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キムワイプ卓球における得点の
複素数への拡張
前田健登
(東京大学キムワイプ卓球会)
§1 背景
理念: 「理系共通基盤としてのキムワイプ」を
軸とした人的交流
1.1 複素数導入の必要性
勝敗は必ずしも重視されない
1.1 複素数導入の必要性
勝敗を重視しない性質を
内部に組み込んだルールも用意したい.
図の出典: wikipedia「複素平面」2017/05/20閲覧。
https://ja.wikipedia.org/wiki/複素平面
非負整数上の得点体系
複素数上の得点体系
大小関係がない
1.2 “トンネル効果”
キムワイプ卓球の「環境依存性」に由来する現象.
通称”トンネル効果”とは…...
1.3 トンネル効果による拡張
“トンネル効果”による得点の複素数への拡張:
「“トンネル効果”が確認された時、+i点を得る」
問題点
1点の加点と i点の加点が質的に全く異なる
複素平面上の回転対称性がない
「キム場」の周期性に注目し、そこに「位相」を導入して
複素数に拡張する方法を論じる。
2.1 キム場
§2 n人キムワイプ卓球
複素数への拡張の重要性は、
その不公平性から、特に
3人以上の実験者で行う
キムワイプ卓球
に関して指摘されてきた。
n人で行う一般のキム卓系
→「キム場」の概念と共に導入 ▲n=2に対応する.
2.1 キム場
キム場(Kim-Field)
……Iwatsuki(2016)により導入された概念
平たく言えば、
サーブの成功により生成され、
レシーブの失敗により消滅する、
キム卓が行われる「場」のこと.
IWATSUKI, K. Laws of Kimwipe Table Tennis.
Scientific Sports, [S.l.], v. 1, n. 1, p. 1-4, sep. 2016.
Available at:
<https://journal.iktta.org/index.php/ss/article/view/1>.
Date accessed: 03 may 2017.
2.2 n人キムワイプ卓球の設定
Iwatsuki(2016)は、n人でキムワイプ卓球を実験するための
ルールを、「キム場」の概念を用いて提案している。
例) n=3
台
E1
E2
E3
C1
C2
C3
‘Generator’
キム場:
生成
キム場:
維持
ここでは
反時計回りのみ許容
キム場:
消滅
E1とE2に各1点を与える.
2.3 n人キムワイプ卓球の不公平性
n人キムワイプ卓球では、実験者の並べ方次第で、
その巧拙を十分に反映しない結果となりうる。
例) n=3
台
E1
E2
E3
‘Generator’C1
C2
C3
返しやすい球
速い球
E3の失点の原因を作った
E1も1点を得るため、
E1よりE3の方が上手い場合でも
得点はE1の方が大きくなりうる。
ωt
O
x
y y
O
eiωt
位相
§3 キム場の位相
3.1 振動の位相と複素数
t
y=sinωti
(初期位相の違いを無視すれば)
調和振動子の周期運動はeiωt(の実部)で表すことができる。
phase
3.2 キム場の周期性
E1C1
C2
C3
キム場が維持され続ける場合、キム場の維持に関して
責任を負う実験者はE1→E2→E3→E1→E2→…...と周期的に遷移する。
E2
E3
x
yi
3.3 キム場に対する位相の導入
周期性を持つ遷移の各段階は、位相φを用いて指定できる
。
C1
C2
C3
E1
φ2= π
2
3
φ2
φ3= π
4
3
φ3
φ1=0
φ1
E2
E3
定義: キム場の位相(1)
実験者Ekがキム場の維持に責任を負っているとき(Ek-1がキム場の
維持または生成に成功してからEkがキム場の維持に成功するまで)、
またはEkがキム場の生成を図っているとき、キム場は位相:
を持つという。
φ=
2(k-1)π
n
3.4 キム場に対する位相の定義
E1, E2, E3, …..., En のn人で行う一般のキムワイプ卓球系を考える。
Ejがキム場を生成するとき、キム場の維持に関して責任を
負っている実験者は
Ej→Ej+1→……→En→E1→E2→E3→……→En→E1→E2→E3→…… と周
