalte Ähnlich wie シビックテックにとってのオープンデータ (20) Mehr von Kouji Kozaki (20) シビックテックにとってのオープンデータ2. 自己紹介
古崎(こざき)晃司
所属: 大阪大学産業科学研究所 准教授
専門: 情報科学(オントロジー工学)
=“かしこい”コンピュータ(ソフトウェア)を作る
→学問にとどまらず,世の中で使われる技術を作りたい
大阪生まれ・大阪育ち(茨木・高槻),大阪在住(高槻)
オープンデータとの関わり
LODチャレンジ実行委員会(2011~) 関西支部長
→Linked Open Dataを技術普及させたい
「LODチャレンジ2014」への応募作品を増やしたい
特に,地元「大阪(関西)」でのコミュニティを大きくしたい
2015/2/11 2
研究成果として
公開中のソフト
関西オープンデータEXPO’15
6. オープンデータとは
オープンデータとは
誰でも自由に使える形で公開されているデータ
オープンデータの定義(Open Definition)
“Open data and content can be freely used, modified,
and shared by anyone for any purpose”
(http://opendefinition.org/)
オープンデータでない例
改変や再配布が禁止されている
利用者を限定 例)学術機関のみ,個人利用不可
利用目的を限定 例)商用利用不可,コンテスト応募目的のみ
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 6
7. オープンデータの2つの観点
ライセンス(cf.クリエイティブコモンズ)
使用目的を限定せず(例:商用も可),再配布,改変も可
「作成者のクレジットの表示」の義務付け程度の制限はOK
→“まじめな人”(※)が,安心して使える
=より多くの人の利用が見込まれる
(※悪いことをする人は,ライセンスを気にせず勝手に使う)
機械可読な形式
プログラムで処理しやすいフォーマットが望まれる
→“使いたい人”が,簡単に使える
=低コストで多くのアプリ(活用事例)が作れる
LOD(Linked Open Data)は,「オープンデータの5つの段階」
で「5つ星」と言われている公開方法
(http://5stardata.info/ja/ 参照)
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 7
LODについて詳しくは,
午後の「ハンズオンセッションB」
&2/21の「IODD大阪」にて
19. 2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 19
Linking Open Data cloud diagram 2014, by Max Schmachtenberg, Christian Bizer, Anja Jentzsch
and Richard Cyganiak. http://lod-cloud.net/
1つの丸が個別に公開
されたLOD(DB)を表す
2014/08/30時点
行政関係
のデータ
公開されているオープンデータ
の例~LODクラウド~
メディア
地理空間
出版
(教育・図書館)
ユーザ作成
データ
政府情報
クロス・
ドメイン
ライフサイエンス
SNS
言語
20. LODチャレンジ応募作品にみる
様々なオープンデータ
LSJ: Location Site of Japanimation
http://cheese-factory.info/
アニメ・ライトノベルの「聖地情報」
ねじLOD
http://monodzukurilod.org/neji/
オープンデータで通勤問題解決プロジェクト
http://idea.linkdata.org/idea/idea1s35i
京都が出てくる本のデータ
http://linkdata.org/work/rdf1s1294i
プラネタリウムLOD
http://lod.sfc.keio.ac.jp/challenge2014/show_status.php?id=d017
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 20
22. オープンデータの公開から利用
まで,各段階での関わり方①
データの作成・公開
業務で作成したデータを公開するだけではなく,
- 趣味の(?)データ作成
- イベント等で有志が集まって行うデータ作成
など,様々な取り組みがある.
例)オープンデータで通勤問題解決プロジェクト
→駅の階段の段数などを,手分けして“数えて”データ化
主な取り組みの例
ウィキペディア・タウンに向けた取り組み
街歩き,図書館等で資料収集を行い,その結果を「ウィキペ
ディアの記事」として執筆.
マッピングパーティ
オープンストリートマップ(OSM,誰でも自由にフリーで利用で
きる地理情報)の地図作りを行うイベント.