期的に遷移する。
3.4 キム場に対する位相の定義
位相は、より自然に、キム場が消滅するまで実験の進行に従っ
て常に増大するよう定めることもできる。
n
2(i+j-2)π
定義: キム場の位相(2)
実験者Ejがgeneratorを務めたとする。このとき、i回目の打球に
おいては、実験者Ek (k≡i+j-1 mod n) がキム場の維持に関して責任
を負う。そこで、i回目の打球時(i-1回目の打球でキム場の維持また
は生成に成功してからi回目の打球でキム場の維持に成功するまで)に
おけるキム場の位相を、次の式で定める。
φ=~
位相2πの違いは意味
を持たないから、2つの定義は同じ結果を与える。
cf. φ=
2(k-1)π
n
§4 位相と得点
4.1 位相による拡張
定義: 位相が定められたキム場における得点
キム場には前述の方法で位相が定められているとする。
キム場が位相φを持つ条件下で、キム場が消滅した(または
キム場の生成に失敗した) とき、キム場を消滅させた(またはキ
ム場の生成に失敗した)者以外の実験者に与えられる得点を
eiφ(=cosφ+isinφ) で定める。
4.1 位相による拡張
例) n=3
xC1
C3
yi
E2
φ= π4
3
φ
E1
E3 √31
2 2
eiφ= i
得点
C2
x
4.2 キム場の回転変換
例) n=3 yi
B
φ= π4
3
φ
√31
2 2
eiφ= i
得点
A
C
AをE1としたとき
4.2 キム場の回転変換
例) n=3
x
yi
φ
φ= π2
3C
B
A
BをE1としたとき
E1と呼ぶ実験者を変えること: 複素平面上の回転変換
√31
2 2
eiφ= + i
得点
n
4.3 回転対称性
キム場の生成時における位相を初期位相という。
実験者Ejがgeneratorを務めるとき、初期位相φ0は次の式で与えられる。
2(j-1)π
φ0=
従って、初期位相φ0はgeneratorを務める実験者にどの番号を与えるか
(その実験者をどのように呼ぶか)に依存する。
ここで、得点の複素平面上の回転変換は初期位相を変化させることに
対応する。generatorとなる実験者への番号の与え方は任意であるから
、この意味においてこの得点の定義は回転変換に関して対称である。
ただし、許される回転変換は2π/nを最小単位としたものに限られるこ
とに注意する。
§5 結論
5.1 まとめ
キム場の位相
実験者Ekがキム場の維持に関して責任を負っているとき、
キム場の位相は次の式で与えられる。
φ=
2(k-1)π
n
キム場の周期性に注目すると、得点は次のように複素数化できる
。
複素数に拡張された得点
キム場が位相φを持つ条件下で与えられる得点を
eiφ(=cosφ+isinφ) で定める。
5.2 比較
トンネル効果を
用いる
位相を用いる
定義
“トンネル効果”が
確認されたら+i eiφ
対称性
×拡張の
自然さ
×
○
○
5.3 課題
このようにして得点を定めるとき、対面に位置する実験者
の失敗による得点が相殺される。
yi
x
C1
C3
E2
E1
E3
C2
C4
E4
得点が実験結果の記録としての役割を十分に果たさない。
i点
-i点
例) n=4
具体的なキムワイプ卓球実験で、
複素数化された得点について考察することが必要である。
得点の複素数値表示
(本発表での手法)
得点の非負整数値表示
(従来の手法)
比較
ただし、実験中に同時進行で得点を計算していくには、
計算ツールが必須となると思われる。
§6 展望
6.1 事例分析
6.2 複素キム場理論
数学における複素数の重要性の1つは、実数から上手く拡張
された強力な複素関数論の体系にあると思われる。
コーシーの積分定理: fが正則なら
現在、位相や得点は離散的である。
N→∞の極限をとったキム場を考えるなどして、複素関数
論の知見を活かした、理論的により洗練された得点体系を
構築したい。
6.3 統計キム力学
Nが十分大のとき、E1が受け取る球はE1の返し方にはほとんど
よらず、受け取る球の状態はほぼランダムと考えられそうで
ある(等重率の原理)。
E2 E1
E1
E2
E3
…
EN“熱浴”
N大
統計力学的取り扱いができる?