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 22
OSMについて詳しくは,
午後の「ハンズオンセッションA」にて
24. オープンデータの公開から利用
まで,各段階での関わり方③
データ利用②
「活用方法」を考える.<アイデアソン>
第3者が考えることで,データを公開した人が“思いもよら
ない”活用法を思いつくことも!
データを“使うこと自体”が目的でない.“利用者のニーズ”
を考える(=自分も欲しいと思う)ものを作るのが大事.
「サービスやアプリ」を開発する.<ハッカソン>
アイデアは,サービスとして“実現して,なんぼ”.
良いアイデアがでたら,ぜひとも,何らかの形に!
良いものが出来たら,1回のイベント限りで終わらせるの
ではなく,開発を“継続できる仕組み”を…
→自分が“おもろい”と思える+周囲の評価+???
※ハッカソンは“アプリをただで作ってもらう場”ではない
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 24
アイデアソンを体験したい方は,
午後の「ハンズオンセッションC」にて
26. オープンデータに関わる
“立場”と“考え方”①(私見)
産
オープンデータで新しい,ビジネスを!
オープンデータが「直接」ビジネスにつながるのではない.
まずは,データ取得コストの削減など,間接的な効果から.
オープンデータと,独自データとの組み合わせが鍵.
官
他の(国,省庁,自治体)もしているからする...
予算をかけた分,何らかの成果が必要…
“目先の成果”だけを求めるのではなく,オープンデータが社会
のインフラとして,持続的につづけられる仕組みが大切.
国レベルと,自治体レベルでは,目指すところが異なる?
自治体レベルでは,“地域に根ざした”オープンデータの活用
が重要.
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 26
27. オープンデータに関わる
“立場”と“考え方”②(私見)
学
(政策系)オープンデータの施策を如何に進めるか?
(IT系)技術を提供する対象としてのオープンデータ.
“学術的な価値”をどこに見いだすかが問題.
“実問題”に取り組むことの難しさ(=おもしろさ).
民
(一般市民)自分の生活に,どう関係するの?
一般市民(の一部でも)が,“使って(ちょっと)良かった”と思え
るものを,作ることが必要.
そのためには,ニーズを伝える場の活用を!
(エンジニア)自分のスキルを活用する場になる?
新しい技術としてのオープンデータ(やLOD).
技術的には“普通(そんなに,すごくない)”でも,ユーザのニー
ズに合致すれば“実際に使われる”ものが作れる?
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 27
29. Civic Hack Osakaの成果
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 29
解決したい問題
1. 行政が発信する情報が,なかなか市民に届かない.
2. 新しい仕組みを導入する際に,行政職員の作業コストを増
加させたくない.
→既存の情報・仕組みを,
うまく活用することで解決したい.
解決のアプローチ
1. すべての情報を一律に提供するのではなく,利用者が
「関心のある/必要な」情報のみを(プッシュ)配信する
2. 既に多くの情報が配信されているRSS(ホームページの新着
情報のデータ)を利用することで,作業コストを増やさずに
サービスを実現
→「PUSH大阪」の開発
市民が広報誌や
HPを読まない
業務は増やし
たくない
http://push.jp.net/
33. その後の取り組み
ハッカソン後も開発を継続
App Storeでアプリ版を公開
他の地域に展開した汎用版
「PUSH広報」を開発
諸々の機能拡張...
LODチャレンジ,アーバーン
データチャレンジに応募
現在,78都市に対応!
次バージョンを開発中...
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 33
78都市に対応
(2015/02/11現在)
PUSH広報
35. シビックテックにとっての
オープンデータ
Civic Hack Osakaを通して感じたこと
現場のニーズに即して開発したアプリは,いろんな
人から高く評価される.
自分自身が“おもろい”と思えることが,継続して開
発をつづける原動力(+やはり,締切も大事…)
シビックテックにとってのオープンデータ
IT技術者×行政×市民=“使える”サービス!
行政×市民 → 現場のニーズ
技術者 → 解決につながるシーズ
“オープンデータ”は,この相乗効果を起こす,1つ
のきっかけとなりうる.
“小さなこと”からコツコツと…
2015/2/11 関西オープンデータEXPO’15 35
双方からの
相乗効果が重要!