n人キムワイプ卓球では、キム場が壊れやすい。
→「キム場を壊さずにどれだけ維持できるか」を
実験の対象とすることも考えられる。
n
2(i+j-2)π
φ=~そこで、位相を
φは実験の進行に従って増大するから、
これは「キム場を壊さずにどれだけ維持できたか」を表す
量といえる。
と定めると、
~
6.4 キム波
n
2(i+j-2)π
φ=~
このとき、仮想的な複素数の波動である「キム波」の存在が
示唆される。キム場を維持することは、キム波を進行させる
ことに対応する。
図の出典: 本荘(2016)「researchmap 脈動) 波動方程式と脈動原理との相関」
2017/05/20閲覧。http://researchmap.jp/joxkketla-1860158/?lang=japanese
6.4 キム波

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キムワイプ卓球における得点の複素数への拡張

Hinweis der Redaktion

  1. ~0:10
  2. ~0:40 このような理念に基づく交流重視の活動は、勝敗が必ずしも重視されないのが特徴
  3. ~1:20 自分たちで「今日は勝敗を重視せずにキム卓しよう」と思ってやっていた。しかし、その中で「そもそも勝敗重視になりえないようなルールを新しく作ろう」という動きが生まれた。それが、非負整数で表現されていた得点を複素数に拡張しようというもの。複素数には大小関係がないため、もし得点が複素数になれば勝敗という概念自体が自ずから不明瞭になってくる、という仕組みである。
  4. ~2:00 その流れの中で、初期に提案されたものが俗にいう「トンネル効果」を用いるという手法。 「トンネル効果」に現在正確な定義はないが、ボールがネット間の隙間を通り抜けてセーフとなることを指して使われることが多い。 キムワイプ卓球は環境依存型スポーツであり、当事者間の合意さえあればプレイ環境を自由に変えても良いとされている。従ってネットに隙間があるのも許されるわけである。
  5. ~3:00
  6. ~3:40 ところで、特に複素数への拡張の重要性が指摘されてきたのは、3人以上の実験者で行うキムワイプ卓球系についてであった。そこで、しばらく多人数のキムワイプ卓球に関して考えてみることにする。ちなみに実験者というのはいわゆるプレーヤーのこと。キムワイプ卓球はサイエンティフィックスポーツであるから、キム卓をすることは実験と呼ばれていて、この観点からプレーヤーを実験者と呼んでいる。 さて、n人で行う一般のキム卓系は、昨年「キム場」の概念が導入されたことにより、明瞭に表現できるようになった。そこで、そのキム場とは何なのかについて簡単に説明しておく。
  7. ~4:40
  8. ~5:40 その論文中で提案された、キム場を用いたn人キムワイプ卓球の暫定ルールに関する説明を紹介する。 n=3、つまり3人で行う場合を考える。まず一人がサーブをうつ。サーブに成功するとキム場が生成され、そのキム場を維持する責任がE2に移る。そのE2が返球に成功すると、キム場は無事維持され、責任はE3に移る。この E3のうった球が例えばネットに引っかかったら、キム場は消滅し、E3はE1とE2に1点ずつ与える。 ここで、彼らは勝手な方向に売って良いわけではなく、定められた方向の隣のみに打って良い。その方向は、この発表中では常に反時計回りとした。
  9. ~6:30 このn人キムワイプ卓球にはその設定上不公平性があることが指摘されてきた。/例えば。/四角内。/従って巧拙を反映しない。 そこで1点を与えるのではなく何らかの複素数zを用いてz点を与えれば与えれば良い、という発想が出て来る。複素数には大小関係がないので、E1の方が得点が大きくなる、ということも根本的に解消されるわけである。しかし、z点を与えるといっても、その複素数zの上手い選び方とは何なのだろうか。ここからはそれを議論していきたい。
  10. ~7:20 本発表での得点の複素数への拡張法のベースとなる考え方について。周期性を持つ運動としてバネの運動を考える。この時、物体がどこにいるか、すなわち運動が周期性の中でどの段階にあるかはサインカーブに対応する円運動の角度部分を用いて指定できる。この円運動の角度のパラメーターを位相という。さらに、この円運動を複素平面上で考えると、オイラーの公式より物体の位置はexp(iωt)で表される。このようにして、位相という概念を介して周期運動と複素数を結びつけることができる。
  11. ~7:50
  12. ~8:30 原点からE1に向かって実軸をとる。それと直角に虚軸をとる。 原点と実験者を結ぶ角度部分が位相に相当すると考える。例えば、球がE1のところにあるとき、キム場の位相がφ1=0であると解釈する。
  13. ~9:20
  14. ~10:10
  15. ~11:00
  16. ~11:40
  17. ~12:10
  18. ~13:00
  19. ~14:00
  20. ~14:45
  21. ~15:10
  22. ~16:00 勝敗の比較にも使えない、実験結果も記録できない、ではこの「得点」とは一体何なのか、ということになってしまった。これは今後の研究課題とする。
  23. ~16:40 具体的なキムワイプ卓球実験で、得点を複素数で表示するのと非負整数で表示するのとを比較して、両者のメリットデメリットを詳細に検討する。
  24. ~17:20
  25. ~18:00
  26. ~18:45
  27. ~19:30